野戦酒保規程（明治３７年陸達第１４号）〈旧法令〉／網際情報館

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Last Update = 2014.12.23

野戦酒保規程
（明治３７年陸達第１４号）
〈旧法令〉

野戦酒保規程左ノ通定ム
　　　　明治三十七年二月九日

陸軍大臣

　寺内正毅

　　　野戦酒保規程
第一条　野戦酒保ハ戦地ニ於テ軍人軍属ニ必要ノ需用品ヲ正確且廉価ニ販売スルヲ目的トス
第二条　軍司令部、師団司令部

兵站監部

歩兵、騎兵、砲兵連隊、工兵、輜重兵、弾薬大隊其ノ他独立セル大隊

架橋縦列、衛生隊、野戦病院

及兵站司令部ニ於テハ所要ニ応シ野戦酒保ヲ設置シ当該部隊長之ヲ管理スルモノトス

但シ野戦病院ニ在リテハ二箇ニツキ野戦酒保一箇トス

　前項以外ノ部隊ニ於テ特ニ酒保ノ設置ヲ要スルトキハ戦地ニ出発前陸軍大臣ノ認可ヲ受クルモノトス
第三条　野戦酒保ノ資金ハ平時ニ於ケル酒保資金ヲ以テ之ニ充テ若シ其ノ資金ナキカ又ハ資金ノ僅少ナル部隊ニ在リテハ当該部隊ニ於ケル前渡金ノ内ヲ以テ一時之ニ代用スルコトヲ得
第四条　部隊長ハ野戦酒保ノ業務ヲ整理スル為所要ニ応シ将校同相当官ニ委員ヲ命シ之ニ下士卒ヲ附属ス
第五条　野戦酒保ノ業務ハ軍隊ニ於テ之ヲ行フヲ例トス但シ状況ニ依リ内地又ハ現地ニ於テ請負人ヲシテ之ヲ為サシムルコトヲ得
　内地ヨリ請負人ヲ伴行スル場合ニ於テハ所管長官ノ認可ヲ受ケ身元確実ナル者ヲ選定シ軍属トシテ之ヲ取扱ヒ一定ノ服装ヲ為サシムヘシ但シ其ノ人員ハ歩兵連隊ニ在リテハ三名以内其ノ他ノ部隊ニ在リテハ二名以内ニ限ル
第六条　野戦酒保ノ販売品ハ現地ニ於テ調弁スルヲ例トス若シ現地ニ於テ調弁シ難キモノハ補充隊又ハ編成ヲ担任シタル部隊ノ留守部隊ニ其ノ調弁及追送ヲ委託スヘシ
　前項ニ依リ調弁ノ委託ヲ為ストキハ同時ニ其ノ代金ヲ送付スヘシ
第七条　野戦酒保ニ於テ販売スル物品ノ価格ハ酒保委員ノ評定ニ依ルモノトス
第八条　野戦酒保ニ於テ販売スヘキ物品ノ種類ハ概ネ左ノ如シ
　酒、煙草、菓子、封筒、紙、鉛筆、手拭、手巾、歯磨、楊子、手帖、マツチ、箸、糸、針、釦、石鹸等
第九条　野戦酒保ノ携行スヘキ物品ノ量目ハ兵員一人ニ対シ梱包量ヲ合セ百匁ヲ最大限トス
第十条　内地ヨリ追送スル野戦酒保品ノ一箇月間ノ数量ハ兵員一人ニツキ前条定量ノ二倍ヲ超過スルコトヲ得ス
第十一条　野戦酒保品ノ荷造並運搬ハ一般軍需品ト同一ノ取扱ヲ為スモノトス
　戦地ニ於テ酒保ニ要スル運搬ノ人馬材料ハ各部隊適宜処弁スヘシ
第十二条　野戦酒保品ノ梱包ハ最堅牢ニシテ其ノ一梱包ノ重量ハ約八貫匁又ハ十二貫匁トシ各梱包ニハ特ニ青色ノ標記ヲ附シ且「酒保品」ノ文字ヲ大書シ一般軍需品ト識別ヲ容易ナラシムルヲ要ス
第十三条　軍隊ニ於テ野戦酒保ノ業務ヲ行フトキハ所管長官ノ認可ヲ受ケ軍役夫ヲ使用スルコトヲ得但シ其ノ人員ハ歩兵連隊ニ在リテハ三名以内其ノ他ノ部隊ニ在リテハ二名以内トス
第十四条　軍隊ニ於テ野戦酒保ノ業務ヲ行フトキハ其ノ物品及金銭ニ係ル帳簿ヲ備ヘ其ノ出納ヲ明瞭ナラシムヘシ
第十五条　前条物品及金銭ノ出納整理ニ関シテハ当該経理部長ノ監督ヲ受クルモノトス
第十六条　内地ヨリ伴行スル酒保請負人ノ糧食ハ之ヲ官給ス
　　　附　則
明治二十七年陸達第百十七号戦時各隊酒保物品重量規定ハ之ヲ廃止ス

〈参考法令〉
　　・野戦酒保規程（昭和１２年陸達第４８号）〈官報昭和１２年９月２９日本紙第３２２３号〉

〈本法令による廃止法令〉
　　・戦時各隊酒保物品重量ノ規定（明治２７年陸達第１１７号）〈法令全書　明治２７年〉

条文最終基準日	明治３７年６月１４日
条文確認典拠	法令全書　明治３７年（内閣官報局）
法令名称区分	題名
原条文書式	縦書き、旧字体

	制定：明治３７年２月９日【表示中】
	第１次改正：明治３７年陸達第１０８号（野戦酒保規程第二条中追加）〈明治３７年６月１４日〉【表示中】
	全部改正：昭和１２年９月２９日（野戦酒保規程（昭和１２年陸達第４８号））〈官報昭和１２年９月２９日本紙第３２２３号〉