電話03―3444―3967 住所:東京都港区南麻布5―15―13
休み:月曜
1997年11月30日
私たち、毎年秋にレストランめあてに東京へ行きます。
素敵なお店との前評判を聞いて、今年(97年)白羽の矢が当たったのは、ひらまつ。
入った途端の贅沢なウエイティング・ルーム。これは私たちを、贅沢の極に導いてくれるかもと期待をいだかせてくれます。
子ども連れということで個室を用意してくれました(無料)。
部屋にはちょっと重めの油絵が掛かっていました。もうちょっと絵心があったら、その作家の名前を覚えて帰れたのですけれど…。
さて、どうでしょう?料理のほどは…。
◎アミューズの前の’いらっしゃいませ’かな?
ペンネを素揚げしたものに、南米風のちょっとスパイシーなトマトソースとちょっと得体の知れない動物性のディップソースが付いていました。トマトソースはサルサ・ソース(市販かな?)、お手軽な感じ。これが名にし負うひらまつのお料理?って、思いました。
◎アミューズはごぼうの3年ものにコンソメのジュレがかかっていました。
ごぼうの触感とか香りも良く、味付けも控えめにして奥深く、納得しました。
前菜 ◎フォアグラのポレンタ焼、香草を添えて。帆立貝のソース、ロケットサラダ添え
フォア・グラにトウモロコシの粉をまぶしてソテーしたもの。グリーンアスパラが乗っかっていました。トウモロコシの衣がカリットして、中のフォア・グラがジュワって口の中でパッと広がる感じ。イケル!!これは。
◎ひらめ、ほうれん草、トマトの軽い煮込み
ウーン。味が濃すぎます。とにかく魚のジュースの部分が全部飛んじゃっていて、火を通し過ぎ。そしてソースの味が濃いから余計に魚の筋っぽさが印象に残ってしまう。残念。
付け合わせのほうれん草が魚の下にしかれていたのはいいのだけど、どっぷりポルト酒風ソースに漬かってしまっていて、もうお味を楽しむどころではない。・・・って。
◎もも肉のステーキ、マスタードソース
肉、八分通り火が通っていた、カシラ・・・。お肉もジューシーさの全くない、輸入赤身肉といった感じで、味・香り共にお粗末。マスタードのソースでいただいたのですけれど・・・・。
どうしてこれなの?っていうほどお肉とマッチしていない。
もっと優雅にして重くそれでいて伸びやかな格調高いソースがついていてもいいはずなんだけどなあ。
やっぱり、味が濃すぎました。味が濃いから、料理に品の良さがなくなってしまうのです。無念。
付け合わせが、舞いたけとなすび。
グッっと地味なんですね。料理が・・・。
最初から最後までブラウン系とモノトーン系で統一している・・・それがおしゃれなのでしょうか。私の好みで言えば、何か一つだけの料理でもいいから、パッと天高くと飛んでいく、遊びが欲しい。
◎洋梨のスープ
フロマージュの後に出てきたこのスープ。重い伝統的なソース料理後の一服の、いやいっぱいの清涼剤。私に食欲を再びかきたててくれました。
甘さはほんのり、梨の香りが高く香って、口の中でとろけながらも特有の粒っぽさが梨を感じさせてくれる。品の良いソースが絡み付いて本当においしかった。
◎チーズ 担当の方が説明をよくしてくれて、とってもわかりやすく、楽しめました。
○ピュリニー・サンピエールがすごーくおいしかった。最初の_味と塩味、その後来る今まで味わったことのないこくのある香り。動物的でありながら、甘い香りが口の中に残ったのでほとんどシェーブ臭さがなくて、ただひたすら芳醇。薦めて下さってありがとう!!
○モンドール、これは今の季節しか食べられないということでしたので、勿論、食べました。熟成がほぼ完璧に近い状態であと2・3日すれば、絶好調!だったんだそうです。塩味たっぷり、クリーミー。臭いは程よく、ああ、食べてよかったなあ。
○ルクロン、くせがない!もっと食べてみないとわかんないよォ。もうちょっと入れてきて、お願い。みたいに、いくらでも食べられそうな、おとなしいけど、上品なクリームを揩チたチーズでした。
他にエポワス、フルムダンベール、ポンレベック、サントモール、シャビシュ、ミモレット18ヶ月を食べました。
ミモレット18ヶ月の色がきれいなオレンジ色で、固くて、お菓子みたいにおいしい。軽く食べられました。
ぶどう酒はラフィット・ロートシルト'87がなんと17、000円でいただけました。その他にも、グランピュイラコスト82やレオヴィルラスカズ84が10000円以下であり、グランヴァンのはずれ年、そこそこワインの当たり年などを選べるワインリストは評価できます。 ボルドー高騰のおり、ワイン屋で買うより過去に大量に仕入れてあるグラン・メゾンの方が安く飲めたりします。