[トップページ][平成19年一覧][The Globe Now][222.01390 中国:軍事]

■■ Japan On the Globe(481)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

           The Globe Now: 中国、太平洋侵出の野望
                            〜 西太平洋を「中国の海」に
                
                日本を「中国の海」に浮かぶ孤島列島にするのか。
■転送歓迎■ H19.01.28 ■ 34,982 Copies ■ 2,272,752 Views■

■1.「海からの包囲網」「海からの脅威」■

     中国側から太平洋を望むと、どんなふうに見えるだろうか。
    北から見ていくと、黄海は対岸を韓国にブロックされている。
    その南の東シナ海は、九州から沖縄、そして台湾に阻まれてい
    る。その先は南シナ海だが、フィリピン群島が遮っている。中
    国には太平洋への出口はない。「海からの包囲網」に取り囲ま
    れているのである。

     中国が半植民地化された「屈辱の150年」は、19世紀中
    葉のアヘン戦争から始まったが、その敵イギリスは海から中国
    を攻撃した。その後の日清戦争も日中戦争でも、日本軍は海か
    ら来襲した。「屈辱の150年」は「海からの脅威」によって
    もたらされた。

     現代中国は、経済的な躍進を続けているが、その原動力は上
    海や広東省に代表される沿岸地域だ。しかし、そのすぐ目と鼻
    の先には沖縄、佐世保、横須賀に米軍基地があり、台湾にも強
    力な空軍がある。対潜水艦作戦能力では世界トップクラスの日
    本の海上自衛隊の力も無視できない。いざという場合に、沿岸
    地域が日・米・台湾軍によって攻撃されるという怖れを、中国
    が抱いていたとしても不思議ではない。

     それに対抗する中国海軍は、北海・東海・南海の3つの艦隊
    からなるが、北海・東海が台湾の北、南海が南と、幅わずか1
    31キロの狭い台湾海峡によって分断されている。台湾はあま
    りにも大陸に近く、中国から見ればピストルを腹部に押しつけ
    られているようなものだ。

     中国の抱えるもう一つの懸念は、経済成長を支えるエネルギ
    ー輸入の問題である。石油の対外依存度は30パーセントを超
    え、2004年には一億トンもの石油を輸入している。この石油は
    中東からインド洋を通り、南シナ海を経由して入ってくる。さ
    らに沿岸の北半分に石油を送るには、台湾海峡を通らねばなら
    ない。中国にとって見れば、この大動脈も「海からの脅威」に
    曝されているわけである。

■2.「屈辱の150年」は終わっていない■

    「海からの包囲網」「海からの脅威」は、決して過去の記憶や、
    妄想の産物ではない。1996年3月、台湾の総統選挙で李登輝再
    選を阻止しようと、中国は台湾周辺海域で大規模な軍事演習を
    行った。短距離弾道ミサイルの台湾近海に向けての発射実験、
    台湾海峡における海軍と空軍による実弾射撃訓練、中国沿岸の
    島への渡海・上陸作戦と、台湾侵攻の手順を見せつけたもので
    あった。

     これに対し、アメリカのクリストファー国務長官が「中国の
    演習は無謀な威嚇であり、危険な威圧だ」と警告し、横須賀か
    ら原子力空母「インデペンデンス」率いる第7艦隊を出動させ、
    台湾北部海域に展開した。同時に中東にいた原子力空母「ニミッ
    ツ」を中心とする艦隊を台湾南部海域に派遣した。

     中国はこの軍事的圧力に屈した。彼らは改めて「海からの包
    囲網」「海からの脅威」に阻まれ、「屈辱の150年」はまだ
    終わっていない、と感じたろう。

■3.「中国の海」■
    
    「屈辱の150年」を完全に終わらせ、中国が真に世界の大国
    としての地位を取り戻すには、台湾を我が物にしなければなら
    ない。それは「中華世界の復興」というような歴史的イデオロ
    ギーだけの問題ではなく、現実の地政学的な要請である。

     かりに中国が台湾を領有できたとしよう。平和的な統一であ
    れ、武力占領であれ、結果は同じである。「海からの包囲網」
    も「海からの脅威」もまるでドミノゲームのように一挙にひっ
    くり返って、西太平洋は「中国の海」となる。

     台湾には巨大な中国海軍の基地が築かれる。台湾海峡は完全
    に中国の内海になり、台湾の東側海域も制海権内に入る。そこ
    に中国の原子力潜水艦が出没し、機雷を自由に敷設できる。

     横須賀を母港とするアメリカの第7艦隊も、容易に中国沿岸
    に近づけなくなる。アメリカの制海権は日本列島-台湾-フィリ
    ピンをつなぐ第一列島線から、小笠原諸島-硫黄島-グアム島を
    結ぶ第二列島線に後退するだろう。

     台湾の東側海域は日本が年間2億トン以上もの石油を輸入す
    るシーレーンである。その海域の制海権を得ることで、中国は
    日本の首根っこを抑えることができる。石油輸入を止められた
    くなかったら、在日米軍を出動させるな、あるいは追い出せ、
    と威嚇できる。

■4.南シナ海と東シナ海は「中国の海」になりつつある■

     中国はこのシナリオを目指して、着々と布石を打ってきた。
    現代中国の軍事・外交を専門とする平松茂雄氏は、こう語る。

         中国は1949年の建国以来、一貫して国家目標を掲げ、
        それを達成するために国家戦略を持ち、国家の総力をあげ
        て、国家目標を達成してきた国だった。[1,p22]

     建国当初、何度もアメリカから核兵器で威嚇され、「たとえ
    ズボンをはかなくとも」核兵器を開発する、と決意して、開発
    を進め、いまや世界第三位の核兵器大国となった経緯は、弊誌
    186号「貧者の一燈、核兵器〜中国軍拡小史」[a]で紹介した。

     この姿勢は海洋侵出についてもまったく同様である。73年ベ
    トナム戦争からアメリカが手を引いた途端に、ベトナム沖のパ
    ラセル(西沙)諸島をベトナム軍を武力排除して実効支配した。
    南シナ海の中ほどに浮かぶスプラトリー(南沙)諸島には87年
    頃から侵出を始め、米軍がフィリピンから引き揚げた92年以降、
    恒久的な軍事施設を建設した。

     68年に尖閣諸島付近の大陸棚に膨大な海底油田が発見される
    と、中国は、突如、尖閣諸島は自国領土だと主張を始め、70年
    代から海底探索を行い、80年代にはボーリング調査を実施し、
    90年代にはガス田開発を開始した。2004年に日中中間線のすぐ
    中国側で採掘施設が姿を現すと、中川昭一経済産業大臣が、日
    本側の石油資源も吸い取られてしまうと抗議をして、ようやく
    日本国内がこの問題に注目した。以後、日本政府の抗議に対し
    て、中国政府は共同開発などの提案をして時間を稼ぎながら、
    その間に着々と工事を進めている。[b]

     ちなみに尖閣諸島は、台湾と沖縄の中間地点にあり、ここに
    軍事基地を作れば、台湾、および沖縄の米軍基地を威圧するに
    は絶好の位置にある。さらに沖縄本島と宮古島の間を通って太
    平洋に出るルートを開くことにもつながる。

     南シナ海と東シナ海はその名の通り、着々と「中国の海」に
    なりつつある。

■5.太平洋海域における中国の海洋調査■

     中国海軍は、日本列島-台湾-フィリピンをつなぐ第一列島線
    の内側は片付いたとして、小笠原諸島-硫黄島-グアム島を結ぶ
    第二列島線までの西太平洋海域の調査を始めた。2001年末から
    03年にかけて、東は沖縄本島から西は小笠原諸島まで、北は種
    子島から、南は沖ノ鳥島までの広大な海域を海洋調査船で綿密
    に調査した。経度で言えば小笠原諸島は房総半島よりも東であ
    り、また緯度では沖ノ鳥島は、台湾よりさらに南である。その
    大半は日本の排他的経済水域である。

     その目的は、海洋資源調査のみならず、水深や潮流に関する
    データを集め、将来、アメリカの空母機動部隊がやってきた時
    に、潜水艦隊を展開し、機雷を敷設する準備をしたものと見ら
    れている。

     日本国民はわが国太平洋海域におけるこうした調査活動を知
    らされていなかった。外務省中国課が、国連海洋法条約に規定
    されている「科学調査」と解釈し、かつ「許可」を求めてきて
    いるから合法的であり、したがって公表する必要はないという
    理屈であった。平松氏はいくつかのメディアを通じて、中国の
    海洋調査活動に関して警鐘を鳴らしたが、大半の国民も無関心
    のままであった。

     拉致問題と同様で、政府とマスコミの意識的、あるいは無意
    識的な怠慢が、ここまで事態を悪化させたのである。

■6.沖ノ鳥島を狙う中国■

     2004年には、わが国最南端の領土である沖ノ鳥島周辺海域で、
    中国海軍の測量艦や海洋調査船が事前通報なしの調査活動を行っ
    た。この年だけで34回もの不法調査が確認されている。[2]

     沖ノ鳥島は満潮時に海面下に水没しそうな小さな二つの岩か
    らなっている。しかし、この島を中心に半径200カイリの円
    を描くと、わが国の陸地国土面積に匹敵する広大な排他的経済
    水域となる。そして、この海域の海底にはコバルト、マンガン
    などの希少金属が埋蔵されているとみられている。

     日本政府はさすがに通報なしの違法調査に対して抗議をした
    が、中国は取り合わなかった。「人間が居住または独自の経済
    生活を維持することのできない岩は排他的経済水域や大陸棚を
    有しない」との海洋法条約の規定を中国は援用して、沖ノ鳥島
    周辺海域を日本の排他的経済水域と認めず、従って同島周辺海
    域での調査活動に際して日本政府の許可を得る必要はないと主
    張したのである。

     中国はベトナムに近い南沙諸島海域の岩礁に掘っ立て小屋を
    立てて人を住まわせ、周辺の排他的経済水域の権利を主張した。
    同様に日本政府も沖ノ鳥島の排他的経済水域を守ろうと、灯台
    を建設したり、サンゴ育成を行う計画を発表した。

     中国が沖ノ鳥島を狙う理由は、海洋資源だけではない。沖ノ
    鳥島からグアム島までは約1千キロ。そこには米国海軍の原子
    力潜水艦の基地がある。

■7.グアム島近海にまで出没した中国原潜■

     海洋調査船の調査が終われば、次は潜水艦による調査である。
    2004年10月中旬には、中国海軍の原子力潜水艦が青島の基地
    を出航し、東シナ海を南下、10月下旬に沖縄本島と宮古島の
    間の海域を通って太平洋に出た後、11月初旬にはグアム近海
    150キロまで接近して周囲を一周し、北上して日本の種子島
    近海に達した。この際に石垣島近辺の日本の領海を侵犯したた
    め日本政府が抗議し、中国政府も反中感情の盛り上がりを心配
    したのか、めずらしく遺憾の意を表明した。

     この原潜は米軍の対潜哨戒機が発見、その後、海上自衛隊が
    追尾したが、それを逃れるために「海底すれすれの状態」で潜
    行しており、海上自衛隊は「海底を熟知している証拠で、練度
    は高い」と分析している。

     ワシントンのシンクタンクで中国人民解放軍の研究を専門と
    するラリー・ウォーツェル氏は、産経新聞のインタビューに答
    えて、中国政府の意図として、海図調査以外に、日本側の対応
    のテストがあった、と述べている[3]。「具体的には日本のど
    んな対応をみるのか」との質問に:

         自衛隊がどれほど早くその潜水艦の動きを探知し、どん
        な追尾や防衛の手段をとってくるか。日本の対潜能力をみ
        るわけだ。また日本の政治指導部の対応も観察される。そ
        の背後には中国側のさらに大きな戦略的な意図がある。

    「戦略的な意図とは」の質問に対しては、こう答えた。

         中国海軍の近代化の中心人物となった劉華清提督(元党
        中央軍事委副主席)が十数年前に言明したことだが、中国
        軍の長期の戦略目標は太平洋海域では千島列島から日本列
        島の東、パラオ、ミクロネシアへと南下する諸島連鎖の線
        までをコントロールすることだという。そのためには航空
        戦力とともに潜水艦の能力も大幅に増強せねばならない。
        中国の原潜が日本列島のすぐ南を経て、太平洋海域へと進
        出していくという構図はこのきわめて野心的な長期戦略の
        一端であり、今回の侵犯もそういう背景でみるべきだ。

■8.米空母は中国の潜水艦に撃沈されかねない■

     この時の中国原潜の動きは、米軍や海上自衛隊によって探知
    されていた。しかし、昨年10月末には、沖縄近海の太平洋上
    で、米空母「キティホーク」が中国海軍の通常型潜水艦の追跡
    を受け、魚雷などの射程圏内に接近されても探知できなかった
    という事件が起こった。後方約8キロの水上に浮上した潜水艦
    を哨戒機がようやく発見したのである。

     この2年ほどで、中国の潜水艦の内部騒音に関する技術的改
    良が進み、それだけ発見しにくくなっているのであろう。この
    型の潜水艦は、ロシア製の誘導型魚雷のほか、対艦ミサイルを
    搭載している。実戦であれば、空母キティホークは中国潜水艦
    からの魚雷かミサイルにより撃沈されていた可能性もある。

     1996年3月の李登輝再選の際には、中国はアメリカの二つの
    空母機動部隊に威圧されて引っ込んだが、今は空母が台湾近海
    に近づく事すら大きな危険を伴う。

     中国の軍事政策研究で知られるリチャード・フィッシャー氏
    は、産経新聞のインタビューで「中国は2010年までに50隻か
    ら60隻の近代的で、精鋭の潜水艦を保有するようになる」と
    予測した。米国が世界中に展開している原潜が55隻なので、
    それに匹敵する潜水艦部隊を中国は西太平洋に展開できるので
    ある。[4]

■9.日本を「中国の海」に浮かぶ孤島列島にするのか■

     台湾に中国の潜水艦基地が作られ、西太平洋に数十隻もの中
    国の原潜がうようよする「中国の海」となれば、日本はその中
    にポツンと浮かぶ孤島列島となる。大陸本土からの核ミサイル
    ばかりでなく、太平洋沿岸に潜行する原潜からも核弾頭付き巡
    航ミサイルが撃ち込まれる脅威にも曝される。そしてシーレー
    ンを握る中国は、いつでも日本の石油輸入をストップできる。
    あえて武力に訴えなくとも、日本は中国の一服属国に成り下が
    るだろう。親中派の政治家とマスコミが国内をリードして、経
    済援助や対中投資という形で、世界第二の経済大国からの朝貢
    は思いのままとなる。

     1995年、当時の首相であった李鵬は、オーストラリア首相と
    の会談で、「日本などという国はこのままで行けば、20年後
    には消えてなくなる」との発言をしたと伝えられている。これ
    は単なる予言ではなく、日本を上述のような服属国にしようと
    いう中国の国家意思を表したものと考えられる。

     我々の子どもや孫の世代に、中国の服属国民という悲哀を味
    あわせないためには、今のうちに我々が国家の独立と安全を維
    持すべく努力しなければならない。日米同盟が世界第1位と2
    位の経済大国、技術大国の結びつきである事を思い起こせば、
    中国の国家意思を打ち砕くだけの体力は十分にある。あとは自
    分たちの独立と自由を維持しようという国家意思の問題である。
                                         (文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(186) 貧者の一燈、核兵器〜中国軍拡小史
    9回の対外戦争と数次の国内動乱を乗り越えて、核大国を目
   指してきた中国の国家的執念。 
b. JOG(152) 今日の南沙は明日の尖閣
    米軍がフィリッピンから引き揚げた途端に、中国は南沙諸島
   の軍事基地化を加速した。

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 平松茂雄『中国は日本を併合する』★★★、講談社インターナ
   ショナル、H18
2. 産経新聞「EEZ内 中国船 34回目の侵入 沖ノ鳥島周辺
   海域 激増、昨年の4倍超」、H16.12.11、大阪朝刊、3頁
3. 産経新聞「中国原潜、領海侵犯の狙い 潜水艦戦力を増強 日
   本、海上安保へ投資拡大必要」、H16.11.20、大阪朝刊、6頁
4. 産経新聞「中国潜水艦が追跡、射程に 米空母気づかず 沖縄
   近海」H18.11.15、東京朝刊、1頁

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「中国、太平洋侵出の野望」に寄せられたおたより

                                             yoshieさんより
     日本外交のあまりにも弱すぎる面々に時々不安を感じていま
    したが、今回の「20年後に日本などという国はない」という
    極端な中国首相の発言には寒気がし、また怒りで数日このこと
    が頭から離れませんでした。

     私は外国に永住して数年が経ちますが、日本を出て思うこと
    は、日本特有の「協調性」「親切」「無言実行」「誠実」「謙
    遜」などの道徳観と「争いを好まない」習性は、外国では格好
    の餌食になりやすいという現実です。

     いろいろな民族と接していると、どこまで、自分の主張や利
    益にそって生活できるかと、自分の人生の目標を達しうるうる
    かに最大の焦点がおかれ、日々「生きることが戦い」であるこ
    とを思い知らされます。顔色をうかがいながら、使える奴はと
    ことん使うのです。またどのような状況下でも自分が他の下に
    なることを嫌い、能力がなくとも口達者に常に自分が上であろ
    うとします。実際、能力のある者を従える力があれば自分に能
    力はなくてもいいのです。

     この人間関係の延長が国の外交で、今回の日本の反応をため
    しながら、事を成し遂げようとする中国の様は私が日頃から目
    の当たりにしている人間関係とまったく同じです。

     謙虚で勤勉な日本人は能力や金といった貴重な財産を惜しげ
    もなく他に与え続け、恩知らず、礼儀知らずの諸外国はその上
    にあぐらをかき、中国首相の発言のように恩を仇で返す結果を
    招くのです。

     最近のニュースでも「日本技術の協力を隠して中国の新幹線
    始動」とありましたが、一体日本はいつまで慈善事業を続ける
    のでしょうか。それとは裏腹に自国の利益のみを追求し、日本
    が中国の従属国となるような構想を抱かせている愚かな現実を
    いつまで見過ごすのでしょうか。

     外国では日本でいう「親切・優しさ」という概念はときに
    「弱さ」といい、「ずるい」という概念は「賢い」といわれて
    いることを私たちは肝に銘じるべきです。中国はずるいのでは
    なく、彼らの概念では「賢い」のです。日本が「愚か」なだけ
    で、そこには罪悪感が生まれるわけがありません。私たちが
    「ずるい行動」と捉え物事を躊躇している間に、諸外国は「賢
    い行動」と正当化し、迅速に事を成しとげてみせるのです。

     日ごろから、戦う術を知らない平和な日本人は脅しや情に弱
    いということを外国人たちのほうがよく心得ています。諸外国
    の道徳観や価値観を知り、世界から見た日本人という民族性と
    日本人は世界でどう振舞うべきかを学び、国民一人ひとりのレ
    ベルで外交を考える教科があってもよいのではとさえ思う昨今
    です。外国のいうところの「賢い」日本外交はいつ実現しうる
    のでしょうか。世界レベルではまだまだ腰が低すぎます。

     国際社会の中で日本はトップであり続けてほしいと願ってや
    みません。
    
■ 編集長・伊勢雅臣より

     日本人の「親切・優しさ」をもとにした「賢い」「強い」外
    交とはどうあるべきか、考えたいと思います。武士道がヒント
    になるような気がします。
 

© 平成19年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.