BCJメンデルスゾーン・プロジェクト2012
  メンデルスゾーン/パウルス


2012/10/14 東京オペラシティ コンサートホール 15:00 
         [東京オペラシティ コンサートホール開館15周年記念公演]

*同一プロダクション
  ・2012/10/11 東京・青山学院講堂(青山キャンパス) 18:30 *演奏は第1部のみ
            [本多庸一先生召天100周年記念 青山スタンダード「キリスト教理解関連科目」特別講座]
  ・2012/10/12 神戸国際会館 こくさいホール 15:00 [松蔭女子学院創立120周年記念公演] 


フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ/オラトリオ《パウルス》(聖パウロ) op.36




高校生の頃、ヘルムート・リリングがメンデルスゾーンを演奏しているのを見て、バッハの専門家がなぜ?と思ったのが、この作曲家への興味の始まりです。もちろん今ではその意味がよくわかります。メンデルスゾーンは、オルガン曲や合唱曲、そして交響曲など素晴らしい作品が多いのに、昔から不当に過小評価されています。私自身、これまで交響曲第4番やバッハ《マタイ受難曲》メンデルスゾーン版、もちろんバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)でもいくつものカンタータを指揮しましたし、《パウルス》もオランダ放送室内管弦楽団で演奏しました。そうした体験を通じ彼の音楽への理解を深めるうちに、メンデルスゾーン作品再評価への情熱は増していきました。そして、BCJでオラトリオに取り組むなら《パウルス》だと、数年前から構想を温めていたのです。《パウルス》にはメンデルスゾーンのバッハ研究が結実していて、精神的なつながりも深い。と言って単なる宗教音楽ではなく、「改宗」という自らにも重なるテーマや有名なコラールを客観的に扱いながら、純音楽と教会音楽との融合を目指した、まさしくメンデルスゾーンらしい見事な作品と思うのです。
今回のBCJによる演奏は、19世紀の作品をその当時に近い楽器で演奏するという、日本ではほとんど前例のない試みですし、そこに大きな価値があると思います。編成もBCJ史上最大を予定しています。もちろんメンデルスゾーンが用いたような数百人規模の合唱というわけにはいきませんが、合唱と管弦楽をあわせて約70人。ホルン4本にトロンボーン3本、大オルガン、弦楽器も増強するといった具合に。
強調しておきたいのは、私とBCJは唐突にこの曲を演奏するわけではなく、メンデルスゾーンの初期のカンタータや合唱曲も採り上げてきた、連続した演奏活動の中でのプロジェクトだということです。現代の交響楽団でも優れた演奏は可能ですが、古楽器オーケストラだからこそ伝えることができるメンデルスゾーンの音楽の魅力が必ずあると信じています。
バッハ・コレギウム・ジャパン
音楽監督 鈴木雅明(談)
(オペラシティ文化財団HP掲載文)

ぶらあぼ 10月号 掲載記事  ・神戸公演チラシ画像 オモテウラ 東京公演チラシ画像


【コメント】
 
  

VIVA! BCJに戻る
これまでの演奏会記録に戻る