この日は日曜なのに休日出勤になってしまい、ライブを観にいくのを一度は諦めたのですが、なんとか開演時間前に仕事を終えて、ジャンク・ボックスに行くことができました。
新潟のジャンク・ボックスは最近移転したばかりで、市内2カ所に分かれていた本家ジャンク・ボックスとジャンク・ボックス・ミニが同じビルに入りました。当日券を買おうとスタッフに訊くと「開演時間になってから、場内の混み具合を見て発売を判断する」とのこと。この日はアマチュアの対バン・ライブがキャパの大きいジャンクで、ポラリスが狭い方のミニでした。おいおい、新潟のアマチュアよりも格下かよ(笑)。無事に当日券を買って、入場すると狭い会場内は満員状態でした。
メンバーは、ボーカル&ギターのオオヤユウスケとベースの柏原譲。ドラムはオリジナル・メンバーの坂田学が脱退し、コーネリアスやスガシカオで叩いていたあらきゆうこがサポートで参加。そして、キーボード&コーラスでクラムボンの原田郁子。
最小限のメンバーで、無駄な音と展開を削り落とし、同じフレーズの反復でジワジワと盛り上げていく音像は、非常に美しい。オオヤユウスケの柔らかな歌声と、原田郁子のコーラスが重なると、本当に夢心地だよ。
ポラリスのライブは、去年のフジロック以来2度目。彼等のCDは“深呼吸”のシングルしか持っていなくて、最新作の“Union”もこのライブ会場で買って帰ったので、俺は実はファンとは言えないのかもしれないが(笑)、予備知識とは関係なく、その場で鳴っている音だけで気持ちよくなれるかどうかが俺にとっては重要なポイントだ。
ただし、あらきゆうこのドラムはポラリスにはあまり合わないかな、という気はする。彼女のドラムはブレイクビーツ系というか、フレーズ全体のドラムセットの鳴りでグルーブを作っている感じがする。ポラリスやフィッシュマンズのような音楽には、音と音の隙間が感じられるタイプのドラマーの方が似合うと思う。ディレイやリバーブのエフェクトも綺麗にかかるし。具体的にドラムは誰がいいかと言うと、結局フィッシュマンズの茂木欣一になってしまうのだが(笑)。
アンコール終了後、オオヤユウスケと柏原譲の二人がステージに出てきて、特典の抽選番号の発表と軽いトークを聞かせてくれましたが、観客からは柏原氏にやたらと声がかかる。オオヤユウスケは「みんなユズルさんが好きなんだねぇ」とポツリ。
やっぱり、観客のみんなが求めているのはフィッシュマンズなんだよね・・・。