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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/ _/_/ _/_/_/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/ _/ _/ _/ Japan On the Globe (17) _/ _/ _/ _/ _/_/ 国際派日本人養成講座 _/ _/ _/ _/ _/ _/ 平成9年12月27日 1.621部発行 _/_/ _/_/ _/_/_/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/_/ _/_/ 読者のお便りから _/_/ _/_/ ■ 目 次 ■ _/_/ _/_/ 1.世の中なんか変だな? _/_/ 2.歴史の真実を主体的に見極めようとする態度を _/_/ 3.地球人対国際派日本人 _/_/ 4.朝鮮統治について、韓国からの批判 _/_/ 5.双方向の交流を目指します _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 本誌がスタートしてから、はや3ヶ月経ちました。読者の皆様が、 知人、友人に口コミで紹介していただいているお陰で、発行部数も 順調に伸びつつあります。また内容に関するご意見もたくさんいた だきました。今年最後の本号では、皆様からの投書とそれに基づく ディベート内容を、既刊記事をふり返りつつ、御紹介します。 ■1.世の中なんか変だな?■ 本多その子さんからは、次の記事に関して、お便りを頂きました。 ・JOG(8) Intellectual Honesty(大江健三郎の北朝鮮賛美) 私はごく普通の会社員で国際派日本人養成講座について他 人に何かを言えるような知識も力量もありませんが、新聞を見 ていても、本を読んでいても「なんか変だな?」と思うことが 多々あります。(大江健三郎は)「ノーベル賞を頂いた方だか ら、変に思う私の方がヘン?」なんて思いそうになっていまし たが(ここが反省しなければいけないところですね)、やっぱ り彼は「とんちんかん」ですよね。 政治問題にしろ、思想問題にしろ、我々の健全な常識を十二分に 発達させ、それをもとに主体的に考えていく事が、基本です。本多 さんのようにノーベル賞の権威にひれ伏さず、「なんか変だな?」 という素朴な疑問を大切にしていただきたい、と思います。 ■2.歴史の真実を主体的に見極めようとする態度を■ オーストラリア在住の松本孝幸さんからは、次の記事に関し、 ご意見をいただきました。 ・JOG(2) 日本軍がインド独立のために共に血を流した いつも国際派日本人養成講座を楽しく読まさせて戴いています。 さて第二号に掲載された、第二次世界大戦中の日本軍によるイ ンド独立支援のお話ですが、正直に言って信じられません。学 生時代に習った歴史の内容から判断しようとは思いませんが、 さりとてインドの歴史に詳しい人が私の周りにいる訳でもない ので、真偽の程を計りかねています。 仮に掲載されたお話が歴史上の真実とするならば、私達は国 際社会を生き抜いていく上で重要な故人の教えの一つを、殆ど 学んでこなかったことになります。第二次世界大戦における日 本軍の行動を再評価しようとは考えていませんが、藤原少佐と インド独立の志士達との関係を知ることは、今後の日本と国際 社会との係わりを探る上でのよきヒントとなるような気がして なりません。 最近は、何とか史観というような「歴史の見方」の議論ばかりが 先行して、まず史実をありのままに見ようと努力する姿勢が失われ ています。松本さんのように、自ら主体的に何が歴史の真実かを見 極めようとする態度が大切です。自虐史観を克服しても、他人の議 論を受け売りしているだけでは、その人の生き方を導く生きた思想 にはなり得ません。 本講座では、多面的な史実を(特に最近のマスコミや教科書が取 り上げないもの)を紹介して、読者に自ら考えていただく機会を提 供したい、と思っています。 ■3.地球人対国際派日本人■ Justnetのパーソナルフォーラムを、本文の掲示と、読者の投 書・議論の場としていますが、野口利浩さんからは、次の記事に関 して、書き込みをいただきました。 ・JOG(5) 国際外交の常識−日本の朝鮮統治の悪しき遺産?! 国境のないインターネットの世界で、この会議室が、日本人 の利益のことばかりが話されているのでびっくりしました。 (中略)せめて、国境のないインターネットの世界だけでも、 国境にとらわれずに、地球人として、考えていきませんか? 本講座で、「地球人」とか、「国際人」ではなく、「国際派日本 人」という言葉を使っている所に、大事なポイントがあるので、こ れについては、編集部から直接、次のような返事をしました。 インターネットでつながっているのだから、地球人というよ うな訳にはいかないと思います。たとえば町内で、すべての家 が電話でつながっているのだから、お互い○○家などとせせこ ましい事をいわずに、家計も生活もすべて一緒にして××町民 でいきましょう、というようなわけにはいかないでしょう。 町内が電話でつながっているのだから、いろいろな家族同士、 時として摩擦軋轢はあるかもしれないが、お互いの家風や特徴 を良く理解しあって、仲良くやっていきましょう、というのが、 国際派日本人としての理想です。 ちょっときつい言い方になるかもしれませんが、大事なこと なので、きちんと言わせてもらうと、地球人とか、国際人とい うのは、観念の遊びだとしか思えません。地球人とは何語を話 すのか、どこの国に税金を払うのか、どこの国で自分の意志・ 価値観を投票行為によって表明するのか、犯罪者やテロに襲わ れたらどこの国の警察や軍隊に守ってもらうのか、と考えてい ただければ、地球人とか、国際人という言い方の抽象性がおわ かりいただけるか、と思います。 「国際派日本人」というのが、正しいあり方だと思っています。 ■4.朝鮮統治について、韓国からの批判■ 前述の朝鮮統治の記事については、直接韓国の方からも、流暢な 日本語で批判をいただきました。 日本が韓国に小学校を建てたのがまるで韓国への心暖る配慮 の様に書かれていましたけど、それは事実と違い過ぎるのでは ないのかと、思います。まず、日本が建てた小学校では韓国語 が一切禁止され全ての授業が日本語で行なわれた。それから、 その授業というものも日本の歴史や天皇様がどうのこうのとい う韓国の言葉、文化、伝統、それから民族意識を抹殺するため の同化教育でした。 その当時日本が義務化した小学校では”創氏改名”という名 のもとに大部分の韓国学生に自分の親からもらった名を失わせ 発音もしずらい日本名を強制的に与えた。これに逆らう幼い韓 国学生は学校で改名するまで日本人先生によって毎日あらゆる 罰を受け続けた。これでも、教育の平等などといったキザッタ ことが言えるのでしょうか。もし、沖縄でも米国が日本人にス ミスだのジョンだのという名前を押しつけたとしたらどうです か。 この意見に対し、いろいろな方から事実や論理的な反論が寄せら れました。Atsuhiko Ishidaさんは: ”創氏改名”というのはあたかも全ての韓国人に強制に行われ たように日本でも言われていますが、実際は強制ではなく改名 しない自由もあったようです。 として、朝鮮名のまま日本帝国陸軍中将となった洪思翊さんの例を 挙げられました。 また松原信也さんは、(長文なので要約すると) ・労働力の生産性を高めるために教育をするというのは、機械化が 進んだ時代になって始めて言えることであって、当時は労働力と して使おうとすれば、初等教育すら不要であった。 ・逆に、字を読めるようにすると、反体制運動の宣伝や連絡に有利 となるので、欧米植民地では教育をさせない愚民化政策をとった。 ・従って、日本が優秀な労働力を作りだし、利用するために教育を 行ったなどといった論は現在から見た後付けの理屈にすぎない。 という論旨を紹介してくれました。日韓併合は頻繁に対日非難に 使われるわりには、その実態が明らかにされていません。「日本人 先生によって毎日あらゆる罰を受け続けた」というような史実の裏 付けの示されない議論に、謝罪だけして事を済まそうという姿勢で は、決して反日・嫌韓の関係は改善されません。 たとえば、平成7年にAPEC会議で大阪に来られた韓国の金泳 三大統領は、日本統治下の旧制中学時代の恩師である故渡辺巽 の長男一家と会われました。[サンケイ 95.11.20 夕刊] 渡辺巽さんは、昭和17年から2年間韓国慶尚南道の旧制中 学の教頭として赴任。韓国人と日本人を平等に扱い、金大統領 ら韓国人の生徒もよく自宅の官舎に招いたそうです。金大統領 は当時の巽さんの教育方針に深く感銘し、巽さんが帰国した後 も手紙のやりとりを続けていました。 日韓併合の知られざる一面を物語る事実でしょう。事実の究明を 通じて、歴史の真実に迫り、そこから両国民の相互理解を深めてい くべし、というのが、本講座の姿勢です。 ■5.双方向の交流を目指します■ インターネットは従来のテレビや新聞などのマスコミと違って、 双方向の交流が容易に出来るという利点があります。今までも、読 者の皆さんから、ご意見を頂いてきましたが、来年はこれをさらに 拡大して、編集部と読者、および、読者どうしの交流を拡大するよ う努めたいと思います。それを通じて、主体的に考え、行動する国 際派日本人が一人でも多く、出てくることを願っています。 来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい。
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