■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■ 世界を驚かせた東京都の水道 伊勢雅臣 ■転送歓迎■ No.1289 ■ H19.05.21 ■ 8,953 部 ■■■■■■■ 5月15日、石原慎太郎知事は米ニューヨークで開かれてい る「大都市気候変動サミット」での水資源に関するパネルディ スカッションで、都の取り組みについて報告した。 その中で、東京都が水道管の材質改善などで、過去50年間 で漏水率を20%から3・6%に下げた実績を報告すると、会 議の出席者から驚嘆と質問が相次いだ。 水道管から漏れる「漏水率」は、メキシコ市で約35%、ロ ンドンでは約26%などで、世界の大都市の平均は10%前後 とされる。漏水率の低下は配水に必要な電力を削減するほか、 浄水処理などに伴い排出される大量の二酸化炭素(CO2)の 削減につながる。 石原慎太郎知事は、会議終了後、記者団にこう語った。 3%の漏水率は外国にとって驚異だろうね。東京は、 350万人程度の大都市が1年間に使用する水道量と同じ 量の漏水を食い止めてきた。中世で上水道があったのは東 京だけ。そういう文化を受け継いできたのだから、水道世 界一は当たり前。日本の歴史が残してくれた大きな遺産だ と思う。 日本は「水の豊かな国」だと日本人は思っているが、それは 事実ではない。確かに年降雨量は1700mmと世界平均900mm の2倍近いが、国土が狭く人口が多いため、一人あたりで使え る水の量は33百立米と実はイラクと同程度である。特に関東 地方は900立米とエジプト並みだ。[a] そうした中で、50年間、営々と水道の改善を続けてきた人 々に感謝と敬意を表したい。 ■リンク■ a. JOG(469) 人類を襲う水飢饉 水飢饉から人類を守るために、日本の「緑と水」の技術が求 められている。 ■参考■ 1. 産経新聞「漏水率わずか3% 大都市サミット 知事“都の驚 異”紹介」H19.05.17、東京朝刊、27頁© 平成19年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.