【基本訓練】
技能訓練のもう一つの形は基本訓練です。
もっとも効果の高いやり方は、いろいろな問題を包括している作業現場で教えるより、やる気を起こさせる労働環境を上手に利用します。
工場内の機械や環境条件は似ていても、場所が異なり、作業上の問題から生まれた「圧力(精神負担)」の少ない場所を選ぶことが重要です。この技能訓練は、指導法を開発してから、訓練のための運営を続けるには、大変なコストを必要とします。ですから費用の調達が潤沢で、多数の受講生が参加できる環境で無ければ勧められません。
『見習い訓練』
この見習いによる訓練も技能訓練のうちにはいります。
最も古いタイプの訓練法として良く知られております。訓練の長い期間では2〜5年を要します。
この見習い訓練は、若い人の各種技能訓練に用いられており、多くの会社が熟練工をを育てるために実施している方法です。
最近では、職場内訓練の他に、職業訓練施設の各種専門学校、あるいは、地域産業共同育成センターを擁する地域国立大学などの、施設を利用して社員教育を行っている会社も沢山あります。
『管理者養成』
「管理者養成」は第二次大戦後、大企業の大部分と中小企業の多くが、管理者養成計画を実施するようになりました。
現在では、年間百万人を超える多くの管理者と監督者が、何らかの形で管理者養成活動に参加しているといわれております。
セミナー、非公式セミナー、特別に開設された講座、大学の正規の教科課程などが管理者養成の役割をはたしています。
大きい企業組織では、企業自身で訓練計画を実施しているほかに、各種指導者講習プログラムやセミナー等、外部の講習会にも社員を派遣しています。
しかし、管理者養成はどの方向にも進むことが出来ます。何れにしてもスタートは現職における管理者能力を高め、昇進階段を昇る準備をするための職場内訓練になります。
『指導と助言』
これはおそらく最も良く用いられている管理者訓練法になります。
先輩の管理者は、部下と共に働きながらビジネスの「こつ」を教えます。優れた教師にもなる管理者は、上手に教えることによって多くのことを成し遂げることが出来ます。けれども、多くの管理者は気が短く多忙になりがちです。
部下のことに必要な時間や注意を払うことは至難です。そこで、指導法に関するもう一つの問題は、あまり有能と言えない自分の管理者像や、部下の個性や、管理スタイルに合わない管理者像を、いつまでも残そうとする嫌いがあることです。
そしてなかには、自分の部下をライバル視ししたり、部下の才能を伸ばすことに、消極的な管理者も珍しくはないのです。
「プロジェクトの割当」
もう一つの管理者養成法は、自分の専門外分野での短期間研修を積ませることです。
これは、これはいろいろなプロジェクトを管理者訓練生に担当させることで実現が可能になります。
「ローテーション」
これは熟練した管理者より、新しい管理者訓練生に用いられる方法です。
この場合管理者訓練生はいくつかの部門毎に巡回配属されて、それぞれの部門で知識や経験を積みさせます。
「講演と会議」
専門家による講演は、管理者が各分野における動向について、絶えず情報を得るために利用されます。
講演と言うのは、聞いて記憶していられるのはごく一部です。ですから、訓練としては最も効果があがりません。しかし、このような習得状態は、図表、映画、ワークブック、デモンストレーション等の補助用具を利用すれば、いくらか改善は出来ます。講義形式の場合では、単なる講演会に比べると、参加者に参加する気を起こさせる会議のほうが効果的です。 つづく
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