1936年に発表された“ES-150”は、ギブソンが本格的に開発した初のエレクトリック・スパニッシュ・ギター(ESはその意味。抱えて弾くスタイルをこう呼んだ)で、当時の愛用ジャズ・ギタリスト名にちなんだ通称“チャーリー・クリスチャン”モデルとして有名である。
細めなFホールが開けられたソリッド・スプルース・トップの16 1/4インチ・ワイドのボディには特徴的なピックアップがマウントされており、これも同様にチャーリー・クリスチャン・ピックアップと呼ばれる。矢印マークの入れられたコントロール・ノブはベイクライト製で、ボリュームにはブラウンのものがトーンにはブラックのものが使い分けられている。
'40年中期にはピックアップの変更とその取り付け位置の移動(リア側)、そしてFホールの大型化など大幅な仕様変更が行なわれたのち、世界大戦の影響で'42年に生産が中断されている。
今から50年も前に製造されたホローボディ・ギターということで、この'40年モデルのように、木部の破損などのない状態で現存しているものは非常に貴重である。