全翼機の世界

解説:Northrop N-9M

 N-9MはノースロップXB-35の1/3モデルとして、最終的に4機製作されました。
1号機が初飛行する前の1942年10月、2機の製作が追加契約され、これによって1号機がN-9M-1に改称、2号機がN-9M-2、3号機がN-9MAと識別されるようになりました。 1号機は1942年12月に初飛行していますが、充分なデータが取りきれていない段階(1943年3月)で墜落、パイロットMax Constant氏が亡くなる事故が発生しました。 この穴をうめるべく4号機がN-9MBとして契約、製作されています。
 各機その目的から、操縦方式(ドラッグラダーや油圧方式への変更 など)や、スロットの自動ドア採用など細かい相違点があり、N-9MBがXB-35により近い形態になっています。
残った3機は3年以上に渡って飛行し続け、XB-35のためのデータ収集とパイロット訓練に使用されました。 有名なグレンエドワーズ大尉のインプレッション(Pilot's Observation on the N9MB Flying Wing)も残されています。
 1号機と2号機は全面黄色、3号機は上面:青(ANA No.501)で下面:黄色(ANA No.506)、4号機は上面:黄色で下面:青色に塗られていました。 現在、4号機(N-9MB)が米国のPOF(プレーンズオブフェーム)で復元され、イベント等でその飛翔を見ることができます。

最終更新日2001.06.24


N−9Mデータ
ノースロップ社コードNS-99
全幅60 ft
全長17.79 ft
全高 6.58 ft(キャノピー上端まで)
8.65 ft(プロペラ先端まで)
翼面積490 sq ft
翼型NACA 65,3-019(翼根)
NACA 65,3-018(翼端)
最大翼厚37.68"(センタータイン)
テーパー39 inch to 157 inch
アスペクト比7.4
ホイールトラック11.67 ft
空虚重量5,893 lb
総重量6,326 lb(N-9MB:6,818 lb)
離陸重量3,900 lb
燃料搭載量100 gal.(50 gal.× 2)
最大速度257 mph
巡航速度208 mph
航続時間3.2 hours
航続距離500 mile
上限高度21,500 ft
エンジンメナスコ C6S-4(260 hp)× 2
(N-9MB)フランクリン XO-540-7(260 hp)× 2
乗員1 名(N-9MB : 2 名搭乗可能)
初飛行1号機:1942.12.27 by John W. Mayers (於)ノースロップフィールド カルフォルニア
2号機:1943.06.24 by Harry Crosby (於)ノースロップフィールド カルフォルニア
3号機:1944.05.22 不明 (於)不明
4号機:1945.01.26 by Harry Crosby (於)不明
(使用文献:northrop flying wings #5 edition, E.T.Maloney, WWII Publication, 1988 ?) (使用文献:Northrop Flying Wings, G.R.Pape, Schiffer, 1995)

Mainページに戻る Northrop図鑑に戻る