ボディ中央にセンター・ブロックを持つセミ・アコースティック構造の“ES-335TD”。
発表年の'58年から'62年中期まではストップ・テールピースにドット・ポジション・マーク,
その後'64年後期までのストップ・テールピースにブロック・ポジション・マークという仕様だった。
一般には'65年からブランコ・テールピースにブロック・ポジション・マークに仕様変更されるが,
写真の335は'65年製にもかかわらずオリジナルのストップ・テールピース仕様という,
珍しいモデルだ。
ただし,ストップ・テールピースのアンカー部分には,
“CUSTOM MADE”という四角いプレートが取り付けられていた形跡が,
ボディのエンド部分にはブランコ・テールピースの取り付け跡がある。
つまり,ストップ・テールピースとブランコ・テールピースとの両方の弦の張り方に対応させるべく
カスタム・オーダーされたモデルと推測できる。
この'65年モデルに搭載されたハムバッキング・ピックアップは,
俗に“ナンバードPAF”と呼ばれるものだ。
裏側に貼られたステッカーこそ'63年頃までの評価の高い“PAF”ハムバッカーとは異なり
(PAFには“PATENT APPLIED FOR” と記されている),
“PATENT NO. 2.737.842”と記されたものだが,
PAFと同様にボビンに“スクエア・ウィンドー”と呼ばれる小さな四角い穴があり,
コイルにエナメル被膜のワイアーが使用されているなど,
PAF”ハムバッカーとは基本構造が同一と言われているものだ。
この'65年モデルのヘッドは,ネックに対して17度の角度が付けられているが,
'65年中期には14度ヘッド角に変更される,
また,この'65年モデルのピックアップ・カバーやブリッジなどの金属パーツはニッケル・メッキだが,
'65年中期までにはクローム・メッキに変更されていく。
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