夏のフジロックでは白人ドラマーのクリフ・アーモンド、ライジング・サンでは沼澤タカ(スカパーの放送で見た限りでは、多分タカだと思う)という新作“NIKKI”のレコーディングに参加したドラマー2人をゲストに迎えていた今年のくるり。
タカ・バージョンを私は生で観ていないので、「ツアーのドラムはタカだといいなぁ」と期待していたのですが、残念ながらクリフ・アーモンドが叩いていました。
夏のフジロックでも感じたけど、クリフ・アーモンドのドラムは何か違うんだよなぁ。前任のクリストファー・マグワイヤと同じ白人だけど、ドラミングは全く違う。クリストファーは、白人のアイツなりのワビサビ感を持っていた。もちろん日本人メンバーのワビサビ感とはちょっとズレているんだけど、メンバーとは平行しつつも、自分なりに楽曲の情感を表現しようとしていて、それが当たらずとも遠からず、みたいな位置にあるのが、演奏の見事なテンションを生んでいた。
しかし、クリフ・アーモンドのドラムにはワビサビ感が無いんだよなぁ。どんな曲でも常にキックはベロシティ=127(音量最大)みたいな(笑)。
とまぁ、ドラムにばかり文句を言ってても仕方がない。
演奏全体としては、くるりの生み出すメロディーの良さを再認識したライブだった。新作の“Baby I Love You”や“Superstar”は派手なところはないけれど、しみじみと素晴らしい楽曲だと思う。
そして、アンコールはなんとビックリ“World 's
End Super Nova”。2002年のツアーでは打ち込みを使って演奏してましたが、それ以降のライブで演奏されることはなく、二度と聴けないものと思ってました。
今回はオール生演奏で、ドラムマシンの代わりにクリフ・アーモンドの4つ打ちキックをフィーチャー。そうか、クリフのベロシティ=127のドラムは、この曲でTR-909に負けないキックを鳴らすためだったのか(笑)。
4つ打ちダンス・ミュージック風に始まった“World 's End Super Nova”は、リズムがどんどん変化し、気がつけば20分を越える演奏になっていました。岸田君の「どこまでもいけるぅ〜〜」というコブシを聴かせた歌のとおり、いつまでも続いてしまいそうな演奏で、フィッシュマンズの“Long
Season”を連想させるような組曲的なバージョンになっていて、新鮮な感覚で聴かせてもらいました。