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          日米激戦地を聖域として護るパラオの人々

                                                    伊勢雅臣
■ No.1077 ■ H17.12.26 ■ 8,222 部 ■■■■■■■■■■■■

     フィリピン群島の東、日本列島のちょうど真南にパラオ諸島。
    戦前は日本統治領で、日本語教育を受けた人々も多い。親日感
    情の強い国である。国旗は日の丸と同じデザインで、青地に黄
    色い太陽が描かれている。

     大東亜戦争中は西太平洋の要衝として、ペリリュー島では、
    日本軍約1万1千人が駐留していた。昭和19年9月、約4万
    の米軍が上陸作戦を開始。米側は当初、「3〜4日で陥落」と
    楽観していたが、日本軍の激しい抵抗で、激戦となった。日本
    軍約1万人が玉砕、米軍も約17百人の死者と約71百人の負
    傷者を出し、約2カ月半後に戦闘終結。多くの遺骨が残され、
    戦後、厚労省や民間団体が収集活動を行っている。

     パラオ人は伝統的に死者への敬意が非常に厚く、外国人であっ
    ても、パラオで亡くなれば「親族」とみなされ、その埋葬地は
    霊が永遠の安らぎを得る聖地とされる。日本兵が眠る玉砕地の
    塹壕跡は無断で足を踏み入れることは許されない。

     ところが、カナダの歴史番組専門ケーブル・テレビのクルー
    が昨秋、「戦後六十年」企画の取材で、立ち入り禁止の玉砕地
    の塹壕後を無断で掘り返し、撮影しようとしたことで、地元警
    察は激怒し、フィルムを没収、罰金刑に処した。

     その後、遺骨収集事業の継続を連絡した厚労省や在パラオ日
    本大使館に対して、パラオ政府は「これからは厳格に適用して
    ゆくことになった」と収集活動の規制強化を通知した。

     パラオ政府の規制強化で、遺骨収集活動にかかわる日本の関
    係者は困惑を隠せないでいる。厚労省による活動再開もめどが
    立ちにくいのが現状という。在日本パラオ大使館のピーター・
    アデルバイ臨時代理大使は「われわれが日本人の遺骨収集活動
    を尊重する気持ちには変わりはない。でも、不幸な事件がパラ
    オ人の心を大きく傷つけたことも理解してほしい」と話してい
    る。

     遺骨収集ができなくなるような規制強化は困るが、日米の死
    者の眠る聖地へのパラオ人の尊崇の気持ちは美しい。日本人の
    死生観に通ずる所がある。

    (参考: 産経新聞、H17.10.31)
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