@ 今日の浅い思索と駄反応・マックのCMとウィンドウズの時計
しばらく前から始まったマックのテレビコマーシャルは、マック系サイトではおおむね好意的に受け止められているような印象だ。単なるラーメンズ人気かもしれないけど。一方、その他の系では批判的な意見が目につく。いつまでキクチモモコメソッド使ってんのかよ、と。
さて、『横山哲也の100年Windows : MacのCMを見て思う』という記事が先月(う、もう12月かい)の29日に日経の『ITpro Watcher』で書かれた。そこで突っ込まれていたのがこの件である。
ところでCMでは,パソコン(Windows)に付属のソフトウエアとして「計算機… 時計…」とつぶやく台詞がある。計算機はともかく,Windows XPには時計は付属しない。Appleの人も,まさか時計がないとは思わなかったのだろうか。タスクトレイ(通知エリア)には時刻を示す機能があるが,あれは時計とは言えない。
その前に、私としてはウィンドウズよりマックの方がクラッシュしてリセットを余儀なくされる率は高い、いや、うちに限っていえば、ここ何年もウィンドウズでそんなことをしたことはないので、あのコマーシャルには納得いかないのだが、それはともかく、
タスクトレイのあれを時計と認められないというなら、そこから呼び出す「日付と時刻のプロパティ」も時計とは認められないだろうけど、まあ時計のようなものはついているといっていいんじゃないかと思うが、この部分はアップルのコマーシャルの弱点があらわになったところだろう。
その弱点とは何かを書こうと思っていたら、昨日『nobilog2』で『アップルは、千載一遇のチャンスをどう生かす?』という記事が書かれた。書き手の林信行氏はバリバリのマック派のライターである。そのマック派の人の友人の、やはりバリバリのマック派の人ですらこう述べたことを紹介している。
日本人がダイレクトな比較広告などを嫌う、といった文化的背景を紹介しつつも、現在の広告はつまらなく、Macの良さがうまく伝わりきっていない
この日本人が「比較広告」を嫌うという説は、わりと広く信じられているようだが、実はそうでもない、というか、少なくとも古い認識だろう。日本人が嫌いなのは、比較広告ではなくてネガティブキャンペーンなのだ。比較広告はネガティブキャンペーンになりがちだが、相手を貶めず、自らの優位性を訴えるコマーシャルは受け入れられている。それらははっきり比較対照の相手を指定していないから、比較広告の定義に合致しないという意見もあるだろうけど。
ところで、いうまでもないが、ほとんどの人はウィンドウズに大きな不満を持っていない。やりたいことはそれで全部できているため、特に乗り換える必要性も感じてはいない。場合によっては愛着すら持ってる。自分で選び、日夜使っている道具に愛着を感じるのは天然の成り行きだからだ。ところがマックのコマーシャルは、どう見てもそれらの人を馬鹿にし、笑いとばす性質のものになっている。あからさまにウィンドウズユーザーをコケにしているわけだ。そのコマーシャルでいくらか顧客を獲得できたからといって、残りの大多数を敵に回し、いったいどんな得があるというのだろうと思うのだがどうか。以下余談。
林信行氏は、その記事の中でフォントの優位性を訴求する案も紹介していらっしゃる。同感だが、他にはないのかという気もしちゃう。しばらく考えてみたけど、明らかに優位な所って思いつかなかったのだった。キクチモモコが unix 風の使い方を楽々こなしてるって案を考えたけど、そんなもん一般人に訴求力はないからなあ。うはは。
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