Running#2 "Warrior's Night"
〜 ランニング#2 戦士達の夜 〜
西暦2056年の冬を迎えた東京スプロール。今夜もまた、影たちの物語が始まる。
ナイトクラブ〈シェイク・ユー・ダウン〉の前回のギグで“インクリーディブル(笑)”な演奏を見せたヴィッキーにDJのテクノ-Zは大満足。「次回のギグもぜひ頼むぜ」と言ってくる。ストリートにたむろするファンに手を振りつつ、彼女は仲間達の元へ向かった。 |
一方、バー〈クリスタル・ヴィジョン〉では十六夜がグレープフルーツジュースを静かに飲む横で、神薙の相棒、チバ・シティでのサイバーのインストールを終えた桐原がエッジを磨いて帰ってきていた。
と、バーの入口から揃いの色を纏ったギャングが数人やってくる。少々ドラッグでイッてしまった“フェザー・スカル”の連中だ。店の客達を次々とからかい、彼らは一行の元へやってきた。
「ヘィ兄ちゃん、ずいぶんガリガリだな。ちゃんと飯食ってるかい?」と神薙に言い掛かりをつける。
「ヨォおっちゃん、ナニしけた面で飲んでるんだよ?」と一行の後ろに一人座っていた傭兵風の壮年男性にもケンカを売ってきた。
「スマッシュのヤりすぎね」
シェードの陰で呟く十六夜。(←おいそりゃ2.0.2.0.じゃないっすか十六夜先生/笑)。
そして、桐原はプレイヤーがサムライの圧倒的な強さを把握していないためにイマイチ腰が低かった!(笑)
結局、エスカレートした騒ぎを静めるために桐原が相手になった。何が何だか分からない内に2回殴られたギャングは当然気絶。残った相手もビビる。
と、後ろでもやはり傭兵風の男性が、かなりの速さでギャングを押さえ付け、鋭いコンバット・ナイフを突きつけていた。手痛い火傷を負ったギャングの皆様は慌てて逃げていった。
首から認識票を下げた男は静かに椅子に戻る。しかし“今回のキャラは動かない人”ということらしい十六夜は別に関わろうとしない(ひ〜)。 |
一方チュン‥‥いや中は西新宿ハイランドホテルの最上階のバー、〈パーフェクト・ブルー〉でレンラクのミスター・ヤマダ氏とランの話をしていた。 |
チュンのコンタクトである問題のエコ・ギャング“Lフォレスト”はいつものシブヤに緑を取り戻そうという主張しか言わず、大した手がかりはない。
仕方なく中は別のkンタクト知り合い、代々木のエルフ・ポーザー・ギャング“ネオ・シンダールズ”の元へ向かった。
「『ガンダルフを大統領に!』とか言ってる連中?」意味不明のことを呟く十六夜。
だが、彼らはエルフになりたいと言う主張を繰り返すだけで大した事は知らない。なぜか中はぶ然として仲間の元へ帰ってきた。
続いてヴィッキーはテロリストの知り合い、マクファーレンにも連絡を取るが、「君の曲がMCD(ミニ・コンパクト・ディスク)になるのを待ってるぜ」という期待しか言ってくれない。 |
桐原の友人のエルフ・デッカー、UCASはシアトルからやってきた陽気なナイスガイのメタリック・マウザーの情報で、そいつらは小規模なギャング団だと判明する。
そしてヴィッキーのコンタクト、ECP特別捜査課の私服刑事、宮さん(彼はテレクラ一斉摘発の極秘任務についていたらしい)のお陰で、“クロウィン”は池袋にいると分かる。
早速一行は、治安の悪い池袋方面へ向かった。ギャング共が永遠のパーチーを繰り広げ、ECPの機械化犯罪処理班が悪いコトするワイヤヘッドを狩り立てている。(←言い回しfromサイバーパンク2.0.2.0./笑)
早くも、
中「ECP池袋分署は早死にするからやる気がないはず」
中「シャドウランのストリート・ドクはクリオタンクにパーツ浮かべるまでやらないでしょう」
中「車取られたくないからスクワッターに見張りさせる」
十六夜「スクワッターだったら金だけ貰って逃げるのでは?」
中「だってリプレイでやってますよ」
十六夜「そんな、毎回車取られてたらやってられないじゃないの。マスターだってただ治安が悪いことを表現したいだけ‥‥のはずなのだから」
等のサークル内ではお馴染みだった“レーザーとビームの違いを主張するかのような”論争が始まってなかなか超ベリBなカンジになってくる。だから、SNE版リプレイとコミックを読んでても別にすごくはないんじゃぁ〜!
“クロームウィンド”が根城にしている名前だけは立派なゲーセン〈バーニング・クローム〉(←from『クローム襲撃』 笑)を一行は急襲した。
「おう兄チャン、女連れて何の用だ。ホテルなんざこの辺じゃないぜ」 |
相変わらず尋問が好きらしい中が、突如態度を一変させて尋問モードに入る。一味のデッカーがデータを奪い、どこかに売ろうとしていたらしい。データソフトは近くのもう一つの根城にあるという‥‥。一行は倉庫を改造した根城に向かった。
だが! 一行を轢きそうな勢いでSAABのダイナミットというスポーツカーが突進、街路を消えていく! しかも助手席には、あの大佐の姿が!
追跡しようとするも失敗、根城の方に行くと、フルオートで壁を撃ち抜かれ、ブルブル震えるギャング達が! 傭兵風の三人組が突然押し入ってきて、データソフトを持ち去ったというのだ!
一行は後を追い、廃ビル等の並ぶ夜のストリートを進む。桐原と神薙には懐かしい光景が見えてきた。そう、レッド・スコーピオンがまだ活動していた頃、よく闊歩したのもこの辺りだった‥‥。
ふと見ると、壁にはもう何年も前の落書きが。その中に、『from LUCA, wiz LOVE』と書かれた壁を神薙氏が見つけるはずだったが(ルカというのは神薙の死んだエルフの恋人です)‥‥今日のセッションでは肝心の神薙担当プレイヤーが欠席、NPC扱いだった! はうぅ〜!
迷路のように入り組んだ街並みで迷った一行は、神薙の知り合い、リサのいるライブハウスに行く。リサは仲間のギャングのオーキッズの連中に聞いて車が猛スピードで走っていった方角を教えてくれた。
ちなみにオーキッズの3人目のC君は目標値10の認知テストに成功、何とヴィッキーの名を知っていた!
盛り上がるオーキッズに、ヴィッキーはビズが終わったらキーボードを演奏してやると約束した‥‥ような気がする。
夜空高く、ドク・ワゴンTMのヘリコプターやIN◎UEコーポレーションの宣伝用飛行船が飛ぶ下、一行は寂れたストリートで車を降りる。 |
十六夜のアストラル偵察も役に立ち、怪しい二人組がいるビルを発見! 近づくと、ボディに弾痕のあるSAABダイナミットが‥‥。
しかし! 警戒を怠った一行は目標値4の不意打ちテストで完全に失敗!
凍りつく一行の頭上、40m先のビルの2階から、女傭兵ヴィクセンのH&KG12A3zアサルト・ライフルのバースト狙撃(11S) が桐原を直撃! いきなり重傷! でもサムライじゃなかったら普通死ぬよな(笑)!
奇襲から回復した一行は遮蔽を取り、何とか反撃。栗色の髪の魅力的な女傭兵、ヴィクセンは、傷つくと「チッ! ジョーイ、敵だ! 大佐に伝えて!」と窓から姿を消した‥‥。
アストラル偵察の結果、確かに敵が。トラップの可能性は? 議論するも結局突入! 2階のドアを開けると、遮蔽を取った2人の傭兵が銃弾の雨を浴びせてきた! |
十六夜はアストラル偵察し、上には大佐が一人待っているのを知る。しかもオーラは魔法使い。仕方なく急ぎ応急処置する一行。
中は女傭兵の体のバイオウェアを探そうと近づいた‥‥(←ちょっとやらしい/笑)
が! いきなり立ち上がった女傭兵ヴィクセンが彼の首に手を回し、アレス・プレデターUを突きつける!
「動かないで。アタシが出てく前におかしな真似したら、頭を吹っ飛ばすよ」
既に重傷を負っている中はなすがままに。
「まったくツイてないね。払いがいいから大佐に雇われたのにジョーイは死んじまうし、アタシゃもうこんなビズはゴメンだよ」
ぶつぶつぼやきながら彼女は出口に回る。既に彼女の傷は完全に塞がっていた。
「サヨナラ、サムライの偽者さん」
彼女は中を銃で殴って気絶させると夜の街に消えていった。
偵察から階下へ帰ってきた十六夜は一瞬だけ、アストラル界から彼女の姿を見る。大きな狐の姿‥‥シェイプシフターだったのだ!
3階に昇る一行。
「安心しろ。トラップはない」
“大佐”が一人、部屋の中に座っていた。
「ほう、お前達だったのか。さすがはランナーだな」
ミツハマに雇われた大佐達は、データをミツハマに売りつけようとしたギャング達から、金を払う代わりに強奪してくる命を受けたらしい。
「データは確かにここにある。1対5では私の勝ち目はないようだが‥‥ただでやる訳にもいかんな」
大佐は銃を使うつもりはないようだ。
「よし、私と勝負しろ。サムライとは一度勝負してみたかった所だ。こい!」
指先からハンド・レイザーを起動して近づく桐原。大佐の動きから戦況解説していた十六夜達は、相手が軍隊のマーシャルアーツだと見破る!
実はフィジカル・アデプトだった大佐は目にも止まらぬ速さで鋭いコンバット・ナイフを取り出す。最新鋭の分子結合テクノロジーを使った基本ダメージMのクーガー・ファインブレード・ナイフの刃が遠くのネオンにきらめく‥‥はずだったが傷がMまでしか治らなかった桐原の為にGMはフツーのナイフに変更!(ざんねん)! ついでにデータを弱くして手抜きして挑む! はう〜!
ナイフのLダメージを強靱力で消しあう膠着した戦いの後、負傷がSを越えた大佐は負けを認めた!
「フフ‥‥私も焼きが回ったな。お前の体はチバ製か? 何のためにそこまでクロームを?」
「オレには目的がある。ある相手に復讐しなくてはならないんだ」
ハンド・レザーを格納する桐原。
「復讐か‥‥復讐は何も生まんぞ。だが‥‥目的があるだけマシか」
(↑この台詞は最終話のリプレイのハイライトシーンの伏線になっていたのだ)
十六夜達は吹き飛んだ大佐の認識票を拾う。もう20年以上も前に滅んだ、USAの海軍のものだった。錨を掴む鷲の絵。自分達の生まれる前の国のことなど、誰も分からない。(ホントはネイビー・シールズということになっていた。)
「私も若い頃は国家に忠誠を誓っていた。だが‥‥世界は変わりすぎた。私が忠誠を誓ったアメリカ合衆国はもうない。私はずっと世界中をさ迷っていた。そろそろ引退を考えていたところだ‥‥この覚醒世界に、私の居場所はないようだからな‥‥」 |
大佐はデータを渡し、一行の前から姿を消そうとしていた。
「最後に一つ聞こう。相手は誰だ?」
振り返る大佐。桐原はアズテクの名は出さなかった。
「フフ‥‥まあいい。せいぜい気をつけろよ」
大佐は寂しげに笑い、夜の闇の中に消えていった‥‥。
データソフトを手に入れた一行は池袋に戻った。ふと見ると、街頭スクリーンではカナダ・アメリカ合衆国で来年行われる大統領選挙のニュースが。 |
中がブツをいきなり自分の体のデータソフト・リンクに入れようとしたが、プロテクトがあってうまく行かない。
早速デッカーのメタリック・マウザーを呼ぶ。フチ製のデッキで調べると、確かにGI-107ファイルが存在した。見出しの画面から先にはレンラクの社員でないと進めないようになっていた。見出しには情報部が掴んだ最近の動向が並べられていた。
『フチ、東京でも内部抗争が激化している模様』
「大変ね‥‥」
十六夜が呟く。
『ミツハマの新型アルゴリズムの噂』 |
『アレス、シティマスターの新式セキュリティ仕様車を発表』 |
そして最後の見出しのところで、神薙と桐原の目が止まった!
『アズテク日本支社の極秘計画の噂。テスカトリポカ計画(通称:至天計画(プロジェクト・アセンション))。極秘事項。動向不明。既に中止? 存在しない攪乱工作? アズテク社は危険な為、注意せよ』
自分たちのガーディアン・ギャング、レッド・スコーピオンが全滅させられたあの日。仲間が何処かから手に入れてきたアズテクノロジーのデータファイル。それにも、確かに至天計画と書かれていた! |
中はレンラクのミスター・ヤマダ氏と接触する。(言い忘れたが彼の外見はX-Filesのディープ・スロートみたいな壮年の謎めいた代理人でござーる。)
「確かに本物だ。ところで、内容はご覧になりましたか?」 |
かくして、一つの“仕事”は終わった。だが、物語はいよいよ佳境へ入る。 |
とは果たして真実なのか? うそだけど!
既に暴走気味のドリウィンを誰か止めることはできるのか? かみさまとランナーチーム一同は煩い某キャラクターを徹甲弾で撃ち殺す衝動を押さえられるのか?(笑)
光と影の交錯する第六世界のトーキョー・スプロールを舞台に、冒険は続く‥‥。
青山学院大学SF研究会の活動の最後を飾る S H A D O W R U N 本サークルの有終の美を飾る、記録として永遠に残る素晴らしいキャンペーンを! |
〜おまけのウソ広告〜
A-A GAKUIN UNIVERSITY
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