【職務の拡大】
この方法は、比較的新しいやり方で、通常業務の範囲を、いままで以上に広げることで、仕事のやりがいがあるようにするものです。
これは、職務内容の拡大につながります。いままでの労働者は、指示された仕事の一部分だけを行いました。
新しいやり方では、さらに、職務を拡大して、自ら工作物、および、機械設備の点検や小さい修理、作業方法の選択等まで自分の能力で行うことになります。
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職務拡大には二種類のやり方があります。
1) タテの職務拡大(職務改善という)では、様々な技能を駆使する
ことになります。
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この場合、従業員は、自分の仕事との関わり方が、いっそう深くなます。
実際に出来るときには、仕事のペースと、順序を決めたり、責任を拡大したり、作業方法を手直しすることが出来ます。
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2) ヨコの職務拡大は、割り当てられた業務と、類似した仕事を、幾
つか増やしていくという方法です。
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例えば製造組立において、前は、ナットとボルトをはめていた組立工が、今は数個の部品を組み立てているといった状態です。
これは仕事のサイクルを長くし、反復作業を減らすので、仕事の単調さから、ある程度逃れることが出来ます。
【勤務時間】
会社によっては、フレックス・タイムを、採用しているところも、珍しくなくなりました。
これによると、社員は毎週定められた時間だけ勤務すれば、好きなとき出社して、好きな好きなときに、退社できる仕組みになっています。
基本的な勤務時間(例えば午前十時から午後四時迄)中は、全員が、仕事についていなければなりませんが、始業時間と終業時間が許されるときには、一日の勤務時間が十時間で、週四日制というケースもあります。
【在宅勤務】
また、最近では、情報技術革新によるインターネットの普及で、在宅での勤務方式が増加しております。
仕事場所になる自宅にパソコンなど情報機器を設置、電話回線で企業組織と接続します。
連絡、報告、報告書提出、文書作成等を含み、打ち合わせ会議等は、すべてネット上で行うシステムです。
技術革新による勤務形態の変化は、とどまるところを知りません。
パソコンがデスクトップから、ノートなどの移動モードになりました。
携帯電話が、iモードで、インターネット接続が可能になり、メールやデータベースの利用が可能になっております。通信機能に革新が及んでいるため、コミュニケーションが益々活性される時代に入っております。
【参加の意志決定】
中間管理職、現場監督、管理責任者、専門家の扱いについては、多くの会社がこうした関係する方々の、参加による意志決定を、経営を利用して、動機づけされたグループを作ることに、かなり成功している。
関係者による参加の経営では、意志決定を下すことに、関わりを持つ従業員の一人一人が、その意志決定に協力を求められます。
経営参加の、リーダーシップにみられるいろいろな技術については、既にリーダーシップ技術などにおいて、触れているので割愛いたします。
全般に、自分の職務に関わる問題となりますと、少しでも発言の機会を持ちたくなります。そのため、自分の仕事に関する意志決定へ、関係者の参加が自己主張的な要求、あるいは、自己完成の要求を、満たすための強力な武器になることは明かです。
生産労働者が用いる経営参加の方式には、スキャンロン・プランというやり方があります。
ヨゼフ・スキャンロンによって開発されたものです。基本的には、
(1)賃金の算定方式ないしは奨励策、
(2)新しい提案制度
の二つに分かれております。
この賃金決める計算の算定方式は、生産性の向上で得た利益を、関係者全員に平均に分配するようになっております。<P>
例えば、この算定方式の代表的なものでは、生産性が一パーセント向上した場合には、生産労働者だけではなく、事務職員、セールスマン、監督、トップ・マネジメントに至るまで、生産性向上に、関わりのあったすべての従業員の、賃金または、給料の一パーセントを、引き上げることになります。
また提案制度は、次のような機能をもたせるようにします。
先ず、各部に、労働組合代表と職長からなる生産委員会を作ります。
この委員会は、定期的に開かれ、従業員から寄せられた提案など、内容を評価して、生産性向上のための一般計画を立てるようにします。
スキャンロン・プランは、通常の提案制度とは異質です。アイデアを出して、採用された個人が奨励金を受ける代わりに、生産性が伸びればいつでもグループ全体として、高額な特別賞与を貰うことが出来る点に特長があります。
ですから、労働組合が積極的に参加し、個人が互いに協力しあって提案を行います。
自分達のアイデアは、いつまでも自分のところで埃にまみさせるのではなく、全員で共有する事で、大きい価値づけすることになります。
スキャンロン・プランや、これに類似する計画を実施している会社では、一般的に生産が著しく伸びております。より多くの、より優れた提案がなされれば、それにつれて、利益も増大します。
ですから賃金や給料も引き上げられ、労働者と管理者の間の協力関係もよくなるのだとおもいます。
この様な労使教調を生むには、経営者、労働組合双方の態度の変化、高い従業員の士気、円滑な社内の意志伝達が大変重要になります。 つづく
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