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コミュニケーションの基本的問題

 コミュニケーションという言葉は、ラテン語の Coounis(共通の意)が語源。
つまり、コミュニケートするということは、二人以上の人、または、二つ以上の下位システムの間で何らかの共通性を、確立しようという働きと考えられます。

 ですから、二人以上の人、あるいは、二つ以上の下位のシステム間に、出来る限り完全で正確な対象とか出来事について、共有の情報を確立するための、シンボル(言語など)の体系的な使い方をして、情報の受け手に対して期待した行動を起こさせるように、「意図した、シンボルの使用」をコミュニケーションといいます。

 このようなコミュニケーションには、
(1) どの様にしてシンボルを正確に伝えるか。
(2) 伝達されたシンボルが、どの程度正しく、「意図した意味」を伝えることが
 出来るか。
(3) 受け取られたシンボルは、どの程度「送り手の意図した方向」へ 受け手をの
 行動に影響を与えるか。
 と、いった問題があります。

 ようするに、伝達→共通性の確立→行動といったプロセスの段階で、問題の生ずることが理解できます。
 ビジネスにおいては、「共通性の確立」と「行動」の問題が重要で、その中の行動が課題の中心になります。

 
 
 上図は、コミュニケーションの過程を示したものです。
 ビジネスの職場においてのコミュニケーションは、「送り手」と「受け手」との間に、情報の共通性を確立することが大事ですが、コミュニケーションは、それだけをめざすものではありません。
 受け手は情報の伝達によって、何らかの意志決定と行動が伴うことが最終的な目標と考えます。そのため、伝達されなければならない意味が、受け手に伝わらなければ、期待した行動には不可能になります。仮に、正しく意味が伝わって、情報の共通性が確立されたとしても、その結果として、期待した行動が起こらなければ、コミュニケーションは、役に立たなくなります。

 コミュニケーションの過程は、まず送り手に、情報源から伝えたいことが入力されます。送り手は、これを何らかのシンボル(言葉とか表情動作等のシグナル)に変えて受け手に伝達するために出力します。
 つぎに、送り手の出力は、伝達情報となって、受け手の入力に伝達されます。
伝達情報であるシンボルは、この経路において、元々伝えたいものとは異なった性質の余分なもの(雑音)によって、妨害を受ける可能性があります。

 シンボルに言語を使う場合などには、表現された言葉の意味と、言葉を組み立てる論理的な考えでは、本音と立て前のように表裏の二面性があります。しかも、シンボルは、言葉をデジタル的と表現すると、言葉にならないアナログ的な発声音とか身体の表情や態度など、マルチ的に重畳させて伝達します。
 そのため、これらのマルチ情報を妨害する雑音が、その情報を正しく理解するための、比較判断などの知識変換を、正しく機能させるとは限りません。
 ですから、コミュニケーションは、伝達のためのテクニックなど技術上の問題や、シンボル化から伝達までの効果、フィードバックまでの全過程について考えることが出来ます。

参考文献:「ヒューマン・ファクター・マネジメント」三菱総合研究所 行動科学研究室著、(株)ティビーエス・ブリタニカ刊。
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