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■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■ 日本のマンガが地球を救う!? 伊勢雅臣 ■転送歓迎■ No.1385 ■ H20.01.07 ■ 9,433 部 ■■■■■■■ 毎年夏に名古屋で開催される「世界コスプレサミット」は、 日本のマンガ、アニメの世界的な人気ぶりを如実に表すイベン トだ。 昨年夏は5回目で、独、伊、仏、スペイン、デンマーク、中 国、韓国、タイ、シンガポール、メキシコ、ブラジル、日本の 計12カ国が参加し、各国代表が2人1組で、衣装やパフォー マンスを競い合った。[1] 「各国の演技を見て驚かされるのは、マンガに関する豊富 な知識と、流暢(りゅうちょう)な日本語」と、サミット を主催するテレビ愛知の加藤万理さん。 今年優勝した仏代表は珠黎(しゅれい)こうゆさんのマ ンガ「ALICHINO(アリキーノ)」のコスプレで、 「ガンダム」「ドラゴンボール」「デスノート」など日本 の名作のパロディーを披露。約1万人の日本人ファンを沸 かせた。 京都精華大学マンガ学部長の牧野圭一氏は、日本のマンガの 魅力には、「森羅万象に神が宿るという日本固有の精神性が下 地になっている」と指摘する。 「偶像崇拝を禁止する一神教と異なり、日本は神様や神獣 も自在に造形、擬人化する国。そんな寛容な風土がストー リーやキャラクターの自由な表現を可能にしているのでは ないか」 例えば、欧米の悪魔といえば、人間にとって恐ろしい存 在だが、日本の鬼や天狗(てんぐ)や閻魔(えんま)大王 は、どことなく人間くさい存在として描かれる。「怖いも のも決して排除しない。愛嬌(あいきょう)のあるキャラ クターにしてしまう」。それは共生の思想といえるかもし れない。 ・・・「マンガを通して、世界の人々は知らず知らずの うち、日本の精神文化のとりこになっている」 イギリスの文明史家アーノルド・トインビーは、伊勢神宮を 訪れた際に、「この聖地において、私はあらゆる宗教の根底を なす統一的なるものを感ずる」と書き記した。[a] 「あらゆる宗教の根底をなす統一的なるもの」とは何か。あら ゆる「生きとし生けるもの」を生み出した自然に対する畏敬の 念、共生の思想ではないか。マンガに現れた日本の精神文化を 通じて、自然に対する畏敬の念と共生の思想を持つことが、地 球環境危機を乗り越える出発点であろう。 ■リンク■ a. JOG(377) 伊勢神宮を支えた千数百年 千数百年にわたって伊勢神宮が20年ごとに建て替えされて きた理由は? ■参考■ 1. 産経新聞、H19.12.09「【やばいぞ日本 第5部 再生への処方 箋】(6) 戦闘美少女に『日本』凝縮」、大阪朝刊、1頁© 平成18年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.