ご質問:初診相談で必須と考えられること


お答え  歯ならびを治そうと考えて、最初に歯科医院を受診した時は、「初診相談」だけです。患者さんに情報を伝えて、治療の意思確認をする段階です。

 しかし、最近いらした患者さんでは、そういった話し合いをちゃんとしていない場合が多いので、注意喚起のために文章を書きます。

1)まず、お口の中を拝見。歯の数、大きさ、歯のはえかわりの状態、年齢と成長の具合、軟組織の状態を見たり触ったりして、主訴(治したいところ)、習癖などを聞いてゆきます。視診、触診、問診をするわけです。つまり、見て、触って、聞いて、患者さんの状態や希望を把握します。 患者さんのご希望(=主訴と言います)を達成できなiいというのは後に大問題になりますので、よ〜く確認しなくてはいけません。

2)次に、現症(不正咬合の状態)を患者さんと確認してゆきます。「学校歯科健診で、上顎前突(出っ歯)と言われたことはない!」とおっしゃる方も多いですが、上と下の前歯がかみ合わず、上下前歯が5ミリ以上離れていたら、認めてくださいね。

3)不正咬合の原因や成り立ちも説明します。「なんで、こうなるのか?」 素朴な疑問ですよね。

4)放置した場合の危険性(リスク)もお話しします。治さなくても、それは個人の自由です。医療というものは。患者さんが望まない限り、やる必要はありません。「絶対に治さないといけない。」なんて言う歯科医は嘘つきと考えて頂いて構いません。

 将来的に都合の悪いことが起きた時点で、あるいは治したいと考えた時点で治療開始すればよろしいわけです。治療の開始時期を選ぶのは患者さんサイドです。ただし、歯科矯正治療に最適だと思われる時期がある場合は、ちゃんとご説明します。

 永久歯列の叢生などは、基本的には何歳でも治せます。

5)予想される治療内容、治療装置をお話しして、概算で料金を提示します。見積もり、ですね。 高い安いは個人の価値観も絡みますので、コメントは差し控えますが、大都市圏では高めになるのが普通のようです。(保険治療のように全国一律のほうがおかしいでしょ。)初診時はあくまでも概算です。検査診断で実際の治療費は確定します。(治療を開始した後、装置の追加等で料金が新しく発生することはあります。)

6)ウチでは、上記の内容をA4の紙1枚にまとめて、患者さんに差し上げてます。 (証拠が残ります。また説明を聞かれなかった人にも見ることができます。)

7)「治療をするかどうかは、患者さんの自由意志ですので、一度家に帰られて、よーーく考えてから決めてください。」

と、もう一度お話しして、終わりです。

8)一度で、理解出来ない場合、再相談でも結構です。メールでのご質問でもOKです。

※最近あった、患者さんからの情報(苦情?)

・ろくに口の中を見もしないで、料金だけの話をする。

・治療を早く始めるようにせかす。

・歯科矯正治療の必要性というより、「治さなければダメだ!」と、しつこい。

・(専門医でないところでは)「治さなくても、いいんじゃない?」と、言われた。

・笑い話みたいな話として、小学生の段階で「まだ、矯正治療には早い、早い。」と、言い続けておいて、高校生になると「すでに手遅れだ。」という歯科医がいたそうな。

→現在では、外科的矯正治療を併用すれば、ほぼ全部の不正咬合の治療は可能です。

☆悩むよりは、相談です。的確な情報を得て、治すかどうか考えましょう。治さない選択肢だって、あります。

 お近くの歯科矯正を専門で開業している歯科医院にご相談ください。少なくとも、学会認定医以上をお薦めします。そのような歯科医院なら、上記のような初診相談は普通に行っておりますし、頭部X線規格写真(セファログラム)など必要な検査機器も備えているはずです。

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