Act1 Scene 2.「ロバチェフスキーの石」 Date: May 31, 1998

「じいさん、土産だ。」男の呼び声にデスクに向かっていた白髪の老人がゆっくりと
興味無なさげにふりかえった。が、ランプに照らされた顔にはかすかな笑みが
浮かんでいた。「さて、仕事にとりかかるか。」老人はそう呟くと男から土産を−ちっぽけな
黒い石ころ−を奪い取るようかのように持ち運び去った。

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