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               日本人的思考は世界の超少数派?

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1262 ■ H19.03.19 ■ 8,802 部 ■■■■■■■


     私の愛読誌の一つである月刊誌『明日への選択』[1]の平成
    18年8月号に、読者からのこんなお便りが掲載されていて、
    興味深く読んだ。フランス在住の日本人女性からのお便りであ
    る。

         外国人向け仏語教室で私が、「こちらでは大人でもスー
        パーでお金を払う前に食べたりしている。マナーが悪い」
        と言ったところ、そこにいたスペイン人、アラブ人、ロシ
        ア人などが「それのどこが悪い?」と集中砲火を浴びたの
        です。

         私の友人も教室で「道でお金を拾ったらどうするか?」
        という質問に「警察に届ける」と答えたら、「ナイーブす
        ぎる」「バカだ」「どうして警察が信用できる?」とこれ
        また集中砲火。要するに多数決でいったら日本人的思考は
        超少数派なのですね。

     たしかにこうした「日本人的思考」は「超少数派」だが、そ
    れを持っているのは、日本人だけではない。筆者の経験では、
    アメリカの白人ばかりが住む片田舎に行ったら、犯罪もあまり
    なく、純朴なキリスト教徒が多くて、多分、こうした「日本人
    的思考」の発言も賛同者が多いのではないかと思う。

     だから、日本的かどうか、ということよりも、民度の高さの
    違いではないか、と筆者は考える。その民度の高さとは、科学
    技術の進歩とか、経済的発展とはまた別のものだ。

     それは一つの共同体が、その構成員の知恵を積み重ねながら、
    次世代を教育していく、という文化伝統の形成プロセスによっ
    て形作られる。これは異文化を抱えた多くの民族がしのぎを削
    るような多民族社会では、実現困難なプロセスである。そこで
    は悪貨が良貨を駆逐するような現象が起きる。

     実際に、日本の中でも、田舎の人々の純朴さ善良さに比べれ
    ば、東京や大阪の民度が低下していることを感じる。

     民度の高い共同体にとって、グローバル化という現象は、外
    部の悪貨とも交わる、ということである。悪貨と戦いながら、
    いかに自らの民度を維持していくのか。この課題を冒頭のフラ
    ンス在住の日本女性はこう語っている。

         世界規模での関わりを避けることができない今日の国際
        状況において、対外交渉に携わる人間は意識的によほど訓
        練しないと日本人には無理があるのでは、と素人考えなが
        ら思ってしまいます。
    
■リンク■
a. JOG(488) 中国の覚醒(下) 〜 日本で再発見した中国の理想
   中国で根絶やしにされた孔子の理想は、日本で花開いていた。
   

■参考■
1. 日本政策研究センター『明日への選択

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