口唇口蓋裂用語集

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あ行

育成医療
都道府県が、身体に障害のある児童(18歳未満)の医療費を公費で負担する制度。 詳細については、当サイト「社会保障」内の育成医療で説明しています。
咽頭(いんとう)
鼻の奥から食道までの部分で、食べ物・空気の共通の通り穴です(約12cmの筒状)。 私達がのどと呼ぶ部分も咽頭の一部にあたります。
咽頭破裂音(いんとうはれつおん)
舌根と咽頭後壁によって作られる誤った破裂音。「k」「g」の音で出やすいようです。
咽頭弁形成術(いんとうべん形成術)
鼻咽腔閉鎖機能が十分に機能しない場合、のどの後ろ側の壁を少し剥がし、 軟口蓋へ橋をかけるように弁を作ります(手術法の一つの例ですが)。 これによって、鼻から口への空気の通り道が狭くなり、鼻咽腔閉鎖の補助が行われます。
咽頭摩擦音(いんとうまさつおん)
舌根と咽頭後壁の間に空気が流れて作られる誤った摩擦音。 摩擦音(例えば「サ」)に代わって用いられるようです。
インフォームド・コンセント
「十分な説明を受けた上の同意」などと訳されます。 医師(病院側)から治療についての十分な説明を受け、納得した上で、患者が治療方針に同意をすること。
インプラント
人工歯根。歯の無い部分に人工歯根(インプラント)を入れ、その上にさし歯など人工の歯を入れます。 これら一連の治療を、インプラント治療とも言うようです。保険を使うことができないので、治療費は高くなります。
う歯
虫歯のこと。口唇口蓋裂がある場合、歯並びの異常や噛み合わせが悪いために歯磨きが不十分となり、 虫歯になりやすいと言われています。
鬼塚法
口唇裂の手術法の一つ。 ミラード法と三角弁法を組み合わせることで、 両者の長所(前者は術後の傷痕が目立ち難い、後者は正確な計測を行うことができる)を取り入れるようです。 ミラード法+小三角弁法と表現されることもあります。
オブチュレーター
主に顎・顔面の外科的切除後に起こる、そしゃくや発音などの障害を補う入れ歯のようなもの。 口と鼻の間を塞ぎ、飲食物が鼻へ流れるのを防いだり、声が鼻に抜けないようにします。

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か行

開鼻声(かいびせい)
鼻にかかったような(鼻から抜けていくような)声。 鼻咽腔閉鎖が不十分であったり、口蓋瘻孔が大きかったり、ということが主な原因のようです。
顎裂(がくれつ)
歯ぐき部分の裂。
完全唇裂(かんぜんしんれつ)〔完全口唇裂〕
上口唇の裂が鼻の穴まで達している状態。
言語聴覚士(げんごちょうかくし)
言葉によるコミュニケーションに問題がある場合、訓練・検査・助言・指導などにより、 音声・言語機能又は聴覚に関するリハビリテーションを行う専門家。 平成9年に公布された「言語聴覚士法」により、晴れて国家資格となりました。 より詳しくは、日本言語聴覚士協会のホームページをご覧下さい。
構音(こうおん)
ある音(言語)を発するために、 音声器官(咽頭、鼻腔、口腔、など)を適切な位置に移動させたり、運動させたりすること。 (当サイトでは、表現を分かりやすくするために、 「構音」という語の代わりに「発音」という語を使うことが多いです。)
口蓋(こうがい)
上あごのこと。口の中の天井と言った方が分かりやすいでしょうか。
口蓋化構音(こうがいかこうおん)
舌の中央と口蓋によって作られる誤った音。「t」「d」などで現れ、「k」「g」に聞こえるようです。
口蓋床(こうがいしょう)
口蓋にある裂を塞ぐための装置。 これを付けることにより、哺乳がしやすくなったり、顎の矯正をしたり、という効果があります。 Hotz床(ホッツ床)とも言います。
口蓋垂裂(こうがいすいれつ)
口蓋垂とは、いわゆる「のどちんこ」のこと。 口蓋垂裂とは、のどちんこの部分に裂がある状態をいいます。 口蓋垂に裂があるだけであれば日常生活に支障はないので、通常、手術の必要は無いようです。 ただし、口蓋垂裂だけでなく、粘膜下口蓋裂も伴っている場合には言語に異常が出るため、 手術が必要になることがあります。
口蓋瘻孔(こうがいろうこう)
「瘻孔(ろうこう)」参照のこと。
硬口蓋(こうこうがい)
口蓋のうち、骨の下地がある硬い部分。大体前3分の2くらい。 上あごを指で触ってみると、硬口蓋と軟口蓋の違いが分かりますよ。
更生医療
市町村が、身体障害者(18歳以上)の医療費を公費で負担する制度。 詳細については、当サイト「社会保障」内の 更生医療で説明しています。

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さ行

上顎前方牽引装置(じょうがく前方けんいん装置)
頭にバンドを巻き、額を固定源に、上の歯につけた矯正装置を利用して、上顎を前へ牽引する装置。 (ヘッドギア、プロトラクター、などの種類があるようです。)
滲出性中耳炎(しんしゅつせい中耳炎)
口唇口蓋裂があると、最もかかりやすい耳鼻科的疾患。 症状は難聴、耳閉塞感などがありますが、痛みを伴わないために見逃しやすいので注意が必要です。 詳細は、当サイト「口唇口蓋裂の治療とは」内の 耳鼻咽喉科で説明しています。
身体障害者手帳
口唇口蓋裂では、「音声機能、言語機能又はそしゃく機能の著しい障害」にあたると判断された場合、 身体障害者手帳の交付を受けることができます。 手帳の交付を受けると、更生医療の給付、様々な優遇措置(例えば、税金、運賃)、などの 福祉制度を利用することができます。 詳細については、当サイト「社会保障」内の 更生医療で説明しています。
スピーチエイド
鼻咽腔閉鎖機能を補助する装置。 前にある入れ歯のような床、後ろに鼻咽腔に位置するバルブ(玉)、両者を結ぶワイヤー、の3部分からなります。
スピーチエイドの図
声門破裂音(せいもんはれつおん)
声門部で作られる誤った破裂音。 口の中に空気がためられず、破裂音(例えば「パ」)や摩擦音(例えば「サ」)を声門で作るようです。 軽い咳払いの音に似ていると言われます。
側音化構音(そくおんかこうおん)
発音時の呼気が口の中央から出ず、口の両脇から出る誤った音。「イ」の段の音によく見られるようです。

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た行

腸骨海綿骨細片移植(ちょうこつかいめんこつさいへん移植)
顎裂部への骨移植術の一つ。 腸骨海綿骨細片移植は、他の部位の骨(肋骨など)あるいは腸骨海綿骨ブロックを移植するのに比べ、 手術が容易である、十分な骨量を確保できる、術後の後遺症の危険が少ない、などの利点があるようです。
チンキャップ
頭に帽子のような物をかぶせ、ゴムで顎にかぶせたキャップへとつなぎ、下顎の成長を抑える装置。
ティンパノメトリー
外耳の気圧を変化させて、鼓膜の動きやすさを測定する装置。 滲出性中耳炎の検査法の一つで、中耳が陰圧であるかを知ることができるます。

な行

軟口蓋(なんこうがい)
口蓋のうち柔らかい部分で、大体口蓋の後ろ3分の1くらい。 物を飲み込むときや声を出すときに動くことで、咽頭を塞ぎます。 上あごを指で触ってみると、硬口蓋と軟口蓋の違いが分かりますよ。
軟口蓋挙上装置
「パラタルリフトプロテーゼ」を参照のこと。
粘膜下口蓋裂(ねんまくかこうがいれつ)
一見上あごの粘膜(見える部分)に裂はないが、その粘膜の下の筋層・骨に裂がある状態。
粘膜骨膜弁法(ねんまくこつまく弁法)
口蓋裂の手術法の一つ。Pushback法とも言うようです。

は行

8020運動(はち・まる・にい・まる運動)
平成元年から厚生労働省と日本歯科医師会によって推進されている、 「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動。 詳細は8020推進財団のホームページをご覧下さい。
パラタルリフトプロテーゼ(PLP)
軟口蓋を持続して持ち上げ、鼻咽腔閉鎖機能を補助する装置。 スピーチエイドと似ていますが、バルブの部分が挙上子と呼ばれるものになっている点が異なります。 軟口蓋挙上装置とも言われ、広い意味でスピーチエイドの一つとして位置付けられることもあるようです。
軟口蓋挙上装置(PLP)の図
反対咬合(はんたいこうごう)
噛んだときに、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態。いわゆる「受け口」のこと。
鼻咽腔(びいんくう)
鼻の奥、軟口蓋の裏にある空間です。鼻(鼻腔)とのど(咽頭)との間の空間、ということもできますね。
鼻(咽)腔構音
舌が口蓋に接することで口腔を塞ぎ、呼気が鼻から出ることによって作られる誤った音。 「イ」「ウ」の段に多いようです。
鼻咽腔閉鎖機能(びいんくうへいさ機能)
軟口蓋と喉の筋肉が働き、鼻咽腔を閉鎖する機能。 言葉を話す時には、この機能によって言葉が鼻に抜けないようになり、正しい発音で言葉を話すことができます。 また、飲食時にもこの機能によって、口の中の物を飲み込む際、食べ物が鼻のほうに漏れないようにします。
鼻咽腔閉鎖機能の図
ファーロー法(Furlow法)
口蓋裂の手術法の一つ。 軟口蓋の鼻側・口側に切り込みを入れ、相対するようにZ型に繋げます。
不全唇裂〔不完全唇裂、不完全口唇裂〕
上口唇の一部だけが裂けている状態。裂が鼻の穴にまで達していない状態。
プッシュバック法(Pushback法)
「粘膜骨膜弁法」を参照のこと。
ブリッジ
歯の無い部分の外側の歯を削り、橋を掛けるように人工の歯をかぶせる治療法。 インプラントと比較してみると、保険を使うことができるという利点はありますが、 土台となる歯はたとえ健康であってもかなり削る必要があるという欠点があります。 ちなみに、私はブリッジ(審美性を考えて保険の利かない物)を入れています。
ホッツ床(ホッツしょう)
「口蓋床」を参照のこと。
保定(ほてい)
矯正した歯の後戻りを防ぐ治療。
補綴科(ほてつ科)
さし歯、入れ歯、かぶせ物などを専門に扱う歯科。

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ま行

マルチブラケット装置
歯科矯正で用いられる、歯並びを改善させる装置。 よく歯の表側に接着剤などで付いている物をブラケットといい、 各ブラケットにワイヤーを通して歯列を矯正します。
ミラード法(Millard法)
口唇裂の手術法の一つ。 裂の内側を斜めに切り、外側の口唇を引き寄せることで裂を塞ぎます。 裂の上部(鼻の穴の直ぐ下)の傷痕がZ型になります。

や行

抑制筒
手術後、赤ちゃんが傷口を触らないように、肘を曲げられなくする筒状の装置。 当サイトでは「抑制筒の作り方」を別ページでご紹介しています。 よろしければご覧下さい。

ら行

ランダール法(Randall法)
口唇裂の手術法の一つ。 裂の外側で三角弁を作成し、それを内側に挿入することで裂を塞ぎます。(三角弁法の一つ)
リテーナー
歯列矯正治療後、歯の後戻りを防ぐための入れ歯に似た装置。
レティナ
口唇口蓋裂で用いられるのは鼻腔レティナ。 鼻の穴に入れることにより、術後の鼻の変形を防ぐことができます。
瘻孔(ろうこう)
口蓋裂の手術後に口蓋に開いている孔のこと。口蓋瘻孔とも言います。

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このページについて

口唇口蓋裂の話でよく使われる専門用語をできるだけ簡単に説明しています。 医学的な表現としては不正確かもしれませんが、分かりやすさを優先しました。

こんな用語も載せて欲しいというのがありましたら、掲示板もしくはメールで教えて頂ければと思います。


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このサイトは患者本人によって作成されています
鼻まゆげ
E-mail:k-island@mve.biglobe.ne.jp