山梨の環境問題 |
2000.08.10 |
甲府市が野焼きの禁止を呼びかけました(山梨日日新聞2000年8月10日木曜2版社会面)。 甲府市増坪町を流れる濁川支流で環境庁が行った水質調査で、環境基準の4.7倍のダイオキシン類が検出されていたことが8月9日に分かった。県と甲府市が行った再検査では、環境基準を下回ったものの、上流の河川の底質(泥)から、周辺より極めて高い数値のダイオキシン類を検出した。原因は特定できなかったが、成分分析などから野焼きや農薬など複合的な原因との見方を強め、野焼きなどの禁止を呼びかける看板を周辺に設置するなど対策に乗り出した。 基準を超えるダイオキシン類が検出されたのは、国道20号(甲府バイパス)の将林橋の南で、濁川との合流点にに近い県営かん排玉緒右岸排水機場わきの同川支流。環境庁が1999年4月に採取した水から、河川の水質の環境基準(一リットル当たり一ピコグラム以下=ピコは1兆分の一)を3.7ピコ上回る4.7ピコグラム(速報値)を検出した。 環境庁の報告を受け、県と市が今年4月に行った再調査は、環境基準を上回るダイオキシンを検出した地点を含む周辺の河川の水質6地点、底質(泥)6地点、土壌2地点を対象に実施。 水質は検出地点の0.66ピコグラムをはじめ、いずれも基準値を下回った。土壌も環境基準(1000ピコグラム以下)以下だったが、検出地点から百数十メートル上流の河川の底質(泥)から160ピコグラムのダイオキシン類を検出。底質は環境基準が定められていないが、残り5地点の17−2.2ピコグラムに比べて極めて高かった。再調査の結果、基準値を超えた地点がなかったことから、県は「恒常的に汚染されている可能性は少ない」と判断。検出地点の上流の現地踏査も行ったが、焼却施設などは確認できず、原因は特定できなかったとしている。 しかし底質から検出したダイオキシン類の分析では「農薬や化学薬品、焼却によるものが同じように出ており、複合的な原因とみられる」(県大気水質保全課)としている。 底質から検出した地点周辺では野焼きをした跡や不法投棄されたごみが散乱していた。このため甲府市は野焼きを禁止する看板を設置し、注意を呼びかけている。 また県は環境基準を超えていたことを重視。この周辺で毎年、調査することを決めた。 |