1月9日(土)

1998年12月31日。バルセロナの空港に着いた。



明るい。ひたすら明るい!!




太陽が・・・。空港が・・・。人の笑顔が輝いて見える。

そう言えば、ロシアでは皆、美人に見えるのだが、まじめで真剣な顔をして歩いている。

バルセロナにもおまわりさんはいる。
ロシアのおまわりさんは避けて通りたくなるように、国家権力の 旗を背中に背負って歩いているような雰囲気で、何かにつけてインネンを付けたがっているようだが、バルセロナは違う。

いつでもわからないことがあったら、なんでも聞いてチョ。ってニコニコしているんだもん。




それに南国情緒あふれる大きなシダ類の木がそびえたっている。
あびとはそれを見て、フラダンスを踊り始めた。

う〜〜〜ん。わかるよ。それって。
だって、なんといっても開放的で、手や足が勝手に動き出したいってウズウズしてくるんだもの。


歩く歩道に、空港の明るさ。窓の大きさ。光の入り具合。


ヤッターーーー!!




やって来たゼ!ロシアから逃れてさ。


電車は安心感満点のすんなり動く奴。

ドアはガチャンと閉まってから、もう一度その力の反動のバンバンがない。
全てが超静か。快適。スムース。
流れるような淀みのない動き。



そう言えば、自動改札口だって、切符を入れたら、スーっとプラスチックの白い板が優しく開き、人が挟まらないように、すこ〜しだけスペースが空いている。ロシアのグアッチャ〜ンじゃあない。いつもモスクワのメトロに乗る時は改札口であのグアッチャ〜ンに潰されないようにお祈りしながら、通るんだけど。ここは安全。且つ人に優しい。


スペイン語は全くわからない。
「電車、カタルーニャ広場、行くかい。」
と聞くと、おじさんが、
「インニャ、サンツ駅さ行くだ。おらぁ、サンツ駅さ行って降りるだ。」
とでも言ってたんだろう。
それじゃあ、駄目だ。サンツ駅じゃカタルーニャ広場じゃない!と、思って降りかけると、
「座っちょれ。」
と、合図する。


まあ、行くんだろう。
カタルーニャ広場まで。

サンツ駅に着く頃には、
「おらぁ、ここで降りっからな。おめぇらは次で降りんべや。」
と、丁寧に教えてくれて、ありがとうさん。



カタルーニャ広場へ着いてみると、なぜかお腹の虫が騒ぎ出す。
「なにか食いたい。何かくわせろ!!」
そう、ここはスペイン、バルセロナ。地中海が見える港まである。涙が出るほど飢えていた新鮮な魚介類にありつける。


最近、モスクワでは、あまり新鮮な魚を見かけなくなった。いつも冷凍焼けしているような、端っこが乾燥して妙に白っぽくて、ベージュ色になった魚しかなかったものな。
解凍して、どんなに頑張って料理したって魚臭さに耐えられなかった。




いざ、いざ、いざぁ〜〜〜!!





食べ物屋は、入り口がカウンター席になっていて、おいしそうなサンドイッチや野菜のお惣菜が食べてくれ〜と、言わんばかりにショーケースにならべてある。

ヘンヘンが「カウンター席で食べると、同じ物を食べても安いんだよ。同じ物が多分出るんだよ。」
と、念を押したにもかかわらず、奥のレストランへわき目もふらずに直行した。




ボーイさんが持って来てくれたメニューを見て、驚き!!



な・な・なんと。


高い。



う〜〜〜〜。高い。






ヘンヘンのフランス語とイタリア語を駆使したメニューの読み取りでは、豆の前菜、野菜の付け合わせ、お肉で2人分、デザートで7000円也。(モチロン、スペイン産の葡萄酒も出た。)・・・・・だから、実はれっきとしたレストランなのだけれど・・。



こ・こ・こんなはずじゃ・・・・。




いやじゃ。いやじゃぁ。大衆食堂で7000円も払うなんてなんとなく許せない!!(チャンとしたレストランだって!!でも、ドゥニャンの固い頭では、理解し切れていなかった。)


でも、たのんでしまったものを取り消す力はない。








ドゥニャンの予定ではスペインの大衆料理屋は安いはずだった。(しつこい)


入り口の惣菜部門からお皿にきれいにお皿に乗せてやってくるだけのことなのに・・。
カウンター席に行きたいよぉ〜。



まあ、でもお腹はくちくなったし、太陽をいっぱい浴びた美味しくていろ鮮やかな野菜を食べた。満足満足。


メニュー:前菜1・野菜のソテーの付け合わせ(おなす、ズッキーニ、チコリ、アスパラガス、トマト、グリーン・チリーのオリーブ・オイル漬)
前菜2・グリーン・ピースとハムの煮込み。
メイン・お肉のソテーにじゃがいものマッシュ添え。
デザート1・フルーツ・ポンチ
デザート2・チョコレート・アイス



夜はタパス屋(スペイン風お惣菜が並んだお店。一品ずつ頼む。一品350円くらいから)に行った。
コロッケやじゃがいものフライ、ムール貝のオリーブオイル焼き、シャンピニオン、アスパラガス、イカやタコのオリーブオイル漬。なかなかコッテリしていた。1品は安いけれども、4人で食べるとここでも8000円なり。





ドゥニャン一家はロシアに来る前1ドル143円で交換したので、勢いペセタも1ペセタ1円の計算となる。実際のレートは現在1ペセタ0・9円くらいです。


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