■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■ 「美しい星」を作る日本の省エネ技術 伊勢雅臣 ■転送歓迎■ No.1322 ■ H19.08.06 ■ 8,814 部 ■■■■■■■ 京都議定書に基づく二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガ ス削減目標の達成に向け、政府が始めた「1人1日1キログラ ムのCO2削減キャンペーン」の「私のチャレンジ宣言」では、 主な選択項目として、以下のような項目が並んでいる。 「私のチャレンジ宣言」の主な選択項目 □省エネ行動 CO2削減量 主電源をこまめに切って待機電力を節約 65グラム 夜中にジャーの保温をやめる 37グラム 古い冷蔵庫を省エネタイプに買い替え 132グラム 冷房の利用時間を1時間減らす 26グラム アイドリングを5分短くする 63グラム 太陽光発電を新規に設置する 670グラム 給湯器を高効率給湯器に買い替える 607グラム こうして見ると、大口の節減対策は「給湯器の買い換え」、 「太陽光発電の設置」「冷蔵庫の買い換え」など、省エネタイ プの家電機器の利用である。そして、これらの分野では、日本 企業が圧倒的な国際競争力を持つ。要は、世界中が日本の進ん だ省エネ家電を使うことで、温室効果ガス削減が進む、という ことであろう。 また、産業分野でも日本の省エネ技術は圧倒的である。産経 新聞の連載「資源小国の挑戦」では、次のように述べている。 日本の省エネ技術に対し、アジア各国から熱い視線が注 がれている。原油や天然ガスなどエネルギー資源のほとん どを海外に依存する日本は、オイルショックを機に省エネ 技術の開発・向上に取り組み、「世界を圧倒する水準に達 した」(経済産業省)。[1] この記事では、一例として、インドネシアの製鉄会社が、新 日鉄エンジニアリング(東京)開発の蓄熱式燃焼装置を導入し、 天然ガスの使用量を30%も削減した事例を紹介している。 エネルギー消費が少なければ、その分、温暖化の原因物 質である二酸化炭素(CO2)の排出量も減る。このため 政府は温暖化防止などの観点から、省エネ技術を発展途上 国などへ積極的に供与する方針を打ち出した。 これを受け、経済産業省の外郭団体である新エネルギー ・産業技術総合開発機構(NEDO)では高いエネルギー 効率の産業プラントの輸出に乗り出している。これまでに 手掛けた支援事業は8カ国、36例。 「中国のエネルギー効率は日本の8分の1に過ぎない」という から、日本の省エネ技術の需要は巨大である。 JOG(507)で述べたように、京都議定書の先進国が「1990年に 出していた二酸化炭素の量を基準として、2010年までに6%削 減する」という程度では、気休めに過ぎない。[a] 6月7日のハイリゲンダム・サミットでは、安倍首相が主導 して「温室効果ガスの排出量を2050年までに少なくとも半 減させる」との提案を日本、EU、カナダで行い、これを「真 剣に検討する」という合意を得た。 日本政府の国際的リーダーシップと、日本企業の技術的リー ダーシップで、地球環境の危機を克服し、「美しい星」を子孫 に残したいものである。 ■リンク■ a. JOG(507) 地球温暖化問題に仕組まれた「偽装」 政府やマスコミは情報をコントロールしている ■参考■ 1. 産経新聞「【資源小国の挑戦】第5章 京都の約束(6)省エネ技術」 H18.10.27、東京朝刊、1頁、総合1面© 平成19年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.