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2001.4.5



正直、一刻も早く帰りてぇ。(;_;)
だが、まぁ、めげずにやるのである。


今日は、いよいよ「FEGNOMASHIC」最後の文字「C」に突入するのであるが、実は
ここには2つの疾患があるのである。

うちひとつが、Chondroblastoma軟骨芽細胞腫である。
これは骨端部にしか発生せず、また30歳以下にしか発生しない
このような条件を満たす良性溶骨性病変は、この軟骨芽細胞腫、GCT、そして
一番多い骨髄炎の3つでその98%を占める
これにABCと好酸球性肉芽腫を入れれば99%。
逆に、40歳以上ならば、骨髄炎とGCTに加え、meta、myelomaあたりが
鑑別になるだろう。

また、軟骨下嚢胞も鑑別に挙がる。変形性関節症、RA、CPPD(calcium
pyrophosphate dihydrate)沈着症または偽痛風、無腐性壊死
なんかで
起こってくるわけだが、そういう所見を伴っていたら注意されたい。

また、手根骨、足根骨、膝蓋骨は全部骨端みたいなもんなので、骨端部に
のみ発生する、ちょうどこのChondroblastomaのような腫瘍はこういうところにも
発生しうる。覚えておきたい。


もうひとつの「C」。これはChondromyxoid fibroma、軟骨粘液線維腫である。
この疾患は非常に稀なのであり、この教科書を書いているヘルムス先生自ら、
「著者自身は軟骨粘液線維腫を鑑別診断から除くことを勧める」と書いている
ぐらいなのである。

ただ、この疾患、画像所見はNonossifying fibromaそっくりで、ただし
どんな年齢の患者にも発生するという違いがあるわけで、ということは
「全年齢で発生するNonossifying fibroma = Chondromyxoid fibroma」ぐらいの
覚え方をしておけばいいんじゃないかと思う(あくまで画像所見の話ね)。


めでてえ。これでFEGNOMASHIC全部覚えた‥‥と言いたいところだが、実は俺は
最初の「F」、つまりFibrous dysplasiaを抜かしたわけであり
、 それを最後にやって終わりにするのである。

この疾患、破壊性に見えたり部分的に透過性に見えたり、斑状、硬化性、膨張性、
多発性など、実にいろんな風に見えるのである。
じゃあ、どーやって他の疾患と鑑別するか、と言うと、やっぱし慣れるしかない
って書いてあるんだが、骨盤・大腿骨近位部・肋骨・頭蓋骨に好発するとか
(他の部位にも出るよ)、骨盤に病変があれば同側の大腿骨にも病変がある
とか、長管骨に出る場合は細長い病変となるとか、骨膜反応がないとか、
その辺が足がかりとなりうるので、そういった辺りから攻めていきたいのである。

あ、あと年齢であるが、一番多いのが3〜15歳。30歳以上が75%だそうで
ある。ただ、残りが25%ってことを考えると、それ以上の人でも鑑別から外せるか
どうかは微妙だと思う。俺は外さない方向で。

ところで、これが脛骨あるいは顎骨に出来た場合に、ひとつ鑑別すべき疾患が
増える。その名はアダマンチノーマ。脛骨と顎骨のみに出来る悪性腫瘍で
ある。稀な疾患なんだが、俺は実際に症例を見たことがあるので(っていうか、
アダマンチノーマの症例報告で論文を書いたことがある(笑))、覚えておくことと
する。

もひとつ。多骨性のfibrous dysplasiaに皮膚のカフェオレスポットと思春期
早発症
を伴えば、これがMcCune-Albright症候群。マックーン・アルブライトと
読むんだと思う。多分。


これでFEGNOMASHICは終わり。
次回は、FEGNOMASHICの運用上の心構え(と言っても、全て既述の内容である)
をちょっと話してから、硬化性病変の鑑別、そして行ければ悪性腫瘍のとっかかり
ぐらいは行きたいのである。

そうそう。明日は東京で夜通しサタデーナイトフィーバーするので(笑)、お休みを
いただく。再開は日曜日の予定。


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