[GM]> さて。前回のランは覚えているね? 皆さんはシアワセ・バイオテク系の研究所にバイオ穀物の種を奪いにいきました。バーゲストやナゾのニンジャ部隊、そして3人組の優秀なランナーとも戦いましたね。 |
[ヴィッキー]> 強かったー。
[中(あたる)]> 車壊されて精神的なダメージも食らいましたからね。
[GM]> ‥‥それでは諸君、第六世界へようこそ。最終回、
[一同]> わー(拍手)。
[GM]> 今日は12月23日です。1ヵ月経ってないので生活レベルの金を減らさなくて大丈夫だね。あれから、君たちの身の回りに不審な事――カーテン開けると不審な車が向こうに止まってるとか、水道水が汚染されてるとかいうことはありませんでした。
[十六夜(いざよい)]> そんなの分かるの(笑)?
[GM]> いやいやいや怒りっぽくなってスキナー長官を殴ってしまうとか。こんな時SINがないと身元が割れにくいんですが。どうやらアズテクは君たちを尾行してたんではなく、小山誠一郎博士をマークしていて、口封じのために消したようだね。ついでにあの攻撃ヘリを見れば、一緒にいた人間も手を引くだろうと思ったようだ。
[十六夜]> 情報の漏洩を防ぐためだったのね。
[GM]> ではまず、ヴィッキーから始めよう。
>>>>>[ミャ〜オウ!! ある時はICEを切り裂く二刀流の剣士。ある時はグリッドを駆けるメタリックの子猫。
ここにはシャドウランドBBSを覗きに来たデッカー達の書き込みがしてある。デッキヘッズの言う事が全部ホントかどうかは保証しないが(そう、ここは第六世界さ)、まあ、見といてくれ!]<<<<<
――エルフ・デッカー メタリック・マウザー
第1章 エレクトロマンサー
渋谷井の頭通り西、低治安エリアの入口。
〈sha-Q-down〉と書かれた安っぽいネオンには明りがまだ灯っていなかった。ストリートが息づき、ナイトクラブに客が溢れる時間はまだまだ先だ。
場末の小さなナイトクラブ〈シェイQダウン〉は、大手メディアと契約を結んでいない売り出し中のロッカー達がギグを開く自由闊達なクラブだ。大きなディスコやメディア企業の陰に隠れがちだが、ストリートの本物の“エッジ”のある場所として、通の間では有名だった。
クリスマス・イヴのギグを明日に控え、リハーサルに珍しく真面目に励んでいるブロンドの娘がいた。サイバーでない本物の緑色の眼をした美貌のイタリア娘。まだ十代だろうか。
首筋にはデータジャックとシンセリンクの端子が光っている。割合小柄な体には、ヴァッション・アイランドの
住所不明の人気ロッカー、ヴィッキー・ヴェイル。別名“ヴァニシング・ヴィッキー”。
だが、彼女にはもう一つの顔があった。ジャケットは実は隠蔽されたカーボン・セラミックの防弾プレート付き。銃こそ持っていないが、服の内にはお気に入りのシュリケンと、最新鋭の分子結合技術を使ったクーガー・ファインブレード・ナイフが潜ませてある。しかも、両方ともディコートTM――高価な合成ダイヤ膜のコーティングで最高の刃先を磨いていた。
内にエッジを隠したロッカーガール。そう、この店の客の幾人かと同じく、ヴィッキーはシャドウランナーなのだ。
>>>>>[いきなりロッカーか! 体も改造してないし、魔法も使えない。表の顔を活かせるとはいえ、まぁ、ランナーとしては異色だな]<<<<<
――ストリート・サムライ レイザーエッジ
>>>>>[ロックこそ人生だ! オレはこの“腕”で全てを変えてきた。忘れるなよワイヤヘッド、“サイバーパンク”にはいろんなヤリ方があるんだからな!]<<<<<
――伝説のロッカーボーイ ジョニーS
>>>>>[第一、昨夜はラン、今夜はギグなんてイカすじゃないのヨ〜]<<<<<
――レ・トロン・ド・ルテチア第二特別企画部 “ノー・ハンドル”エリー
[ヴィッキー]> 収入が2倍になるの?
[GM]> いや入場料が半分になるんスよ。DJの黒人、テクノ-
[十六夜]> ヴィッキー、たまにはリハーサルをちゃんとやりなさい。
[ヴィッキー]> いつの間にか一番有名になっていた。じゃあ‥‥試しにシンセサイザーを弾こう。最高の目は9。
[GM]> てなことをしてると「おいヴィッキー、電話だ。トスカリーノとか言ってたぞ」と。
[ヴィッキー]> トスカリーノ? ヤツか。
[GM]> 君のコンタクトである知り合い、 [ヴィッキー]> 「久しぶりー」 [GM]> 「おおヴィッキー、久し振りだな。たまには食事でもどうだ? おっとそうか、もうすぐクリスマスか。お前さんも仕事が忙しいだろうな」 |
[ヴィッキー]> 「全然ヒマだけど?」
[桐原(きりはら)]> リハーサルの途中だろう(笑)!
[GM]> 「前に聞いてきたことがあったな。セキュリティをやってる友人から聞いたんだが少し分かったぞ」
去年だから2055年、アズトランのアズテク本社から
「我が社も少し、調査に乗り出すらしいなぁ」
[ヴィッキー]> 「おお〜、ザーデル・クルップも動き出すのね。大々的に?」
[GM]> 「いや、ちょっとだ」
>>>>>[ザーデル・クルップは八大企業の中でも最強のドイツの重工業メーカーじゃ。何でもBMWとかいう車の会社から成長したらしいのう。 ――“ゲイルチェイサー”老竜ファビウス |
>>>>>[元メキシコのアズトランを支配してるアズテクノロジーも八大企業の一つだけど、謎の多い危険な会社だね。評判も最悪の海賊企業だ。
――デッカー ネットボーイ
[ヴィッキー]> う〜ん、企業同士の全面戦争も見てみたい気がする。
[神薙]> き、危険だぞヴィッキー‥‥。
[GM]> うん。ルールで言うと完全に優位に立つには企業の総合レーティングの差が10以上必要だそうです。八大企業はみんな差が10以内で競ってるから、自社の損害が大きいから小競り合いしかやらないみたいだね。
[ヴィッキー]> IN◎UEコーポレーションは(笑)?
[GM]> 八大企業の下の第二企業群です。まだ独立系で頑張ってるみたいっスね。彼の話はそんな所です。
「じゃあなヴィッキー。ま、よいクリスマスを」
[ヴィッキー]> 「贈り物は?」
[GM]> ぐは〜!「そうだな、今度宇宙船の模型でも贈ってやるよ」
[ヴィッキー]> 「テイク&テイクで行きましょう」 [GM]> そりゃギブ&テイクじゃ! 「じゃあ、お前さんのサイン入りの音楽チップでもくれよ」 |
[ヴィッキー]> 「そうね。ありがと」といって電話を切ります。クリスマスかー。
様々なメディア系企業の集まる渋谷の大通りは、派手なトリデオの広告や新製品の宣伝で光の洪水のようになっていた。ナイトクラブの中のトリデオの中でも、近くの放送局、DT1の地域ニュースの文字が流れていく。
【‥‥環境保護を唱える新手の小規模なギャング、“L・フォレスト”が“フェザー・スカル”と昨夜、低治安エリアで小競り合いを起こした模様。フェザー・スカルの溜り場のディスコ、〈MOBS〉の入口に鉢植えを植えようとして乱闘になったと‥‥】
[ヴィッキー]> 「おー、L・フォレストも頑張ってるなー」と思ってます。 [GM]> 頑張ってなんかねー! 後は、大手企業と契約を結んだロック・アーチストなんかの広告ばかりですね。 |
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