トップページ → 口唇口蓋裂の治療とは → 外科的顎矯正
口唇口蓋裂の場合、歯列矯正を行っていても上顎の成長がよくないために、 相対的に下顎の方が出てしまい（いわゆる受け口）、噛み合わせや外見に支障をきたすことがあります。 この状態を改善するため、顔の成長が終わってから、手術によって上顎骨や下顎骨を移動させることがあります。
なお、この手術を行う場合、手術前の矯正が必要であるため、 矯正歯科との密な連携が必要であると指摘されています。
手術の方法としては、後退した上顎骨を前方移動する上顎骨切り術、 下顎骨を後退させる下顎骨切り術、 上下顎同時骨切り術、 骨延長法（仮骨延長法）、があります。
顎矯正の治療の流れは、
術前矯正→＜顎の骨切り→顎骨の移動→金属線orミニプレートでの骨片の固定＞→顎間固定→術後矯正
という感じになります。
（＜＞内は外科的手術。）
※骨延長法（仮骨延長法）とは、手術で顎骨を骨切りした後、術後に頭を固定源とした装置を用いて、
1mm／日くらいのスピードで上顎を目標とする位置まで前に出していく治療法です（REDシステムの場合）。
この治療法の利点は、術後の移動の微調整が可能である、
他の骨切り術に比べて手術の侵襲が少ない、などが挙げられます。
一方で、術前に上の歯に牽引用の装置をつける、術後しばらくは頭に牽引用の装置をつける、
などの必要があります。