◆概要
教育訓練ゲームとして、企業研修などに導入されたものを見ますと、その狙いは、コミュニケーションづくりを目的にしたものから、問題解決、あるいは意思決定であるとか、創造性開発的なものに至るまで、各種各様のものが行われています。
教育訓練ゲームについては、高橋氏(現代能力開発研究所長)の説によれば『新しい教育訓練ゲーム』を、「ラボラトリー・トレーニング系」「カウンセリング系」「事例研究系」「問題解決決定学習系」「心理療法系」「討議系」「発想技法系」「社会教育系」というように、分類しておりますから、教育訓練ゲームと一括りにしても、その範囲系統は多岐にわたっています。
一般にこの種の訓練ゲームを観察しますと、単純に、ゲームの持つ遊戯性などの興味本位に走り、本来、教育訓練ゲームの狙いとする理論や、応用背景を軽視するきらいがあるようです。ですから、ゲーム導入の目的と狙いを見失いますし、訓練プログラムは、前後の内容とは関係なく、単なるアソビに参加者の好奇心や興味を引き出すことになります。
そのため、各ゲームの特長「目的、効果、観察ポイントなど」を良く熟知して研修全体の流れの中でどの様なゲームを取り入れたなら良いのか、このことを、立案段階で検討しておくことが肝要です。
◆実際活用事例
企業内教育の中に、教育訓練ゲームを取り入れるときは、少しの注意する点があります。
- @ ゲームを研修目的にしてはならない。
-
ゲームそれ自体の実施を研修目的としないで、プログラムの中で副次的な補助手段として用います。
- A 全体計画の中で、ゲームの位置づけを明らかにします。
-
補助的な使い方とするために、全体のスケジュールや、プログラムの中で、ゲームを何処に入れるのか、その位置づけと前後の関係内容がちぐはぐにならないように十分に吟味しておきます。
- B 指導者によってゲーム内容の質が変化しないようにします。
-
訓練指導者(トレーナーあるいは、ファクシリテーターとも呼びます)によって、ゲームの内容が浅くなったり、深くなったりと、大きく左右されますから、その選定を誤らないようにします。