今回はキャパシタです。コンデンサとも言い、抵抗器と並んで最も重要で基本的電子部品のひとつです。キャパシタは交流回路の中で使われると非常に興味深い働きをするのですが、今回は直流的な蓄電作用を見てみることにします。
つまり、電池は+側から+の電荷を押し出そうとし、同時に−側から同じだけの+の電荷を吸い込もうとします。+の電荷を吸い込まれると、その部分は−の性質を帯びるようになります。この電荷を押し出そうとしたり吸い込もうとする力が電圧と呼ばれるものです。そして、金属が平行に向かい合っている場合には、両金属表面に電荷が図のようにたまるという性質があり、これがキャパシタの原理です。(ちなみに現実には電池は−側から−の電荷を押し出し、+側から−の電荷を吸い込もうとします。)
いったん電荷がたまると、電池を外してもしばらくの間は電荷がたまっているので電圧計等で調べると電圧が残っていることが分かるのです。そして、しばらくするとたまった電荷がなくなってしまい(=放電)、電圧もなくなります。キャパシタは、電子回路の中で一時的に電気をためておくのに多用されており、抵抗器と並んでもっとも基本的かつもっとも重要な部品といえます。
ちなみに、キャパシタが電荷をどのくらいためられるかの尺度を容量といい、今回製作したようないわゆる「フィルムコンデンサ」は容量が比較的小さいのですが、「電解コンデンサ」「電気二重層コンデンサ」と呼ばれる非常に容量の大きなキャパシタも作られており、これらではためた電気で発光素子(発光ダイオード=LED等)を光らせたりすることも可能です。
さて、そろそろ「1.感覚的に電気を把握する」で説明すべきことは終わりつつありますが、最後に半導体素子の例をひとつ取り上げておくことにしましょう。次回は、ダイオードを見てみることにします。