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UP DATE .1999 4/9
第14回 CMを作ろう!
その国では 蝉の声は聞こえない
お待たせいたしました。なんと4月にして今年最初の「お酒について語らせて」となりました。
このコンテンツは個人的に気に入っているのでいい加減にはしたくなく、、構想が固まらないと執筆しなくなってます。でも、年が明けても酒修行は欠かすことなくやってまして、ファミリーと共に色んな発見を
することも多々ありました。題材には困らないNumberですが、それをまとめる文章力がないんですよね。
ま、素人だからってことで自分で納得しちゃおう。ところがその素人が今回やろうとしていることが
「お酒のCMを作っちゃおう」っていうんですからおそれ多い(^^;)まずは経緯から。
次のテーマ、何にしようか?
A:「最近、お酒について語らせての更新がないですね」
N:「うっ!数少ないファンの一人、ABUさんに言われると辛い。書くべき事はいっぱいあるんですけどね。文章にしてそれなりの内容にしようと思うとなかなかコレと決めかねるんですよ。なんかありませんかね」 A:「一つのお酒を掘り下げてみるのはどうですか?ボトル一つについてマスターの主観で語るとか、 ここで良く呑まれているお酒について語るとか。ここで呑むならこの一杯というような」 N:「いいですね。それはいずれやりたいテーマですね。しかし今は重い腰が持ち上がらないというのが正直な所ですね。そこでちょっ と個人的におもしろそうだなって試みがあるんです。以前、CMの話をしたでしょう?日本のお酒文化は 特にマスメディアの影響が強くて 、良くも悪くもテレビCM一つであたかも定石ができあがる事実の話。だけどCMそのものはみんな好きだから、じゃあもしもの話、どんな CMの出演以来がきたら出て見たいか、その時の演出についてとか。ABUさん、確かアップルのCMなら出て良いって言ったよね」 Kim:「iMACみたいな?(ニヤッ)」 A:「とんでもないです(笑)その辺は話せば長くなるから以下省略」 N:「私が言いましたよね、煙草のCM出演依頼がきたら、自分の普段吸ってる煙草ならいいけどそれ以外の銘柄だったらお断りする以外 ないだろうって。私はハイライトマイルドが好きだけど、マイルドセブンのCMに出てくれって言われたら、演出や脚本に口だしちゃうね。 自分はマイルドセブンを吸わないで、吸っている他人に対して「へぇ、マイルドセブンですか 僕の友達が好きだったんですよねぇ」なんて 台詞を吐かせたいですね。そんなふうに自分たちで考えてみたいんだよね、在るお酒にスポットを当てて、そのCMを作ろう。そしたら そのシナリオも書いてみようって試み。」 A:「オールドセントアンドリュース、最終18Hのグリーンへ向かう花道、ギャラリーはここまで戦ったパーティーを惜しみない拍手を もって迎える。そのグリーン上のアングルからカメラは引いていって、商品であるスコッチウイスキーのボトルへと切り替わる、」 N:「いいなぁソレ、きれいなイメージはシーバスのCMを思い浮かべたけどね。私なら同じシチュエーションで、おそらくはウイニング パットに入るプレイヤー。見つめる先は当然ピンの方向。でもそのピンにカメラがズームしていくと、ピンを通り越して屈強な老人を 映し出す。そんなに寄らなくてもいい。そしてその老人はグラスにスコッチを注ぐと、グラスを高々と差し上げてプレイヤーに微笑みかけ る。実はその老人はそのプレイヤーの父親で、勝利の美酒を用意して待っているという設定。どうでしょう、みんななんかない?」 なんて言いながら色々な案がでてきました。しかし、登場人物を作り上げ、ドラマを演じさせる。それを文章で表現しなければならない。 戯曲だ。私ごときでは手に負えないな・・・ということで今回ゲストを招きました。 今夜のスペシャルゲストを紹介しましょう
文豪 うつむく青年さん 夜も深まってきた場末のバー。明かりが少しばかり絞り込まれたカウンターでは、各々が勝手なアイディアを口にしている。いつもの
場所でいつものメンバー。暖かい雰囲気に包まれた空間に、これまた暖かい風が入り込んできた。
ガー(自動ドアが開く) う:「こんばんわ」 N:「どうもこんばんわ。」 店主は 待ってましたとばかりに手短に挨拶を済ませ、すでにそのカウンターに住み着いたメンバーと話を続ける。その輪に新たに加わった メンバー その名をうつむく青年。彼もまたその言葉に耳を傾ける。彼に状況を伝えようというのだろう 店主の話は説明的だ。 N:「例えばスピリタスのCMを作るとしたら、キャッチコピーや売り文句はどうでしょう」 みな口々に言う 「コレで記憶がぶっ飛びます!」「×××」 「×××」「×××」 聞くに耐えない(TT)(好きな台詞を入れてください) バーは生き物だ。別のキャストの登場。そのサークルは別の所で 別のドラマを演じる事になる。店主役の男はそちらの裏方の仕事に回らなければならない。舞台装置を汲み上げて、幕をあげたらしばらく裏方の仕事はない。暗転。
酒の肴をつくりましょう
場面は先ほど賑わっていたカウンター。いつの間にか静かにグラスを傾けるうつむく青年ひとりになっている。そのピンスポにゆっくりと近づく店主。そしてやはり ゆっくりと語り出す。
N:「失礼いたしました。先ほど話していた内容なんですが、脚本を作ってみようといったって、状況やキ ャストを文章で表さなければいけないわけでしょう。私は戯曲なんてあまり知らないしどうしようかと 思って。でもおもしろそうだから。もちろん対象は既存のお酒。それも世間ではあまりコマーシャルに なっていないお酒がいい。そしてそのお酒はもう決め手あるんです。コレです」 と言って、うつむく青年が抱えているショットグラスを指さす。この設定だけは譲れないといった表情でなおも語る店主 N:「そこでまずカメラは何処を映すのか。そのシーンの時代、国、季節、登場人物のおおまかな設定など、状況を決めていきましょう。うつむく青年さんならどんな設定をとりますか?」 話は延々と続き、お互いのアイディアが行き来する。そこで取り決めたことは大体こうだ まず時は「革命前日」場面は「広場」で、そこには「男がなにやら演説をしている」取り囲む群衆の中に、「愛し合う若い農民の二人」があり なにやら話している。もうひとつ「案山子」その設定でお互いにシナリオを書いてこようというものだ。大層ではあるけれども、こんなやりとり、そして次回に、おいしく酒 を飲むためのすばらしい肴になる。店主は心躍らせて 目の前の男が飲んでいる酒と同じモノを一気に ながしこんだ。手前勝手なシナリオを胸に抱いて
Take1 Number 監修
シンーン1。BGMは『HEY LITTLE COBRA』 by THE RIP CHORDS。
カメラ。笑顔で手を取り合って駆けてくる若い男女を捉える。全身のショット。広場へと向かう二人。カメラは引きながら180度近く時計回りに後方へ。 少し高いアングルへ移行し、結果広場全体を捉える。右下に若い男女。中央に演説する太った男。熱っぽく語っている。 カメラ。その男に寄っていきアップ。ここでBGMはサビに ♪spring little cobra gettin'ready to strike〜 と、同時に音楽に合わせて左45度の方向へ引いていく。演説家に呼応するように手を突き上げたりしている群衆。 その映像に割り込んで男女のバストショットが数回コマわりで入る。おでこをくっつけたり 頬を擦り付けたり 鼻と鼻をくっつけたりと戯れる。 カメラ。左45度に引いていったカメラは最終的に群衆の外の男女を捉える。二人、笑いながら演説家に背を向けると、来たときと同じように手を 取り合って小走りにその場から去ろうとする。 カメラ。また引いて 広場全体を捉える。今度は左下に(必然的に)若い男女。その二人はそのままに、背景はサトウキビ畑に一転。演説家のいたあたりに 一本の案山子。ここでフィルムは静止画。画面中央より右下にロンリコのボトル。「750ML \○○」の文字。 BGMはちょうど ♪ shutem down〜で終わる。(場面が頭に浮かびますか?絵コンテが必要ですよねぇ(^^;)
Take2 うつむく青年 監修
ロンリコCM準備稿1
それは、いつもの平常より少しだけかけ離れている時代や時間かもしれません。その少しだけの距離は、熱射病の
子供の気分に似ていったいどこから沸いてくるのかわからない吐き気と焦燥感を持っています。しかしそこには、確かな明日があるような気がします。
確かな明日とは何でしょうか?
出だしはこうです。
その国では蝉の声は聞こえない
真っ暗な画面の中に、火炎瓶が1本うつしだされている。
自身の炎で照らされた瓶の形はロンリコなのだが、泥で汚れて瓶からはそれであることはわからない。 全くの無音の中、文字が不思議なスピードで入れ替わる。 「その国では蝉の声は聞こえない」 「夕日より赤い大地と」 「真夏より熱い情熱を持つ」 「その国では蝉の声は聞こえない」 途中で火炎瓶の火が燃え尽きて、暗い画面の中に文字だけが残る。 そして、クロスフェードで案山子が浮かび上がり、カメラはその案山子の背後から近づき案山子の視点に切り替わる。 遠くに見える、やけに明るい町。 画面は恐ろしいスピードでその町に近づく。同時に民衆の歓声と指導者のシュプレヒコールカットイン。 この国で聞こえるのは、希望に溢れる民衆の声だ。 視点は指導者のものとなる。 広がる民衆の熱。そのシュプレヒコールはキューバ革命の時のようにただ力強い。 見渡す彼の視点の中に一組の若い二人。希望ある二人はじっと彼を凝視する。 指導者と男の目があったとき、男は指導者に向けて一本の瓶を投げる。 瞬間、すべての音が消え画面は真っ暗になる。 遠くから聞こえてくる子供の笑い声と波の音。同じように暑い国ではあるのだが、平和そうな国。そしてここで音楽が入る。 その曲は五つの赤い風船で「ときどきそれは」 波打ちぎわの逆光の中、流れ着いたボトルメール。それをみつけた子供は、その瓶を手に持ち栓を開け 瓶を振る。 中から出てきたのは二つの指輪。不思議なことに、その指輪はまるでメビウスの輪のように繋がっている。 それを大事に手の中にしまい、やわらかな手を繋ぎながらどこかへ走ってゆく無邪気な子供。 カメラは無造作にその投げられたびんの方に向かう。 泥だらけのその瓶は、よせる波にあらわれ、初めてその顔を見せる。 ゆっくりとフェイドする画面に浮かぶ言葉 「今あなたに愛があるなら」「ロンリコ151」 END
そして最後に・・・
N:「元々はあなたの 『最近酒について語らせての更新がないですね』っていうところから、私のこの企画は持ち上がったようなもんだし、言葉の魅力や不思議を普段から気に掛けているあなたなんですから、最後までつきあいましょう。なんか書きませんか(笑)」
というようないきさつで、先ほどオールドセントアンドリュースの最終ホールを思い描いてくれたABUさん。お酒とのつき合い、考え方においては自身への 妥協を許さない彼が執筆してくれました。
Take3 ABU 監修
荒野の中に出来たオアシス...
栄枯盛衰を繰り返すも、聖地を守り抜いた誠の戦士が集う街その中心に位置する噴水広場に、他の部族の 侵略をこれから迎い討つ101人の男達が居た。再会の約束は盃で交わしてある。おのおのが武装をし、 今まさに出陣しようと意気まいてる中、見つめ会う男と女.. 時は流れ....聖地と言われた街の夜 所々に面影は残るものの、時代の流れと共に街並みは変わって いる。最後の聖戦に敗れた訳では無いが、街は傷つき、多くの血が流れただろう。だが、聖地を守るべく 戦った誇り高き戦士の魂はしっかりと受け継がれているようでき残った人々でここまで復興させたようだ。 街の至るところに灯かりが燈り、どこからとなく笑い声が聞こえる。 そんな街の場末 路地裏に老年の男が一人、板壁に背をもたれ座っている。街全体が幸せのハズなのに、戦いの場に自分を見出した男には居心地が良くない らしい。昔を懐かしむように、遠くを見つめている。 『全て変わってしまった...』 『街も人も...』 つぶやくようにそう言うと、今の相棒であるボトルを取り出した。 『こいつだけが....あの頃のまま..』 昔も今も変わらない、誇り高きスピリッツ、ロンリコ。Fin.
愛するもの 愛されるものは・・・
サトウキビから作る糖蜜を原料とし 発酵・蒸留して作られるスピリッツ、ラム。今回はその中でもロンリコの151プルーフにスポットをあてました。ラムの中でも75,5度という恐ろしく強いお酒は他にも幾つか
あり、旨くて強いお酒のアルコール度数の上限を実感させますが、このボトルは我がうつむく青年さんの
代名詞的お酒。 私も大好きなお酒です。あまりお酒に詳しくないような世間一般の人にもアピールする
ようにと この銘柄を選んでみました。平素からどれだけ我々Numberファミリーはこのお酒に助けられた
ことでしょう・・・・そんな愛をロンリコに込めて戯れた今回の語らせて。三者三様ですが、愛や、愛されるべきものは永遠に変わらない。そんな共通点がみられるような気がします。もう、多くは語りますまい。
このコラムに最後までおつきあいしてくれた方々が、フッ・・・とこのお酒を思い出し、オーダーして
くれたら(それは何処の街の、どんなBARにおいても)嬉しいです。それでは
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