@ 今日の駄反応・頼りにならない未来予測
先日、どっか経由(失念。申し訳ない)で『MP3文化の中で失われたサウンド』という記事を読み、ちょっとだけ考えた。この記事にも書かれているように、CD の普及は音質の良さという考え方がある。でも、実際には音質は問題ではなかった。CD とレコードの音質問題についてはいまだに議論があるくらいだが、このあたりは散々語られてきたから省くけど、CD が普及した理由はなんといってもハンドリングの良さだろう。
歴史を振り返ると、SP から LP になったときもそうだったと思われる。回転数は落ちても、長時間録音できる入れ物の方が便利だった。そして CD は、レコードより圧倒的に使いやすかった。さらに現在の iPod に代表されるシリコンオーディオ系の普及も、大量の楽曲を一度に扱えるというハンドリングの良さにより一般化したんじゃなかろうか。
何がいいたいかというと、こと音楽業界に限っては、音質は大きな問題ではなかったということだ。家庭用映像機器でも似たようなことが起きたことがあるが、それはまた別の機会にでもとして、ともかくこの百年の間、常に音質よりハンドリング性能が新フォーマットを普及させる要因になってきた業界で、「上質なサウンドへ回帰するムーブメントが起こる」とは考えにくい。可能性として、シリコンオーディオ系機器の記憶容量が 2桁ぐらい増え、ネットの速度もさらに高速化したとき、次に標準になるフォーマットが始めから高音質ということはあるかもしれない。私は割と悲観的ですが。
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