@ 今日の今さらな疑問・カサブランカの最後のセリフ
いうまでもなく「これが俺たちの美しい友情の始まりだな」なんだけど、これを「これが俺たちの腐れ縁の始まりだな」と訳したらペケだろうか。オリジナルの英語では、この部分は「Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.」となっている。反語として「Beautiful」を使うことはあるから、まったく無理筋ってことはないんじゃないかと思わないでもない。どなたかネィティブスピーカーの意見を聞いてみたいところだ。まあそうはいっても、全体にクサイ台詞が多用されてる作品だから、ここはやっぱりストレートに「美しい友情」とするべきなんだろうなあ。それでも、『カサブランカ』を見るたびに、大人の男が大人の男にそんなこと本気でいうだろうかという疑問を感じるのである。つい先日も BS2 でやってたのを見てそう思ったわけだが。
例によって余談だが、『[間歇日記]世界Aの始末書』の『君の瞳に乾杯』という「Here's looking at you, kid.」がなぜ「君の瞳に乾杯」になるのかについて書かれた文章も紹介しておく。それと、もしまだ『カサブランカ』を綺麗にパクった上手にアダプトした日活映画『夜霧よ今夜も有難う』をご覧になってなかったら、ぜひ見てみることをお勧めする。こっちの台詞のクサさも負けてない上、不思議と似合ってるんだ。ちょっと紹介してみよう。浅丘ルリ子が深夜、石原裕次郎の経営するバーに再びやってきていう。
「聞いて欲しいことがあるの」
「今さら何を聞くんだ。涙を流して色々わけがあるんです♂エはもう、美しい唇から出る言葉も、真珠のような涙も、信じないことにしてきた。(間)4年だ。一口に4年といえば短いが、朝が…」
「千五百回。昼が千五百回。夜もおんなじだけあったわ」
この時期の日活映画だけに許された世界。団塊の世代ってロマンチストだったのねー。をれも決して嫌いじゃないぞ。わっはっは。
|