90年作「ゴースト ニューヨークの幻」より


モリー役

DEMI MOORE
デミ・ムーア


1962年11月11日、ニュー・メキシコ州ロスウェル生まれ。17歳でモデルとしてデビューし、その後、美貌を買われてテレビに出演し、注目を浴びるようになる。なかでも、81年から始まったソープオペラ“GeneralHospital"で人気を博し、同年 「病院狂時代」(82)に出演するが、彼女の魅力が遺憾なく発揮されたのは、
「きのうの夜は…」(86)の2本の青春映画で彼女独特のハスキー・ボイスは多くのファンを作り出した。「ダイ・ハード」のブルース・ウィルスとの間に一児あり。
他の出演作に
「恋人ゲーム」(84)、
「ウィズタム/夢のかけら」(87)、
「第七の予言」(88)、
「俺たちは天使じゃない」(89)
がある。


黒い瞳、黒い髪が親しみやすいデミの魅力



死んだ恋人サムを、いつまでも想い続ける陶芸家モリーを、あふれる情感で演じきったデミ・ムーア。アメリカ映画界ではデブラ・ウィンガーと並ぶハスキー・ヴォイスがアダルト気分だけど、わたしたち日本人と同じ黒い瞳、黒い髪はとても親しみやすい。彼女がサムを思って涙する顔がアップになると、こちらの涙腺までウルウルしてしまうのも、親しみが共感に変わるから。
本作ではシャツやジャンパースカートといった衣装がかわいくて、とてもそうは見えないけれど、デミのお年は27歳。1987年11月21日、ラスベガスで「ダイ・ハード」シリーズの主役ブルース・ウィルスと電撃結婚、みんなをアッといわせ、次の年の8月16日にはマーグレンちゃんのママになった。
1962年11月11日、ニューメキシコ州ロスウエルで生まれたデミは、13歳でロサンゼルスに移り、17歳のときモデルの仕事を始めた。すぐにキュートな魅力が注目されて、81年から始まった人気のソープオペラ(昼メロのことです)「ゼネラル・ホスピタル」で人気者に。同じ年、「チョイシズ」(日本未公開)でスクリーン・デビューもしている。そして82年には、「ゼネラル…」のパロディ映画「病院狂時代」に出演した。
でも彼女を一気にスターにしたのは、ブラットパックたちが集合したジョエル・シュマッシャー監督の青春映画「セント・エルモス・ファイアー」。同じ大学を卒業した仲良し7人組の物語で、アクセサリーをどっさりつけて、オシャレで寂しがり屋のジュールスを演じ、食べちゃいたいほどキュートだった。
この共演がきっかけで、ブラットパックのリーダー的存在エミリオ・エステベスと恋が始まる。そして86年に彼が初監督した「ウイズダム」では共演もしている。やはり「セント・エルモス…」仲間のロブ・ロウとは、「きのうの夜…」(86)で再共演。一時ブラットパック女優なんていわれたけれど、「第七の予言」(88)ではSFXの大きなおなかで出産間近の人妻、「俺たちは天使じゃない」(89)では演技派ロバート・デ・ニーロやショーン・ぺンと共演して、一作ごとに大人の女優に変わっていったのは立派だった。
デミ・ムーアという名前の“ムーア"は、「16歳で同棲し、16歳で結婚し、3ヶ月しかもたなかったの」と本人がいう相手、ミュージシャンのフレディ・ムーアから来ている。恋をしながら確実に成長してきた自信がデミより現代的な女性にしているというわけ。