むかしから有名な算数の問題に「ねずみ算」というのがある。どんな問題かというと、江戸時代の「塵劫記」にでてくる問題はつぎのようなものである。


 {問題}正月に、ねずみ父母いでて、子を12匹産む。親とともに14匹になる。このねずみ2月には、子もまた子を12匹づつ産むゆえに、親ともに98匹になる。かくのごとく月に1度づつ、親も子も、また孫もひ孫も、月々12匹づつ産むとき、12月にはなにほどになるぞ。

 生まれてくるねずみはオスとメスがちょうど半分ずつで、1匹も死なないとして計算をしてみてください。

答えは下へ。


















{解答}
正月から各月末までの親+子=総数を示すと
1 月:2+12=14=2×7
2 月:2×7+12×7=14×7=2×72
3 月:2×72+12×72=14×72=2×73
4 月:2×73+12×73=14×73=2×74
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11月:2×710+12×710=14×710=2×711
12月:2×711+12×711=14×711=2×712
よって ねずみの総数は276億8257万4402匹です。初項2、公比7の等比数列になっている。こんな莫大な増え方を”ねずみ算的にふえる”といっている。鼠のことを子と書くのは孕む(はらむ・妊娠)からついたのである。
 東京オリンピック(昭和39年)の頃、ねずみ講があった。それは会員になると500円を決められた人(5代前に会員になった人)に送り、子の会員3人を勧誘して待っておれば121500円ほど送られてくると言うものである。自分からみて子3人、孫32=9人、曾孫33=27人、曾曾孫34=81人、曾曾曾孫35=243人みんながさぼらずに会員をふやしたとき、500円×243人で121500円となるのである。しかし 実際には会員になる人はすぐにいなくなるだから待っていても送ってこないはずである。
20年ぐらい前に世間を騒がせた ねずみ講などは被害者が続出しいまでは法的に禁止されている。