上位３組はそれぞれ夏期に行われたソロライブが評価の対象になった。 初登場の矢野・兵動は関西ではそのあまりに関西的な話術が観客にはくどい印象を与えがちであるが、 東京でのライブの評価などが逆に高く、今回のおすすめランクインとなった。

　東京のライブを初めて見る人に一番おすすめしたいのがつぶやきシローの出るライブ。 内容がとっつきやすい日常のことである上に、漫談というよりモノローグコントに近いような絶妙の動きは舞台でしか見られない。 アンバランス、マンブルゴッチと東京のホープがランクインされているが、 東京のライブ、特に吉本系以外のライブは知名度のあまりない若手が最近素晴らしいネタを見せており、彼等以降の若手はライブごと、 ネタごとにどこでブレイクするか、見ている側も予断を許さない、実におもしろい状況となっている。

　これはやはりお笑いの志望者が絶えず、東京のみならず大阪からの『移民』も参加してのライブ以前に質量共に充実した状況であるからであろう。 現在各事務所を訪れるお笑いの志望者はのべ500組以上と語る関係者もおり、この状態はまだ続くと考えられる。 これだけの志望者がいるのにテレビでのネタ番組が視聴率的に振るわず、 若手のイキのいいネタが見れないことで「バラエティタレント」の需要ばかりが増える状況は笑芸界全体に いつか手痛いカウンターパンチをくらうことになると予想される。

　名古屋吉本のバツイチは押しは弱いながらコンビの個性がうまく出ていてルックスも良く、 当たりネタを作れば一気に評価が上がっていくであろう。今回の注目株である。