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           アジアの民主化と平和維持は日本の責務

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1328 ■ H19.08.20 ■ 9,057 部 ■■■■■■■

     昨秋、中国民主化運動の活動家で、世界的に有名な魏京生氏
    が来日した。氏は1978年の民主化運動で活躍し、翌79年、中国
    共産党政府によって逮捕・投獄された。これを皮切りに合計
    18年間にもおよぶ獄中生活を強いられたが、それに耐え抜い
    て、中国共産党との政治闘争を続けてきた、いわば中国民主化
    運動におけるカリスマ的存在である。

     獄中で、魏京生氏は様々な虐待を経験した。その一つは、1
    年3ヶ月間もの間、太陽の光を浴びることがまったく出来ない
    真っ暗闇の独房に入れられたことだ。その結果、歯が全部抜け
    落ちてしまったそうだ。

     こんな生活に耐えられたのは、中国の民衆に対する責任感か
    らであるという。

         1979年から14年間獄中生活を送り、93年に仮釈放され
        た時、私の家族は「これからは普通の生活に戻ってほしい」
        と言いました。けれども、私は中国の民衆に対してそれな
        りの責任を持っていると常に痛感しているので、その責任
        を全うしたい、と再び中国共産党との闘争に身を投じまし
        た。そしてまた彼らによって逮捕され、以後四年間監獄で
        の生活を強いられるという道を辿りました。それでも民主
        化のための闘争を止めなかったのは、やはりこの責任感が
        私の力の源泉となっていたからです。

     魏京生氏は、独裁的な中国共産党支配が限界に来ていると言
    う。

         中共政府自身、民衆の不満が暴発しかねないこうした危
        機状況をよく認識していると思います。・・・

         それは二十数年前に私が予見したように、政治改革をし
        ないまま経済だけを改革していくと、必ず深刻な不公平を
        もたらすことになる。現に中国は深刻な格差社会となり、
        中国の民衆は、金を持っている人、権力を持っている人に
        対して大変な恨みの気持ちを持っている。つまり、もはや
        経済発展によって社会矛盾を緩和するという手法は限界に
        来ているのです。むしろ経済が発展すればするほど、それ
        自体が格差をもたらす根本原因、恨みを買う根本原因とな
        る。

     このあたりの格差社会の実情は、国際派日本人養成講座でも
    紹介した。[a]

         もはや平和的な手段で現状を変えることはできないとす
        べての御用学者が考えるようになっています。また一部の
        御用学者は、伝統的な中共のやり方である戦争を発動し、
        民衆の不満を転化させれば社会矛盾は緩和できると提唱し
        ています。そして、共産党内部ではそうした考え方が共通
        認識となりつつあります。

         もし戦争ということになれば、その目標はどこに向かう
        か。それはもちろん台湾に他ならない。台湾を取ってしま
        えば、中国はアジアの覇権を握ることができ、アジアの盟
        主としての地位を固めることができます。もっとも、中国
        内部では長年の討論の結果、台湾を取る戦争に勝利するた
        めには、以下の三つの条件が揃っていなければならないと
        いう共通認識があります。それは、(1)ロシアの支持を取
        り付けること、(2)米軍とNATOを分断し、地域戦争に
        限定すること、(3)日米同盟を分裂させること−の三つで
        す。

     この三つの条件が揃わなければ、中国は戦争発動ができない、
    ということだが、3つ目は我々日本人の姿勢にかかっている。

         日本の後方支援がなければ米軍は中国軍に十分対応する
        ことは不可能である−中国軍も台湾軍も、この認識では一
        致しています。そのことが示すように、日米同盟を打ち破
        ることは中共政府の外交政策の中では最重要課題なのです。
        ・・・

         中国の外交戦略の中では、日本という国は核を非常に恐
        れているということが常識になっています。ですから、北
        朝鮮に核を持たせて日本を威嚇すれば、台湾海峡有事の際、
        日本は身を引く可能性が非常に大きいと、こう見ている。

     国際派日本人養成講座でも、中国が日本の米軍への協力を阻
    止するために、「米軍に日本の軍事基地を使用させるらば、大
    阪に核ミサイルを撃ち込む!」という威嚇を行うシナリオを紹
    介した[b]。

         中国が台湾を攻撃できるかどうか、あるいはこれを阻止
        できるかどうか、いずれも日本政府の行動如何にかかって
        いる。要するに、アジアの平和は日本の行動次第であり、
        日本の態度は非常に重要だということです。

     日本が中国に屈して、日米同盟を諦めたら、アジアはすっぽ
    りと中国の覇権に覆われ、そこでの民主化も平和も失われてし
    まうだろう。

     アジアの平和と民主化を守る鍵は、我々日本人の手に握られ
    ているのである。
    
■リンク■
a. JOG(505) 断裂する中国社会
    1億円の超高級車を乗り回す「新富人」と年収100ドル以
   下の貧農9千万人と。
b. JOG(482) 「核の傘」は幻想か?
    中国が「核の恫喝」を日本にかけてきた場合、 アメリカの
   「核の傘」に頼れるのか?

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
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1. 『明日への選択』H19.1 「魏京生氏に聞く アジア『民主化』
    は曰本の責務」
     

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