1999年10月



10/28
この間テレビで
「沈黙の艦隊」やってました。
暇だったんで見てみたんですが……
とりあえず、シナリオと政治関係については放っておくとして、今回は例によって兵器、軍事関係考証。
まずは存在しない兵器として、米海軍が乱射したボフォースロケット。これは当時の資料を再確認してみましたが全く装備していません。
そして土にすっぽり埋もれた「やまと」。いくら1000m級の潜航深度を持っていたとしても局所的な土圧(しかもそれなりの深度下)に耐えれるとはとても……冷却水(なにも原子炉とタービン駆動後の蒸気の冷却だけに使うだけではない)を取ることも不可能になるし……。
作戦面でも”探知、対処無しにいきなりハープーンが命中する護衛艦”、”旗艦がチャフで慌てる間魚雷を探知できなかった米艦隊”。いくらなんでもそんな間抜けなことはないでしょう。

連載当時は読んでいましたが、それなりの知識を得て見直してみると間違いが多かったりしているので知識の修正を行うのにしばらく時間を要しました。これは「仮想」戦記と称して実は「火葬」戦記(しかも偽善)だった「紺碧の艦隊」についても同様で、この道に入ったばかりの時に読んだために植え付けられた誤った知識を修正するのにかなりの時間を要しました。
結論としては「一般向け」で売れているフィクションの戦争物作品が事実を反映させてると言うことはあまりないということでしょう。つまり、これらを読んで軍事がわかったと思うのは明らかに間違いということです。


10/27
今日買ったもの……
「世界の艦船」12月号と「週刊ワールドエアクラフト」4号。
世界の艦船の方は特集は護衛艦隊でした。特集は別にして、今回ちょっと目に付いた所は……。
トルコへの支援物資輸送部隊。「おおすみ」はまさしく輸送艦……というよりはコンテナ船というイメージを受けてしまいました。
特務(迎賓)艇「はしだて」の公試中の写真では、まるで「自衛艦の船体に客船の上構を乗せた」ような雰囲気を感じさせます。また、特徴的な並列煙突は、実は右舷側は吸気専用で、排気は左舷にまとめられていたというのは意外な発見でした。
200トン型ミサイル艇もいつの間にかモノハル滑走型になってるし……

週刊ワールドエアクラフトは、AIM−54フェニックスミサイルの時は気にならなかったんですけど、今回のAIM−9サイドワインダーミサイルでは解説文のみで、それぞれのバージョンの違い(操縦翼の違い等)に詳しく言及しなかったのはいまいちかと感じられました。


10/25
うーみゅ……
事故った(爆)
車の側面を通ろうとしたら方向指示無しのいきなりの左折。急ブレーキをかけど間に合わずに接触。そのまま巻き込まれ。
被害は前輪大破。リムがゆがんだために前輪そのものを交換。タイヤとリム合計13000円の出費でした。
肉体的被害は手と足の擦り傷と打ち身のみ。むしろ自転車を2キロ先の自転車屋に持っていった際(前輪が回転しないほど曲がっていたために前輪を持ち上げて輸送)の筋肉痛の方が余計に響くほどですから。
しかし……歩行と自転車って使う筋肉は全く別のようですね。きしむ身体を我慢して修理なった自転車を回収して帰宅中にはそれほど足が痛まずに高速で移動できた事実も……。
……交通は十分注意しましょう。
しかし……書いた小説と似たようなことやらかしてどうする、自分(汗)

数日前のNHK教育であった番組……
ICBMの開発過程の一部をやっていましたが、一歩間違えると「ミサイル失敗史」になりかねないものでした(^^;
発射すれど推力不足でそのまま倒壊したり空中爆発したり……
今だと途中で開発中断するような状況であっても開発が継続されていたあたり、ソ連に対抗できる兵器を開発しなければならないという当時の状況が感じられました。
ただ……NHKらしくないといいうか……翻訳に誤りがありました。
それは「「戦艦」ノートン・サウンド」聞き覚えがなかったので調べてみると「戦艦」としての同名の艦は存在していませんでしたが、同艦はイージスシステムの実験艦として存在していたようなので誤訳のようでした。


10/14
今回は立ち読み……
本屋で「北朝鮮世界征服」(草薙圭一郎)という本を読んでみましたが……頭痛い。
小説に関してはあまり批判はしませんが、この本だけは明らかにこう言えます。
この本は「カス」……と。
1護衛隊あたり「こんごう」型が5隻、計20隻いるのでしょうか。しかもスタンダードミサイルで1艦あたり12隻の「水上艦」を攻撃し、あまつさえ撃沈している……。
で、「おおすみ」を「ヘリ空母」と断定し、AH−1を常備している……しかも同型艦が10隻……。2001年の話らしいですが……。
小説だから架空の世界といえばそうかもしれませんが、それでも「スカッドC(弾道ミサイル)」がミサイル艇から発射されてそれが護衛艦隊に向かうなんて軍事知識が根本から欠落してるとしか言いようがないです。
この人の前著「超弩級空母原子力空母大和」でも、空母でF15や16を運用……。
こんなカスが売れたんだから……。
あとは、「亡国のイージス」という本。
ぱっと読んだ感想は……
「沈黙の戦艦」海上自衛隊版。
これも時代は2001年くらいです。そして、護衛艦についての解説を見てみると……
これも頭痛いです。
まず、主役のミサイル護衛艦は改装してミニイージス化していますが……。
半球状のレドームに入ったフェーズドアレイレーダーはありません……
とゆーか、レドームをつける必要性すら……
そして、艦内でセルの位置を再配置できるスタンダードER(全長8m)が入ったVLS。
そして極めつけは「手旗信号を読むことのできる偵察衛星」……
細かいところかもしれませんが、護衛艦を主役にする以上、それなりの現実性を持たせるべき……と思いつつ参考資料を眺めてみると……
「海上自衛隊ハンドブック(第2版)」、「艦艇メカニズム図鑑」
……たったこれだけなんです。艦艇についての資料は。
いくら何でも少なすぎるのではないでしょうか……あとの資料は対テロや陸戦関係……。
これだけでも最初の比喩が間違ってないことがわかるかも……。

……まともな軍事考証が行われている小説って少ないなぁ……
映画もね。


10/11
一応「……らしい」としていて正解だった東海村の事故。
救いようがなかったのはあの会社自身でしたね。でも、違法な裏マニュアルすらも無視したのはどう考えても……。
コスト削減もいいですが、無視してはいけないポイントを判断できなかったのでしょうか。あまつさえ作業員が「臨界」がどのようなものか知らなかったというのは……。
国による監査を原発だけではなく、JCOのような核燃料関係を扱う企業にも監査を行うべきで、そのためにそのようなところに人員を増やすべきと言う主張があります。しかし、今回のようなことがない状態で言った場合は「そんなところに人員を増やすのではない」と言われるのがおちでしょう。つまり、日本の場合は後手後手の対応になることが多く、先手を打とうとしたら文句を言われやすいのです。信号だって、危険危険といわれているうちは設置しなくても一度事故が起こればすぐに設置されることがあるのですから。
あるところでは住民の避難訓練を行おうとしたら「訓練を行うと言うことは危険性があるということではないのか」と反対されたところも……。つまり、「安全」なら訓練を行う必要がないと言う意味でしょうか。これで万が一の事故が起こった場合はまた何かと文句が出るのでしょうけど。
さて……今回の事故、人々の記憶から遠いかこの話と思われるのにはどのくらいの時間しかかからないでしょうか……。
日本海不審船事件だってまだ半年くらいしか立っていないのに、はるか過去の話、もしくはそのような事件が起こったことを記憶していない人すらいるのですから。


10/1
東海村の事件
いくつかの掲示板を眺めると……やっぱりでてきた陰謀論。
大きな事件はどこかの団体が関わっているという話はどこでも出てくるようですね。
日航ジャンボ墜落事件も自衛隊が撃墜したという妄想論が出るくらいですから。もっとも、その手の本は笑えるくらい事実誤認や妄想の産物がありますけどね。
今回は原発反対団体が金を渡したというネタでした。
で、マスコミを眺めてみるとやはり意味無く不安をあおるようなコメントをする報道がいくつか見られましたし、専門家でない人がさも何でも知っているように話すところもありました。
ちなみに、中性子線は透過力が極めて強く遮断するにはそれなりの厚さの水の層が必要になります。
もっとも……作業員のほうでも救いようのないミスをした……らしいですね。


戻ります。