2001年2月分
2/12
潜水艦との衝突事故……
マスコミの報道は「どこからどう見ても」米軍が「200%悪い」というような報道の仕方ですね。
なお、この追加100%分は「自分たちの妄想と無知と軍隊はすべて悪いという思いこみ」で謝った情報と論説を報道している点でしょうね。
しかも、「なだしお」事件の教訓を「全く」考慮に入れず、潜水艦乗員が救難を行わなかったという論調だけが大きく取り上げられていますけど、以前の事件から潜水艦(特に最近の丸みのある水中行動を重視した近代艦)はその船体の形状上そもそも溺者救助に適した船体でなく、そもそもが水中行動を主とするために、救助装備がそもそも少ないのが現状です(海自では「ゆうしお」型までは船外機つきゴムボートを装備しておらず、「なだしお」事件以降はるしお型からの装備)。
そして、ロス級は予備浮力が小さい構造故にその上ニュース映像で見て分かるとおり船体上を波が洗っており、ハッチを開けるのはかなり困難な状況(これはニュース映像でみても分かるとおりで、そのためにセイル情報から縄ばしごが降りています)なので、少なくとも救助しようとする意志だけはあったようです。しかし、かりに負傷者を発見したとしても艦内につれてくるだけでかなり負傷者に負担を与える可能性があり、漂流していた人もほぼ救命ボートに乗り移った状態ではセイルの上から漂流者の捜索を続け、ボートの方はすぐにやってくるであろうコーストガードに任せるのが一番無難な案だったのでしょう。
しかし、不意打ち的に潜水艦が浮上してきて(おそらくは縦舵で船体を切り裂いて)えひめ丸を沈めたという事実だけは動かしようが無く、当面はこの調査がメインになるでしょうけど、いきなり「当て逃げ」という題を上げた軍隊大嫌いの某大手新聞は少なくともその報道には信頼性は薄いでしょう。
それでなくても、いくつかのマスコミでは「サービスで急速浮上をやった」と決めつけていますし。
この件に関しては、調査報告がもう少し出るまでこちらの意見としては保留と言うことにしておきますか……
まだ状況証拠が少ないですし。
もっとも、ソナーの聴音がうまくいっていなかったあたりは確実しか言いようがないですが……
……でも、やっぱりこの事件に対しても陰謀論とかいろいろ妄想を持った人が本を書いたりいろんな主張をして来るんだろうなぁ……。
2/2
・日航機ニアミス事件……
報道を聞くにつれて、管制官の単純ミスが大きく影響しているようですね。
機体番号の取り違い、
しかし……高速で交差している機体のコクピットで10mとはいえ高度差を認識できる物でしょうか……
事故直後DC−10の機長は200フィート(60m)ほどと言っていましたし……。
・対艦ミサイルについて……ちょっと思ったこと。
よくタイムスリップ物架空戦記などでハープーンが戦艦を撃沈するシーンがありますけど、よく考えるとこれって実際にあり得るのでしょうか……
この場合の威力を表すための数値として使われるのが弾頭重量で、大和の46センチ砲弾の炸薬量35キロ前後と比較してハープーンの弾頭重量は230キロだから戦艦の装甲もぶち抜ける……
というのがこの手の描写のお約束ですが、これは致命的な思い違いがあり、実際の所弾頭重量=炸薬重量ではないのがポイントです。
弾頭=鉄のかたまりの中に炸薬=普通の爆弾と見ることができ、結局の所炸薬は弾頭重量よりも少ない事になりますけど、弾頭に占める重量は20〜30%とかなり多いので弾の種類からすると榴弾と見るのがいいのかもしれませんね。(46センチ徹甲弾の場合の比率は2%程度)
つまり、亜音速で飛んでくる全体重量600キロ程度、その中にある300キロ未満の榴弾に戦艦の装甲を破ることができるかと言うことです。
ひどい物になると最初の論理でHARM(高速対レーダーミサイル)で空母を撃沈するというひどい物まで存在しています。
しかし、榴弾搭載の対艦ミサイルが役立たずかというとそうではなく、そもそも現代の艦船には装甲というのが存在していない同然なので装甲を破る必要が無く、その分を炸薬重量に回すことでよりいっそうの破壊効果を狙っています。
そして、弾頭による直接破壊効果の他に燃え残ったロケット燃料、ジェット燃料による二次被害も期待できるのが対艦ミサイルの特徴で、これによって被害を受けたのがシェフィールドとスタークで、特にシェフィールドは弾頭自体は不発だった物の、燃え残ったロケット燃料によって延焼。ダメコンにも失敗して沈没まで至っています。
戻ります。