歯科矯正あるある

 ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。


 その6: 早く治せませんか?

 歯を動かすということは、歯の周りの骨が一度溶けて、また骨を作るということの繰り返しなのです。

 ですから、1月に最大でも1ミリしか動きません(中学生の場合です。大人だと0.7ミリ以下です。)大人になると骨の改造スピードが落ちるので中学生のだいたい1.5倍の時間がかかります。

 あんまり早く動けば歯が抜けてしまいます。(歯が抜けない速度でゆっくりと動かす必要があります。)

1)抜歯症例の場合

 4番抜歯の症例では,この歯の大きさが7oぐらいありますから、前にある3番目のは(犬歯)がその隙間を動ききるのに最低でも7ヶ月かかる計算です。しかし、その前にレベリングと言って全部の歯を真っ直ぐにならべる前準備が必要です(6ヶ月ぐらいかかります。)このレベリングの上手い下手で術者の腕がわかります。

 治療のステップをまとめると

第1段階:レベリング(歯を真っ直ぐにする)

第2段階:犬歯の遠心移動(抜歯したスペースを使って犬歯を後ろに下げる)

第3段階:前歯の遠心移動、スペースクローズ

第4段階:仕上げ

で、ここまでで、中学生で2年、大人なら3年ぐらいかかります。ちなみに女子高生はもう立派な「大人」ですよ。

どんなに頑張っても,無理なものは無理です。無理をすると歯がいたみます。(歯根吸収など都合の悪いことが起きます。)

 

 この後にリテーナーを用いて保定観察が2年が必要です。

2)非抜歯症例の場合

 症例にもよりますがだいたい1年ぐらいはかかります。

※ひどい叢生症例の場合、抜いた場所に犬歯を入れて終わりという場合があります。こういた場合は1年程度で終わらせることができます。

※第2期治療を早く済ませるために、第1期治療をやる場合があります。


 TOPに戻る | 前のエピソード  | このエピソードの目次へ戻る | 次のエピソード