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             後藤新平が満鉄などに行かなければ

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1352 ■ H19.10.15 ■ 9,194 部 ■■■■■■■


     台湾の李登輝前台湾総統が以下のように言われたと、産経新
    聞論説委員長・千野境子氏が紹介している。[1]

         後藤新平が満鉄などに行かないで、台湾にいて南進政策
        をやっていたら、満州に手を出さないで日本は海洋国家と
        して違う日本になったと思う。大陸へ行ったがゆえに大変
        なことが起きた。日本は文化と海洋による国家を造らなく
        ちゃいけないんだ・・・

     確かに、満洲へ向かう方向は、日本にとって鬼門だった。日
    本はこの地に膨大な投資を行い、多くの優れた人材を投じた。
    わずか10数年で、終戦時の中国大陸の重工業の約90%を占
    める高度産業国家を忽然と出現させたのである[a]。後藤新平
    [b]を含む我が先人の偉業を我々は大いに誇ってよいのである
    が、「大陸へ行ったがゆえに大変なことが起きた」という李登
    輝前総統の言葉も歴史的な事実である。

     中国大陸での共産革命を狙うソ連と毛沢東によって、日本は
    蒋介石との戦いに引きずりこまれた[c]。そして、それが原因
    となって、中国市場を狙う米国とも対立することとなった。日
    本が中国大陸に進出していなければ、毛沢東と戦う蒋介石を英
    米と共に支援していただろう。

     歴史上のIFは繰り言にしかならないが、「日本は文化と海
    洋による国家を造らなくちゃいけないんだ」という李登輝氏の
    言葉は、今後の日本の進路を考える上で重要な示唆を含んでい
    る。

     日本文化は自然と共生する。そしてわが国は世界第6位、
    451万平方キロに及ぶ200海里排他的経済水域(EEZ)
    を持つ海洋大国である。美しく、豊かな、かつ自由な太平洋を、
    台湾を含めた海洋アジア、オーストリア・ニュージーランド、
    そしてアメリカと力を合わせて守っていくことが、わが国の国
    家戦略であろう[d]。

■リンク■
a. JOG(239) 満洲 〜 幻の先進工業国家
    傀儡国家、偽満洲国などと罵倒される満洲国に年間百万人以
   上の中国人がなだれ込んだ理由は? 
b. JOG(145) 台湾の「育ての親」、後藤新平
    医学者・後藤新平は「生物学の法則」によって台湾の健全な
   成長を図った  
c. JOG(446) スターリンと毛沢東が仕組んだ日中戦争
    スターリンはソ連防衛のために、毛沢東は政権奪取のために、
   蒋介石と日本軍が戦うよう仕組んだ。
d. JOG(314) ランドパワーとシーパワー
    日本の生きる道は、シーパワー(海洋国家)諸国との「環太
   平洋連合」にある。 


■参考■
1. 産経新聞「【風を読む】論説委員長 千野境子」
   H19.10.08、東京朝刊、8頁 

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