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[トップページ][平成14年一覧][Common Sense][221 韓国]

________Japan On the Globe(265)  国際派日本人養成講座_______
          _/_/   
          _/     Common Sense:「反日」ナショナリズムという病
       _/_/                     〜 "日韓"関係の正常化に向けて
_/ _/_/_/         韓国の「反日」ナショナリズムを分析すれば、
_/ _/_/          日韓関係がうまく行かない理由が見えてくる。
_______H14.11.03_____40,180 Copies_____619,013 Views________

■1.親たちは、みんな無学な田舎者だったのだ■

     日本で数多くの著書を出版している呉善花(おそんふぁ)さ
    んは、韓国済州島の出身。呉さんが学んだ小学校の教室には大
    統領の大きな写真が掲げられ、その両脇に「反共」「反日」と
    大きく書かれたポスターが貼られていた。「反共」の「共」は
    北朝鮮のこと、共産主義がいかに邪悪で危険な思想であるかを
    徹底的に教えられた。
    
    「反日」については、日本人が韓国人に対してどれだけ悪いこ
    とをしたかが教えられた。「日帝(日本帝国主義)は植民地統
    治の中枢機関として朝鮮総督府をソウルに設置し、全国いたる
    ところで韓民族に対する徹底的な弾圧と搾取を行ない、支配体
    制の確立に力を注いだ」といった調子である。
    
     呉さんの両親は、終戦前の3年間、鹿児島で父の兄弟が経営
    する箸工場で働いていた。両親は日本人の家に間借りして、
    「その家族も近所の人たちも大変親切にしてくれた。何かとい
    っては果物やミカンをくれたりしたし、畑をただで貸してくれ
    て野菜を自給することもできた」と、母親は幼い呉さんによく
    思い出話をしてくれていた。その話のはしばしから日本という
    土地と日本人にとても親しい感情を抱いていることが伝わって
    きた。それで呉さんは日本に憧れ、大きくなったら日本に行き
    たいと思っていた。
    
     しかし、小学校での反日教育を受けた結果、「日本人は親切
    だ、なんて私にいい聞かせていた親たちは、みんな無学な田舎
    者だったのだ。日本人がほんとうはどれほど残酷なことを韓国
    に対して行ってきたかを教わってこなかったから、何も分かっ
    ていないのだ」と呉さんは思うようになった。

■2.「反日」を鏡とした韓民族のアイデンティティ■

     呉さんが学んだ民族主義は常に「反日」とセットだった。漢
    民族が高度な文明を教えてあげたので、日本はなんとか国の形
    を取れるようになった、その恩も忘れて野蛮な日本民族は、平
    和的な韓民族を侵略した、、、優れた文明を持ち平和的な韓民
    族という自画像は、すべて「日本」を鏡としていた。[a]

     そんな呉さんが実際に日本にやってきて、現実の日本人に接
    すると、、、
    
         ガチガチの反日思想に身を固めてやってきた私が接した
        日本人たちは、まるで拍子抜けしたというか、振り上げた
        拳のもっていき場がないというか、野蛮といえば韓国人の
        方がよほど野蛮だといいたくなるほど、みんなおとなしく
        てやさしかったのです。猫っかぶりしているだろう、本国
        でいわれていたように、やはり日本人は二重人格者なのだ、
        そのうち本性をあらわすだろう・・・そんな期待も長くは
        続きませんでした。
        
         実生活のなかで日本および日本人を知れば知るほど、日
        本人が「侵略的かつ野蛮な民族的資質」を持っているとは、
        とうてい真実ではないと思うしかなくなりました。また、
        「反省も謝罪もする気がない」ということも明らかな嘘だ
        と知ることになりました。[1,p111]
        
         その結果、私のなかから「反日」が消え、いったい自分
        は何者なのかということでひどく悩むことになりました。
        前述のように韓国の民族主義は「反日」と不可分なもので
        す。その「反日」が消えたとき、自分のアイデンティティ
        がガラガラと崩れそうになったのです。
        
         日本人がどんな人たちかとは関係なく、そこから独立し
        た韓国人としての自分があれば問題はないのですが、常に
        日本人を鏡にして見る自分、そして韓国人としての自分と
        いう存在があったのに、敵対すべき日本人が消えてしまう
        ことで、自分自身の存在すら消えてしまいそうになったの
        です。[1,p112]

■3.日本に謝罪させる事が韓国新大統領の試金石■

    「反日」が自らのアイデンティティとなっている韓国では、新
    大統領は、就任後に自ら日本からの謝罪をとりつけなければ、
    大統領としての権威を確立できない。
    
     平成10年10月の金大中大統領来日に際して、「日韓共同
    宣言」が発表された。その冒頭には次のような一節がある。
    
         小渕総理大臣は、今世紀の日韓両国関係を回顧し、我が
        国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の
        損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、
        これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。

     この共同宣言には、「21世紀に向けた新たな日韓パートナー
    シップ」という副題がつけられていた。その新たなパートナー
    シップは、毎回大統領が替わるたびに繰り返される日本の謝罪
    と反省から始まっていたのである。拓殖大学の田中明教授は、
    この宣言について、次のように述べている。
    
         過去史問題にケリをつけるためには、たとえ、いままで
        の大統領が日本の謝罪を受け、それを了承したとしても、
        現職大統領がみずから確認しなければダメだ---というの
        が韓国指導者の立場である。
        
         なぜなら韓国政治において、前政権はつねに後継政権の
        否定的対象にされるという"伝統"があるからである。・・・
        韓国政治の伝統に生きる金大中政権も、自身がはっきりと
        日本から謝罪を受けるのでなければ、政権のアイデンティ
        ティが確立したことにならないのである。[2]
        
     日本からの謝罪を取り付けなければ、大統領としての権威が
    確立できない、というのは、逆に言えば、それだけ国家として
    の精神的な自立ができていない、という事である。
        
■4.「反日」に踏み潰された日韓交流■

         朴政権は別として、その後の韓国政権は、初期には対日
        関係をうまくやっていこうとするが、中盤以降レームダッ
        ク現象(JOG注:任期切れ間近で実権を失うこと)が生じ、
        反対勢力が激しくなると、反日というカードを用いて、攻
        撃を逸らしてきた。だから金大中大統領もそうすると考え
        ておいた方がいいだろう。[2]
        
     田中教授のこの予言は、昨年夏の歴史教科書問題で見事に的
    中した。日本の民間会社が作成した歴史教科書の内容を修正す
    るよう韓国政府が日本政府に要求し、それに従わないからとい
    って、日韓の民間交流を制限するという政府命令を下した。
    
     ある日本の高校は、韓国の高校と姉妹校提携を結び、生徒達
    が互いの国を訪問して、ホームステイするという交流を続けて
    いた。「文化、生活習慣、食べ方の違いなど、びっくりするこ
    とがいろいろあったけど、とにかく楽しくてあっという間に仲
    良くなれたし、すごく勉強になった。帰ってきてからも、メー
    ルでやりとりしている」と生徒達が語るほど、有意義な交流と
    なっていた。
    
     昨年夏も、日本の生徒達が7月に韓国に行くために、飛行機
    のチケットをとっていたのだが、韓国政府の命令で韓国側から
    「来ないでください」と断られた。直前のキャンセルで旅費は
    戻らなかったという。日本の高校生の中には、韓国への抜きが
    たい不信感を抱いた生徒も多かったであろう。
    
    「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」は、本来、こ
    ういう交流の中からこそ生まれるべきものであろうが、その小
    さな芽は金大中政権の自己防衛のための「反日」に踏みつぶさ
    れたのである。

■5.アイデンティティの代用品としての「反日」■

     なぜ、韓国で「反日」なくしては自らの「アイデンティテ
    ィ」もないような事態となったのか。筑波大学の古田博司教授
    は、次のように述べる。
    
         韓国のナショナリズムは病であり、おそらくその病は癒
        えることがない。なぜか。
        
         国家がその成り立ちにおいて正統性を欠いているからで
        ある。いうまでもなく韓国の国是は反日と自ら勝ち取った
        日本植民地からの独立である。しかるに韓国にはこの闘争
        を勝ち取った者の姿が当初より存在しない。武器を持って
        戦った者は皆北に渡った。南の政府の直系の祖たちは上海
        にのがれて臨時政府を形成したが、セクト対立と内部の暗
        殺を繰り返して堕落したことは歴史上の事実である。[3]
        
     上海にあった「大韓臨時政府」は、内部抗争を繰り返すばか
    りで、アメリカにも中国にも承認されなかった。日本政府は敗
    戦後に朝鮮を独立させようとしたが、その動きはすぐにアメリ
    カ政府に拒否され、米英ソ3国は朝鮮の独立を当面認めず、信
    託統治をする事に決めた。その後、アメリカが国連監視下の選
    挙で韓国を成立させると、ソ連は対抗して北朝鮮を独立させた。
    [b]
    
     インドネシアやインドのように自ら戦って独立を勝ち取った
    国々では、その勝利の歴史が国民と国家のアイデンティティを
    支え、それゆえに精神的にも自立して、旧宗主国とも大人の付
    き合いができる。不幸にもそうした歴史を持たない韓国は、自
    らのアイデンティティの拠り所を持たない。「反日」ナショナ
    リズムは真のアイデンティティの代用品なのである。

■6.日本の左翼勢力が燃料供給してきた反日ナショナリズム■

     もう一つ韓国にとって不幸だったのは、日本側にも「反日」
    ナショナリズムに唱和する左翼勢力がいたことである。
    
     平成4年1月、宮沢首相の訪韓のわずか5日前、朝日新聞は
    狙いすましたように、日本軍が「慰安所」に関与した証拠が見
    つかったと報道した。それに激高した韓国民は、ソウル市内で
    抗議・糾弾のデモ、集会を相次いで開き、日の丸を焼いた。ソ
    ウルでの宮沢首相は事実を確認する余裕もなく、8回も盧泰愚
    大統領に謝罪を繰り返した。朝日の発見した「証拠」とは、民
    間の悪徳業者による慰安婦募集を軍が止めさせようと「関与」
    した内容であった。[c]
    
     教科書問題にしても、そのメカニズムは同様だった。
    
         韓国マスコミは「新しい歴史教科書」問題を昨年(JOG
        注:平成12年)夏ごろからしきりに取り上げてきた。こ
        の背景には韓国マスコミが「良心的」とする日本の左翼・
        進歩派を中心にした「新教科書」反対勢力の熱心な働きか
        けもあり、日本で非公開の検定申請本の中身まで引用しな
        がら「侵略美化」「歪曲」と非難を続けてきた。[4]
        
     慰安婦問題も歴史教科書問題も、日本の左翼勢力が自民党政
    権攻撃のために騒ぎを作り、それを韓国のマスコミが政府攻撃
    の材料に流用して、韓国政府が強硬な対日姿勢をとらざるを得
    なくなる、という政治メカニズムの繰り返しなのである。呉善
    花さんは次のように語る。
        
         韓国の反日民族主義と左翼の思想とは相容れませんから、
        韓国では反日に呼応して運動する彼らを、終始「日本国内
        の平和勢力」といい続けてきました。このいい方はいまも
        なお変わっていませんが、私も韓国にいる時分は「平和勢
        力」がまさか左翼の人たちとは思わず、ずっと良心的な一
        般市民だとばかり思っていました。
    
     かくして反日ナショナリズムの火は、「日本国内の平和勢
    力」から何度となく新たなガソリンを供給されて、燃え続けて
    きたのである。

■7.韓国の孤立性と同質性■

     もう一つ、韓国にはナショナリズムが燃え盛りやすい原因が
    ある。東京都立大学の鄭大均教授は、こう指摘する。
    
         この国の国民のほとんどすべてはエスニック・コリアン
        で構成されており、アイヌや沖縄人のような先住民型のマ
        イノリティもいなければ、被差別部落民のようなカースト
        型の少数者もいない。人口4700万人のこの国で、ほぼ
        唯一のエスニック集団といえるのは、1万6000人ほど
        の台湾籍の華僑であるが、そのプレゼンスは在日韓国人・
        朝鮮人とは比べものにならない。・・・ 韓国はその一卵性
        双生児である北朝鮮を除けば、世界で最も同質性の高い国
        であり、・・・ こうした韓国社会の同質性という条件は、
        ナショナリズムを燃え上がらせるには恰好の環境である。
        [5,p103]
        
     さらに韓国語の国際的な孤立性という問題を鄭教授は指摘す
    る。
    
         韓国語は基本的に朝鮮半島に住む韓国・朝鮮人にしか通
        じない言語であり、しかも韓国人の多くは韓国語以外の言
        語には通じていない。・・・韓国語の孤立性は、ナショナリ
        ズムの世界ではもっぱら固有性や優秀性の表象として活用
        されるとともに、それは内で何をいっても外には通じない
        し、外で何をいわれても内には通じないというナショナリ
        ズムの跋扈を支える条件になるのである。[5,p104]
    
     我々日本人は、自分自身が世界でも孤立し、かつ最も同質性
    の高い民族国家だと思っているが、上には上が、それもすぐ隣
    にいたのである。

■8.日韓関係、正常化への道■

     反日ナショナリズムは韓国人の病である。しかし、日本人に
    は日本人の病があると、鄭教授は言う。
    
         配慮の精神は日本人の美徳であるが、最近の日本人を見
        ていると、配慮のメカニズムが働きすぎて、人間関係その
        ものが希薄となっているという印象を受ける。そんな日本
        人を見ていると、これは文化というよりは病気ではないか
        と思うくらいである。[5,p46]
        
    「日本人が心の底から謝罪しないから、韓国人がいつまでも許
    してくれないのだ」という自虐的思想は、「配慮のメカニズ
    ム」の働き過ぎだろう。そういう気疲れするような配慮は、結
    局、相手を遠ざけ、日韓関係を希薄なものにするだけである。
    この日韓のそれぞれの病気をいくらぶつけ合っても、両者の関
    係の正常化は望み得ないだろう。
    
     呉善花さんの母親が語る日韓交流の心温まる歴史、そして日
    韓の高校生同士がお互いの家庭にホームステイして、「とにか
    く楽しくてあっという間に仲良くなれたし、すごく勉強になっ
    た」というような、お互いのエスニックな特質の楽しい行き交
    い。そういう所からお互いのナショナル・アイデンティティを
    積極的に認め合う--「ここに拠ることでしか、日韓関係を正常
    化できる可能性はありません」とは、呉善花さんの結論である。
                                          (文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(261) 韓国製トンデモ日本史
    日本は百済の残党が土着原 住民を制圧して作った国?!
b. JOG(190) 「お家の事情」の歴史観
   「抗日史観」を国家の「背骨」にせざるをえない韓国の「お家の
   事情」。
c. JOG(106) 「従軍慰安婦」問題(上)
    日韓友好に打ち込まれた楔。

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
1. 呉善花、「『反日韓国』に未来はない」★★★、小学館文庫、H13
2. 田中明、「金大中訪日--日韓関係の非対称性」「現代コリア」H10.10、
   ([5,p18]より再引)
3. 古田博司、「大航海」H13.4、([5,p50]より再引)
4. 産経新聞、「日本の教科書検定 韓国で反日キャンペーン再燃
  マスコミ、政権批判の材料に」、H13.02.21、東京朝刊、5頁
5. 鄭大均、「韓国ナショナリズムの不幸」★★、小学館文庫、H14
   
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