月曜日は駒込光源寺のコンサートでフリー・インプロ。
僕のジャズ講座で知り合ってグッドマンなどのライブにもよく来てくれた夫妻の奥様が去年急死されて(僕のライブに来てくれた一週間後だったのでほんとショックでした)、ご友人達の企画による追悼コンサートでした。
天井の高い素晴らしい響きの会場で気持ちよく演奏できた。
僕のギター・ソロから衣山さんのトロンボーンとデュオ、そして岡安さんのテナーが加わるとどんどん風景が変化していくようで面白かったなあ。
対バンの菅原照子さんのボーカルとバンドもよかった。
こちらのフリーでお客さんが帰ってしまったのではないかと心配になった(笑)
今思うと、僕がマイルスの「In a Silent Way」「Bitches Brew」から「Weather Report」へのZawinulの周辺のスリリングな発展過程を当時リアルタイムで体験できたのはラッキーだったなあ。
あの頃、WeatherReportは次のレコードで一体どんなことやるのかジャズ仲間みんながドキドキして待っていた記憶がある。ホント格好良かったなあ・・。
ジャコが抜けてからはウエザーリポートは聴かなくなってしまったけど。
前から「Young and Fine」をコンボでやりたいと思ってたんだ。
電柱の張り紙を見て近所の人が電話をくれました。
けっこう距離のある場所です。
妻の聞いたところによると、その家のご主人が帰ってきたときにマンションの駐輪場に亀がいるぞ!と家族に話したところ、小学生の娘さんが「あの張り紙の亀だ!電話しなきゃ!」となったそうです。
張り紙も効果あるんだなー!
さっそく洗ってやると気持ちよさそうにしていました。
台風に洗われたせいか臭くなかったです(笑)
椿がついて回って遊んでいます。
よかったよかった。
9月の僕のライブ予定は・・
9/16(日)19:00頃から 府中車返神社祭礼
ミッドナイト・サウンズ(生オケ大会!)
9/17(祭)18:30〜 光源寺蓮華堂(文京区向ヶ丘)
山下(g)-衣山(tb) 即興デュオ
9/19(水)20:00〜 高円寺グッドマン
山下(g)-衣山(tb) 即興デュオ
9/22(土)18:30〜 三鷹市新川中原コミュニティーセンター
PMSジャズ・オーケストラ・サロン・コンサート(無料)
9/26(水)19:30〜 GOUT(本郷三丁目)tel:03-5800-9638
衣山悦子(tb)カルテット
・・なんかずいぶん多いぞ。できるのか?(笑)
フランもだいぶ慣れてきて、短時間なら同じ部屋にいることができるようになりました。もう少しだ!
無理に近づけると猫パンチが飛ぶので(手加減しているようですが)フランは寝室に定住させています。
「手塚治虫マンガ論」(2007)は死後まとめられた手塚治虫関連の評論集。
冒頭の「手塚治虫マンが大史」から膨大な手塚作品を的確に紹介しながら70ページでまとめる手腕に圧倒される。
圧巻は手塚マンガの「エログロナンセンス」を論じた最終章だなあ。
僕は米沢氏と同年生まれなので、当時の小学生が感じた手塚マンガの「特別さ」が理解できる気がする。アトムの「地球最後の日」や「白いパイロット」「0マン」「ジェットキング」などドキドキして読んだものなあ。
「藤子不二雄論」(2002)は書き下ろしの大作。全体が一つのテーマに貫かれて読み応えがある。「手塚論」もこういう形で残して欲しかったなあ・・。
藤子不二雄・・・藤本弘と安孫子素雄。僕は小学校低学年の頃まず「海の王子」「シルバー・クロス」で藤子不二雄の名を覚えた。指摘されれば二人の絵柄の違いは一目瞭然だが、当時はどっちの作品だとかは誰も気にしなかった。
しかし、完全な共作作品は「海の王子」辺りで終了したというのは意外だった。
米沢氏は二人の違いを徹底的に分析する。「Fは個から始まり世界へと拡大していく物語を好み、Aはバラバラだったものが一つにまとまっていく物語を好む」「Aは前衛であり続けようとしたし、Fは保守であり続けた」など、具体的に作品を紹介しながらの鋭い分析は実に面白く説得力がある。
昔読んだ米沢氏の「戦後少女マンガ史」「戦後SFマンガ史」「戦後ギャグマンガ史」三部作を読み返そうと探し出したが、2段組の小さい活字びっしりに怯んでまたしまってしまった(笑)
しかし惜しい人を亡くしたなあ・・。
フランはまだ子猫に心許さず。 先日は三晩家出するというパフォーマンスに出ました。
今日も帰らないかと思ったら先ほど帰宅したので少し慣れてきたかな?
写真は威嚇するフランに「何?」と無邪気な椿(笑)
食あたりか夏風邪か、数日ほとんど何も食べられなかった。
いやー、体調を崩してわかる健康のありがたさですな。
食事も酒もタバコもコーヒーもまずくてどうしょうもない。
毎日出勤してたのでそうたいしたことはないのですが・。
寝るしかないので、キヌキヌさんから「もやしもん」と交換で貸してもらった「へうげもの」山田 芳裕、と「デトロイト・メタル・シティ」若杉公徳、を一気読み。おもしろい!
今日は「ジャズ講座」最終日。
マイルス・デイビスで聴くジャズの発展、という趣向。
2時間半でマイルスの全貌を解説するのは不可能なので、
1952年のブルー・ノート盤からはじめてオリジナル・クインテトのマラソン・レコーディングから1960年代クインテットの「マイ・ファニー・バレンタイン」「フォア・アンド・モア」へ。ギル・エバンスとのセッションを紹介するともう時間切れ。
「ビッチェズ・ブリュー」のサワリと晩年のライブをちょっと紹介して終了。
来年も講座開設できたら全編マイルスでやってみよう。70年代以降のマイルスバンドの変遷をきちんと紹介してみたい。
いやー、子猫と遊ぶのは久しぶり。たまりません(笑)
フラン問題はまだ歩み寄りを見せていません。
フランは椿を見ると怒って外へ出てなかなか帰ってきません。
まあ、フラン自身がうちに来たとき年上の猫たちが慣れるまで一ヶ月近くかかったから、今回も気長に待ちましょう。
今日の午後、勤め帰りの妻が空き地に座っている猫を見つけた。
母猫(と思われる)のとなりに小さな猫が横たわっている。
痩せて目やにがたまっている。死んでるのかと思ったら動く。
抱き上げても母猫は静かに見ている。そして、その場から離れていく。
妻は「連れてってもいいの?」と母猫に問いかけると、静かにうなずいたという(ほんとか?)
というわけで、かつては三匹いた猫も末っ子のフランだけになっていた我が家に子猫(推定一ヶ月・雌)が来た。
命名「椿」。洗ってミルクを飲ませると元気になった。自分でネコトイレも使える。
問題は猫嫌いのフランと上手くやっていけるか、だ。
老猫は気むずかしいからなあ・・・。子猫は雌なのでうまくいけば仲良くなると思うけど、心配だ。
学生時代からやりたかったのですよー・・30〜40年代のレスター・ヤングとエリントンもの。
"new wine in old bottles"の心意気で。
レスター全盛期の名演奏から、
"Lester Leaps In" "Blue Lester" "Sonetimes I'm Happy"。
レスターの影響を受けたズート・シムス、スタン・ゲッツときて、ゲッツつながりでボサノバも少々。
エリントンも黄金の40年代ものから、"Cotton Tail"を含むメドレーを企画。
"Sophisticated Lady""Solitude""In a Mellow Tone""It Don't Mean a Thing If It Ain't Got That Swing"など。
昔、「ミンガス・アット・モンタレー」でエリントン・メドレーをじつに格好良くやってるのにあこがれて、いつかやりたいと思ってたんだ。
メンバー一人ずつのソロをフィーチャーする予定。
その他、前にコンボでやった曲などもやります。
メンバーは、伊藤由子(ts)衣山悦子(tb)小林あきら(g)山下(b)西田由利子(p)土田航(ds)。
高円寺グッドマン初の6人編成(だそうです)。
演奏者だけでかなり狭くなるけれど、観客数が演奏者数を上回ってほしいところだなあ(笑)
これがうまくいったら、そのうち1920年代のサッチモ・ホット・ファイブのナンバーからモダンを経てアルバート・アイラーからデレク・ベイリーまで同一メンバーで演奏するライブをやってみたいもんだ(笑)。
そう考えると、グッドマンの鎌田さんのグループが数年かけてマイルスの録音したほぼ全曲をワンホーン・カルテットですべて演奏し倒したのは偉業だったなあ・・。
大きな郵便受けがあれば便利だなあ、と思っていたら・・
妻の「工作好き」の血が騒いだようだ(笑)
「私が作ってあげる!」と、廃材を利用してあっという間にできちゃった。
別に再配達してもらうので不便はないよー、と言ったのだが、「再配達を頼む電話代がかかるでしょ!」との理屈らしい(工作の材料費の方が高いような気もするが・・)
これでいくら大量にパイプを買っても大丈夫だ!
・・・・eBayにいくら使ってるかは言えませんが(笑)
金曜夜は桜井さんの企画ライブ「歌う!ピンク御殿」でベースを弾く。
ピンク映画関係者ってなんであんなに才能豊かなんだ?監督以下女優・男優・脚本家・音楽担当などの人たちがオリジナルやカバー曲を歌いまくるパフォーマンス。3時間半に渡る一大イベントでした。
あ、そこの人、誤解しないでね(笑)「まじめ」な音楽イベントです。(きれいなお姉さんはいっぱいいたけど)。
先週は昼間の仕事が半期の締めでやることが山積みでほとんど寝てない。残念ながら打ち上げは参加せず帰る。
土曜は「ジャズ講座」2回目。
今回は「1920年代〜40年代」の名演を紹介。
1925年のルイ・アームストロングのホット・ファイブから始めるが、この頃のルイの凄さといったらないね!ほとんどたった一人で「jazz」を作っちゃったようなもんだものなあ・・。
20年代に「ジャズ」と「ジャズ・ボーカル」を作っちゃって、あとは音楽としては最前線に出ることなく生涯をエンターテイナーとして全うしたという話をする。
1947年の「サッチモ・アット・シンフォニー・ホール」の"Royal Garden Blues"からむりやりベニー・グッドマン・コンボの同曲をかけてジャズ・ギターの開祖チャーリー・クリスチャンの話につなげ、"Solo Flight"を聴かせる。この流れ、自分では気に入っているんだけど自己満足だよなあ(笑)
1930年代ではTeddy Wilsonのセッションにおけるビリー・ホリディを集中的に聴く。若きビリーの歌は本当に良いなあ・・(もちろん晩年の"Lady in Satin"まですべて好きだけど)一番好きな「フーリン・マイセルフ」は何度聞いても泣けてくる。共演のレスター・ヤングも絶頂期で全く素晴らしい。
コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスター、レスター・ヤングとサックスがジャズの花形楽器になっていく過程を検証してチャーリー・パーカーの登場までで今回は終了。
急いで帰宅してウッド・ベースを車に積んで某所へ。
昔のジャズ研の仲間から誘われたセッションへ参加。
篠笛とパーカッションとのトリオ編成というので興味が湧いた。
篠笛の方のオリジナル曲と即興をやる。初対面だけどおもしろかったなあ。定期的にやることになった。
アンプなしでウッドを弾いたので指が痛かったけど小ホールでのリハだったので音が良く響いて気持ちよかった。
というわけで仕事と音楽で忙しかったけど一段落してほっとした。
亀達は帰らず。
今年は背中に電話番号を書かなかったので(笑)妻が近所の電信柱に張り紙を貼った。
まあ、いままでも結構長く出かけていたことがあったので、そのうち帰ってくるとは思うけれど・・。
亀たちが長期出張から帰ると「クサガメ」の名の由来がわかります。
・・・クサいから。
今日は台風に地震だ・・。
地震があったのも知らずに連休は自室に籠もって仕事だあああ・
パイプの吸い過ぎで舌が荒れた。
今週いっぱいがヤマだ。なんとかガンバロウ
土曜の午後は某所で「ジャズ講座」の講師をやった。
台風で参加者は少なかったけど、好きなレコードをじっくり聴けて楽しい。
やはり、Miles Davis "Bags Groove take1"は何度聞いても飽きないなあ・・。
John Coltrane"Transition"もだ。
僕のこれからのライブ予定です。
7/4(水)20:00〜 高円寺グッドマン 即興ライブ#147
7/20(金)18:30〜 吉祥寺MANDA-LA2 「歌う!ピンク御殿」
7/26(木)19:30〜 池袋 Hot Pepper
8/5(日) 14:30〜 高円寺グッドマン "Historical Jazz Workshop; tribute to Lester Young and Duke Ellington"
8/25(土)18:30〜 三鷹駅前コミュニティーセンター PMSジャズ・オーケストラ・#32ミニコンサート
8/26(日)18:30〜吉祥寺MANDA-LA2 「いそがしい旅/桜井明弘SPECIAL LIVE 2007」
8/28(火) 20:00〜 高円寺グッドマン 即興ライブ#148
いやー・・結構あるなあ〜なんとかがんばろう!
「伊達巻」も「ちくわぶ」もないようですねー。コメント欄で教えてもらいました。
娘はどちらも好物なのに大丈夫かな?
1982年にヤングジャンプに連載された表題作の中編と、「ワンペアプラスワン」、「嘆きの仮面ライダー」、「ダビデの眠る日」が収められている。
「スーパーバイキング」以外は単行本に収録済みの作品だが、入手困難なので新しく出版された意義は大きい。
すべて「後期」宮谷一彦の代表作と呼べる傑作揃いである。
「スーパーバイキング」は持っていなかったので実にうれしいな。オートバイを中心にした青春群像がいかにも宮谷らしい。ヤンジャン連載のせいか、ハデなハッタリも多くストーリー展開はちょっと強引だけど、伝説の「超絶描込み」のメカはさすがに圧倒的。
「ワンペアプラスワン」はプレイコミック掲載時は「とうきょう屠民エレジー」シリーズとなっていたが、少し肌合いが異なるためか同名の単行本ではなく「青春相続人」に収録されていた。立川緑町を舞台にベトナム帰休兵との友情を描く。ジャズがうまく使われていて、これもいかにも宮谷一彦の世界。
「嘆きの仮面ライダー」は「とうきょう屠民エレジー」シリーズの白眉で、暗〜い純文学風世界。良いんだこれが・・。
そして「ダビデの眠る日」は同名の単行本に収録されていた傑作アクション物だ。クライマックスの後楽園球場での王・長島のいる巨人戦における衝撃が見事に決まる。緻密なストーリー構成が実に見事。テーマも現在の情勢からタイムリーかも。
これを機会に宮谷一彦の再評価、復刻出版、があると良いのだけどなあ・・。「天動説」「箱船物語」「虎の娘」「キャメル」など後期の大作はほとんど単行本化されていないのは実に残念だ。
うーん・・あれじゃあ複製が掛かっていてもわからないよ。
そりゃあ・・わかってるけど・・厳重な検査なしで明るい照明の下、ガラスなしで見せるわけにはいかない・・けど、わざわざ日本まで持ってくる意味あるのかなあ・・。
でも、ダ・ヴィンチの現存する最大のタブローが上野に来れば行かないわけにはいかんよなあ・・。困ったもんだ(笑)
その他の展示は、面白いが「手稿」はファクシミリ版だしなあ・・パンフレットを読めば足りる。でもせっかくだから全部回ってへとへと。
神田へ寄って「きくかわ」のうな重を食べる。この店、有名なのかどうか知らないけど、我が家では最大級の御馳走だ。
妻が昔神田の会社に勤めていたので、家族を連れてたまに行く。お重からはみ出してる蒲焼きがじつに良い。満足。
先日出版された「1970年代記」は1970年から1979年までの自伝漫画。小倉から上京してマンガ家になるのを目標に、鍛冶職人や配管工をしながら夜はひたすら作品を描き、1979年の「まんだら屋の良太」で認められるまでの10年間の出来事が描かれている。
畑中純の作品を読むのは久しぶり。相変わらずの「畑中節」が楽しい。70年代の大きな出来事が描写されるが、僕もほとんど同世代だから自分は「大阪万博」「横井正一」のときこうだったなーと感慨深い。
「まんだら屋の良太」また読みたいな。雑誌は「まんだらけ」に売ってしまったけど(笑)単行本はどっかにあるはずだ・・・。
「ひかりのまち」浅野いにお
「素晴らしい世界1・2」浅野いにお
「not simple」オノ・ナツメ
初めて読む作家だけど、どれも面白かった。
現代の漫画の最前線のように思える。
ついこの間生まれたような気がする末の娘だけど、
成長してるんだなあ・・・こっちは歳を取るわけだ(笑)
思いっきりご都合主義的な設定、登場人物すべていい人、歌の素人が初見の楽譜で完璧にコーラスする、日常場面からいきなり歌とダンスが始まる、最後はこれ以上ないほどのハッピー・エンド・・・というミュージカルの約束事をすべてクリアしている。
これは1930年代のジュディー・ガーランド-ミッキー・ルーニーの学園ものなど往年のMGMミュージカルの現代版だよなー!
アメリカのショウ・ビジネスおそるべし・・・。
「ハイスクール・ミュージカル」はバスケット・ボールのスーパースター少年と天才科学少女のお話だけど、むかーし日本の高校を舞台にして、ダメダメ野球部とバリバリサッカー部少年の恋物語のミュージカルのバックをやったことを思いだして懐かしかった。
学生時代、早稲田ミュージカル研究会ってのがあって、3年間バックバンドをやった。一番印象に残っている作品が上記の「やっぱし青春だったりなんかして!」というやつ。ダメダメ野球部少年が石井章雄(今のラサール石井)、バリバリサッカー部少年が黒岩祐治(現在あのニュースキャスター!)、脚本は石井章雄だったはず。楽しかったなあー。
「やっぱし青春だったりなんかして!」を上演したのは吉祥寺の武蔵野公会堂だった。(いや・・「ヴェローナの二紳士」だったかな・・?まあいいや)
奇しくも明日PMSジャズ・オーケストラのライブで30年ぶりにあそこで演奏します・・・。
故障したデジカメは、予想外に高く下取りしてくれるというのでさっそく新品を買った。LUMIX-TZ3。広角・ズーム・液晶大、となかなかよろしい。
いよいよ連休後半の連続ライブ期間に突入・・。
5/4(金) 吉祥寺/MANDA-LA2 18:30開場 \2000
桜井明弘バンド 桜井(vo.g)藤井良彦(g)奥山信爾(key)山下(elb)藤川栄治(ds) joint with 鈴木常吉(vo.g)+泉邦宏(as)
5/5(土) 吉祥寺/武蔵野公会堂 18:00開場 \1000
PMSジャズ・オーケストラ
5/7(月) 高円寺/グッドマン 20:00〜 \2000
山下(elg)-衣山悦子(tb) 即興DUO joint with 望月治孝(as)solo
リハと本番が続く。なんとか持ちこたえよう・・。
独立した長女が泊まりに来るけど会ってる暇がないぞ・・orz
読み出したら止まらず、朝までかかって一気読み。
面白かったー!
僕は「SF者」(笑)として星新一の本はショート・ショートや父星一や祖父小金井良精の評伝など愛読してきた。
一番好きなのはとてつもない発想と不思議なユーモアに溢れるエッセイだ。SFマガジンに載った大阪万博のルポの凄まじさは特に印象に残っている。
僕の星新一に関するイメージは、星製薬という大企業の御曹司で飄々として頭の切れる仲間内ではとてつもないブラック・ジョークを吐く天才作家というものだった。
SF関係者によって繰り返し書かれてきた「星語録」の印象が大きいな。
とにかく、いつもにこにこして争いを好まない穏やかな人というイメージだったのだが・・・・。
で、このノンフィクションを読んで、まず前半の作家になるまでがすごい。
星製薬というのは戦前、日本を代表するような大企業であり父親の星一という人物はとてつもない巨人であった。
その企業がいろいろあって潰れてしまい、星一の死後新一にすべての責任がかかってくる。とんでもないストレスをすべて飲み込んで逃げるように作家になっていく過程はこちらまで息苦しくなるようだ。
日本初のSF作家として認められるようになると読んでいるほうもほっとする。日本SF史が実にわかりやすくまとめられているのがすばらしい。
そして、繰り返し語られてきたSF仲間のエピソードが楽しい。
野田昌宏大元帥の話、出ると思ったらやっぱりキター(笑)この野田節と呼ばれるお話しは何度読んでも面白い。
同人誌「宇宙塵」の例会でで星新一がレイ・ブラッドベリの「万華鏡」(遭難した宇宙船乗組員が流れ星になる話・・石森章太郎がサイボーグ009最終話で「引用」したのも有名)を朗読して感動させた話。
SF作家クラブで原子力発電所を見学に行った時、星新一が所長の原子(はらこ)力(つとむ)に会わせろ!まず原子というものを見せて下さい!と言った話。等々・・
小松左京が語る当時の話で、知らなかったエピソードがあった。たぶん公表されるのは初めてだろう。
小松左京に3人目の子が出来たが未熟児で三日目に亡くなったときの星新一の言葉、
「金歯抜いたか?」。
・・・星新一の最大のお悔やみだと受け止めた小松左京もすごいが、すべて理解した上でここまで言う星新一・・すげぇ・・。
星新一の本は売れ続け、ショート・ショートの数は1000に近づいていくが、日本SF界も変わっていき、SFマニアは星新一から離れていき「子供向き」作家とさえ扱われるようになっていった。
この辺から非常に悲しい・・。
ついに1001話を越え、半引退状態になるが、結局芥川・直木賞はもちろん、日本SFファンダムからも大きな賞を贈られることはなかった。
筒井康隆が文学賞を次々と獲得した昭和60年代、パーティーの二次会で酔いつぶれながら「・・人のこと書いて原稿料稼ぎやがって・・」と口にするエピソードも紹介されている。
生涯を通じて、締め切り前に必ず原稿を上げた。自分を含めて人を信用しない人だったという。
家庭内では冗談も言わず、ひたすら作品のことを考えていた。
希有な人だなあ。
この本では紹介されていないが、たしか70年代のSFマガジンで読んだ平井和正(たぶん)のショート・ショートにこんなのがあった。
日本のSF界がこんなに盛況になったのは夢のようだ・・・真相は父親の会社の残務整理につかれた星新一が死ぬ前のつかの間に見ている夢の中の世界・・・われわれSF関係者はすべて星新一の夢の登場人物なのだ・・。という話
デジカメまだ直らないので衣山さんから借りた。
慣れなくて露出過多だー