[トップページ][222.01319 中国:外交]

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               有森選手の見識、善光寺の胆識

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1433 ■ H20.04.28 ■ 9,741 部 ■■■■■■■


     混乱の中で、長野における聖火リレーが終わった。聖火リレ
    ー・ランナーを務めた有森裕子さんは、次のように語っていた。

        チベット問題に多くの人が興味を持ち、人々が平和を願
       う声をつなげていけるなら、このリレーはすばらしいこと。
       私は世界の平和を願って走りたい。ただ、中国の聖火警備
       隊はいらない。五輪は開催国のものではなく、すべての人
       の平和の祭典。中国のものと考えているなら、その考えは
       間違っている。[1]

    「五輪は開催国のものではなく」という言葉は、沿道を埋め尽
    くして中国国旗を振るった数千人の中国人学生に聞かせてやり
    たい言葉である。スポーツ選手としての深い見識が感じられる。

     また、聖火リレーのスタート地点を辞退した善光寺の担当者
    は、18日の記者会見で辞退の理由の一つとして、「チベット
    の問題への憂慮」がある、としてこう語った。

         善光寺は仏教、宗教の寺だ。(中国政府が)無差別殺人
        を行ったということもあるし、チベットの宗教者が立ち上
        がって、それに対して弾圧を行った。それはやはり憂慮す
        るものであった。[2]

     辞退の決断に対する反応としては、

         1日100件を超える電話が全国からあったが、99%
        がやめるべきだというもの。やるべきだというのはまった
        くなかった。チベットと同じ仏教のお寺でどうしてだ、と
        いうものが多かった。

     単に混乱を懸念するという理由だけでなく、はっきりとチベッ
    トの宗教者に対する弾圧を批判した点に、腹の据わった見識を
    感じた。これをかつての日本人は「胆識」と呼んだ。

     有森選手の見識、善光寺の胆識。ともに見上げたものである。

■参考■
1. 産経新聞、H20.04.19、「聖火リレー出発地辞退 善光寺の“変”
    広がる衝撃」、大阪朝刊、27頁
2. 産経新聞、H20.04.19、「五輪聖火辞退 善光寺一問一答 宗教
   者への弾圧を憂慮」、東京朝刊、2頁
 

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