80話(08.07.14

工房設置

 

アンプ作成のコストについてあれこれ考えているが、やはり一番コストがかかるところはなんといってもキャビネットだと思う。

今までは、赴任生活で環境を考える余裕もなかったのであるが、自宅に戻ってきて、自室で電気関係だけではなく、アルミ加工やら、塗装やらやり出すと、かなり迷惑な話である。

 そこで、今回、意を決して工房を建てることを決意した。やる内容は「木工(キャビ作成)」、「鉄工」「塗装」である。

 

自宅の土地の空き部分と相談し、あれこれ本を読んで小屋の建て方を物色し、こうすれば小屋を建てることが出来るという知識は得た。

しかし、いざ自分でやろうと思うと、「絶対、体力的に途中でギブアップしそう・・・」と考え、出来合の物の購入を検討する。

大きめな物置、ログハウスなどいろいろ検討した結果、プレハブを購入することに決定。

半日で、設置までやってもらえる。

普段あまりやったことがない、草取りをして、除草剤と殺虫剤を撒き、整地した。久しぶりの重労働・・・

 

 

 

設置の時間は早朝からだった。ちょうどトラックの音が聞こえた。「来た来た」・・・と思った次の瞬間、「ガガガ・・」とでかい地響き・・・

トラックが突っ込んだか、プレハブが落ちたか・・と思ったが、これが、宮城・岩手内陸地震であった。なんというタイミング。地震発生時刻と納入予定時刻はほぼ一緒だった。幸い何事もなかったが、震度5強との事で、今まで体験したことがない地震だった。

 

  

 

余震が続く中、設置を行ってくれました。プレハブの下に潜って作業を行っているので、余震がある度に避難を繰り返し、私の携帯も心配していただいた人たちから何本か電話がかかって来ていました。

今まで使用していた物置は移動して、ようやく昼過ぎ頃設置完了。午後からは電気工事が入り、夕方には稼働可能となりました。

設置は、物置との間を2m程度空けて、後々、塗装ブースにする計画。

まずは、今までの工房で使用していた、電気関係以外の工具をせっせと運び込む。

ここからは、工房の環境整備ということでまとめてゆきます。

 

作業台1:

何から手をつけたらよいかわからなが、まずは、作業台を作成する。

アンプ作成に特化し、使いやすいように工夫して天板を作成したが、ちょっと背が高く、座って作業するのはつらそう。後で足は短くする予定。(写真右側)

 

作業台2:

何となく、適当に作ったら、適当に出来てしまった。

これは作り直す予定。(上の写真の左側)

 

アンプスタンド:

次に、アンプ作業をするときのアンプスタンドを作成する。これは2台分作成した。スライド丸鋸を購入し、歯を「超仕上げ用」に交換したので、切り口は非常にきれい。

本当は、サイズ変更も可能にしようと思ったが、その機構を入れると大きくなりそうなので、今回はパス。半田作業がしやすいように傾斜して固定できるようにしている。

 

 

 

スライドカッターテーブル:

昔買って、怖くて使っていなかった丸鋸とテーブルがありましたので、改造し、アルミとか、基板をまっすぐ切れるように治具化した。

まずは、標準でついている歯を、鉄工・プラスティック用の物に変更します。元々165mmの規格なのですが、この手の歯は大きい物が無く(あっても、非常に高価)110mmの物を取り付けた。

垂直、水平をきちんととって、固定します。その上にルーターで、2mmのアルミ板がスライドするためのレールがはまるよう、レールの厚み分だけ削り込む。

そこにレールと、アルミ板を取り付け、ノコの基準を0mmとしてスケールも取り付けます。アルミ板を安全に押すために板と取っ手を取り付けた。

 

使ってみると、これはかなり便利な治具。ただ、これも高さが低いので、テーブルを作成して、その上にのせて使用する予定。(右の写真)

 

 

 

ダブテール治具:

Trend製の300mmまで対応の物を購入した。

もう少し安い治具もあったのだが、強化プラスティックで出来ているパーツがあったりして、不安がありましたので、がっちりしていそうなこの治具にした。

治具を押さえている台は3mm程度の、鉄で出来ていて、非常にどっしり感がある。テンプレートも4mm程度のアルミ製で安心して使用出来る。ただ、トリマーでの使用が不可能なので、ルーターを購入する羽目になり、高くついてしまった。

 組み上げて、作業台に固定して使用します。アンプの場合ハーフダブテール(包み蟻組)を使用するのが一般的ですので、これが出来るように条件を出しますが、条件を出すのに非常に苦労した。

条件出しばかりやっていたので、ブックエンドのような破材をたくさん作ってしまった。右の写真は何とか条件を出して、ぴったりと嵌ったところ(感動!)

ある程度条件が出たので、何かを作った方が良いと思い、スライドカッターテーブル用の台を作ることにする。うえの写真の台座の部分がダブテールの成果。1F部分にベルトサンダーを配置。

初めて組み手で箱の形まで作ったが、ボンドをつけない状態でも、非常に強度があることがわかる。

幅はアンプの半分以下なので、アンプのダブテールを組み上げる時は大変そう。

 

 

 

スライド電動丸鋸:

300mm程度を90度精度良く切りたいと考えていて、テーブルソーも考えてみたが、こちらの方が小型で手軽、何よりも安全だったので、購入。

しかし、300mm以上の(アンプの厚み方向)のカットを考えると、スライドソーの方が良い選択だったかもしれない・・

重いし、大きいので、キャスターを取り付けて移動可能としている。

 

 

自動かんな:

ハーフダブテールで組み手を行う場合、板厚が重要なファクターになります。このかんなは決められた厚さに、厚さを整えるかんななので、加工前に厚さを整えるための必須工程となる。

これも、重いし、大きいし普段使用する機会は少ないので、キャスターをつけて移動可能としている。

自動かんなと、スライド電動丸鋸は、後々には上記のスライドカッターテーブルのように二階建て構造にする予定。

 

 

電動丸鋸:

本当は、非常に怖い道具で使うのをためらっていたが、アンプの厚み方向を切るにはスライド電動丸鋸ではサイズ的に無理なので、やむを得ず、再び購入。

レーザーポインター付きで、歯を超仕上げ用に交換したので、これもスライド電動丸鋸同様、切り口は非常にきれい。

 

電動ノコ:

安売りしており、丸鋸が怖いので、これでうまく切れるかな?と思って購入したが、精度が悪すぎ、ざっくり切るには手軽でよい。

 

ハロゲンライト:

これも、ホームセンターで安売り品。蛍光灯の他に手元灯が欲しいと考えていたが、2灯式でトータル500W。スタンドを買うより安かった。

でも、スタンド式なので、場所をとるが、塗装にも応用出来そう。

 

掃除機:

何より、これがないと始まらない。

今まではハンディタイプで事足りていたが、木工を行うと、1週間もしないうちにタンクが「おがくず」でいっぱいになってしまう。子供の頃、昆虫厚めをしていたときだったらこのおがくずは欲しいと思ったに違いない。

 

電動サンダー:

加工後のサンドペーパー掛けに不可欠であるが、振動がひどく、しばらく使っていると、手の感覚がなくなる。回転式の方が良いかもしれない。

 

ベルトサンダー:

面を出せるし、手軽にバリ取りも出来る。いつでも、ちょい使いが出来るよう、常用出来るように工夫したい。

 

ルーター:

アンプ加工では不可欠で、ハーフダブテールジョイント、角R取り、長穴のくりぬきなど、今まで使ったことは無かったが、これがあると、作品の完成度は一気に上がる気がする。

 

電動ドライバー:

何をするにも無くてはならない道具。

鉄の穴あけとか、真空管用の大きめの穴あけにはインパクト機能がついたBOSCHの物を使用している。

ずっと、ブラックデッカーの物を使用していましたが、さすがに電池がくたびれてきたが、コードが無い便利さは何物にも代えられず、まだ、使っている。2台あると、ビットを交換する手間が無く、便利さはさらにアップする。これは、今後も増えるかも。

 

今後の予定:

・角Rをとるためのルーターテーブル作成

・くりぬき穴用(背面バッフル)、切り抜き用ルーター治具作成

・トーレックス貼り治具作成

・旋盤を移設、台作成

 

エッセイへ戻る                      トップページへ戻る