フィッシュマンズ

8月の現状ツアー

1998年9月10日 新潟 CLUB JUNK BOX


いつ果てるともないストイックな演奏

 約1年ぶり、2度目の新潟公演ですが、客が少ない! JUNK BOXの入りは半分程度で、100人もいなかったと思います。去年はもっと入っていたけどね。ライブ・アルバムをリリースしてのツアーというのは、やはり無理があったか?
 とはいえ、演奏は素晴らしかった。2時間30分にも及ぶライブハウスとは思えない堂々たる内容でした。メンバー3人に加えて、サポートでギターとキーボード&バイオリン(HONZIという女性)の2人が参加。部分的に打ち込みやサンプルも使いますが、同期臭さは全くなく、どうやって同期をとっているかもよく分からない。ギターから始まる曲でも、気がつくと打ち込みが鳴っていたりして、実に自然にテクノロジーを使いこなしている感じです。ドラムもMIDIパッドを使って、レゲエっぽいシンセドラムも鳴らしますが、生音とのミックスもお見事で、全く嫌みがない。本当にいいバンドです。
 雑誌のインタビューで「同じ事を繰り返すのが好き」と発言していましたが、同じフレーズの反復が続くストイックな演奏で、無駄な音やソロは全くない。そのいつ果てるともない抑制のきいたリズムは本当に心地よかった。


最高のPAサウンド

 去年のステージでは若手No.1エンジニア“ZAK”がPAミックスを担当していましたが、残念ながらそのコラボレーションは既に解消されてしまいました。
 “ZAK”のエンジニアリングは破綻のぎりぎり一歩手前を狙ってくるようなスリリングなサウンドだったのですが、今回は全然違うPAサウンドで、バンドの演奏をきっちりと伝えるミックスでした。そのサウンドは本当に素晴らしく、特にベース低域の音圧と同時に音程感もくっきりと出ていて、最高の音でした。派手なダブ・ミックスはあまり無かったですが、バンドとしての演奏力の高さが本当に良く分かりました。


やっぱりプロはすごいよ

 1ヶ月ほど前に同じJUNK BOXでバンド・コンテストがあって、実は私も演奏をさせてもらったのですが、同じ会場、同じPA卓、同じスピーカーとは思えないほど、演奏のクオリティが違う。その差は歴然としていて、結構ショックを受けましたね。1曲目のイントロのギターのアルペジオだけでも、確実に何かが違う。
 演奏技術はもちろんですが、生演奏への打ち込みのミックスの仕方とか、コンセプト的な部分でも全然レベルが違う。年齢的には私は同世代だと思いますが、こんなにもプロとアマでは差があるのだなぁ、と痛感しました。がんばりましょう。

 



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