ようこそ ノシロ語のホームページ 9号へ
平成12年 (2000) 3月 12日 (補訂、令和 6年 (2024) 4月 15日)
当 9号 とこれに続く 10、11、12号 で、最新ノシロ文法 Version 3.2 をご案内致します。
当 9号 では、序文、 文字と読み方、語と品詞、 語・句・節、 文の要素とその配列(文型)、
修飾パターン、 文の種類・挨拶・よく使う会話表現、 名詞、 代名詞 をご案内致します。
★ ノシロ会話集 は 表紙の最下方中央にある NOXILO Conversation をクリックしてお楽しみ下さい。
★ ノシロ語の愛称を SAAn とします。 SAAn は国際標準単語で 「太陽」 という意味です。 (2010.10.10)
★ 当9号を A4紙 (余白は上下左右 5mm ほど) に印刷すると約 45頁 になります。
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序文 (ノシロ語の特徴、使い方、意義 )
ノシロ語は、世界の人々に利用されることを目指して作られた人工国際言語です。 ノシロ語は、世界の言語の約5割
を占めるといわれる SOV型 の言語 (例えば日本語) を母語とする人達と、世界の言語の約4割を占めるといわれる
SVO型 の言語 (例えば英語) を母語とする人達が、共に使い慣れた母国語の語順か、少なくともそれに近い語順
で話し書きして、互いに理解しあえるようにデザインされた全く新しいタイプ (複様式共立型) の人工国際言語です。
反対の語順で話し合っても理解できるのは、双方の語順に明快な対称性が保たれていて理解が容易なことと、その
対称性以外の文法や単語は99%以上同じものだからです。 発音についても開音節 と 閉音節の双方が公平に採用
されています (どちらも標準)。 ノシロ語の誕生により、これまで母国語の語順で国際対話することを許されなかった
日本人や韓国人やインド人やトルコ人等も、英米人、独人、仏人、ロシア人等と対等に母国語の語順で (つまり日本
人はほぼ日本語の語順で話し書きできる) 国際対話できるようになりました。
(注) S は Subject (主語)、O は Object (目的語)、V は Verb (動詞) の略。SOV 型の自然言語には
日本語、韓国語、ヒンディー語、タミル語、マリ語、トルコ語、ケチュア語、ラテン語等があり、SVO 型の
自然言語には、英語、仏語、独語、中国語、ロシア語、オランダ語、デンマーク語、マレー語などがある。
ノシロ文法は、SOV 型
の言語に整合する 1類 と、 SVO 型 の言語に整合する 2類 の二つから成ります。
「1類」 を英語では Mode I (モードワン) 又は SOV の最初の 2字 をとって SO Mode と言い、
「2類」 は Mode II (モードトゥー) 又は SVO の最初の2字をとって SV Mode と言うことにします。
1類 と 2類 の最大の違いは、主語以下の語順 (即ち、動詞と目的語の位置) が 正反対 になっていることです。
(注) 他にも小さな相違点が少しあります。 例えば句読点 (1類では 。 と 、を使うが、2類は . と ,を
使う) や、修飾詞の語尾 (1類の修飾詞の語尾に L を付けたものを 2類の修飾詞とする) や、節の区
切りを示す為の助詞 (1類は PA で区切るが、2類は ZA で区切る) 等です。 これ等の相違点を除いた
文法は、1、2類 で完全に共通ですから、主語以下の語順を逆にし、修飾詞の語尾に L を付けたり落と
すだけで、直ちに相手の文になります(即ち、1類の文は2類の文に、2類の文は1類の文になる)。
ノシロ語の学習者は、1類 と 2類 を同時に学び、各自の好みや状況に合わせて、どちらでも使い分けることが
できます。 ノシロ文法には無意味な格変化や煩わしい例外や不規則変化は一切ありません。 単語の読み方も、
文法同様、単純明解です。 同じ文字なのに、単語が異なると発音が変わってしまうようなことも全くありません。
そのため、大抵の人が数週間でノシロ文法と発音を修得してしまいます。
どの国の人も、基本となる50程の規則 (世界共通ルール)と、それと結び付いた約500語のノシロ基本単語
(基本単語と記号の合計。150語 程でも殆どの文を書けます) を覚えてしまえば、あとはノシロ国際標準単語や
各自のお気に入りの自然言語 (日、英、中、仏、独、露、蘭、朝、伊、タイ ...等々) の単語を好きなだけ流用し
しかも母語の語順で (SOV、SVO のいずれの語順も OK )、日記やブログからハイテク論文までスラスラ書い
たり話したりできます。
殆どの 国際標準単語 には、共通の又は似通った意味を表す 部首 (単語の最初の数文字) があります。 部首
の意味を知っておくと、単語の大凡の意味を推定できることが多く便利です。 そして部首があるにもかかわらず、
英単語より短い単語が多いので(時には逆に長いものもありますが)、紙の節約や入力の手間も軽減できます。
(注) 50程の規則 というのは、名詞は、単・複同形であるとか、動詞を過去形にするには 語尾に −T
を付け、未来形にするには −R を付けるとか、疑問文は文頭に ? が来るだけで語順は平叙文と同じ
とか、冠詞は一切無い、といったノシロ文を作るときの世界共通ルール(即ちノシロ文法) のことです。
(注) ノシロ基本単語(約500語)。例えば、SE (セ と読む。私)、SEN(セヌ、私達)、ME(メ、あなた)、
MEN(メヌ、 あなた達) のような人称代名詞、IM (イム、〜から)、UT (ウトゥ、〜へ) のような修飾詞
(英語の前置詞)、My (ミュ、〜ということ)、EEF(エーフ、もし〜なら) のような節理詞 (英語の接続詞)、
そして OnD (オンドゥ、及び)、OA (オア、又は) のような構成詞 (英語の接続詞)です。 これ等は、
上述の50程の規則 (即ちノシロ文法)と一体化 していて、正しいノシロ文を書くのに必須なだけでなく
その文がノシロ文であることを読み手に知らせる働きもします。 ノシロ基本単語はノシロ語のオリジナル
で、コンピュータ言語で言えば予約語に相当します。 混乱を生じなければ単に、基本単語 と略記しても
構いません。 尚、この 基本単語 500語 には部首はありません。
(注)ノシロ国際標準単語(令和 6年4月で約20210語)は、内包的な意味を表す 「部首」 を有する
ので、部首を見るだけで単語のおよその意味を推定できるでしょう。 更に語彙の整然とした体系化も
可能になり、一定の造語則 (多くが 部首+英単語の一部 という構成) に従って新語を作ることが
できます。 上述の基本単語500語と合わせた総数 (つまりノシロ単語の総数) は約20710語です。
この 20710語 については ホームページ14号 をご覧下さい (14号は ミニ辞書 になっています)。
(注) 昔、使用していた ノシロ友好単語 (約4千語) は今後は使われなくなります。 友好単語の殆どは、東西の諸言語の
単語をそのまま、或いはノシロ語に合うように少し変えて採用し、それをローマ字表記したものです。 例えば、中国語からは
約400語、ヒンディー語から約310語、日本語から約280語、仏語から約260語、独語から約250語、露語から180語、
インドネシア語から約160語、朝鮮語から140語 ...といった具合です。 採用した (或いは参考にした) 単語の 数は、人口、
貿易、国際投資等を総合的に勘案して決めました。 この方法は、採用語数が多い言語を使う人々を喜ばせられる反面、採用
されなかった言語を母語とする人々を悲しませるだけでなく、合理的な語彙体系の構築が困難という大きな欠点もあります。
友好単語の使用を控え、国際標準単語 や 各国の自然言語の単語 (例えば英単語) を使用することにしたのはこの為です。
尚、ごく一部の 友好単語 (主に 数詞 や 副詞) をそのまま 国際標準単語 に編入させて使っています。 こうした単語は
国際標準単語になっても 部首 を持ちません。 又、人名、地名のような 固有名詞 も当然のことながら 部首 はありません。
約500語のノシロ基本単語と、意味推定に役立つ部首を持った ノシロ国際標準単語 は、どれも一語一意が貫
かれています。 又、各自が必要に応じて自然言語から単語を流用する場合も、大抵は専門用語やハイテク用語で
あり、一語一意の語が多いのです。 そのため、これ等の単語を用いて書かれたノシロ文を読む人は、個々の自然
言語の文法など全く知らなくても、辞書や単語集を引いて単語の意味を知るだけで文の意味を確実に理解できます。
又、会話の場合は、双方がノシロ基本単語500語の中、とりあえず 60 〜 70 語程と、ノシロ国際標準単語をある
程度暗記し、更に、グループ内で使われる専門用語の意味を理解しておけば、その自然言語の文法が全く解から
なくてもかなり自由に対話を楽しむことができるでしょう(文芸作品はやはり原語で読むのがベストだと思います)。
(注) 将来は VSO型の言語 (アラビア語、ゲール語等) もノシロ語に入れて 「三様式共立型の言語」 に
する予定です。 SOV型 と SVO型 だけだと、ノシロ語を利用できるのは世界人口の約96%の人達だけ
ですが、VSO型 も標準文型に組み入れれば、99%の人々が公平に (即ち、母語の語順で) ノシロ語を
を利用できるようになります。 このVSO型 (3類) の素案は 既に完成していますが (一旦、表紙に戻り
VSO というアイコンをクリックして下さい)。 詳細は数年内に発表する予定です。
ノシロ語には独自の美しい文字が有りますが、それを使わずに総てをローマ字で代用することができます。
ローマ
字表記する場合は、A から Z まで 26 の大文字と、二つの小文字 n と y を使用します。ノシロは NOXILO
と書きます。 英語、独語などの自然言語から単語を流用する場合は小文字にしますが、国名、地名、人名のような
固有名詞については最初の文字だけ大文字にします。 漢字を流用する場合は、漢字には大文字、小文字の区別
は無いのでそのまま使います。 このホームページはノシロ文字を使わず日本語の文字とローマ字で書かれていま
す。 それはノシロ文字を表示できるワープロソフトが未だ市販されてないということもありますが、それ以上に、ロー
マ字表記なら初学者にノシロ文字を暗記してもらう負担を課さずに済むことや、日本語の文字やローマ字だけでも
ノシロ文を書いたり、読んだりできることを実際に示せる利点があるからです。 「ノシロ」 という言葉は、ドイツ語の
NEU (ノイ、新しい)、中国語の世界 (シージェ、世界)、ギリシア語の ΛΟΓΟΣ (ロゴス、言語) の頭文字
をとって、ノシロ読みしたものです。 呼称は、「ノシロ」 でも、「ノシロ語」 でも構いません(愛称は SAAn サーン)。
電子辞書を組み込んだ 「単語の置き換え機能付きパソコン」 が登場すれば、50程の国際ルール と 約500個の
ノシロ基本単語以外は、総て自分の 母語の単語 (例えば日本人なら日本語、ブルガリア人ならブルガリア語で)
を使ってノシロ文を書くことができます。 そしてキーを一つ押すだけで、自分の母語の単語が相手の母語
(例えば
英、独、仏、蘭、露、中、日、ヒンディ、朝鮮語等) の単語に瞬時に置き換えられます。 この単語置き換え作業は、
相手が同じ機能付きのパソコンを持っていれば、相手側で行うことも出来ます。 又、電話会社やプロバイダーが単
語の置き換えサービスを提供することもできるでしょう。 この方法なら各人が単語の置き換え機能付きパソコンを
買う必要はありません。 例えば、日本人は 50程の国際ルールと 約500 のノシロ基本単語を使い、これ以外は
日本語の単語を使って手紙や電子メールや FAX を書くと、これを中継する電話会社やプロバイダーが瞬時に日
本語の単語を、希望する外国語の単語に置き換えて海外に送信してくれるでしょう。 ノシロ文はどの国の人が作
成しても必ず50程の国際ルールに従って作られるので、厄介な構文解析などは一切不要です。 つまり、翻訳は
単語の置き換えだけで瞬時に完了します。 従来の 「文翻訳」 に付きものの迷訳や誤訳をして関係者に迷惑を
かけてしまう恐れはありません。 最初の画面の右下に ExperiCafe というアイコンがあります。 超ミニ実験用
の カフェ になっていますのでお試し下さい。
又、一語一意の電子辞書が音声認識の技術と組み合わされれば、「同時翻訳機能付き の 国際携帯電話」
を
作れます。 これがあれば、日本人 がノシロ文法に従って、つまり50程の国際ルールに従い、約500語のノシロ
基本単語と日本語の単語を使って話をすると、直ちにフランス語やヒンディー語や英語の単語に翻訳されて、聞き
手の耳に届きます。 勿論、外国人にも同じ事 が言えます。 ノシロ語が世界に普及すれば、何十という言語が飛
び交う大きな国際会議も、同時通訳者や構文・統語解析用ソフト一切無しでスムーズに進行するでしょう。 どの国
の人も50程の国際ルールと約500のノシロ基本単語をマスターしてしまうば、あとは母国語の単語を好きなだけ
使って、翻訳精度 が常時100%の国際対話を楽しむことができます。
ノシロ語の利用の仕方は他にも沢山考えられます。 例えば、翻訳会社は或る自然言語から他の多くの自然言語
に翻訳する際の中間言語 (媒介言語) としてノシロを利用することができます。 又、海外から研究者や芸術家や
看護師などを日本に招く場合に、ノシロ1類をしばらくの間、準日本語 (又は日本語の方言の一つ) といった感じ
で使って貰うこともできます (逆も、つまり日本人が海外に出ていく場合も同じことが言えます)。 これは日本で
活躍しようとする外国人の言語面の負担を大幅に取り除いてあげることになります。 又、生徒達が種々の外国語
を学ぶのに先立ってノシロ語を勉強しておけば、あとで特定の外国語 (英、仏、独、中、印、露、韓、等々) を
習う場合に断然有利になります。 それは、ノシロ語が東西の自然言語の最大公約数的な性格をもつため、ノシロ
を先に学習すると諸言語の共通項を自然に修得してしまうので、あとは必要が生じた時に個々の自然言語がもつ
例外や不規則変化を追加的に覚えるだけで済むからです。 ノシロは超合理的、普遍的に作られているので、
生徒達はこれを利用して作文や会話をする度に知的興奮を味わい、外国人との対話も楽しくなるでしょう。
序文を閉じる前にもう少しだけ述べておきましょう。 民族の平等や男女平等が当然のこととして語られる世界に
なっても、言語世界だけは例外で事実上の英語本位制が続いています。 英語を母語とする人達は、外国語修
得の苦労を免れて科学や起業や社会福祉を学んでいる時に、非英語圏の人達は英語習得の為に多大な努力
が必要となり、しかも相当な努力をしても (例えばTOEFLで 600点以上の高得点をしても) 英米人程には自由
に英語を操ることはできないので、国際社会でしばしば 不利 な立場でお付き合いをしなければなりません。
即ち、非英語圏の人達は、母語を使えばもっと上手に言いたいことが言えるのに、それが叶わないばかりか、
相手に自分の英語が完全ではないことを詫びたり、誤りを訂正してもらってお礼をしたり、或いは、目こぼしや
慈悲を期待しながらお付き合いをして行くことになるのです。 英語が今日の地位にあるのは、米国のダントツ
の軍事力と経済力、そして世界の 最先端知性 が 英語 という言語によって 発表され続けている ためです。
何故そうなったのでしょう。 それは米国が米大陸を獲得した後、広い敷地と住宅と身の安全を提供することで、
優秀なのに不遇であった世界中の研究者、取分け優能なユダヤ人を米国に取り込むことに成功し、今も成功し
続けているからです。 過去 100〜150年における科学技術の進歩と社会の変化は凄まじく、それ等の全てに
名前が付けられ、この間に世界言語の地位を占めることとなった英語 (正確には英単語) に反映されています
(その前はラテン語に)。 つまり、英語本位制を支えているのは、WASP の人達でも VOA でも CIA でもなく、
英語で研究成果を発表し続ける世界の科学者やエンジニアやアーティストなのです。 この仕組みは圧倒的な成
功を収めて、世界中を巻き込んでいるので、経済的な理由からは、必ずしも米国に移住したり英語を使う必要
のない米国外の頭脳まで、その研究成果を英語で発表するようになっています。 今や世界中の知性が、意識
するしないに拘わらず英語の強力なサポーターとなり、英語の再生産が毎日世界中で行われているのです。
だから私は、日本人もこうした現実を見落さず英語を学び続けることに賛成です。
先住民族や他民族から大陸を取り上げたのは米国だけでなく、ロシア、豪、南米、中国等も同じですが、自由
競争原理を徹底させ、優秀な頭脳を招き入れて、英語の再生産システムまで構築出来たのは米国だけでした。
見事という他ありません。 この点に思い至らなかったロシア等は太陽 (米国) になり損ねた巨大惑星(天文学
では例えば木星がその例) といったところでしょうか。 尚、豪州と南米は今では米国の後を追うべく公平な競
争制度の確立と人材の取り込みに力を入れていますが、その効果が現れるまでに長い年月が必要でしょう。
経済力だけを考えれば、将来は中国語が、それに続いて ヒンディ語も大きな比重を占めるようになりそうです。
ビジネスマンにとって中国語が英語と共に最重要な言語になる日は近いでしょう。 しかし最先端知性が真っ先
に中国語で発表されるようになるのは、これもかなり先のことだろうと思います。 即ち相当な高給でも提示され
ない限り、人口密度が高く住環境も優れているとは言えない上に(家は広いが環境汚染が深刻)、人種も異なり、
更に共産党独裁で、それを称えるか、それに感謝するか、或いは (間違いだと思っても) 黙っているしかないと
いう国に、自分や子供や孫の将来をかけて移住し、そこで研究活動を続けようとする人は (選択の自由がない
中国人自身を除いて) かなりの高給や地位を保障されない限り少ないだろうと考えられるからです。
... しかしそれでも最後には、アジアは世界の中心になって行くでしょう。 そのとき国際言語をどうするかとい
うことが問題になります。 EUでもそうでした。 EUでは統一通貨が創られ、更には 仏・独連合軍まで実現しな
がら、加盟国間の共通言語については未だに決定できず、議論が続いています (英語を使うことが多い)。
アジアが世界の中心になるとき、私達は何語を使うのでしょうか。 ここ50年程は英語が世界共通語 (リンガフ
ランカ) の地位を保ち続けるでしょうが、百年後になると中国語やヒンディ語もリンガフランカの一つになってい
るかも知れません。 ノシロ語はこれら諸言語を合理化して作られた最大公約数のような言語ですから、ノシロ
語を知っておくことは、これ等の言語を効率良く学習するのに役立つだけでなく、ノシロ語をそのままリンガフラ
ンカにして使うことも出来るわけです (少なくとも、ノシロ語を準リンガフランカとして利用することは殆どの国の
人に利益をもたらすでしょう)。 ノシロ語修得に要する時間は、英語や中国語やヒンディ語の修得に要する時間
の恐らく 5分の1〜20分の1 で済みます。 ノシロ語は20年以上の歳月をかけて作られた極めて合理的な言
語で、覚えなければならない 文法規則は非常に少ない のです、つまり、 私たちが普段使っている日本語や
中学や高校で学んだ英語の知識を少し思い出して頂ければそれで十分です。 対格言語、能格言語、トピック
助詞 ...等々は全く不要です。 ノシロ語がリンガフランカに、或いは準リンガフランカになれば、殆ど全ての
国の人が勝者となるでしょう。
私は各国の教育省や文科省がノシロ語を3ヶ月或いは半年間の教科目として採用して下さることを切に望みます。
因みに、ノシロ1類 に最も良く整合する自然言語は、私の知る限り、ヒンディー語、トルコ語 等だろうと思います。
2類に近いのは、英、仏、独、西、及び北欧語ですが特に英語でしょう。 だから ノシロ2類 は、英語から不規則変
化や例外を徹底的にとり除き、解り難い冠詞や難しい発音も除いて、非英語圏の人達も容易に修得できるように
大改良を施した 「理想英語」 と言ってもよい程です。 ノシロ2類の文を英単語を使って書いていくと、急に英語が
自分の得意科目になったような気がして来るのはそのためです。 私は、ノシロ2類 については、ノシロ語と言わず、
例えば上述した 「理想英語」 の他、 「簡易英語」 (simplified English) や 「準英語」 (semi English) 等と呼んでも
よいと思っています。
(注) TOEFL というのは、英語を母語としない人達が米国やカナダの大学に留学するときに受けなければ
ならない英語能力試験です。 大抵 500 (ibt だと 61) から 600点 (ibt の100) を求められますが、日本人
の平均点は500をかなり下回り世界の最低クラスだそうです。 日本人の点が低いのは、日本人は日本に
居て世界の最高レベルのものを自由に手に入れられるので (今では、大学・大学院の教科書も99%日本
語の教科書で間に合ってしまう)、誰にせよそれ程むきになって英語を勉強しようという気持ちになれないと
いう無理もない事情があるからです。 勿論、自国に居て世界の最高レベルのものを手に入れられるのは、
フランス人やドイツ人等も同じで、従って彼等もそれ程むきになって英語を勉強しませんが、それにも拘わ
らず日本人より TOEFL の点がかなり高いのは、仏語、独語の語順や文法が英語とよく似ているからでしょう。
日本人の点が低いのは、読解中心の英語教育が長く続いたため会話力が弱くなったこともあると思います。
因みに、最高得点グループは、外国人に自分達の言語を学んでもらえる可能性が小さい オランダ、スウェ
ーデン、デンマークのような小さな最先進国と、もう一つは英米の(準)植民地であった国々です。
尚、今の言語世界 (英語本位制) が非英米圏の人達に不公平なものであっても、ともかくこれを用いて
国際対話が行われているのですから、科学技術の先端論文を読みたい、発表したいという人や、国際社
会と深く関わって行こうとする人は、この現実から目をそらさずに英語力をつけておかないと、学問の世界
でもビジネスの世界でも不利になります。 英語本位制に感情的に反発して英語をやらず、英米人と交流
する機会やビジネスチャンスを逃してしまうのは愚かという他ありません。 但し、頭に入れておいて頂きた
いのは、TOEFL で 600 や 650点を取ったからといって、私達が英米人と英語力で対等な立場に立てる
のではないということです。 この位の点をとっておけば、一人で海外旅行を楽しんだり標準的な貿易をした
りはできますが、英語を母語として育ってこそ身に付く表現や、元々すっきりした定義をし難い微妙な表現
を多く含む対話や、或いは英米の法廷における一部の透きも許されない高度なやりとりで、英語を使って
英米人と対等にわたり合うのは困難です。 更にこうした場面では、外国の世論や司法制度や、その裏付
けになる執行力が真に自分 (非英語圏の人間) を護るものになっているかどうか、なっている場合でも、
それを自分が英語だけを使ってどれだけ利用できるかということまでよく考えておく必要があります。
要するに日本人が TOEFL の点を 600点くらいにまで高めることで実現できるのは、大きな不利を小さな
不利に直せるというだけであり、完全に公平な言語世界を創り出せるわけではありません。 だからこそ、
私達は英語力を身につけるだけでなく、併せて、超合理的なノシロ語をうまく利用して、真に公平な言語
世界に少しづつ移行して行くための 準備を一日も早く開始する ことが必要なのです。
では、ノシロ文法の要点をやや急ぎ足でご案内しましょう。
1) 文字と単語の読み方(発音)
1−1. 文字の読み方
ノシロ語のアルファベットは、美しく書きやすい 26字の大文字と、それと対になった 26字の小文字 から成ります
(合計で52字)。 どの文字もローマ字で代用可能。 ノシロ文は普通は 26 の大文字 と、二つの小文字 y、 n を
使って書かれる (残りの24の小文字は化学式等で用いられる)。26 の大文字中の 5字 (ローマ字だと A I UEO)
は、5つの母音 [a] [i] [u] [e] [o] に対応し、残りの 21字 (ローマ字だと HKGS...)
は 21の子音
[h] [k] [g] [s] ...や半母音に対応する。 二つの小文字というのは、 y と n で、夫々、硬口蓋化子音
(日本語
の拗音 きゃ、きゅ、みょ 等の ゃ、ゅ、ょ ) と、鼻音 [N] (日本語の撥音 ん として良い) を表す。 ノシロ文字を処理
できるワープロソフトが未だ無いので、このホームページを含めてローマ字を使う。
ノシロ語の文字配列は、 A、I、U、E、O、H、K ... となり、 英独仏語等の A、B、C ...配列とは異なる。 文字
をノシロの規則に従って並べたものを、A I U (アイウ) と呼び、 ローマ字のように A、B、C ... と並べたものを、
ABC (アブツ) と呼んで区別する。 各文字の読み方は以下のとおりで、 H から W までの 21字 を読む時は、
開音節に慣れた人も、閉音節に慣れた人も、直後に必ず [u]音を加える。 小文字の y は [uos yu] ウオスユ、
n は [uos nu] ウオスヌ と読む。
A [a]ア I [i]イ U [u]ウ E [e]エ O [o]オ H [hu]フ K
[ku]ク G [gu]グ
S [su]ス Z [zu]ズ C [tsu]ツ X [shu]シュ J [ju]ジュ Q [chu]チュ
T [tu]トゥ D [du]ドゥ
N [nu]ヌ F [fu] V [vu] P [pu]プ B [bu]ブ M [mu]ム
L [lu] R [ru]ル
Y [yu]ユ W [wu]ウ y [uos yu] ウオスユ n [uos nu] ウオスヌ
(注) X、 J、 Q、 y、 n については、 IPA で決められた音声記号を表示できないので、上記のように表す。
F、V、L は日本語に無い音声なのでカタカナ表示していないが、 フ、 ブ、 ル と発音しても大抵は問題ない。
Y は [ju] としたいところだが、J [ju] と重なってしまうので [yu] とした。 硬口蓋化子音も、これを表す音声記
号を出せないので [y] で済ませる。 重なって問題が起こることはまず無いと思う。 H や B や R には異音
(特にフランス語の美しい R ) があるが、日本人は日本人の発音で大丈夫。 尚、 y と n の名称については、
大文字の Y や N と区別するため、「小さい」 という意味の国際標準単語 UOS [uos] ウオス を頭に付けて、
[uos yu] ウオスユ、 [uos nu] ウオスヌ と呼ぶことにします。 昔は、同じ意味の国際友好単語 XAO [shao]
(中国語から採用) を使って、 y は [shao yu] シャオユ、 n は [shao nu] シャオヌ と呼んでいました。
● ローマ字 と ノシロ文字 ●
以下に、ローマ字 と ノシロ文字 の対照を示す。 この 「ノシロ新フォント」 は、平成 25年7月に完成したものです。
旧フォント(平成15年1月製) と比べ、母音の A と I 、 長母音の AA と II の字形が少し変わっています。
硬口蓋化音(日本語の拗音) を含むときの字上府も変わりました。 更に、クア、クイ ... と言うときの短縮文字も
加えました。 単語の中で頻出する AI と EI はノシロ文字を使うと一字で表現できます(簡素化が一層進む)。
最下段 (6) の五つは要素助詞 (主語を示す ワ、目的語を示す オ と オル、補語を示す エ と エチュ)です。助詞
にはいろいろな助詞がありますが、このように図形が作られているのは要素助詞だけです。
(注) ノシロファンの方で、新ノシロフォント (Shift-JIS で、フォント名 NOXILO ) をご希望の方はご一報下されば
メール添付でお送り致します (超簡単な解説付)。 私へのメールは、 当ホームページ の 最初のページ の 最下
段 にある緑色の Mail アイコン をクリックして下さい。 添付ファイル (ファイル名は TokyoFont.ttf ) を Windows
パソコン の コントロールパネル 内にある 「Font」 フォルダー に追加する ( ドラッグ して入れる ) と、ワープロ で
ノシロ文字 を打ち出すことが出来、印刷も出来ます (あまり古くないプリンターが必要です)。 尚、私のパソコンと
皆様のパソコンで同じキーをたたいても 出力されるノシロ文字が一部違ってしまう 等々の リスク はあり得ます
ので、お含み願います (そうしたリスクは困るという方は、ご自身のパソコンに 入れないように お願いします)。
又、国内外のノシロファンの方で 旧ノシロフォントを皆様に紹介して下さった方や、ドイツ人でノシロ文字を使った
言語ゲームを作られた方がおられますが、上述のとおり、フォントを部分修正致しましたのでご留意下されますよ
うお願い致します (各位からの激励やご支援に対し厚く御礼申し上げます)。
上表の (3)、(4)、(5) のグループの具体例を以下に示す。
(3) KyA [kya] 無し Ky [ky(u)] KyE [kye] KyO [kyo]
(4) KyAA [kya:] 無し KyU [kyu:] KyEE [kye:]
KyOO [kyo:]
(5) Ky’A [kyua] Ky’I [kyui] 無し Ky’E [kyue] Ky’O [kyuo]
キュア キュイ キュエ
キュオ
(参考) 新パトワ語創案者 Jens Wilkinson 氏とお食事した際、ノシロ単語が大文字で書かれることに
英米人としては少し違和感があると言われました。 名詞の単・複同形や、冠詞がない点などは特に
違和感はないが、大文字については感じると。 私は、ノシロ語と英単語を一緒に使う場合は (即ち、
ノシロ基本単語以外は英単語を使う)、 ノシロ基本単語の直前に、アンダーバーの _ を付ければ、
ノシロ基本単語も全て小文字に出来る、と話しました (例えば SE を _se のように小文字で書く)。
更に、一語一意の原則を放棄しても問題が起こらなければ、 _ さえ無くして (単に se と書く) 全て
の単語を原則小文字にしても良いでしょう。 但し、名詞節を導く節理詞の My ミュ (〜ということ) は
英語の My マイ (私の) と混同するので、やはり _my と書く必要があるでしょう。 一方、小文字書
きの問題点は、手書きする場合に書き手の癖が出て読み難くなりがちなことです。 フランス人から
(英文の) 手紙をもらうときなどによく分かると思います。 だからフランスの友人は、私が読み易いよ
うに大文字で書いた手紙を送ってくれることがあります。 その場合はとても分かりやすいですね。
1−2. 単語の読み方
ノシロ語の単語は、2文字以上から成る。 ノシロ語の「音声表」 を以下に示す。 y は硬口蓋化子音 (日本語の
拗音 ゃ、ゅ、ょ 等) で、 n は鼻音 [N](日本語の ん ) である。 尚、閉音節に慣れた人は、単語 (文字では
なく単語) を読む場合に限り、子音の後の [u] ウ音 を省略しても構わない。 例えば、文字 S の読み方は常に
[su] ス だが、単語の中の S は閉音節に慣れた人は [su] ではなく [s] と発音しても良いということ。
但し、無声閉鎖子音 [k],[t],[p] ([g],[d],[b] を無声化する場合も) を表す K、T、P (G、D、B) の
直前又は直後に母音 (又は非閉鎖子音) が無い場合は、孤立してしまう無声閉鎖子音の直後に [u]音を加えること
により、どの国の人も確実にその子音を聞き取れるようにする。 例えば KTIL の発音は、閉音節に慣れた人も
[ktil] ではなく [kutil] と発音していただくことになる。 [ktil] では最初の K が声にならず大変聞き難いので
[u] を加えて聞き易くする。 開音節に慣れた日本人等は、 [kutil] か [kutilu] になるだろう。 どちらでも良い。
又、 AKT の発音も、閉音節に慣れた人は [aktu] で構わないが、[akt] は駄目。 これは K には直前に母音
A が有り、その A の支援 ([a]音が歪む) により [k] を確認できるけれど、語尾の T には母音の支援が全く
無くて声にならないので、 T の直後に [u] 音を付ける。 これにより、声にならない T を、どの国の人でも
はっきり聞き取れるようにするのである。 WEPT も [wept] ではなく [weptu] と発音する。 そうしなければ、
最後の T が聞き取り難いからである。 そうした場合に、最後に加える [u] 音は (非常に) 短くても構わない。
以下のノシロ音声表は、パーニニによるサンスクリット語デーバナーガリーをとり入れつつ、更に多くの国の人が
発音し易く、聞き易くなるように改良したもの。 閉音節に慣れた人が 単語 を読むときは上述したとおり、一定の
条件のもとで [u] 音を省略できる。
A [a]ア | I [i]イ | U [u]ウ | E [e]エ | O [o]オ |
AA [a:]アー | II [i:]イー | UU [u:]ウー | EE [e:]エー | OO [o:]オー |
HA [ha]ハ | HI [hi] ヒ | H [hu]フ | HE [he]ヘ | HO [ho]ホ |
HyA [hya]ヒャ | Hy [hyu]ヒュ | HyE [hye]ヒェ | HyO [hyo]ヒョ | |
KA [ka]カ | KI [ki]キ | K [ku]ク | KE [ke]ケ | KO [ko]コ |
GA [ga]ガ | GI [gi]ギ | G [gu]グ | GE [ge]ゲ | GO [go]ゴ |
KyA [kya]キャ | Ky [kyu]キュ | KyE [kye]キェ | KyO [kyo]キョ | |
GyA [gya]ギャ | Gy [gyu]ギュ | GyE [gye]ギェ | GyO [gyo]ギョ | |
SA [sa]サ | SI [si]スィ | S [su]ス | SE [se]セ | SO [so]ソ |
ZA [za]ザ | ZI [zi]ズィ | Z [zu]ズ | ZE [ze]ゼ | ZO [zo]ゾ |
CA [tsa]ツァ | CI [tsi]ツィ | C [tsu]ツ | CE [tse]ツェ | CO [tso]ツォ |
XA [sha]シャ | XI [shi]シ | X [shu]シュ | XE [she]シェ | XO [sho]ショ |
JA [jya]ジャ | JI [ji]ジ | J [jyu]ジュ | JE [jye]ジェ | JO [jyo]ジョ |
QA [cha]チャ | QI [chi]チ | Q [chu]チュ | QE [che]チェ | QO [cho]チョ |
TA [ta]タ | TI [ti]ティ | T [tu]トゥ | TE [te]テ | TO [to]ト |
DA [da]ダ | DI [di]ディ | D [du]ドゥ | DE [de]デ | DO [do]ド |
TyA [tya]テャ | Ty [tyu]テュ | TyE [tye]テェ | TyO [tyo]テョ | |
DyA [dya]デャ | Dy [dyu]デュ | DyE [dye]デェ | DyO [dyo]デョ | |
NA [na]ナ | NI [ni]ニ | N [nu]ヌ | NE [ne]ネ | NO [no]ノ |
NyA [nya]ニャ | Ny [nyu]ニュ | NyE [nye]ニェ | NyO [nyo]ニョ | |
FA [fa] | FI [fi] | F [fu] | FE [fe] | FO [fo] |
VA [va] | VI [vi] | V [vu] | VE [ve] | VO [vo] |
VyA [vya] | Vy [vyu] | VyE [vye] | VyO [vyo] | |
PA [pa]パ | PI [pi]ピ | P [pu]プ | PE [pe]ペ | PO [po]ポ |
BA [ba]バ | BI [bi]ビ | B [bu]ブ | BE [be]ベ | BO [bo]ボ |
PyA [pya]ピャ | Py [pyu]ピュ | PyE [pye]ピェ | PyO [pyo]ピョ | |
ByA [bya]ビャ | By [byu]ビュ | ByE [bye]ビェ | ByO [byo]ビョ | |
MA [ma]マ | MI [mi]ミ | M [mu]ム | ME [me]メ | MO [mo]モ |
MyA [mya]ミャ | My [myu]ミュ | MyE [mye]ミェ | MyO [myo]ミョ | |
LA [la] | LI [li] | L [lu] | LE [le] | LO [lo] |
LyA [lya] | Ly [lyu] | LyE [lye] | LyO [lyo] | |
RA [ra]ラ | RI [ri]リ | R [ru]ル | RE [re]レ | RO [ro]ロ |
RyA [rya]リャ | Ry [ryu]リュ | RyE [rye]リェ | RyO [ryo]リョ | |
YA [ya]ヤ | Y [yu]ユ | YE [ye]イェ | YO [yo]ヨ | |
WA [wa]ワ | WI [wi]ウィ | W [wu]ウゥ | WE [we]ウェ | WO [wo]ウォ |
(注1) 上表の中央縦列 ( H フ、 Hy ヒュ、 K ク、 G
グ、 Ky キュ ...) は、 U を書かない。 例えば
H は、これだけで [hu] フ と発音する。 HU と書くと [hu:] フー と伸ばすことになる。 クイ、 ムエ 等は、
K・I 、 M・E と書く。 ここで ・ を省略して KI、 ME と書くと キ、 メ と読むことになる。 パソコンに ・ キー
が無い場合は ’ でも良い。 即ち、 K・I や M・E を、 K’I や M’E と書いてよい。 読み方は勿論同じ。
KUI だと クイ ではなく クーイ となる。
(注2) 硬口蓋化子音 (日本語の きゃ、きゅ、みょ等 ) は、 KyA、 Ky、 MyO の如く小文字の y で示す。
但し、 XA シャ、 JA ジャ、 QA チャ には直音が無く、従って混乱の恐れも無いから y を完全に省略して、
XA シャ、 XI シ、 X シュ、 XE シェ、 XO ショ のように書く。 XU だと シュ ではなく シュー になる。
(注3) 促音(ッ)は、子音字を重ねて表わす。 例) HOTT [ho_tu] ホットゥ
促音は日本語の他、イタリア語、ハワイの先住民族語、南米の言語 (例えば ケチュア語) に多い。
(注4) 鼻音 [N] は (日本語の撥音、ん ) は、/N/を音素とし、条件異音 [m]、 [n]、 [ng] を許す。
[N] は 「そろばん」 の 「ん」。 [m] は 「進歩」、 [n] は 「本当」、 [ng] は 「産後」、 と言う時の音。
[ng] は、 IPA表記できないので ローマ字で代用。 ご参考までに、英語の Nation を、多くの日本人は
語頭の N を [n] (閉鎖がある) と発音し、語尾の n は [N] (閉鎖がない) と発音する
と思いますが、
英米人はどちらも閉鎖する [n] でしょう。 Nation は英単語ですから英米人のように発音するのが望ましい
ですが、日本人の [N] 音でも問題なく通じます。 又 、 HI ヒ と H フ の音、取り分け HI の子音
部分は、 IPA の音声記号では c の下にカギが付いたような記号で表されるもので、 HA、 HE、 HO
の H 音 [h] とは異なります。 しかし、私のパソコンではその IPA音声記号を出せないので、仕方なく
[ hi ] としました (お許しを)。
(注5) アイウエオ、カキクケコ ...の音声律は古代インドの文法学者パーニニによって創られたものです。
日本独自のものと思い込んでいる人がいるが誤り。 インド、スリランカ、ミャンマー等では、日本と同様に
小学校の低学年で、この アイウエオ、カキクケコ ...の音声律を習います (エ と オ は少し違います)。
以下の例で単語の読み方を練習しましょう。
CU [tsu:] ツー 歌う (注) 子音の後の U は 「ウー」 と伸ばす。 それ以外の U は 「ウ」。
ETyUM [etyu:m] エテューム 音楽 (注) 小文字の y は 「よう音」。 y の後の U は 「ウー」。
EVKK [ev_ku] エヴック 冗談 (joke) (注) KK, TT 等は日本語の 「っ」。
FOnBA [foNba] フォンバ 蝶 (昆虫) (注) 発音記号の [N] ([n] ではない) は 「ン」 と発音。
InKRE [iNkre] インクレ 勘定書 (注) 「ン」 は n と書く。 その発音記号は [n] ではなく [N] で表す。
Ky [kyu] キュ 形容詞節を導く節理詞 (英語の関係代名詞 that/who/which
に近い)。
KAMSA [kamsa] カムサ 感謝 (韓国語からとった挨拶用語で基本単語)
KAMSAS [kamsas] カムサス 感謝する (挨拶用語。 KAMSA の語尾に
S を付けて動詞化した)
LOOS [lo:s] ロース 雪
My [myu] ミュ 名詞節を導く節理詞 (英語の接続詞 that )
NAI [nai] ナイ 「いいえ」 (英語の副詞 No や not )
NAIn [naiN] ナイン NAI の強調形 (英語の never)
PAAI [pa:i] パーイ 木
ULVS [ulvs] ウルブス 使う (注) 子音の前の U は 「ウ」。 「ウー」 と伸ばすのは子音の後の U だけ。
UOn [uoN] ウオン 薄い (注) 母音の前の U も 「ウ」。 伸ばすのは子音の後の U だけ。
UPNO [upno] ウプノ 北
UPSA [upsa] ウプサ 南
WEG [weg] ウェグ 金 (gold)
YUP [yu:p] ユープ 「はい」 (英語の Yes )。 (注) 子音の後の U は「ウー」 と伸ばす。
YUPn [yu:pN] ユープン YUP の強調形 (英語の Yes, of course )
要するにノシロ語の発音は ローマ字通りに読むだけ です (即ち、A はどの単語の中でも 「ア」 と発音し、 I は 「イ」、
U は 「ウ」 と発音されます (但し、子音の直後の U だけは ウー と伸ばす)。 実に 簡単かつ整然 としています。
1−3. アクセント
ノシロ語のアクセントは高低よりも強勢です。 やや強いアクセントが単語の 第1母音 に置かれます。 7 字以上からなる
単語 (つまり長い単語) の場合は第3母音字にも置かれます。 長母音 と、促音 を構成する連続子音字の前の母音 (この
場合の母音字は書き出されないこともある) にもアクセントが置かれます。 これ等が煩わしい方は、少なくとも最初のうちは
アクセントを気にせずにフラットに発音して構いません (ノシロ語では、アクセントはそれ程重要ではありません)。
但し、アクセントは一語につき二つまでとしましょう (語頭から数えて二つのアクセントがあればアクセントはそれで打止め)。
尚、助詞 (接頭語、接尾語等も) には母音字があってもアクセントは置かず、又、合成語の _ で繋がる後続部分 (即ち、
2語目、3語目) にもアクセントは置きません。 以下の例で練習しましょう。
No. | ノシロ単語 | アクセントが置かれる位置 |
1 | AU /AUL [au] / [aul] through | A (第1母音) |
2 | AUB [aub] big | A (第1母音) |
3 | IMREI [imrei] appraisal/judgment | I (第1母音) |
4 | IEST [iest] strong | I (第1母音) |
5 | BOnRy [boNry] cooking/dish | O (第1母音) |
6 | GEIT [geit] station | E (第1母音) |
7 | ELAFANA [elafana] affirmative | E (第1母音) と A (第3母音) (注) これは 7字語 だから A にもアクセント。 |
8 | EUUVIO [eu:vio] violent | E (第1母音) と UU (長母音) |
9 | EUDAA [euda:] dryer | E (第1母音) と AA (長母音) (注) AA は語末にあるが助詞ではない。 |
10 | InTAAD [iNta:d] standard | I (第1母音) と AA (長母音) |
11 | KUI [ku:i] eat | U (長母音) (注) 子音字の後の U は ウ [u] ではなく ウー [u:] と伸ばす。 |
12 | ILyUM [ilyu:m] father | I (第1母音) と U (長母音) (注) 子音字の後の U は [u] ではなく [u:] と伸ばす。 |
13 | IPASSE [ipa_se] assembly | I (第1母音) と A (連続する子音字 SS の前の母音) |
14 | XOPP [sho_p(u)] ship | O (連続する子音字 PP 前の母音) (注) これは第1母音でもあるが、この場合のようにアクセントを置く理由が 重なるからといって殊更強いアクセントを置くということではない。 |
15 | TyUIAA_ST [tyu:ia:st] テューイアーストゥ passenger list |
U (第1母音) (注) TyUIAA (乗客) と ALST (名簿) の合成語。 TyUI は動作動詞、乗る。 (注) TyUI の後の AA は助詞なのでアクセントなし。 (注) 合成語の2語目(_ST)や3語目にはアクセントは置かない。 |
(注) 上記のルールは殆どのノシロ単語に適用されます。 アクセントに関する規則は他のノシロ文法に比べて
修正(変更) される可能性が幾分大きいです。
2) 語 と
品詞
語とは単語のこと。 複数の文字が集まったもので特定の意味を表すもの。 ノシロ語の単語は、名詞、代名詞、動詞、
助動詞、準動詞、形容詞、副詞、修飾詞、構成詞、節理詞、助詞、自然詞 の12種に大別される。 品詞一覧表 は
ここ をクリック して下さい (表では代名詞や助詞等を更に細かく分類したので 12種 以上になっている)。
(注)疑問代名詞、疑問形容詞、疑問副詞等をまとめて疑問詞として扱うことがある。
以上の中、名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞は、日本語や英語と殆ど同じなので、ここでは説明を省略します。
助動詞 は、動詞だけを修飾する副詞で、常に動詞の直前に置かれる。 英語の can, may, must 等に相当す
るが、ノシロの助動詞にはもっと色々なものが有り、英語の 「完了」 や 「経験」 の如きものもこの助動詞で表す。
準動詞 は、動詞を基礎にして作った 名詞 と 形容詞 で、夫々、動名詞、 動形容詞という。 動名詞は、−M と
−D の二つ、動形容詞は −K だけである。 これ等は、動詞であると共に、名詞、形容詞 としても働く。 自動詞
から作った準動詞は目的語を取らないが、他動詞から作った準動詞は目的語を取ることができる。 動名詞は英語
の動名詞に近く、動形容詞は 英語の形容詞、分詞、関係詞 のような役割をする。
修飾詞 は、名詞 (代名詞、動名詞) や 動詞 と結び付いて修飾句 (形容詞句 か 副詞句) を作る。 名詞と結合
する修飾詞は、 AB (アブ、〜について)、 IM (イム、〜から)、 UT (ウトゥ、〜へ) ... など 約80余語あるが、
動詞と結合する修飾詞は、 BI (ビ、〜するほどの、するほど)、 CI (ツィ、〜するには)、 DI (ディ、〜ための、ために)
FI (フィ、〜ならば)、GI (ギ、〜ならば)、JI (ジ、〜しながら) の6語だけである。 前者は、英語でいうと、 about
や from や to ...のようであり、後者 (動詞と結合する修飾詞) は、英語の to−不定詞 のような働きをする。
修飾詞は、1類 と 2類で綴りが異なる。 即ち、1類の修飾詞の語尾に L を付けると 2類の修飾詞 になる。
ここに挙げた例は、総て 1類の修飾詞であり、これ等を 2類の修飾詞にするには語尾に L を付けて、ABL アブル、
IML イムル ... BIL ビル ... とする。
1類の修飾詞は、名詞 (代名詞、動名詞) や 動詞 の後に置かれるので後置詞 (こうちし) と呼び、2類の修飾詞
は名詞 (代名詞、動名詞) や動詞の前に置かれるので前置詞 と呼ぶ。 例えば、「パリへ」 (Pari はフランスの首
都で固有名詞) は、1類では Pari UT となり、 2類は UTL Pari となる。 これを見て分かる通り、2類の修飾詞
のうち、名詞や代名詞と結び付く修飾詞は英語の前置詞に近い。 実際、UTL Pari を英語にすれば to Pari
で、UTL が 英語の前置詞 to に相当する。
但し、注意して頂きたいのは、英語の 「前置詞 + 代名詞」 で修飾句を作る場合に、代名詞は目的格になる (例え
ば for him となり for he としない) が、ノシロ語では目的格ではなく 主格と同形 (for he の如く) にする。
構成詞 は、主に文の論理構成を担うもので、OnD (オンドゥ、及び) や OA (オア、又は) が代表的。 英語で
言うと接続詞の and や or がこれにあたる。 しかし、同じ接続詞である that や although や
when 等に相当する語は構成詞に含めず、節 (節は主語と動詞を有する) を導く 「節理詞」 とする。
節理詞 は、節の最後 (1類) 又は最初 (2類) に来て節を導くもので、My (ミュ、ということ)、 Ky (キュ、とこ
ろの)、 UUS (ウース、けれども) 等々多数有る。 例えば、日本語の 「私はあなたを好きだ ということ」 や
「我々が招待したところの」 や 「私はあなたを好きだけれども」 における 「ということ」 や 「ところの」 や 「けれ
ども」 にあたるもので、英語なら、
that I love you や whom we invited や though I love you
と言うときの that や whom や though、 つまり接続詞や関係代名詞に相当する。 節理詞は、修飾詞と
同様に、節理詞の置かれる位置が、1類 と 2類で正反対になることに注意。 尚、ノシロ語では and や or
にあたる OnD オンドゥ や OA オア は節理詞に含めず構成詞とする。
助詞 は種類が多い。文の要素である主語、目的語、補語の後ろに付いて、それが、主語、目的語、補語である
ことを示す為の要素助詞、動詞に付いて時制や態を明示する時制助詞や態助詞、ある品詞を別の品詞に変換さ
せる変換助詞などが代表的なものである。 ここでは 要素助詞 (要素詞)と 時制助詞 を覚えて下さい(以下)。
先ず、主語 を示す要素助詞 (要素詞) −WA ワ から。 ノシロでは、「人称代名詞 (SE 私は、ME あなたは等)
と 疑問詞 (HA 何が、HI どちらが 等)」 以外の総ての主語に、主語であることを外形的に示す要素詞 −WA
を付ける (例えば、りんご、学校、感謝、数学、中村さん、等々が主語になるときは、りんご−WA のように付けて、
リンゴワ、と発音する)。 勿論、−WA に代わるノシロ独自の文字記号があるのだが、現在のワープロではその
記号を出力できないので、ローマ字を用いて 主語−WA と表す。 ノシロ独自の記号なら一字分しかとらないの
に、ローマ字を使うと −WA という具合に二字 (W と A) になってしまう。 これは冗長を嫌うノシロ語としては
些か残念なので慣れてきたら −W と書くようにしよう。 −WA でも −W でも読み方は 「ワ」 である。
A 字が無いのに [wa] と発音する不合理を押し付けて心苦しいのですが、一字分詰められる利点を優先します。
目的語 を示す要素詞 (−O と −L )は、目的語の後に付けてそれが目的語であることを外形的に示す為のもの
で、やはりノシロ独自の記号が二種類 (「オ」 と 「オル」) 用意されているが、今のワープロでは出力できないので
ローマ字を用いる。主節、目的節、補節の中の目的語を示すには 目的語−O オ とし、修飾節 (形容詞節 と
副詞節) の中の目的語を示すには 目的語−OL オル とする。 −OL は、主語を示す為の −WA を、慣れて
来たら成るべく −W とするのと同じ理由で −L とする。 こう書いても読み方は オル である。 主語を示す
−W は、その主語が主節 (及び目的節と補節) の中に有るか修飾節の中に有るかに関係無く一律に −W
だが、目的語を示す要素詞は、その目的語が名詞節 (主節、目的節、補節となる) の中に有るか、修飾節の中に
有るかで −O オ と −OL オル (慣れてきたら単に −L と書こう ) を使い分けることに注意して下さい。
修飾節というのは、形容詞節 と 副詞節 のことです。
補語 を示す要素詞 (−E と −Q ) もノシロ独自の記号があるが、ワープロ表記できないのでローマ字を使う。
主節、目的節、補節の中の補語を示すには 補語−E エ とし、修飾節 (形容詞節 と 副詞節) の中の補語を
示すには 補語−EQ エチュ とする。 −EQ は、主語を示す為の −WA を、慣れて来たら成るべく −W と
したのと同じ理由で −Q とする。 こう書いても読み方は エチュ。 実は、補語を示す要素詞は、長く複雑な文で、
読み手に誤解を与える恐れがある場合しか表示しない。 例えば、「これは本です」 の如き簡単な文では、
TO−W 本−E RI。 トワ ホンエ リ とせずに、 TO−W 本 RI。 トワ ホン リ で良い。
2類も同様に、 TO−W RI book−E. トワ リ ブックエ とせず、 TO−W RI book. で良い。
(注) TO は 「これ」、 RI は 「〜です」 で英語の be 動詞。 結局、−E エ と −Q エチュ は、
−W ワ や −O オ や −L オル 程には頻繁に使われない、従って見かけることも殆どない。
つまり、−E や −Q は自分が文を書いたり解析するときに、これは 「補語なんだぞ」 ということを
確認するために付けるものです。 尚、この後、4−3.で学ぶことですが、簡単な SCV型 (2類は
SVC型) の文で、動詞が RI (英語の be-動詞 ) で、かつ、その時制が現在形の場合 (英語の
is か are ) は、RI を省略して、 TO−W 本。 とすることが出来る。 つまり、−E も RI も
省略されて、句読点 (1類は 、。 に対し 2類は ,.) 以外は 1、2類 が完全に同文になる。
(注) 要素助詞は文の要素 (S、O、C) に付けるもので、言語学で習う格助詞より守備範囲が少し
広い。 言語学の能格、対格、絶対格などを持ち込む必要なし (日・英語の知識だけで十分)。
要素助詞 (= 要素詞) をまとめて表にしましょう。
要素詞 | 主節、目的節、補節 (つまり名詞節の中で) |
修飾節 (形容詞節 と 副詞節) の中で |
主語に付ける要素詞 | −W ワ | −W ワ |
目的語に付ける要素詞 | −O オ | −L オル |
補語に付ける要素詞 | −E エ | −Q エチュ |
(注1) 修飾節 (形容詞節 と 副詞節) というのは、英語で言えば、関係代名詞の that、 who、when 等に
導かれる形容詞節、及び、接続詞の after (〜後)、 if (もし〜)、 when (時)、 because (何故なら)
等に導かれる副詞節をいう。
(注2) 慣れるまでは、−W を −WA と書いても良い。 同様に、−L を −OL 、−Q を −EQ と書いても良い。
(注3) −O と −L は省略できないが、 −E や −Q は、ノシロ文法に慣れて来たら省略してよい。 実は −E
や −Q は、それが補語であることを自分で確認するためのものなので、補語であることが分かっているなら
付けなくて良い。
動詞の時制を示す 時制助詞 は簡単そのもの。 過去は動詞の語尾に −TA タ を付け、 未来は −RE レ を
付ける。 それぞれ −T タ、 −R レ と省略可。 −TA も −T も 「タ」 と読む。 同様に −RE
も −R も
「レ」 と読む。 − は読まない。 現在時制なら何も付けない。
例) RyU リュー 歩く (現在)、 RyU-T リュータ 歩いた (過去)、 RyU-R リューレ 歩くだろう (未来)。
時制助詞 をまとめて表にしましょう。 (注) 態や進行形は次のホームページ10号の 「動詞」 で学びます。
時制助詞 | 過去 | 現在 | 未来 |
動詞の語尾に付ける | −T タ | 何も付けず | −R レ |
(注) 慣れるまでは、−T を −TA と書いて構わない。 読み方はどちらも タ である。
同様に −R を −RE と書いてもよい。 読み方はどちらも レ である。
ハイフンは読まない。
最後になったけれど、自然詞 は、感嘆詞や擬音語や動物の鳴き声などを表す。 例えば、感動したときの人の声
AA アー、 OO オー、 SOO ソー や 犬の鳴き声 WAn WAn ワンワン 等々。 自然詞は超簡単ですね。
3) 語、 句、 節
3−1. 語
複数の文字が集まったもので特定の意味を表すもの。 つまり 「単語」 のこと。
例) YUP (ユープ と読む。 「はい」 の意で、英語の Yes に相当。 子音の後の U は 「ウー」 と伸ばす)
NAI (ナイ 「いいえ」 で、英語の No ノー )
SE (セ 「私は」 )
ME (メ 「あなたは」)
TO (ト 「この」 で、英語の this )
BOI (ボイ 「その」 で、英語の that )
RI (リ 「〜です」 で、英語の be動詞 is/are)
UT (ウトゥ 「〜へ」 で、英語の前置詞 to に相当。 子音の後の
U ではないので伸ばさない)
AMERIKA (アメリカ。 アメリカ合衆国)
SVERIE (スベリエ。 スウェーデン王国)
EQMII (エチュミー。 化学)
BIIUS (ビーウス。 家)
PUS (プース。 送る。 子音の後の U は 「ウー」 と伸ばす。
<注> YUP、NAI、SE、ME、TO、BOI、RI、UT はノシロ基本単語 (基本単語には部首は無い)。 AMERIKA や
SVERIE は、その国の人々の言い方を尊重してノシロ式の書き方をしたもの (固有名詞にも部首は無い)。
勿論、America や U.S.A.
のように元語をそのまま使っても良い。 英、独、仏語等から単語を流用する時
は 小文字 で書く。 但し、国名や人名のような固有名詞は、最初の文字だけを大文字で、残りを小文字で
書く。 中国語や日本語の漢字を流用するときは、元々、大文字、小文字の区別は無いのでそのまま書く。
EQMII、BIIUS、PUS はノシロ国際標準単語だから部首がある (語頭の EQ、BII、PU が部首)。
<注> ノシロ語の単語は、文法と一体化した基本単語と、部首をもつ国際標準単語から成る。 基本単語には
部首はない。 昔のノシロ語には、各国の自然言語の単語を参考にして作った国際友好単語 (約4千語)
というのがあったが、今後は使わない
(国際標準単語や英単語等に置き換えられていく)。
<注> 単語は誕生の仕方により、原生語と、原生語の語尾に変換助詞 TI 、NA 、LI 、S 等を付けて作った
派生語と、いくつかの単語を組み合わせて作った合成語に分けられる。 名詞と形容詞は原生語が多く、
副詞や動詞には派生語が多い。
3−2. 句
語が 2語又はそれ以上集まったものだが節には到らないもの。 名詞句、形容詞句、副詞句がある。 後の二つ即ち、
形容詞句 と 副詞句 は、他の語 (稀に文全体) を修飾するので 修飾句 という。
名詞句は、「目的語 (又は補語) と 動名詞が組み合わさったもの」 で、主句、目的句、補句のいずれかになる。
形容詞句は、「目的語 (又は補語) と 動形容詞が組み合わさったもの」 と 「名詞 (又は代名詞) と 修飾詞が組み
合わさったもの」 と 「動詞 と 修飾詞が組み合わさったもの」 の三種類ある。 形容詞句は名詞や代名詞を修飾する。
副詞句は、 「名詞 (又は代名詞) と 修飾詞が組み合わさったもの」 と 「動詞 と 修飾詞が組み合わさったもの」 の
二種類ある。 副詞句は、形容詞、副詞、動詞、又は文全体を修飾する。
(注) 一語しかないときは、句ではなくて 語 である!
例 ) パリヘの (形容詞句)、 パリへ (副詞句)
1類: Pari UT パリ ウトゥ
2類: UTL Pari ウトゥル パリ
<注>単語を書くだけではノシロ語らしさを感じ難いが、句や節では、1、2類間の語順の対称性を確認
できるので、ノシロ語らしさを感じることができるでしょう。 上例は、Pari という名詞 (固有名詞) と
修飾詞 UT (2類は UTL になる) が組み合わさってできた「句」 で、形容詞句 (パリへの飛行機)
にも、副詞句 (パリへ行く) にもなる。 1類の修飾詞の後に L を付ける (UT を UTL にする)
と直ちに 2類の修飾詞 になる。
3−3. 節
節は、語や句が集まって 「主語+動詞」 という骨格が出来上がり、全体が節理詞に導かれているものをいう。
節理詞の位置は、修飾詞の場合と同様に、1、2類 で対称的になる。 つまり、
1類の基本語準は 「主語+動詞 」+節理詞 で、
2類の基本語準は 節理詞+「主語+動詞 」 となる。
一番簡単な節は、ここで述べたような 主語 と 動詞 と 節理詞 の3語だけからなるが、大抵はこれ等の他に目的語
(又は補語) や 修飾語 や 修飾句が加わる。 節には、名詞節、形容詞節、副詞節がある。 後の二つを修飾節という。
名詞節は、主節、目的節、補節のいずれかになる。 形容詞節は、名詞や代名詞を修飾する。 英語の 「関係代名詞
+ 形容詞節」 は、ノシロ語では、「節理詞+ 形容詞節」 になる (1類は、「形容詞節+節理詞」 )。
ノシロ語には、関係代名詞というのは無い。 副詞節は、形容詞、副詞、動詞、又は文全体を修飾する。
(注) 形容詞節は、主語や目的語が形容詞節内から外に抜け出して空席状態になることがある。
例 ) 私はあなたを好きだということ (名詞節)
1類: SE ME−O APLIS My セ メオ アプリス ミュ I you like that
2類: My SE APLIS ME−O ミュ セ アプリス メオ that I like you
<注> SE は人称代名詞で 「私は」。 ME も人称代名詞だが 「あなたを」 という目的語なので −O が付く。
この −O を付けないと主格 「あなたは」 になってしまう。 APLIS は 「好く」。 My ミュ は名詞節を
導く節理詞で 「ということ」。 英語の接続詞 that にあたる。 1類は、 My が最後に来て SOV と
いう骨格を導くのに対し、 2類では My が最初に来て SVO という骨格を導く。
日本語や英語を使って以下のように書いても良いが、基本単語 (ここでは SE、ME-O、My の三語) の使用はどんな
場合でも必須である。 従い、先ず使用頻度の高いノシロ基本単語 30語ほど、更には 60〜70語まで覚えてしまうと、
ノシロ語学習がとても楽しくなり、自らノシロ語を書いてみようという気持ちが出て来るでしょう。
1類: SE ME−O 好く My セ メオ スク ミュ
2類: My SE like ME−O ミュ セ ライク メオ
<注> 英単語をそのまま利用するときは小文字で (like のように) 書く。 日本語はそのまま (好く) で OK。
4) 文の要素 と その配列 (文型)
主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)、を文の要素という。 主語、目的語、補語は夫々、主節、目的節、補節、
となることもある。 動詞が文の最後に来る SOV型 を 1類、 動詞が主語の直後に来る SVO型 を 2類 と総称する
(英語で 1類、 2類 を説明する時は、 Mode I、 Mode II、 又は、 Mode 1、Mode 2 と書く)。
ノシロ語では、1類も、2類も標準で全く対等である。 文を書くときは、単語と単語の間を一字分空ける。
ノシロ1類、2類の文は、主語以外の語順が対称的 (1類は OV、 2類は VO という具合) になっているので、その
語順 (単語の配列) を機械的に置き換える(逆にする) だけで直ちに相手側の文になる。 厳密に言うと、1類 と 2類
の違いは、語順の対称性だけではなく他にも幾つかの小さな違いがある。 その主なものは、句読点の違い (1類は
。 と 、 を使うが、 2類は . と , を使う)、それと 1類の修飾詞の語尾に機械的に L を付けたものを 2類の修
飾詞とする (例えば、「どこそこへ」 の意の修飾詞は、1類では UT ウトゥ だが、2類では UTL ウトゥル) という
点だが、何といっても最重要なのは語順の対称性である。
ノシロ語の学習者は、1類、2類 の双方を同時に学ぶが、使用に際しては使い勝手の良いほうを自由に選べる。
語順の対称性と、無意味な例外や不規則変化がない合理的な文法のおかげで、対話の当事者が同じ語順で対話
する場合は勿論のこと、逆の語順で対話しても容易に理解し合うことができる。 ノシロ1類 で話したり手紙を書く時
は先ず FIINA フィーナ と挨拶して自分がノシロ1類を用いることを相手に知らせ、ノシロ2類を使う時は、最初に
ALOO アロー と挨拶して自分が2類を使うことを相手に知らせる。
FIINA、 ALOO は、「こんにちわ」 の挨拶も兼ねる。 会話、手紙の書き出し、電話、それと電子メールの最初の
言葉でもある。 街や野山でノシロ仲間に会った時も、 FIINA や ALOO と声をかけてくださいネ。 挨拶だけで、
会話をしなくても構いません。 屋内で出会った時はどう挨拶するのか。 勿論、 FIINA、 ALOO です。
1類の基本語順 をもう少し詳しく分けると、
SV、 SCV、 SOV、 S(OaOb)V、 S(OC)V となる。
2類の基本語順 は、
SV、 SVC、 SVO、 SV(OaOb)、 SV(OC) となる。 ここで、Oa は間接目的語、Ob は直接目的語。
S と V しかない最も単純な文は、1、2類とも同じ語順だが、 C や O が続く場合は、主語以下の語順が
逆になる。 つまり、CV と VC、 OV と VO、 (OaOb)V と V(OaOb)、 (OC)V と V(OC)
という具合に。 ( ) 内に収まっている OaOb、 OC の順序は、1、2類とも同じ。 尚、( ) は、語順の理解を容易
にする為に用いたもので、実際の文で ( ) を書き出すわけではない。
上記の 1、2類 の基本語順の分類には示していないが (紙面が混み合って見難くなるので)、人称代名詞 (私、
あなた等) と 疑問詞 (誰、どちら等) 以外の主語には、それが主語であることを示す助詞 (要素詞) −WA が
付く。 ノシロに慣れて来たら −W と略すが、略しても読み方は同じで [wa] ワ である。 実は、ノシロ語には
−W の代わりに、ノシロ独自の記号 (勿論、読み方は同じで ワ ) が作られているが、今のワープロではその
記号を表記できないので、ローマ字を使って −WA と書く。 しかし、ローマ字では残念ながら 2文字になって
しまうので A を落として −W とするが、読み方は ワ を保つのである。 人称代名詞と疑問詞に −WA や
−W を付けない理由は、人称代名詞や疑問詞は数が少なくて誰でも直ぐに覚えてしまうので、いちいち付け
なくても主語であることが簡単に分かるから。 ハイフン(−) (ノシロでは キウィットゥ と呼ぶ) は読まない。
又、主節、目的節、補節の中の目的語には、それが目的語であることを示す要素詞 −O を付けて、[o] オ と
読む。 修飾節 (形容詞節と副詞節) 中の目的語には −OL ([olu] オル、又は [ol] ) を付ける。 慣れて
来たら −OL を −L と略すが、略しても読み方は同じで オル。 − は読まない。 ノシロには主語の場合と同様
に目的語を示すための独自の記号があり、 オ や オル と読むが、やはり現在のワープロソフトではその記号を表記
できないので、ここに述べたローマ字を使う。
長くて解り難い主節、目的節、補節の中の補語には −E を付けて [e] エ と読む。 長くて解り難い修飾節中の
補語には −EQ を付けて エチュ と読む。 これもノシロに慣れたら −Q と省略して良い。 省略しても読み方
は同じで エチュ である。 目的語に付ける −O オ や −L オル はどんな場合も必須だが、
−E エ や
−Q エチュ は長く複雑な文で、読み手が苦労しそうな場合だけ付ける。 ノシロにはこのように補語を示すため
の独自の記号があるが、やはり今のワープロソフトでは表記できないので、ここに述べたローマ字を使う。
上述の1類と 2類の基本語順の分類 (SOV、SVO等) では、見やすくするために、主語、目的語、補語に付ける
要素助詞を一切省いてあるが (例えば、 S−W O−O V と書かず、単に SOV と書いている)、実際に文を
書く時は要素助詞を忘れずに書いて下さい (但し、補語に付ける -E と -Q は非常にしばしば省略)。
又、動詞の現在形には時制助詞は付かないが、過去形には −TA [ta] タ を付け、未来形には
−RE [re] レ
を付ける。 ノシロに慣れたら −TA は −T と書き、−RE は −R と書いて構わない。
短く書いても読み方は
同じで、それぞれ、 [ta] タ、 [re] レ である。 − は読まない。
五文型の例をざっと見ておこう。 但し、今は、 S、 O、 C が、名詞や形容詞や動詞である文を見ることにしよう。
S、O、 C が節や動名詞である文は、節理詞の知識も必要になるので後章で学びます。
4−1. SV 型
この文型だけは、1類も 2類 も同じ語順になる。
(注) 但し、S(主語) や V(動詞) に修飾句や修飾節が加わるときは、SV の位置関係は不変だが、
修飾句や修飾節の位置は逆になる。
例文: 私は歩く。
1類: SE RyU。 セ リュー
2類: SE RyU. セ リュー
RyU は 「歩く」。 「歩く」 に日本語の 「歩く」 や、英語の ’walk’ という単語をあてると以下のようになる。 但し、
人称代名詞の SE は基本単語なので他の言語に置き換えることは出来ません。 人称代名詞 と 疑問詞 には、
主語を示すための要素助詞 −W ワ を付けない。 何故なら、人称代名詞と疑問視は数が少なくて簡単に覚え
られる、そして一旦覚えてしまうと、一々要素助詞 −W を付けるのが却って面倒になってくるからです。
1類: SE 歩く。 セ アルク
2類: SE walk. セ ウォーク
4−2. SOV 型 (2類は SVO)
例文: 私はあなたを愛する。
1類: SE ME−O APLOS。 セ メオ アプロス
2類: SE APLOS ME−O. セ アプロス メオ
<注> SE は人称代名詞の一人称主格単数で 「私は」。 人称代名詞と疑問詞の主格には要素助詞 −W を
付けない。 ME−O は人称代名詞の二人称単数の目的格で 「あなたを」。 目的語だから要素助詞 −O
を付ける。 APLOS は他動詞で 「愛する」。 時制は現在だから時制助詞 −T も −R も付けず APLOS
のまま。 日本人、韓国人、インド人等は 1類の語順に親しみを感じ、英米人等は 2類の語順に親しみを
感じると思うが、どちらを使うかはあくまで書き手 (話し手) の自由です。 参考までに、 APLIS は 「好む」。
例文: 私はあなたを愛するだろう。
1類: SE ME−O APLOS−R。 セ メオ アプロスレ
2類: SE APLOS−R ME−O. セ アプロスレ メオ
<注> 動詞の時制を未来形にするために動詞語尾に −R をつける (−RE でも良い)。 読み方はどちらも レ。
4−3. SCV 型 (2類は SVC)
例文: その家は大きいです。
1類: BOI BIIUS−W AUB (RI)。 ボイ ビーウスワ アウブ (リ)
2類: BOI BIIUS−W (RI) AUB. ボイ ビーウスワ (リ) アウブ
<注> BOI は 「その」。 BIIUS は 「家」。 この BIIUS は人称代名詞でも疑問詞でもないから要素助詞 −W
を付ける。 −W なのに ワ と読むのに抵抗を感じる人は、慣れるまで −WA と書いても良い。 AUBは
「大きい」。 RI は 〜 です。 英語なら be 動詞の is。 この文は短くて簡単な文なので AUB−E としなく
て良い。 要するに、−E は自分で 「この語は補語だ」 ということを確認するためのもの(解っていれば書き
出す必要なし)。 尚、この型の文、つまり SCV (2類は SVC) 型の文で動詞が RI の現在形の場合に限り、
RI を省略できる。 省略すると、句読点の種類を除き、1、2類とも全く同文になる。 但し、動詞が RI
であって
も、過去形や未来形の場合は省略せずに RI−T (リタ と読む) や RI−R (リレ と読む) と書く。
4−4. S(OaOb)V 型 (2類は SV(OaOb) )
例文: 私は彼人 (かのひと) に化学の本をあげた。
1類: SE FE−O EQMII BEEK−O APIS−T。 セ フェオ エチュミー ベークオ アピスタ
2類: SE APIS−T FE−O EQMII BEEK−O. セ アピスタ フェオ エチュミー ベークオ
<注> SEは、「私は」。 FE−O は 「彼人 (かの人) に」。 目的格なので要素助詞 −O オ が付く。 FE は
人称代名詞の三人称単数形だが性を区別しないので、英語なら the person であり、彼にも彼女に
もなる。 どうしても 彼 (He) と言いたいときは FE ではなく、MAFE マフェ を使い、彼女 (She)
と言いたいときは DAFE ダフェ とする。 EQMII は 「化学」。 BEEK は 「本」。 目的語なので
−O を付ける。 目的語を示す要素助詞 −O は、直接目的語、間接目的語の区別をしない。 APIS は、
「あげる」 で英語の動詞 give。 ここで復習! APIS (あげる)、APLIS (好く)、APLOS (愛する)。
この文では以下のように、「〜へ」 を表す 修飾詞 UT (2類は UTL) を使う表現も可能。
1類: SE FE UT EQMII BEEK−O APIS−T。
2類: SE APIS−T EQMII BEEK−O UTL FE.
<注> 「彼人」 は 「あげた」 を修飾しているわけではないことに注意。 この文は、移動元、移動先、移動物、
行為の四つが独立していて、どれがどれを修飾するといった関係にはない。
更に、以下のように 「移動元」(私) と 「移動先」(かの人) をセットにして最初にまとめ書き (下線で示す) してしまう
表現も可。
1類: SE FE UT EQMII BEEK−O APIS−T。
2類: SE UTL FE APIS−T EQMII BEEK−O.
<注> 英語は、「前置詞+代名詞」 で修飾句を作る場合、代名詞は目的格になるが、ノシロは原形 (主格と
同形)。 つまり、 FE−O UT や UTL FE−O のようにしないで、 FE UT や UTL FE とする。
4−5. S (OC) V 型 (2類は SV (OC) )
★ C が形容詞の場合
例文: あなたは彼の無罪に (彼が無罪なことに) 気づくだろう。
1類: ME MAFE−O 無罪−E 気づく−R。
2類: ME find−R MAFE−O innocent−E.
<注> −R レ は未来時制を示す時制助詞。
基本単語以外は、上例のように日本語や英語から単語をいくら流用しても構わない。 ノシロ語はそれが出来るように作
られています。 参考までに、「無罪」 と 「気付く」 意の国際標準単語は、 IAANAL イアーナル、 UREAS ウレアス です。
ホームページ14号の辞書をご覧下さい。
SOCV (2類は SVOC) の文では、O を原形にすれば、即ち、MAFE−O から −O を落としてしまえば (−O
が
付かない裸の MAFE が原形で、形の上では主語の形と同じになる)、以下のように要素助詞 −E をも省略できる
(結局、SOCV (SVOC) の O に付ける −O と、 C に付ける −E とを共に消せる)。
1類: ME MAFE 無罪 気づく−R。 メ マフェ ムザイ キヅクレ
2類: ME find−R MAFE innocent. メ ファインドゥレ マフェ イナスントゥ
例文: 彼はその部屋を清潔に保つ。
1類: MAFE BOI 部屋-O 清潔-E 保つ。
2類: MAFE keep BOI room-O clean-E.
あえて、目的語の 「部屋」 に −O を、補語の 「清潔」 に −E を付けて書きました(勿論、誤りではないです)。
しかし、「BOI 部屋」 を原形にすれば (BOI 部屋−O から −O を除けば原型になる)、以下のように −E まで
省略できる。 「部屋」 の意の国際標準単語は TOM。
1類: MAFE BOI 部屋 清潔 保つ。
2類: MAFE keep BOI room clean.
例文: 警察は殺人犯を生きたまま捕まえた(無抵抗だった? ので射殺せずに済んだ)。
1類: 警察−W 殺人犯−O 生きたまま−E 捕まえる−T。
2類: Police−W catch−T killer−O alive−E.
殺人犯−O を原形にすれば (−O を除けば)、以下のように −O も −E も無い短い文にできる。
1類: 警察−W 殺人犯 生きたまま 捕まえる−T。 ケイサツワ サツジンハン イキタママ ツカマエルタ
2類: Police−W catch−T killer alive. ポリスワ キャッチタ キラー アライヴ
<注> −T タ は過去時制を示す時制助詞。 「警察」 は AnPOLI 、「殺人犯(人殺し)」 は InPIAA、
「生きたまま」 は AUUL。
★ C が名詞の場合
例文: 私は彼女が看護婦だと理解した。
1類: SE MAFE−O 看護婦−E 理解する−T。
2類: SE understand−T MAFE−O nurse−E.
MAFE マフェ を原形にすれば(−O をとるだけ)、以下のように −E も省略できる。
1類: SE MAFE 看護婦 理解する−T。
2類: SE understand−T MAFE nurse.
例文: 両親は彼等の娘を医者にする。
1類: 両親−W FENI 娘−O 医者−E BLE。
2類: Parent−W BLE FENI daughter−O medical doctor−E.
<注> FENI フェニ は、彼等の(英語の their )。 BLE ブレ は使役動詞 (英語の make )。
「娘」 を原形にして、以下のように −O や −E を省く方が良い(文が短くなる)。
1類: 両親−W FENI 娘 医者 BLE。
2類: Parent−W BLE FENI daughter medical doctor.
<注> BLE は使役動詞 (= make/have/get) で他者を使う (用立てする) 場合に使う。 次のホームページ で
詳しく学びます。 使役は、主語が目的語を部分的に支配して主語の思い通りに行動させるということだが、
本例のように、 OC の C が名詞の場合は、O に特定の行為や行動をさせる、というよりも、 O
全体
を支配して C にする、 C に変えてしまう、という意味になる。 この文は使役動詞 BLE の代わりに、
「 〜 を − にする」 という意味の他動詞 EKAMS エカムス で置き換えられる (EKAMS = make)。
又、ノシロ語では、名詞は単複同形なので Parents としない (但し、人称代名詞は単複を区別する)。
★ C が動詞の場合
この場合は、OC が実質的に 「主語と述語」 の関係になっている。 つまり S(OC)V は、 S1(S2V2)V1
に近く、従って、OC に −O や −E 付ける必要はない (付けても間違いではないが、くどくなる上に、動詞に
まで −E を付けることに違和感を感じると思う)。 これ等については、ホームページ10号 の 動詞中の 使役動詞
や 知覚動詞 でも学びます。 実はこの文型は多様な文を含み、それに伴う文法の知識も次々と必要になるので、
今はざっと例文を見るだけにしよう。
例文: 私達は彼女が歌っているのを聞いた。
1類: SEN DAFE 歌う−In 聞く−T。
(S) (O) (C) (V)
2類: SEN hear−T DAFE sing−In.
(S) (V) (O) (C)
<注> −In イン は進行形を示す進行助詞。 −T タ は過去時制を示す時制助詞。
例文: 先生は生徒を立たせておいた。
1類: 先生−W 生徒 立つ−In 保つ−T。
2類: Teacher−W keep−T student stand−In.
(S) (V) (O) (C)
<注> ノシロの使役動詞 BLE (〜させる) を使えば
1類: 先生−W 生徒 立つ−In BLE−T。
2類: Teacher−W BLE−T student stand−In.
(S) (V) (O) (C)
となる。 −In は進行助詞、−T は過去時制を示す時制助詞。
使役動詞については、次のホームページ10号の 「動詞」 で詳しく学びます。
例文: 私は あなたを待たせたままにして ご免なさい。
1類: IZVINII、 SE ME 待つ−In 保つ。
2類: IZVINII, SE keep ME wait−In.
<注> IZVINII イズヴィニーは 「ごめんなさい」。 名詞節を導く My ミュ (英語の接続詞 that ) を使って
以下のようにも書けるが、長くなるので上例の方が良い。 名詞節については後章で詳しく学びます。
1類: SE PA SE ME 持つ−In BLE My 詫びる。
2類: SE appologize My SE BLE ME wait−In.
<注> PA パ は、1類の区切り助詞。 主節の中の入れ子になる節 (従属節や修飾節) や句の
最初に区切りとして置くものだが、これをどれほど多く使うかは書き手の自由。 上例 1類では、
SE から My ミュ (英語の接続詞 that に相当) までが入れ子 (従属節でかつ目的節) に
なっている。 区切り助詞は、書き手も読み手もノシロ語に精通しているなら省略しても良い。
1類の PA に対応する 2類の区切り助詞は ZA ザ で、 ZA は主節の中の入れ子になって
いる節 (My から wait−In まで) や句の最後に置くことが多いが、入れ子の節の最後が、
文の最後でもある、という場合は (上例の2類がまさにそう)、文全体の理解も容易だから区切り
助詞は不要になる (だから wait−In の後に ZA は無い)。 区切り助詞というのは要するに
文の理解を助けるために置くものである。 1類は PA で、 2類は ZA。 パザ と覚えよう。
助詞にはこの区切り助詞の他にも多くのものがあり、ホームページ11号で詳しく学びます。
例文: 私達は彼女が歌を歌っているのを聞いた。
1類: SEN DAFE 歌−O 歌う−In 聞く−T。
2類: SEN hear−T DAFE sing−In song−O.
(S) (V) (O) (C) 目的語(sing-In の目的語)
<注> SOCV (2類は SVOC) 中の C が他動詞で、その他動詞が目的語を伴うときは、
その目的語には −O を付ける (即ち、sing の目的語 song には -O を付ける)。
例文: 私は髪の毛を刈ってもらう (人に刈らせる=使役)。
1類: SE 髪 刈る−ZE BLE。
2類: SE BLE hair cut−ZE.
(S) (V) (O) (C)
1類: SE SEI 髪 刈る−ZE 求める。
2類: SE ask SEI hair cut−ZE.
(S) (V) (O) (C)
<注> 上のどちらも可。 BLE は使役動詞で、他人を使用する(用立てする)場合に使う。 SEI (私の) は、
誤解を招く恐れがなければ書き出さなくてもよい。 −ZE ゼ は受動態を示す態助詞。 受け身動詞
GH グフ を使って以下のように書くこともできる (英語の get+O+done )。 受け身動詞 GH も、
使役動詞 BLE も次のホームページで詳しく学びます。
1類: SE (SEI) 髪 刈る−ZE GH。
2類: SE GH (SEI) hair cut−ZE.
(S) (V) (
O ) (C)
例文: 私はテレビを修理させたい。
1類: SE テレビ 修理する−ZE BLE < IYUS。 セ テレビ シューリスルゼ ブレ ン イユース
2類: SE IYUS > BLE TVset repair−ZE. セ イユース ン ブレ ティーヴィー リペアーゼ
(S) ( V ) (O) (C)
<注> BLE は使役動詞。 IYUS は 「欲する」。 IYUS の丁寧表現は IYAA (英語の would like to
do)。
特定動詞 (BLE) と 不定動詞 (IYUS) が一組になっている。 1類 (BLE < IYUS) と、2類 (IYUS
> BLE)
で二つの動詞の順序が逆になるが、次のホームページで詳しく学ぶので、今は気にしなくて大丈夫です。
記号 < や > は、特定動詞と不定動詞を結び付ける連結詞で、 どちらも 「ン」 と発音する。
例文: 私は 彼に このテレビを 修理させたい。
1類: SE DAFE TO テレビ−O 修理する BLE < IYUS。 セ ダフェ ト テレビオ シューリスル ブレ ン イユース
2類: SE IYUS > BLE DAFE repair TO TV−O. セ イユース ン ブレ ダフェ リペアー ト ティーヴィーオ
(S) ( V ) (O) (C) 目的語(repair の目的語)
例文: あなた達は自分自身を (他の人に) 理解させそこなった。
1: MEN MENL 理解する−ZE BLE < 失敗する−T。
2: MEN fail−T > BLE MENL understand−ZE.
(S) ( V ) (O) (C)
<注> MENL は人称再帰代名詞 (yourselves)。 単数は MENL ではなく MEL となる。
-ZE はノシロの受動態
(英語では態というより分詞になるが) を示す。 次のホームページ
10号の 「動詞」 で学ぶので、今は心配ご無用。
5) 修飾語、 修飾句、 修飾節 とその配列
5−1. 修飾語
ノシロ語で、修飾語(一語) として扱うものは以下の五種である。
1. 形容詞
2. 副詞
3. 助動詞
4. 一部の助詞
5. 目的語や補語をとらない動形容詞
動形容詞は準動詞で、英語の分詞や不定詞に相当する。 修飾語と被修飾語の位置関係は、1、2類共に同じで、
以下のように修飾語が常に先に来て、被修飾語は後になる。 否定語も、否定される語(被修飾語)の前に置く。
1類: 修飾語 + 被修飾語 <注> 修飾語に下線。
2類: 修飾語 + 被修飾語
例) 黄色い本
(日語) 黄色い 本
(英語) yellow book
ノシロ語 1類: EILO BEEK エイロ ベーク
2類: EILO BEEK エイロ ベーク
<注> EILO は 「黄色い」、 BEEK は 「本」 の意。
5−2. 修飾句
修飾句(二語以上から成る) には以下の三種類がある。
1. 名詞 (代名詞、動名詞) が修飾詞と結びついて形容詞句、又は副詞句になっているもの
2. 動詞が修飾詞 (BI、 CI、 DI のいずれか) と結び付いて形容詞句、又は副詞句になっているもの
3. 目的語や補語をとる動形容詞
修飾句と被修飾語の配列は、先に学んだ 修飾語+被修飾語 の場合と異なり、以下のように、1、2類で逆になる。
つまり、1類では、修飾句は被修飾語の前に、2類では、修飾句は被修飾語の後に置かれる。 修飾句に下線。
1類: 修飾句 + 被修飾語
2類: 被修飾語 + 修飾句
例) 日本の (にある) 家
(日語) 日本 の 家
(英語) house in Japan
1類: NIHOn AT BIIUS ニホン アトゥ ビーウス
2類: BIIUS ATL NIHOn ビーウス アトゥル ニホン
<注> NIHOn は 「日本」 で、勿論日本語から。日本語をそのまま使って日本 としても良い。 BIIUS は 「家」。
AT は、場所を示す修飾詞。 2類の修飾詞には常に流音 L が付く。 L を付けて区別するのは、例えば、
「リンカーン行きのゼファー号」 も 「ゼファー行きのリンカーン号」 も可能な場合に、読み手を混乱させ
ないようにするため (1類を好む人も、2類を好む人も一緒に生活していることを忘れないで下さい)。
(重要) ノシロ語では、文法内部でのストレスを少なくするために、1類では SOV文 の述部の OV 語順に合わ
せて、 句は、 名詞+後置詞、 そして節は、 節+節理詞 という語順に統一してある。 後置詞も節理詞も
動詞のような働きをする (action, function, condition を示す) ので、これ等を全て最後に回すことで語順の
統一性を確保して構造上のストレスを無くしている (例えば、 with, by, to といった語は、
have, use, go
という動詞と同じような意味を持ち、after や as は、 〜が先に起こる、 〜が存在する、というこれまた動詞の
ような意味を持つ)。 2類では勿論、順序が反対になる (つまり、全てが VO の順に統一される)。 これは、
棒磁石の内部では、どの部分を取り出しても磁石全体の NS の順序と同じ順序 NS になっているのと似た
感じである。 自然言語にはこうした統一性を破る例外が少なくないが、ノシロ語は初めから合理的に作られ
た普遍言語なので、ストレスの原因となる 「語順の不統一」 は無い。
5−3. 修飾節
修飾節は、形容詞節 と 副詞節 の二つだけ。 形容詞節はもっぱら名詞を修飾し、副詞節は副詞、形容詞、動詞、又は
文全体を修飾する。
1類: 修飾節 + 被修飾語
2類: 被修飾語 + 修飾節
例) 日本にある(存在する)家
(日本語) 日本 AT RIZ Ky 家
(英語) house Ky RIZ ATL Japan
1類:
NIHOn AT RIZ Ky BIIUS ニホン アトゥ リズ キュ ビーウス
2類: BIIUS Ky RIZ ATL NIHOn ビーウス キュ リズ アトゥル ニホン
<注> RIZ は自動詞で、有る、存在する。 Ky は形容詞節を導く節理詞 (英語の関係詞 wich や
that に
に相当) で、「〜ところの」 と訳すと大抵うまくいく。 BIIUS は 家。 2類の例文の前を長く空けたのは、
BIIUS という被修飾語を中心にして、修飾節が対称的に配列されることを示すためで、実際に手紙を
書く際にこんなに間を空けて書くということではない。 尚、この文は RIZ と Ky を使わず、簡単に
NIHOn AT BIIUS (1類) や BIIUS ATL NIHOn (2類) で済ますことも可能である。
(重要) ノシロ語では、文法内部でのストレスを少なくするために、1類では文の述部の O+V 語順に合わせて、
句は、 名詞+後置詞、 そして節は、 節 + 節理詞 という語順に統一してある。 後置詞も節理詞も動詞の
ような働きをする (action, function, condition を表す) ので、これ等を全て最後に回すことで語順の統一性
を確保して構造上のストレスを無くしている。
文の要素と修飾モードまでざっと見たので、この辺りで、ノシロ文法の平面図と構造図 (X線撮影のようなもの) を見る
ことにしよう。
文の要素を、S、V、O で代表させると、以下の6文型を考えることが出来る。 赤線で結んだ3文型は、S の後に O が
来る、即ち主体 (自己) の確立が最初で、対象 (相手) はその次になる。 他方、青線で結んだものは、O が最初で、S
がその後に来る。 地球上では極めて珍しい語順です。 このような語順の言語を使う社会では、例えばデカルトのよう
な哲学者や、先ず 「自分とは何か」 を考える人は少ないのではないかという気がしますが、皆さんはどう思われますか。
私には、こうした言語構造 (OVS、OSV等) は今の宇宙が誕生した意味 (或いは目的) や、宇宙の構造や知の構造か
らいっても不思議です。 別世界を作ることも可能だということを神がさり気なく示して下さっているのかも知れません。
現在のノシロ語は、SOV と SVO のニ様式から成るが、最終的にはこれに VSO (ノシロ3類) を加えた三様
式共立言語にしたいと思っています。 VSO 人口は世界人口63億人の約3%くらいと推定されているようです。
代表的な言語はアラビア語のフヒーヤ (新聞、ラジオ、書籍等で使われる公式語) で、単語も文も右から左へ
VSO の順で書き、話す。 我々がアラビア人の書く文をうっかり左から右へ読むと OSV 語順と看做すことになる
ので注意しよう。 しかし、同じ3類でも、ゲール語 (Gaeilge) は左から読み書きするのでこうした心配はない。
ノシロ語の3類は、アラブの人々にも左から右へ (ローマ字、ノシロ文字いずれの場合も) 書いていただくことに
なる。 以下の図は、その VSO を加えた時の姿。 上側の三角形はノシロ語の三種の基本語順 (SOV, SVO に
VSO を加える) と、それらが共有する三つの要素助詞 (-W, -O, -E ) を示し、下側の三角形はノシロの修飾
モードを示す。 x は被修飾語、 a は修飾語 (例えば形容詞)、 a' は修飾句 (例えば形容詞句)、a'' は修飾節
(例えば形容詞節) を示す。
以上をまとめたものが以下の図です。 三角柱の上面が要素に関するまとめ、下面は修飾モードに関するまとめに
なっています。 【注】 VSO の ax は最終的に xa となる可能性も僅かですが有ります。 <2009.12.04>
今の段階では未だ早いけれど、動詞周りについても同じ要領で構造図を示しておきます (下図)。 動詞については
次のホームページ10号で学びます。 上図と合わせて五重塔のようにすることも可能だが、混み合って見難くなる
と思うので分けて描きます。
6) 文 の 種 類
6−1. 平叙文
事実をありのままに述べる最も普通の文。 先の 4) であげた例文は総て平叙文である。
6−2. 疑問文
文頭に ? 又は ESK を置く。 ? でも ESK でも読み方は エスク である。 語順は平叙文のそれと同じ。
返事の 「はい」、 「いいえ」 に当る言葉は、 YUP ユープ、 NAI ナイ である。 強調するときは、夫々(それぞれ)
YUPn ユープン、 NAIn ナイン となる。 前者は両唇の閉鎖(p)が有るのに対し後者には無いので、聴覚障害は
有っても視覚は大丈夫という人も容易に識別できる(外から唇を見て)。 会話では、文末を高く発音する方が良い。
会話や簡単な文や非公式文では、エスク の代わりに エ と言うだけで良い (特に、文ではなく単語一語に ?
が付く場合はそう)。
例文: あなたは本を送りましたか。
1類: ? ME BEEK−O PUS−T。 エスク メ ベークオ プースタ エ メ ベークオ プースタ
2類: ? ME PUS−T BEEK−O. エスク メ プースタ ベークオ エ メ プースタ ベークオ
<注> BEEK は、本。 PUS は、送る。 過去形なので −T が付く。 ? の代わりに ESK と書いても
良いが、 ESK は 三字、 ? は一字で、 ? の方が二字分短くなるので ? を多用しましょう。
更に、この文は会話文なので、 エスク の代わりに エ と言うだけでも良い。
例文: あなたは何を送りましたか。
1類: ? ME HA−O PUS−T。 エスク メ ハオ プースタ エ メ ハオ プースタ
2類: ? ME PUS−T HA−O. エスク メ プースタ ハオ エ メ プースタ ハオ
HAは、疑問詞で 「何」 の意。目的語なので −O が付く。 もし主語なら人称代名詞の場合と同様に何も付けない。
他の疑問詞を挙げておこう。 HA (何)、 HI (どちら)、 HU (誰)、 HE (何時)、 HO (何処)、 HyA (なぜ)、
Hy (どの程度)、 HyE (どんな方法)、 ENA (反語)、 ETOn
(付加疑問)。 HU の発音は フ ではなく フー。
6−3. 命令文
命令文は、「ME (あなたは) を主語とする平叙文」 から作る。 先ず文頭に YO ヨ を置いてから、主語の ME
を削除する。 ME 以外の主語の場合は削除せずにそのまま残す。 これで命令文の出来上がり。 文頭の YO は、
それが命令文であることを知らせるマーカーで、疑問文であることを知らせる為の ? エスク のような役割をする。
YO の強調形 (強い命令) は YOI ヨイ である。
(注) 命令文に関するこの文法は新文法である。 平成18年6月10日以前は、ME を削除する点や、 ME 以外の主語の
場合は 削除せずにそのまま残す点は同じだが、 YO、 YOI については文頭ではなく動詞現在形の後に置いていた。
例文: 行きなさい (行け)。
1類: YO ITU。 ヨ イトゥー
2類: YO ITU. ヨ イトゥー
<注> ITU は、「行く」。 元の平叙文は、1、2類共に ME ITU 「あなたは行く」 である。
例文: 行かないで下さい (行くな)。
1類: YO NAI ITU。 ヨ ナイ イトゥー
2類: YO NAI ITU. ヨ ナイ イトゥー
例文: ファイルを閉じないで下さい。
1類: YO file−O NAI 閉じる。 ヨ ファイルオ ナイ トジル
2類: YO NAI close file−O. ヨ ナイ クローズ ファイルオ
<注> 「ファイル」 と 「閉じる」 に自然言語の単語をそのまま使っている。 英独仏語等を使う場合は小文
字にする。 人名、地名、国名のような固有名詞の場合は、最初の文字だけを大文字にして、あとは
小文字にする。 漢字には大文字小文字の区別が無いのでそのまま使う。 否定語 NAI も勿論、
修飾語である。 修飾語は NAI のような否定語も含めて総て 5.1 で述べたように被修飾語
(ここでは 「閉じる」 という動詞) の前に置く。 日本語の語順は1類のそれと似ているが、否定語に
ついては動詞や形容詞に後置される。 否定語の位置まで一致するのは例えばヒンディー語である。
例文: 盗難に注意して下さい (注意せよ)。
1類: YO InPGL-O EFTOnS。 ヨ インプグルオ エフトンス
2類: YO EFTOnS InPGL-O. ヨ エフトンス インプグルオ
<注> InPGL は盗難。 EFTOnS は注意する、用心する (EFTOn 「注意」 に S を付けて他動詞化してる)。
立て札に注意書きするような場合は、1、2類共に、EFTOn-InPGL と略記 (「盗難注意」) してよい。
同様にして 「足元に注意して」 も、 EFTOn-BOFT と略記 (「足元注意」) してよい。 BOFT は足元。
ここで命令文絡みの簡単な構文を覚えておこう。 構文は、1、2類共通。
● 命令文、 OnD 平叙文 〜せよ、そうすれば −−
● 命令文、 OZn 平叙文 〜せよ、その後には −−
● 命令文、 OA 平叙文 〜せよ、さもないと −−
最初の構文は、「ここをもっと勉強しなさい、そうすれば君は A (一番良い成績) を取れる」 のような文を作るのに
使う。 二番目は命令というより動作の案内や動作の流れを示すときに使う。 達えば 「先ずメインスイッチを入れる、
すると左側の LED が点灯します」 といった文になる。 最後のは最初の二つとはかなり異なる。 「必ず宿題をやり
なさい、さもないと君の成績は F (失格) になってしまうぞ」 といった文を作る場合に使う。 尚、命令することが幾つ
もある場合は、それ等の命令文や動詞を OnD で結んでいくことになるから、最後の OnD についてだけ 「そうす
れば 〜」 と訳すと良いだろう。
6−4. 祈願文
「神様 〜 して下さい」、「神様、どうか地震が来ないように」、「お爺ちゃん(故人)、どうか娘が無事に育ちますように」、
といった祈りの文は、文頭に AHA (アハ 神)、AHUL (アフール 宇宙の意思)、ILyGMA (イリュグマ 祖父) 等を
書き、続けて PLII (プリー どうか、どうぞ) を書いてから、句点を置き、そして最後に願い事を示す平序文で終える。
AHA PLII 以下の事がどうか実現しますようにという意味になる。 尚、ハイフンを入れて AHA−PLII としても良い。
例文: 神様、どうか地震が決して起きないように!
1類: AHA PLII、 地震−W NAIn 起こる。
2類: AHA PLII, earthquake−W NAIn happen.
<注> AHA PLII 以下の平序文に書かれたことが 「実現しますように」 と神に祈る。 平序文としては、
「娘の来週の心臓手術が成功する (しますように)」、「私が明日試験に合格する (しますように)」
の如く、そうなって欲しい状態をそのまま書き出せばよい。 「神様、地球をお救い下さい」 のような
文は、神に行動して欲しいと願うもので、平序文の中から主語となる AHA を落としても良いが、
文頭の AHA は省略出来ない)。 使役動詞 BLE や YBL 等を用いた文も可能である。 NAIn は
NAI (英語なら no や not ) の強調形で、never。
6−5. 感嘆文
英語では、What a −− や How −− という形をとって、それが文頭に来るが、ノシロ語では自然詞 AA アー
又は OO オー を文頭に置き、SOO という自然詞を形容詞や副詞の前に置くだけ。 語順は平序文と同じで、単純明快。
文を ! で閉じれば感嘆文であることが一層良く分かる ( 。 や . で閉じても良い)。
例文: 空は何と美しいのだ! = あー、空はとても美しい。
1類: AA、 NAAS−W SOO AOBI (RI) ! アー ナースワ ソー アオビ (リ)
2類: AA, NAAS−W (RI) SOO AOBI ! アー ナースワ (リ) ソー アオビ
<注> 感嘆や感動を表す代表的な自然詞は、 AA、 OO、 SOO の3語。 NAAS は 「空」、AOBI は
「美しい」。 RI は、「〜です」 で、英語の be 動詞。 ノシロでは、簡単な SCV (2類は SVC) の
文で、動詞が RI の現在形の場合は RI を省略できる。 RI を ( ) で囲んだのは省略可能なこと
を示すため。 尚、この文では SOO の代わりに、「非常に」 の意の ZAO (副詞) や 比較表現で
多用する FAA (形容詞や副詞の意味を強調する) や FAST (最強調する) を使っても良い。
その場合でも、文頭には AA や OO があるので感嘆文といってよい。
(補足)
否定文は否定語を含む文であるが、上の 6−1 から −4 で説明した文種に含めるべきものではない。
代表的な否定語は NAI ナイ (英語の No や not で、強調形は NAIn ナイン) だが、他にも以下の如き
否定語がある。
NAIJE ナイジェ 誰も〜ない (英語の no one)
NAIT ナイトゥ 誰も、何も〜ない (none)
NAISEL ナイセル 滅多に〜ない (seldom)
NAITIn ナイティン 何もない (nothing)
NAWEA ナウェア 何処にもない (nowhere)
NAIDE ナイデ いずれでもない (neither)。 それと構文の NAIDE 〜 NOA -- (〜 でも -- でもない)。
NAIDLI ナイドゥリ 殆ど〜ない (hardly)
NAIMOA ナイモア もはや〜ない、これ以上〜ない、今後は〜ない (no
more)
NAIPA ナイパ 部分否定 の文であることを示すために使う
NAI (英語の no や not ) や、その強調形 NAIn (never) の逆は、 夫々、YUP (Yes )、YUPn
( Yes, of course ) で、
読み方は、ユープ、ユープン。
尚、全部否定 と 部分否定 について、日本語、英語と対照させながら簡単に述べておきます。 以下の
a は 全部否定、 b と c は 部分否定、 d と e は肯定文だが意味上は部分否定とも言えます。
a. お台場駅へ行く電車はない。 There are no trains to go to Odaiba Station.
(お台場へ行く電車の数はゼロ)
M1: NAI train-w Odaiba Station UT go.
M2: NAI train-w go UTL Odaiba Station.
b. 全ての電車がお台場へ行くわけではない。 All trains do not go to Odaiba Station. (3/4 くらいは行く)
M1: OOL train-w Odaiba Station UT NAIPA go.
M2: OOL train-w NAIPA go UTL Odaiba Station.
(注) 普通の NAI ではなく、部分否定を表す NAIPA を使っている。
c. 全ての電車がお台場へ行くのではない。 Not all trains go to Odaiba station.
(3/4 くらいは行く)
M1: NAIPA OOL train-w Odaiba Station UT go.
M2: NAIPA OOL train-w go UTL Odaiba Station.
以下の文でも良いが(NAI は OOL を否定して部分否定にしているので)、NAIPA の方が部分否定の文
であることがはっきり分かるので上例のように NAIPA を使うことをお勧めします。
M1: NAI OOL train-w Odaiba Station UT go.
M2: NAI OOL train-w go UTL Odaiba Station.
d. 幾つかの電車はお台場へ行く。 Some trains go to Odaiba Station.
(1/2 くらいは行きそう)
M1: SOM train-w Odaiba Station UT go.
M2: SOM train-w go UTL Odaiba Station.
e. ほんの少しの電車がお台場へ行く。 Only some trains go to Odaiba Station.
(1/4 くらいは行きそう)
M1: OnLI SOM train-w Odaiba Station UT go.
M2: OnLI SOM train-w go UTL Odaiba Station.
気になるのは b だろう。 英語に合わせて NAI を使って以下のように書くと、 a と同意 (全ての電車はお台場へ
行かない、お台場行きの電車はゼロ) になってしまう。 何故なら、ノシロ語では、修飾語は右隣に位置する被修飾語
だけを修飾するからである。
M1: OOL train-w Odaiba Station UT NAI go.
M2: OOL train-w NAI go UTL Odaiba Station.
尚、NAIPA の語尾 PA は、区切り助詞の PA ではなく、 partial negation の最後の二字です。
この NAIPA は、
OOL 等と対を成して構文 (部分否定構文) を作る特殊な副詞 (兼、助詞) です。 つまり NAIPA は読み手に対して
その文が部分否定の文であることを知らせます。 NAIPA は、 a の文には使わない(部分否定文ではないので)。
次の文も上記の b と同様に NAIPA で処理する。
f. 私は全ての問題を解答することはできなかった ( = かなり解答したが、解答出来なかった問題も少し有り)。
I could not answer all of the questions.
M1: SE question UB OOL-O NAIPA GIMA
answer-t.
M2: SE NAIPA GIMA answer-t OOL-O UBL
question.
ここでもし、NAIPA の代わりに NAI を使えば、全く 1題も解けなかった (つまり 0点) の意となってしまう。
GIMA は助動詞で、〜できる (英語の can )。 UB (2類は UBL) は修飾詞で、〜の (英語の前置詞 of )。
6−5. 挨拶 及び 使用頻度の高い表現
● 挨拶
おはよう HAU [hau] ラコタ語から (ラコタ国はアメリカ先住民族国の一つ)
こんばんわ BOnSOWAA [boNsowa:] ボンソワー、 フランス語から
ちょっと失礼 DAMIHI [damihi] ラテン語から
はい、ほらね NA [na] ギリシァ語から (注) 「はい、鍵ですよ」 や 「はい、着きましたよ」 もこれを使う。
おめでとう MABLUK [mablu:k] アラビア語から。 「新年おめでとう」 は、1類は修飾詞 AB を使って
NOI SAAL AB MABLUK。 2類は MABLUK
ABL NOI SAAL となるが、修飾詞を使わずに
MABLUK NOI SAAL と短く済ませても構わない (これだと、1、2類が同形になります)。
ありがとう ASAnTE [asaNte] アサンテ、 東アフリカ語から
有難うございます ASAnTE 又は KAMSA [kamsa] 韓国語から (注)動詞 KAMSAS でも良い。
結構です (断り) NAI ASAnTE ( = NAI KAMSA) 結構です、それにはおよびません、要りません、の意で
英語の No thank you. と同じ。
どういたしまして PARAKAALO [paraka:lo] ギリシァ語から
良い、格好良い GUT [gu:t] グートゥ、 ドイツ語から (良い、格好良い、素敵
・・・ と広く使える)
BELLO [bello] ベッロ、 イタリア語から (その背広は格好良いネ ・・・ )
ALIn [aliN] 南米ケチュア語 (インカ語) から。 GUT と同様に広く使える。
お大事に SMAKKLyANA [sma_k(u) lyana] スマックリャナ、 南米ケチュア語から
さようなら KWAHELI [k(u)waheli] クワヘリ、 東アフリカ語から
ではまた ABIAnTO [abiaNto] アビアント、 フランス語から
ようこそ WELKAM [welkam] 英語から
ごめんなさい IZVINII [izvini:] イズヴィニー、 ロシア語から。 SOORII [so:ri:](英語) でも良い。
申し訳ありません IZVINIITIE [izvini:tie] イズヴィニーティエ、 ロシア語。 SOORII [so:ri:](英語)も可。
平成19年7月16日から 以下を追加 します。
YEELA [ye:la] イェーラ がんばれー
QAAMO [cha:mo] チャーモ 気楽に楽しんで下さいね
QAAMO Japan (又は QAAMO NIHOn) で 「日本を楽しんで」。 来日した外人旅行者に対して言う。
QAAMO IXEL イシェル 「試験を楽しんで」。 緊張し過ぎないように、という気配りも込めて言う。
QAAMO CEEKA ツェーカ 「コーヒーを楽しんで」。 NA CEEKA だと 「はい、コーヒーです」。
コーヒーをテーブルに置きながら NA 「はいどうぞ」 だけでも良い。 いずれも 1、2類同形。
GUTENAAS [gu:te na:s] グーテ ナース 貴方に幸運あれ
GUTEPOOL [gu:te po:l] グーテ ポール 良くなりますように
(苦境好転の祈り)
AHA GATEE [aha gate:] アハ ガテー 神よ加護を (神を信じる人が言う)
AHUL GATEE [ahu:l gate:] アフール ガテー 宇宙意志よ、救いを
(神というよりも、宇宙の意志や普遍の愛・徳のようなものを信じる人が言う)
POONA [po:na] ポーナ 可愛そうな(に)
SOO POONA [so: po:na] ソー ポーナ なんと可愛そうな(に)
APSIAALE [apsia:le] アプスィアーレ 同情します
KOnDOLAATI [koNdola:ti] コンドラーティ お悔やみ申し上げます
(死んだときに喪主や遺族に対して言う)
XPAADA [sh(u)pa:da] シュパーダ さあ行くぞ、さあやるぞー
WAn NI SAM [waN ni sam] ワン ニ サム いちにのさん (三で全員が力をグッと出す)
REDII DAn [redi: daN] レディー ダン 用意 ... ドン (競走など)
平成22年3月27日から 以下を追加 します。
SEAn [seaN] セアン なるほど、なーるほどねー、わかりました (英語の I see.)
IDyUTE [idyu:te] イデューテ ちょっと待って、ちょっと待ってください (英語の Wait a minute.
)
? IDyUTEBL [e idyu:tebl] エ イデューテブル ちょっと待てる? (会話では ? を エ と短縮発音可)
nnn [NNN] ンンン 賛成し難いねー、多分そうではないでしょう (N が多いと疑いが強くなる)
SAIIn [sai:N] サイーン 又、お会いしましたね (向こうへ行ったと思ったけど ...)
LE 又は LELE [le 又は lele] レ、
レレ おやっ、あれっ、おっと、ほらあれ、おやっ何だ..。 感動詞の
OO オー や AA アー より軽い感じで使う。
BAIZA
[baiza] バイザ ところで、さて、話変わって (By the way)
LASII [lasi:] ラスィー はてな、どうしようかな (Let's see.)
(注) 殆どが副詞で単独使用されるものだが、「おめでとう」、「有難う」、「ご免なさい」 等は、何についてかを明示
した方が良い場合が多い。 そのときは、修飾詞 (AB/ABL) を使うのが一番自然。 この場合は、1、2類で語順が
逆になる。 QAAMO (気楽に楽しんで) は、QAAMO の後に、楽しむ対象を書けばよい。 最後に!を置くかどうか
は書き手の自由。 しかし、APSIAALE や KOnDOLAATI には付かないだろう。 IDyUTE は親しい仲間同士で
使う。 先生の講義が一瞬解からなくなってしまったときや、話しが速すぎる場合には、先生に LyPA IDyUTES.
(ちょっと待って下さい) や LyPA IDyUS. (待って下さい) と言うが、仲間同士なら上掲した IDyUTE
で十分。
IDyUTE の代わりに、命令文の YO IDyUTES. (ちょっと待って、待ちなさい) でも同じ。 YOI
IDyUTES は、待て!
LE は軽い驚きや意外感を表すもので、疑問が強いときは HA 等を加えてもよい (LE HA レハ 「おや、何だ
?」
の如く)。
● 使用頻度の高い表現
以下は会話で頻繁に登場する表現 (手紙でも勿論使える)。 これを覚えると会話がとても楽になる。
文法の説明抜きで、パターンを暗記して慣れてしまう方が時間の節約になると思います(全部で12個)。
★ 最も丁寧な依頼 「 〜 していただけますか」 (英語の Would you please do 〜)
? PLII ME 〜 。 エスク プリー メ
読み方は、エスクプリーメ。 ? PLII ME までは、1、2類共通。 その後は、1、2類の平叙文が続く。
? を ESK と書いても、意味も読み方も同じ。
例文: 推薦状を書いて頂けますか。 (注) 大学院へ進もうとする学生が教授にお願いしている。
1類: ? PLII ME EGREK_TE−O NURI。 エスク プリーメ エグレクテオ ヌーリ
2類: ? PLII ME NURI EGREK_TE−O. エスク プリーメ ヌーリ エグレクテオ
EGREK_TE は EGREK (推薦) と BEETE (手紙) の合成語。 国際標準単語の場合は、紙や本を表す部首
BEE を省略して EGREK_TE と書くことができる。 詳しくはホームページ 13号で学びます。 NURI は「書く」。
「推薦状」 と 「書く」 に日本語や英語を使いたければ、
1類: ? PLII ME 推薦状−O 書く。
2類: ? PLII ME write recommendation−O. となる。
★ 丁寧な依頼 「 〜 していただけますか」 (Will you do 〜)
PLII ME 〜 。 プリー メ
上で学んだ ? PLII ME から ? を削除しただけ。 読み方は、プリーメ。
例文: あなた、塩をまわしていただけますか。 (その塩をこちらへ回してくれる ? 食卓でのやりとり)
1類: PLII ME 塩−O まわす。
2類: PLII ME pass salt−O.
例文: あなた方、車を可能な限り押していただけますか。 (車輪が泥濘にはまってしまい、仲間に頼んでいる)
1類: PLII MEN YOO−O AASAn PUX。 プリー メヌ ヨーオ アーサン プーシュ
2類: PLII MEN AASAn PUX YOO−O. プリー メヌ アーサン プーシュ ヨーオ
<注> YOO は 「自動車」。 目的語なので −O が付く。 AASAn は 「可能な限り」(英語の as much as
possible you can にあたる。 PUX プーシュ は 「押す」、 PUS プース だと 「送る」 になるので混同
しないで下さい。 PU は体を使う動作動詞の部首 (ホームページ 13号)。
★ 普通の依頼 「 〜 して下さい」 (Please do 〜)
LyPA 〜。 リュパ
? PLII ME や PLII ME は丁寧な依頼の形を取るのに対して、こちらはごく普通の依頼。 ME は不要。
相手の都合を余り考えずに一方的に自分の願いを述べる場合にも使う。 PLII ME と 命令文の中間に位置
する表現だが使用範囲が広い。 発話者の顔つきや言い方によっては PLII ME と同じくらい丁寧になる。
例文: 書いて下さい。
1類: LyPA NURI。 リュパ ヌーリ
2類: LyPA NURI. リュパ ヌーリ
<注> NURI は 「書く」。 NU は手を使う動作動詞の部首。
例文: それを直ちに送って下さい。
1類: LyPA TE−O TAPROn PUS。 リュパ テオ タプロン プース
2類: LyPA TAPROn PUS TE−O. リュパ タプロン プース テオ
<注> TAPROn は 「直ちに」 で英語の promptly。 英語の soon に当たるのは TASUn タスーン。
どちらも国際標準単語 (部首の TA は時を示す)。 しばらくの間、友好単語を標準単語に横滑り
させた SNAAT スナート (タイ語から採った) を使っても良い (= soon)。 これを命令文で、
YO TE−O TAPROn PUS。 とすると 「それを直ちに送れ」 で軍隊内の会話や会社の
課長が新入社員に対して言う感じになるだろう (勿論、親しい友人同士でも言えるが)。
★ 申し出 「 〜 をしてあげましょうか」 (Shall I do 〜)
YAL SE 〜。 ヤル セ
〜の部分は、1、2類で対称的になる。
例文: あなたの写真をとってあげましょうか。
1類: YAL SE MEI BEEFOS。 ヤル セ メイ ベーフォス
2類: YAL SE MEI BEEFOS. ヤル セ メイ ベーフォス
<注> BEEFOS は 「写真をとる」 (目的語を含む他動詞)。 「写真」 と 「とる」 に分解して書けば
1類: YAL SE MEI BEEFO−O UYUS。 ヤル セ メイ ベーフォオ ウユース
2類: YAL SE UYUS MEI BEEFO−O. ヤル セ ウユース メイ ベーフォオ
<注> MEI は ME の所有形で 「あなたの」。 BEEFO は 「写真」、 目的語なので −O
が付く。
UYUS は 「とる」 (英語の take)。
BEEFOS の代わりに QAAKAS を使うこともできる(この動詞も写真という目的語を含む)。 もし ビデオ機
を使うなら、QAAVIOS という動詞の方がよい(これもビデオ記憶媒体という目的語を含む)。
★ 誘い 「さあ一緒に 〜 しましょうよ」 (Shall we do 〜)
XAL SEN 〜。 シャル セヌ
〜の部分は、1、2類で対称的になる。
例文: さあ、一緒にパーティーに行きましょうよ。
1類: XAL SEN EMyURE UT ITU。 シャル セヌ エミューレ ウトゥ イトゥー
2類: XAL SEN ITU UTL EMyURE. シャル セヌ イトゥー ウトゥル エミューレ
<注> EMyURE は 「パーテイー」。 UT は修飾詞で 「〜へ」(英語の to )。 2類の修飾詞は、
1類の修飾詞の語尾に
L を付けて UTL とする。 ITU は、動詞 「行く」。
★ 誘い 「さあ一緒に 〜 しよう」 (Let’s do 〜)
LECC 〜 。 レッツ 〜
〜 は動詞 (現在か未来時制)。 上の XAL SEN 〜 より 会話的 である。
その代表は、 Let’s go! (さあ、一緒に行こうぜ、行きましょう) だろう。
例文: さあ、一緒に行こうぜ。
1類: LECC ITU ! レッツ イトゥー
2類: LECC ITU ! レッツ イトゥー
<注> ITU は 「行く」。
★ 「 〜 すれば良いのですか」 (Am I supposed to 〜)
ASPO SE 〜。 アスポ セ
例文: 私は 03 を回せば良いのですか。 【注】 市外へ電話するとき等によく使う質問。
1類: ASPO SE 03−O UMROS。 アスポ セ シューニャサムオ ウムロス
2類: ASPO SE UMROS 03−O. アスポ セ ウムロス シューニャサムオ
<注> UMROS は、動詞 「回す」。 英語なら Am I supposed to dial 03 ? といったところ。
「我々」 なら SE を SEN (SE の複数形) とする。
★ 「あなたは 〜 する方が良いですよ (丁寧な忠告) 」 (You might do)
MAIT ME 〜。 マイトゥ メ
例文: あなたは傘を持っていく (持つ) ほうが良いですよ。
1類: MAIT ME BOOBLA−O TUV。 マイトゥ メ ボーブラオ トゥーブ[v]
2類: MAIT ME TUV BOOBLA−O. マイトゥ メ トゥーブ[v] ボーブラオ
<注> BOOBLA は 「傘」 (umbrella)。 TUV は 「持つ」(have)。 TU は手を使う動作動詞の部首。
TUV は、手で持つだけでなく、所有する (している) という意味にも使え、守備範囲が広い。
★ 「あなたは 〜 すればよいのに (提案、奨励) 」 (Why don’t you do 〜 )
WADO ME 〜。 ワド メ
例文: あなたは申請書を請求すればよいのに。
1類: WADO ME EGLAI_Kyn−O IYUS。 ワド メ エグライキュンオ イユース
2類: WADO ME IYUS EGLAI_Kyn−O. ワド メ イユース エグライキュンオ
<注> EGLAI_Kyn は、EGLAI (申請) とBEEKyn (書類) の合成語で英語なら application form。
BEE は紙を表す部首。 IYUS は 「求める」(request)。
★ 提案 「 〜 はいかがですか。 〜についてはどうでしょうか」 (How about 〜)
ESTI 〜。 エスティ
例文: コーヒーはいかが。
1類: ESTI CEEKA。 エスティ ツェーカ
2類: ESTI CEEKA. エスティ ツェーカ
<注> 英語の How about coffee ? にあたる。 CEEKA は 「コーヒー」。 お茶なら CEEI ツェーイ。
ESTI 以下が長い (意見、考え等を提案する場合) ときは、 ESTII 〜 エスティー とする。
例えば、「私があなたの代わりに行ってはどうだろう」 と提案するような場合。
★ 承認や放任を求める 「 〜 認めなさい、〜 させておきなさい」 (Let me do 〜 = You let me do 〜.)
YLE 〜。 ユレ (命令文を示す YO と 放任の動詞 LEEN を組み合わせたもの)
例文: 私に あなたに対して 質問させてください。 (Let me ask you. = You let me ask you.)
(S) (V) (O) (C) ask
の目的語
1類: YLE SE ME−O 質問する。
2類: YLE SE ask ME−O.
<注> あなたは、 私があなたに質問するのを認めてください、許してください、の意。
例文: それをそのままにしておいて。 (Let it be. = You let it be.)
(S) (V)(O)(C)
1類: YLE TE RI。
2類: YLE TE RI.
<注> RI (である) の代わりに、 RIZ (存在する) でもよい。
★ 使役命令 「 〜 させなさい、 〜 させてください」 (Let me(us) do 〜)
YBL 〜。 ユブル (命令の YO と 使役動詞 BLE を組み合わせたもの)
例文: 私をそこで働かせてください。 (Let me work there. = You let me work there.)
(S) (V) (O) (C)
1類: YBL SE TOA 働く。
2類: YBL SE TOA work.
<注> TOA は副詞で 「そこで」、「そこへ」。 副詞の位置には少し自由度があるが、動詞の前に置くのが原則。
例文: 私に あなたに対して 質問させてください。 (Let me ask you. = You let me ask you.)
1類: YBL SE ME−O 質問する。
2類: YBL SE ask Me−O.
<注> YLE を使えば、相手の承認を求めることになり、 YBL を使えば相手に対して 「自分を役立てて、
使役して(欲しい)」 と求めることになる。
例文: あなたの声を聞いてもらうようにしなさい。 (Let your voice to be heard. = You
let your voice to be heard.)
(S)(V) (O) (C)
1類: YBL MEI 声 聞く−ZE。
2類: YBL MEI voice hear−ZE.
<注> 貴方の声を政府などに聞かせなさい、の意 (社会運動等でよく見かける文)。
S(OC)V の文 (2類は SV(OC) となる) で、OC が主語と動詞の関係になっている場合は、
O や C に、要素助詞の −O や −C を付けなくて良い (MEI 声 や 聞く−ZE のままで良い)。
(注) YLE と YBL は、ホームページ10号の動詞 1−5. 注意を要する動詞の LEEN レーヌ と BLE ブレ
にも登場する。 YLE は 命令文の文頭に置く YO と LEEN を組み合わせたもの、YBL は YO と BLE
を組み合わせたものなので、既に学んだ 命令文 と考えても良いです。 尚、 YLE、 YBL のどちらを使っても
同じような意味になることもある。
7) 名 詞 めいし
7−1. 名詞の種類 と 部首
ノシロ国際標準単語 (英訳は International Standard Words, ISW と略す) の名詞の殆どは、非物質名詞 と
物質名詞 に大別される (英語の分け方とは少し異なるのでご注意 )。 名詞の部首は、AB から ZII まで
全部で 269個ある (将来増える可能性あり)。 非物質名詞 の部首は、原則として 母音 A、I、U、E のいず
れかで始まり、物質名詞 の部首は 子音 で始まる。
(注1) 将来は母音 O も非物質名詞に充てるかも知れない (現在のところ O で始まるのは構成詞)。
(注2) ノシロの名詞には、部首を持たないものも少しある。 それは、文法と一体化したノシロ基本単語や、
昔、使っていた国際友好単語をそのまま国際標準単語に横滑りさせてしまったものである。 その代表は、
「数」 や 「時」 に関するもので、当ページの 7−2. と 7−3. で学ぶ。 基本単語については、ホーム
ページ13号でまとめて学ぶ。 国際友好単語 (昔はこれを使っていた) というのは、各国の言語の単語を
そのまま、或いはそれに近い形で採用したもので、上述の非物質や物質という区別をしておらず、当然
に部首も考慮していないから、国際標準単語に横滑りさせた現在でも部首は無いままである。 ここでは
先ず国際標準単語の殆どを占める 「部首を持つ名詞」 から見ていこう。
非物質名詞 は、教育、愛、伝播、理解、物理学、経済学、哲学、言語、文法、発音、悲惨、夢、嘘、政治、経剤、
組織、投資、仮定、家庭、父、母、犯罪、怒り、裁判、努力、知性、芸術、音楽、趣味、スポーツ ... 等。
物質名詞 は、力、熱、電磁気、光、振動、エネルギ、素粒子、星、山、土、波、流れ、川、水、雨 (水)、雲 (蒸気)、
空気、ガス、遺伝子、人体、毛髪、動植物、道具、本、パソコン ...等で、大体において、物理学、化学、生物学の
研究対象になるもの、実験器具などで検出できるものや、手で触れるものと言ってよい。 尚、これ等物質の属性や
作用は物質そのものではないが (例えば、熱 NEnH ネンフ)、物質と関連付けて覚える方が覚え易いのと、部首の
数を増やし過ぎないようにするために物質名詞として扱ったものが多い。
ノシロ語の名詞は日本語と同じように性も数も示さない (数詞を除く)、即ち無性 で 単複同形。 数を示す必要がある
ときは、数詞の 1、2、3、4、5、6、7、8 −− を名詞の前に置く。 SOM (ソム、幾つか)、MUQ (ムーチュ、多くの)、
PLU (プルー、複数の)、SGL (スグル、単数の) 等の形容詞を置いてもよい。 SOM は英語の some/little
で、MUQ
は英語の many/much である。 数を表す語 (SOM、PLU 等) の殆どが、名詞 と 形容詞 の兼用 (どちらにもなる)。
(参考)
昔、名詞の単複をはっきりさせないと落ち着かないという人達 (英米語やインド語の利用者にはそういう人がいる) の
ために、ノシロ語の名詞の原則である単複同形を棚上げし、「名詞の後に ・N (ヌ) を付けて複数形として良い」 と
としていたが、複数であることを示す方法は上述の通りちゃんと有るのだから、例外を作らずに成るべく単複同形で行
くことにしましょう。 (注) 人称代名詞の複数形には今後も N が付きます!
以下に非物質名詞と物質名詞の部首、及びその部首を持つ名詞 の例を示す。 より多くの例をご覧になりたい
方は、ホームページ14号 の 1) 名詞 の中の 手帳絵 や、 ここ と書かれたところをクリックしてください。
非物質名詞 の部首 |
部首の意味 | 左記の部首を持つ名詞 (国際標準単語: ISW) |
---|---|---|
AB | 対話、討論、会合、批判 影響、効果 など |
ABDIA (対話、dialog), ABKOn (会合、conference/meeting), ABKRI (批判、criticism),
ABRIB (反論、rebuttal), ABIn (影響、influence), ABEKT (効果、effect) |
AP | 愛、好み、養育、徳、助け、 好感、歓び、恋人 |
APLO (love), APLI (likes), APAAQ (virtue), APLIOn (good feeling), APEATI (care), APLE (joy), APIAn (fiancee), APIEn (aid, giving) |
ILy | 家族、父、母、息子、娘 | ILyAAM (family), ILyUM (father), ILyUD (mother), ILyTE (daughter), ILyS (son), ILyGMA (grand father), ILyGDA (grand mother) |
InF | 情報、旗、暴露、記者(職業)、 公開資料、通知 |
InFOM (information), InFA (flag), InFT (post), InFI (news), InFAD (advertisement),
InFOST (jounalist), InFIAn (official report), InFIIV (accusation), InFNO (notice) |
UKy | 治療、看護、防疫 、医者(職業) | UKyNAA (nursing), UKyUM (treatment), UKyVA (evasion), UKyUA (care), UKyUV (prevention), UKyUM-IST (medical doctor) |
US | 声、音、波長、音量、会話、 音韻、母音、子音 |
USVO (voice), USPI (pitch), USAnBy (volume), USKA (conversation), USEMI (phoneme), USAAE (Vowel), USKOn (Consonant) |
ED | 教育、格言、学習、講義、 クラス、知識 |
EDKEI (education), EDAAB (proverb), EDIA (study), EDLEK (lecture), EDKLA (class), EDNOL (knowledge) |
ES | 東、西、 経度 |
EST (East), ESWE (West), ESL (longtitude) |
物質名詞 の部首 |
部首の意味 | 左記の部首を持つ名詞 (国際標準単語: ISW) |
BAA | 鳥 | BAAP (鳩、pegeon), BAAI (eagle), BAASGL (seagul), BAAS (白鳥、swan), BAAROT (parot) |
BE | 毛、骨、爪、肌、筋肉、尾、 ニキビ |
BEA (hair), BEOn (bone), BEOMA (marrow), BENE (nail), BES (skin), BEMAS (muskle), BEIL (tail), BEnP (pimple), BERIn (wrinkle), BESMA (birthmark) |
BEE | 紙、本、手紙、切手、新聞 | BEEC (card), BEEK (book), BEEL (file), BEEPA (paper), BEETE (letter), BEENO (notebook), BEEP (stamp), BEEDIK (dictionary), BEENIS (newspaper) |
BII | 住宅、住所、塀、建築物 | BIIUS (house), BIIRES (address), BIIKOn (construction), BIIG (fence), BIIXEL (shelter), BIIN (nest), BIISIL (cocoon) |
CAA ツァー | 星、惑星 | CAA (star), CAAPO (polestar), CAAM (Mercury), CAAVI (Venus), CAAR (Mars), CAAS (Saturn), CAARA (Uranus), CAAPIA (Jupitar) |
FII | 魚 | FIISA (sardine), FIIPA (pacific saury), FIITA (tuna), FIIRIn (herring),
FIIL (eel) |
HEE | 地球、地表、地下、惑星 | HEES (Earth), HEEPLA (planet), HEESEK (equator), HEEP (surface/ground), HEEMA (underground), HEER (shell) |
KO | 石鹸、香水、線香、染料 | KOODI (detergent), KOOP (soap), KOOM (perfume), KOOIn (incense), KOODA (dyestuffs) |
SAA | 太陽、夜明け、恒星 | SAAn (Sun), SAAFS (fixed star), SAA_SAR (revolution), SAAD (dawn), SAAE (eclipse of the sun) |
WII ウィー | 植物性の食材 | WIIT (wheat), WIIR (rice), WIIB (pan/bread), WIIPS (pasta), WIIn (beans), WIINAC (peanuts), WIISPI (spinach), WIIMA (taro/sweat potato) |
YOO ヨー | 乗り物、車両、鉄道、信号 | YOO (car in general), YOOP (passenger car), YOOR (railway), YOOBS (bus), YOOT (truck), YOOMOS (motor cycle), YOOX (taxi), YOOGL (trafic signal) |
(注) BIIRES (住所、英語の address) は物質ではないが、便宜的に物質名詞扱いする (部首の BII は家や住処を表す)。
(注) 名詞については、ホームページ14号 (ノシロ国際標準単語とその仕組み) でもう一度学びます。
続いて、 「数」 や 「時」 に関する名詞を学ぼう (多くが友好単語由来なので部首を持たない)。 先ず 「数」 から。
7−2. 数 (注) 数詞は形容詞でもある。
「数字、綴り、読み方」 と、参考にした自然言語を以下に示す。 これ等の名詞は部首を持たない。
数字 | 綴り | 読み方 | 参考にした言語 |
0 | XUNyA | シューニャ | サンスクリット語 ヒンディー語等 |
1 | WAn | ワン | 英語 |
2 | NI | ニ | 日本語 |
3 | SAM | サム | 韓国語 |
4 | SII | スィー | タイ語 |
5 | LIMA | リマ | マレーシア語 |
6 | ZEKS | ゼクス | ドイツ語 |
7 | SABAA | サバー | アラビア語 |
8 | WIT | ウィトゥ | フランス語 |
9 | KOO | コー | ミャンマー語 (ビルマ) |
10 | TIO | ティオ | スウェーデン語 |
100 | STO | スト | ロシア語 |
1000 | MILA | ミラ | イタリア語 |
10000 | MAn | マン | 日本語 |
億 (10**8) | OK | オク | 韓国語 |
兆 (10**12) | TERA | テラ | ギリシャ語 |
京 (10**16) | JIM | ジム | (ノシロの造語) |
(注) 9 については、これまで英語の nine ナイン をあてていたが、否定語 NAI の強調形 NAIn ナイン
と重なるので KOO コー (ミャンマー語) に置き換えます。 (2004. 02. 25)
(注) 1 については、これまで中国語の II イー をあてていたが、ローマ字を使う場合には大変紛らわしく
なるので英語の one ワン をあてることにします。(2005. 04. 15)
(注) 兆 (ちょう) は韓国語 QO からギリシャ語 TERA に変え、京 (けい) も韓国語 KyOn を JIM に変えます。
韓国語が多過ぎるという批判を考慮しました。 (2019. 03. 01)
「数の表し方」 は日本の表記法のように、 下4桁の 「0〜9、十、百、千」 (0〜9、TIO、STO、MILA) の表記を、
「万、億、兆、京」 (MAn、OK、TERA、JIM ) の中で再利用します。 尚、十、百、千の桁に 1 が掛かる場合に限り
1 を言わないし書かない(省略しても何ら混乱を生じないので)。 例えば、10 は WAn TIO と言わず、単に TIO
とする。 100 や 1000 も WAn を言わずに STO や MILA とする。 しかし、 20、 200、 2000、 30 ...
等は NI や SAM を省略することは出来ず、夫々、 NI TIO、 NI STO、 NI MILA、 SAM TIO ... と言う。
京 | 兆 | 億 | 万 | 千 | 百 | 十 | 9〜0 |
(MILA/STO/ TIO/9〜0) JIM |
(MILA/STO/ TIO/9〜0) TERA |
(MILA/STO/ TIO/9〜0) OK |
(MILA/STO/ TIO/9〜0) MAn |
MILA |
STO |
TIO |
9〜0 |
小さな数から見ていこう。
10 は TIO。 WAn TIO と言わない (省略しても何ら混乱しないので)。 TIO XUNyA は誤り。
100 は STO。 WAn STO と言わない。 STO XUNyA XUNyA は誤り。
20 は NI TIO。 2 以上の数は落とせない。 NI TIO XUNyA は誤り。
21 は NI TIO WAn。 2 以上の数は落とさない。
201 は NI STO WAn。 NI STO XUNyA WAn は誤り。
210 は NI STO TIO。 NI STO WAn TIO と言わない (省略可能なので)。
211 は NI STO TIO WAn。 NI STO WAn TIO WAn と言わない (省略可能)。
221 は NI STO NI TIO WAn。 STO と TIO の前の NI は落とせない。
2001 は NI MILA WAN。 NI MILA XUNyA XUNyA WAn は誤り。
2010 は NI MILA TIO。 NI MILA WAn TIO としない (省略可能)。
もう少し練習してみよう。
例えば 8261 の読み方は下表の通り、 WIT MILA NI STO ZEKS TIO WAn となる。
8 千 | 2 百 | 6 十 | 1 |
WIT MILA | NI STO | ZEKS TIO | WAn |
次に 82618261 (8261万 8261) の読み方。 万 の中で MILA、STO、TIO、 9〜0 を再利用するのだから、
下表の通り、 WIT MILA NI STO ZEKS TIO WAn MAn WIT MILA NI STO ZEKS TIO WAn
となる。
8千 2百 6十 1 万 | 8千 | 2百 | 6十 | 1 |
WIT MILA NI STO ZEKS TIO WAn MAn | WIT MILA | NI STO | ZEKS TIO | WAn |
念のために、 25479310692114238 (2京 5479兆 3106億 9211万 4238) のような大数を読んでみよう。
2 京 | 5479 兆 | 3106 億 | 9211 万 | 4 千 | 2 百 | 3 十 | 8 |
NI JIM |
LIMA MILA SII STO SABAA TIO KOO TERA |
SAM MILA STO ZEKS OK |
KOO MILA NI STO TIO WAn MAn |
SII MILA |
NI STO |
SAM TIO |
WIT |
NI JIM
LIMA MILA SII STO SABAA TIO KOO TERA
SAM MILA STO ZEKS OK
KOO MILA NI STO TIO WAn MAn
SII MILA NI STO SAM TIO WIT となる。
(注) 日本の数の表記法は世界で最も優れた表記法の一つと言われています。
3桁ごとに カンマ(,) を入れる今の表記をどうするか今後の検討課題の一つです。
「何番目」 というときは、 DAI を使う。 3DAI (サムダイ) で、 「3番目」 や 「第3番」 の意。 3DAINA は、
3番目の (形容詞)。 3DAILI は、3番目に (副詞)。 しかしながら問題を起こす恐れが無ければ、一々語尾に
変換助詞の NA や LI を付けず、 DAI のままで、形容詞、副詞扱いして良い。 疑問形は、HANA DAI 〜。
「倍」 は、 KARS を使う。 2 KARS (ニ カルス) で、2倍。 2 X 5 は、 2 KARS 5 (ニ カルス リマ) となる。
「回 (行為の回数)」 は、 3 KRAn (サム クラン) のように表す。 これで行為が3回あったことを示す。 尚、「3回目
の送金」 は、「3番目の送金」 と同じだから KRAn よりも DAI を使って、 「3 DAINA 送金」 とする方が良い。
いちいち派生形容詞であることを明示 (語尾の NA) せずに、 3 DAI 送金 としてもまず問題ないだろう。
尚、毎回 (every time) は一語で KALn カルン である。
「〜ごと(毎)に、の」 は、修飾詞 EI エイ (2類は EIL エイル) を使って、
2NE EI (2日ごとに、1日おきに、つまり 1日あいだを置いて。 2類は EIL 2NE
) や
3NE EI (3日ごとに、2日おきに、つまり 2日あいだを置いて。 2類は EIL 3NE )
とする。
(注) 修飾詞 EI は、「引越しのたびに」 のように使うことも出来る。
又、接頭語 (助詞) の GO ゴ や KAK カク を使うこともできる。 GO は 「毎」 (ごと) の読み GOTO の最初の
2字を、 KAK は漢字の 「隔」 (かく、へだたること) の読み KAKU の最初の3字を取ったもの。 先ず、GO から。
GO-XI ゴシ 1時間毎に (いちじかんごとに
= 毎時間) ... 各時間続けて
GO-NE ゴネ 1日毎に (いちにちごとに =
毎日) ....... 1日も欠かさず
GO-WIIK ゴウィーク 1週毎に (いっしゅうごとに = 毎週) ...... 1週も欠かさず
GO-SAAL ゴサール 1年毎に (いちねんごとに = 毎年) ...... 1年も欠かさず
GO-2XI ゴニシ 2時間毎に (にじかんごとに) .... 間に
1時間置く
GO-2NE ゴニネ 2日毎に (ふつかごとに) ..... 間に 1日置く (every other day/ every a day/
every 2 days/ every
2nd day)
GO-2WIIK ゴニウィーク 2週毎に (にしゅうごとに .... 間に 1週置く
GO-2SAAL ゴニサール 2年毎に (にねんごとに)
..... 間に 1年置く
GO-3XI ゴサムシ 3時間毎に (さんじかんごとに) ...
間に 2時間置く
GO-3NE ゴサムネ 3日毎に (みっかごとに) ......
間に 2日置く (every 3days/ every 3rd day)
GO-3WIIK ゴサムウィーク 3週毎に ............. 間に 2週置く (every 3weeks)
GO-3SAAL ゴサムサール 3年毎に ............ 間に
2年置く (every 3 years)
続いて、KAK も少し見てみよう。
KAK -XI カクシ 1時間おきに ...
間に 1時間置く = 2時間毎に (every one hour で GO 2XI と同じ )
KAK -NE カクネ 1日おきに ..... 間に
1日置く = 2日毎に (every other day で GO 2NE と同じ)
KAK -2XI カクニシ 2時間おきに .... 間に 2時間置く = 3時間毎に (every 3 hours で GO 3XI と同じ)
KAK -2NE カクニネ 2日おきに ......間に 2日置く
= 3日毎に (every 3 days で GO 3NE と同じ)
(注) 最初は KAK を忘れて、GO だけ覚える方が楽だと思います。
(注) 接頭語は原則として、 GO- や KAK- のように − を付ける。
「〜を超える」 は、 ISBI。 例) 「100 を超える数」 は 100 ISBI 数。 100 ISBI が形容詞のようになって
「数」 を修飾する。
「以上」 は、 TISBI ティスビ。 例) 100以上の数、は 100 TISBI 数
「未満」 は、 INOL イノル。 例) 100未満の数、は 100 INOL 数
「以下」 は、 TINOL ティノル。 例) 100以下の数、は 100 TINOL 数
「小数点」 は . 又は TEn で表し、テン と読む。 尚、2類の文を閉じる . は、キニブ と読む。
20.153 ニティオ テン ワンリマサム
0.01 シューニャ テン シューニャワン 最初の 0 を読まずに テン シューニャワン でも良い。
「分数」 は / 又は − 又は FEn で表し、 フェン と読む。
2/5
ニ フェン リマ
「半分」 は WAnNIS ワンニス でも KRn クルン (タイ語から) でも良い。 又、 1/3、 1/4、 1/5 ...
1/10 は、
夫々 WAn FEn SAM、 WAn FEn SII、 WAN FEn LIMA、 WAn FEn TIO だが、 WAnSAMS、 WAnSIIS、 WAnLIMAS、
WAnTIOS としても良い。 形容詞、名詞同形である。
「指数」 は 右肩に小さく書くか JOO で表し、 ジョー (日本語) と読む。
3² サム ジョー ニ
「加減乗除」 は以下のとおり (これ等にも部首はない)。
+ 又は PLS プルス
− 又は MINS
ミヌス
× 又は KARS カルス
÷ 又は / 又は FEn フェン (注) 余りは EKRME エクルメ。
= 又は TOOn トーン
9−10=−1 は、 9 MINS 10 TOOn MINS 1 で、 コー ミヌス ティオ トーン ミヌス ワン と読む。
2 X 5 = 10 は、 2 KARS 5 TOOn 10 で、 ニ カルス リマ トーン ティオ。
9 ÷ 4 = 2 余り 1 は、 9 FEn 4 TOOn 2 EKRME 1 で、コー フェン スィー トーン ニ エクルメ ワン。
「大、小、不等号」 などについては以下。
> 又は DAn 例)3>2 サム ダン ニ と読む。
≧ 又は DAnT X ≧ 3 エックス ダントゥ サム
< 又は XAn 例) 5<7 リマ シャン サバー
≦ 又は XAnT X ≦ 7 エックス シャントゥ サバー
≠ 又は HInTOOn 例) X ≠ 10 エックス ヒントーン ティオ
≒ 又は YAKTOOn Y ≒ 120 ワイ ヤクトーン ストニティオ
(注) 修飾詞を使って、100 IN (2類は、INL 100) で 100未満を、100 IS (2類は、ISL 100) で
100超え を表すこともできなくはないが、もし 100 という数を点として扱わず、幅を持たせて考えるような
場合には、100 IN は 100 の内部 (inside) という意味に、100 IS は100 の外部 (outside) という
意味になるので注意が必要。 又、修飾詞 UY (beyond) は、100 UY と書けば、当然に100 を超える
数という意味になるが、 UY は本来、この線から向こう側とか、非武装地帯から向こう側とか、この権利の
先に有る権利、といった使い方をする。 数学に使う場合は例えば、100 から先の素数は、とか、実数や虚
数の先に何が有るか? といった使い方が本来の使い方であり、数値の大小には余りなじまない。
「自然数、整数、実数 ...」
自然数 NAAC AnBAA
整数 InTE AnBAA
実数 AIRI AnBAA
虚数 AIME AnBAA
偶数 NIn AnBAA
奇数 DE−NIn AnBAA
素数 AOONI AnBAA
分数 AnBRA
小数 AnBES
(注) これ等以外の単語については辞書をご覧ください。
7−3. 時 と 天候
時 も 天候 も、数詞と同様に、名詞兼形容詞 である。 時には副詞のようにも使われる。
(注) 友好単語由来のものは部首を持たない。
先ず、時 の中の年号から始めよう。
ノシロの年号は、特定の宗教に依拠しない。 西暦 2000年 ( = 平成12年) は、 XUNyA SAAL と書き、
シューニャ サール と読む。 シューニャ は サンスクリット語で、「零」 や 「空」 の意。 SAAL は、ヒンディー語から
とったもので 「年」。 1999年 (平成11年) は、 EITA 1 SAAL (エイタ ワン サール、白1年の意)。 1998年は、
EITA 2 SAAL (エイタ ニ サール、白2年)。 2010年は、 EIMA 10 SAAL (エイマ ティオ サール、赤10年)
となる。 即ち、西暦2000年を基準にして、それ以前の年には EITA (白) を付け、以降の年には EIMA
(赤) を付けて区別する。 EI は 「色を表す形容詞」 の部首。 全表記は長くなるので混乱の恐れが無いときは、
2010年を EIMA 2010 と書かずに、短く MA10 や M10 と書いても良い。 以下に表記例を示す。
西暦 ノシロ表記 (全表記は長いので、簡略表記 TA、T、MA、M、 特に T や M がお勧め)
1940 EITA60 エイタ ゼクスティオ (簡略表記は TA60 又は T60、読み方は エイタ ゼクスティオ)
1950 EITA50 エイタ リマティオ
1960 EITA40 エイタ スィーティオ
1970 EITA30 エイタ サムティオ
1980 EITA20 エイタ ニタィオ
1990 EITA10 エイタ ティオ
・
・
1998 EITA2 エイタ ニ (簡略表記は TA2 又は T2。 読み方はどれも エイタ ニ)
1999 EITA1 エイタ ワン (簡略表記は TA1 又は T1。 読み方はどれも エイタ ワン)
2000 XUNyA SAAL シューニャ サール (簡略表記は XS で、 シューニャ サールと読む)
2001 EIMA1 エイマ ワン (簡略表記は MA1 又は M1。 エイマ ワン と読む )
2002 EIMA2 エイマ ニ (簡略表記は MA2 又は M2。 エイマ ニ と読む
.
.
.
2009 EIMA9 (簡略表記は MA9 又は M9 で、どれも エイマ コー と読む)
2010 EIMA10 MA10 M10 エイマ ティオ
2011 EIMA11 MA11 M11 エイマ ティオワン
2012 EIMA12 MA12 M12 エイマ ティオニ
2013 EIMA13 MA13 M13 エイマ ティオサム
2014 EIMA14 MA14 M14 エイマ ティオスィー
2015 EIMA15 MA15 M15 エイマ ティオリマ
.
.
2018 EIMA18 MA18 M18 エイマ テイォウィット
2019 EIMA19 MA19 M19 エイマ ティオコー
2020 EIMA20 MA20 M20 エイマ ニティオ
2030 EIMA30 MA30 M30 エイマ サムティオ
2100 EIMA100 MA100 M100 エイマ スト
2200 EIMA200 MA200 M200 エイマ ニスト
2900 EIMA900 MA900 M900 エイマ コースト
(注) 当分の間は、西暦をそのまま (例えば BC500, AC40, 2017, 2100 等々) 書いても構わない。
例として、 西暦 2020年 (令和2年) 9月15日 は次のように表す。
EIMA20 9YE 15NE (YE は月、 NE は日。 一字分空ける。 これが最も正確だが長くなるのが欠点)
MA20 9Y 15N (簡略表記。 一文字分空ける。 M20 9Y 15N も可)。 これは悪くないと思うが未だ長い。
M20.9.15. (簡略表記。 M20.09.15 や MA20.09.15. も可。 見易いように間に . を入れる)。
私は最後の簡略表記 (M20.9.15) が一番便利だと思う。
ノシロ語では、AHSA (時刻) や EnZAA (天候) が文の主語になる場合、その 「時刻」 や 「天候」 を原則と
して書き出さない。 「時刻は」、 「天候は」 と 頭の中で唱えるだけで、それに続く部分、つまり 「何時何分です。」
とか 「晴れです。」 という部分だけを書き出す。 この原則を破るのは、ラジオやテレビ放送等で、いきなり 「3時
30分」 とか 「晴れです」 と言うとあまりに唐突になってしまう場合や、主語を書き出さないと混乱してしまう場合で
ある。 こうした場合は、初めに AHSA−W (アフサワ、時刻は) とか EnZAA−W (エンザーワ、天候は) と
言えばよい。
「時」 に関する単語をまとめて下記しよう。
年 SAAL サール インド語から採って基本単語としたもの
月 YE イェ 中国
週 WIIK ウィーク 英米
週末 WIIK ETn ウィークエトゥン 英米
曜日 DEI デイ 英米
(注) 以上の五語は友好単語由来なので部首はない。
春 AZRIn アズリン
夏 AZMAA アズマー
秋 AZOOL アゾール
冬 AZnTA アズンタ
(注) 以上の四語は友好単語由来ではなく初めから国際標準単語として作られたものなので、部首を
持つ (AZ は季節を表す部首)。 ご参考までに、乾季は EUDA AZn エウダアズン、雨季は
LOOn AZn ローンアズン。
基本単語 友好単語 採用した言語
1月 1YE ワンイェ TAAnJIEn ターンジエン ベトナム語
2月 2YE ニイェ WIKATA ウィカタ ラコタ
(アメリカ先住民族)
3月 3YE MAARES マーレス アラビア
4月 4YE ABRIL アブリル フィリピン
5月 5YE MAIOS マイオス ギリシャ
6月 6YE YUNI ユーニ ドイツ
7月 7YE EJLI エジュリ インドネシア
8月 8YE WASTOn ワストン ラコタ
9月 9YE XITAnBAR シタンバル インド
10月 10YE AKTUBAR アクトゥーバル インド/ネパール
11月 11YE NOVEnBER ノヴェンベル アラビア/ハンガリー
12月 12YE JIKAAPRI ジカープリ ロシア
(注) 「月」 は、以前 (テキストで) は Y・E ユエ としていましたが、 YE イェ に変更します。
基本単語の方がずっと簡単。 TAAnJIEn から JIKAAPRI までは全て友好単語なので部首はない。
基本単語 友好単語 採用した言語
日曜 1DEI ワンデイ HADD ハッドゥ アラビア語
月曜 2DEI ニデイ LAnDI ランディ フランス
火曜 3DEI TERSA テルサ ポルトガル
水曜 4DEI RABU ラブー インドネシア
木曜 5DEI TOOSTAI トースタイ フィンランド
金曜 6DEI PAATEK パーテク チェコ
土曜 7DEI SABADO サバド スペイン、ポルトガル
(注) 市販の暦には月曜を 1DEI としているものもある。 友好単語には部首はない。
以下も (PROI から 2BUKAS まで) 友好単語由来なので部首はない。
朝 PROI プロイ ギリシャ語から
午前 PROIn プロイン ギリシャ
正午 TIAn ティアン タイ語から
昼 PROIDE プロイデ ギリシャ語を利用した造語
真昼 PROIDEST プロイデストゥ 同
午後 AFTIAn アフティアン タイ語を利用した造語
夕方 AFTIAnSE アフティアンセ 同
夕暮れ AFTIAnSE アフティアンセ 同
黄昏 AFTIAnSE アフティアンセ 同
晩 EXTE エシュテ ハンガリー語から
夜 Ny・I ニュイ フランス語から
深夜 AUDI Ny・I アウディニュイ フランス語を利用した造語
真夜中 Ny・InT ニュイントゥ フランス語を利用した造語
おととい 2HTES ニフテス ギリシャ語から
きのう HTES フテス ギリシャ
今日 AAJI アージ インド
明日 BUKAS ブーカス フィリピン
あさって 2BUKAS ニブーカス フィリピン
以下の中、 IUNAS から AHSA までは部首 ( IU と AH
が部首) を持つが、TAIM から KAn までは友好単語由来
なので部首はない。
今 TAU タウ
最近 IUNAS イウナス
直近 IUNAST イウナストゥ
時 AHT アフトゥ 違いによって実存を確立しようとする意志、意欲 (これこそ時の正体)
時間 AHTA タイム
時刻 AHSA サマエ
時 TAIM タイム 普通に使う 「時」 で英語。 科学技術論文などを書くときはこれが無難。
日 NE ネ ノシロの造語
時 XI シ 韓国、朝鮮語
分 NAATI ナーティ タイ
秒 MyO ミョ 中国
間 KAn カン 日本
「期間」 を表すには KAn を使う。
1年間 1 SAAL KAn ワン サール カン
2ヶ月間 2 YE KAn
3日間 3 NE KAn
4時間 4 XI KAn
1分間 1 NAATI KAn
1分と5秒間 1 NAATI 5 MyO KAn (最後に KAn を付けるだけでよい)
「時」 に関する筆者の考えは、「慶応大学 SFCレヴュー 5号」 に掲載された拙論に少し述べてあります。
お気づきの点があればご教示下されますようお願い致します。 ここでは 「時」 を表す表現から使用頻度
の高いものを幾つか示します。 疑問文も出て来ますが、英語とは違い超簡単なのでご心配なく。
疑問文は、先ず疑問詞 ? を文頭に置いてから、文章の中で 「答え」 が占める位置に疑問詞を置くだけ。
語順は平叙文と同じです。 疑問文については、ホームページ11号(次々号)で学びます。
ここで例文を見てみよう。
例文: 今日は何日ですか。
1類: ? AAJI−W HANA NE (RI)。 エスク アージワ ハナ ネ (リ)
2類: ? AAJI−W (RI) HANA NE. エスク アージワ (リ) ハナ ネ
<注> SCV (2類は SVC) の文で、動詞が RI で、その時制が現在形で、更に、誤解を引き起こす恐れが
ない簡単な文の場合は RI を省略できる (RI は 〜です。 英語なら be 動詞)。 RI を ( ) で囲ん
だのは省略可能なことを示すため。 もし、過去形や未来形の場合は省略せずに、 RI−T や RI−R
と書き出す。 AAJI は 「今日」。 インド語由来の友好単語を基本単語に組み入れたもので部首はなし。
HANA は、疑問詞で 「何の」、「どんな」。 「何が」 を表す疑問詞の主格 HA に、変換助詞の
NA を
付けて形容詞にしたもの。 NE は 「日」 の意。 仲間同志の会話では単に ESK NE。 又は HANA
NE。 だけでも良いでしょう。 同様に、「今月は何月ですか」 は ESK YE。 又は HANA YE で、
「今日は何曜日ですか」 は ESK DEI。 又は HANA DEI。 尚、? の代わりに ESK と書いても
構わない (しかし ESK より ? の方が二字分も短くなる)。 読み方は、 ? も ESK も エスク で
ある。 尚、会話では エスク と言わずに エ だけでも良い。 そして 文末 を少し 高く発音 する。
例文: 今日は 3月 9日です。
1類: AAJI−W 3YE 9 NE (RI)。 アージワ サムイェ コー ネ (リ)
2類: AAJI−W (RI) 3YE 9 NE. アージワ (リ) サムイェ コー ネ
<注> AAJI は 「今日」。 仲間同志なら単に、3YE 9 NE と答えても良い。 3月は、 3 YE の代わりに
MAARES でも良い。 RI は SCV (2類は SVC) の文で、V が RI であり、かつ、現在形の
場合に限り、 RI を省略出来る。
例文: 今、何時 (時刻) ですか。
1類: ? HANA AHSA TAU (RI)。 エ ハナ アフサ タウ (リ)
2類: ? (RI) HANA AHSA TAU. エ (リ) ハナ アフサ タウ
<注> 時刻を言う場合は AHTA (時間) より AHSA (時刻) の方が良い。 TAU は 「今」。 IKn も同意。
ノシロ語は、時刻と天候に関する文の主語 (英語なら It ) は、原則として書き出さない。 主語となる
「時刻は」 や 「天候は」 を頭の中で唱えるだけで、それに続く部分つまり 「何時 何分です。」 とか
「晴れです。」 という部分だけを書き出す。 この原則を破るのは、放送等でいきなり 「3時30分」 とか
「晴れ」 とか言うとあまりに唐突になってしまう場合や、主語を書き出さないと混乱してしまう場合で
ある。 このような場合は、初めに AHSA-W (時刻は...) とか EnZA (天気は..) と言えば良い。
? は会話では エ と発音するだけでも良い。
例文: 15時 40分です (時刻は 15時 40分です)。
1類: 15 XI 40 (NAATI) ティオリマ シ スィーティオ (ナーティ)
2類: 15 XI 40 (NAATI)
<注> XI と NAATI は省略可 (特に NAATI )。 主語の AHSA-W (時刻は) は書き出さなくても分かる。
ノシロは原則24時間方式である。 しかし、必要なら、15XI を AFTIAn 3XI (午後三時) と表現し
ても良い。 AHSA は 「時刻」 (友好単語では SAMAE だった)。
例文: 駅までどのくらいですか (時間を尋ねる)。
1類: ? GEIT IC HANA AHTA (RI)。 エ ゲイトゥ イツ ハナ アフタ (リ)
2類: ? (RI) HANA AHTA ICL GEIT. エ (リ) ハナ アフタ イツル ゲイトゥ
<注> GEIT は「駅」。 この単語を知らない時は、英語の station や日本語の 「駅」 のような、自分も
相手も知っていそうな単語をどんどん使ってください。 最初のうちは、単語の暗記よりノシロ文法に
慣れることを心がけて下さい。 IC イツ は 修飾詞で 「〜まで」。 これは位置にも時間にも使う。
IC の代わりに UT ウトゥ (英語の to ) でも良い。 AHTA は時間 (AHSA なら時刻)。
例文: 約10分間です。
1類: YAK 10 NAATI KAn。 ヤク ティオ ナーティ カン
2類: YAK 10 NAATI KAn.
<注> YAK は、「約」。 10 は ティオ と読む。 NAATI は 「分」。 KAn は 「間 (かん)」。
例文: ビジネス時間 (営業時間) は何時から何時までですか。
1類: ? EWNES AHTA-W HANA IM-UT (RI)。
エスク エウネス アフタワ ハナ イムウトゥ (リ)
2類: ? EWNES AHTA-W (RI) HANA IM-UT.
エスク エウネス アフタワ (リ) ハナ イムウトゥ
<注> EWNES はビジネス。 IM-UT は二つの修飾詞 IM (英語の from) と UT (英語の to) を組み合わせて
作った造語で 「始・終時刻」 の意 (名詞、形容詞)。
例文: 労働時間は何時間ですか。
1類: ? EKLE AHTA-W HA。 エスク エクレ アフタワ ハ
2類: ? EKLE AHTA-W HA.
<注> EKLE は 「労働」。 HA XI KAn (何 時 間) と書けば完全だが、 AHTA は、元々時間 (間隔、長さ)
という意味を持つ語なので HA だけで大丈夫。
次に 天候 の表現を学ぼう。
天候・気象を表現する場合も、主語はよく省略される(頭の中で唱えるだけ)。 その理由は、頭の中で唱える主語は
「天候は〜」、「気象は〜」、「大気中の水蒸気は〜」、「大気の動きは〜」 という具合に決まっていて、それ等を一々
書き出さなくても、叙述表示される 名詞 又は 形容詞 (例えば、雨、雨模様) や 動詞 (雨が降る、という自動詞) だ
けで理解可能だからである。 これは英語の It に当たる語が無いということよりも、叙述部分に来る名詞 (形容詞)
や 動詞から、主語が容易に分かるので、殊更主語を表示しなくても大丈夫だからである。 例えば、「雨だ」 と言うと
きの主語は、「天気は」 や 「大気中の水蒸気は」 と決まっているから、その主語を書き出さなくても叙述部分の名詞
(形容詞) LOOn だけで理解可能である。 「雨が降る」 という動詞表現の場合も、叙述部分の自動詞 LOOnZ (水
滴となって降下する=雨降る) だけで理解可能である。 雪の場合でも、主語はやはり 「大気中の水蒸気は」 であり、
この主語がなくても 叙述部分 LOOSZ (結晶となって降下する=雪となり降る、雪降る) だけで理解可能である。
よく省略される主語と、書き出される名詞 (形容詞) や 動詞 の例を下表に示す。
(注) 「彼女の気分は大雨だよ」 (比喩) の如き文では、「彼女の気分は」 という主語を書き出す。
(注) 天候・気象を表す語の殆どは形容詞でもある。 時には副詞にもなる。
主 語 (よく省略される) |
名詞 ・ 形容詞 (書き出される) |
動 詞 (書き出される) |
---|---|---|
天気は |
AOn (晴れ) | AOnZ (晴れる)、AOnZ-T (晴れた)、AOnZ-R (晴れるだろう) |
天気は (大気中の水蒸気は) |
LOOn (雨、雨模様) | LOOnZ (雨となって降る、雨が降る)、LOOnZ-T (雨が降った)、 LOOnZ-R (雨が降るだろう) |
同上 | LOOS (雪、雪模様) | LOOSZ (雪となって降る、雪が降る)、LOOSZ-T (雪が降った)、 LOOSZ-R (雪が降るだろう) |
同上 | LOOTE (みぞれ) | LOOTEZ (みぞれとなって降る)、LOOTE-T (みぞれが降った)、 LOOTE-R (みぞれが降るだろう) |
同上 | LOOH (あられ、ひょう) | LOOH (あられとなって降る)、LOOHZ-T (あられが降った)、 LOOH-R (あられが降るだろう) |
大気の動きは | GyEEU (強風) | GyEEUZ (強風となる、強風が吹く)、GyEEUZ-T (強風が吹いた)、 GyEEUZ-R (強風が吹くだろう) |
同上 | GyEES (嵐) | GyEESZ (嵐となる、嵐が吹く)、GyEESZ-T (嵐が吹いた)、 GyEESZ-R (嵐が吹くだろう) |
(注) 動詞の語尾に −T を付けると過去形に、−R を付けると未来形になる。 読み方は夫々、 タ、 レ。
ここで、天気に関する 語 と 例文 を少し見ておこう。 先ず語から。
EnZAA エンザー 天候、天気、気象
EnZAA APyUFO エンザー アピューフォ 天気予報
EnZAAIST エンザーイストゥ 気象学者、気象の専門家、気象予報士
(注) 公認の気象予報士は正式には ELU EnZAA APyUFOAA
エルー エンザー アピューフォアーの方が良い (ELU
は公認の)。
AOn アオン 晴れ (雲が少ない状態。 大気中の水蒸気が余りまとまらない)
AUB AOn アウブ アオン 快晴 (雲がない状態。 大気中の水蒸気が殆どまとまらない)
LOOKLA ロークラ 曇 (水蒸気がある程度まとまり水滴となって空中に浮いている)
LOOn ローン 雨 (雨粒、雨模様。 水蒸気がまとまって多くの水滴となり降下)
LOOS ロース 雪 (結晶、雪模様。 水蒸気がまとまって多くの結晶を形成し降下)
AUB LOOS アウブ ロース
大雪
GyEEn ギェーン 微風
GyEEU ギェーウ 強風
GyEES ギェース 嵐
LEESAn
レーサン 雷
続いて例文を見よう (初めて文法を学ぶ方は、最初の七つの例文を見るだけで OK です)
例文: 晴れ (晴れだ、晴れです)。 (Fine.)
1類: AOn. アオン
2類: AOn.
<注> 主語 (=「天気」) は自明なので書かない。 ノシロ語には、英語のような It is 〜 という表現は無い。
例文: 天気は晴れです。 (Weather is fine.)
1類: EnZAA-W AOn (RI). エンザーワ アオン (リ)
2類: EnZAA-W (RI) AOn. エンザーワ (リ) アオン
<注> AOn だけでは唐突すぎるという場合は上のように、「天気は」 という主語を書き出せばよい。
簡単な SCV(2類は SVC) の文で、時制が現在なら、コピュラ動詞の RI は省略してよい。
例文: 今日は晴れです。 (It is fine today.)
1類: AAJI, AOn (RI). アージ アオン (リ)
2類: AAJI, (RI) AOn. アージ (リ) アオン
<注> AAJI は、今日。
例文: 昨日は雨だった。 (It was rainy yesterday.)
1類: HTES, LOOn RI-T. フテス ローン リタ
2類: HTES, RI-T LOOn. フテス リタ ローン
<注> HTES は昨日、LOOn は雨 (LOOn は名詞兼形容詞)。 過去形だからコピュラの RI は省略でき
ないが、時制を示す HTES があるので、将来は省略されるかも知れない (redundancy を避ける) 。
例文: 昨日は雨が降った。 (Rains fell yesterday.)
1類: HTES, LOOnZ-T. フテス ローンズタ
2類: HTES, LOOnZ-T.
<注> LOOnZ-T は、LOOn から派生した自動詞 LOOnZ の過去形。 原文は 「雨が降った」 と
動詞が使われているので、LOOn より自動詞 LOOnZ-T にした方が良いだろう。
例文: 雨が降りだした。 (Rains started to fall.)
1類: LOOn-W GAAnZ < ASBIZ-T ローンズワ ガーンズ ン アスビズタ
2類: LOOn-W ASBIZ-T > GAAnZ ローンズワ アスビズタ ン ガーンズ
<注> LOOn は雨。 GAAnZ は落ちる、落下する。 ASBIZ は始まる (英語の start )。
記号 < と > は 結合助詞で ン と読む。 特定動詞 GAAnZ (fall) と
不定動詞 ASBIZ (start) を
結び付ける結合助詞で、次のホームページ10号で詳しく学びます。
例文: 明日は雨だろう。 (It will be rainy tomorrow.)
1類: BUKAS, LOOn RI-R. プーカス ローン リレ
2類: BUKAS, RI-R LOOn. ブーカス リレ ローン
<注> BUKAS は明日。 未来形なので RI を省略できないが、BUKAS が有って誤解の心配は
無いから、将来は RI-R は省略されるようになるかも知れない (redundancy を避ける)。
例文: 明日は雨が降るだろう。
1類: BUKAS, LOOnZ-R. ブーカス ローンズレ
2類: BUKAS, LOOnZ-R.
<注> LOOnZ-R は、LOOn から派生した自動詞 LOOnZ の未来形。
明日、大気中の水蒸気は雨となって降るだろう、の意。
例文: 夜、雪が降るかも知れない。
1類: Ny'I, GIME LOOSZ. ニュイ ギメ ロースズ
2類: Ny'I, GIME LOOSZ.
<注> Ny'I ニュイ は 夜 (night)。 Ny・I と書くのだが、英語キーには「 ・」 がないので Ny'I でも良い。
GIME は助動詞で、〜かも知れない (英語の may)。 LOOSZ は LOOS から派生した自動詞で、
雪が降る。 ひょっとしたら、という場合は GIME よりも GIVOI (might) を使う。 以下の表現も可。
1類: Ny'I, LOOSZ-R.
ニュイ ロースズレ
2類: Ny'I, LOOSZ-R.
動詞の語尾に付いた -R は未来時制を表す。 -R で レ と読む。
可能性がある程度高い時は KAPRO (副詞で、「多分」 の意、英語の probably ) を使う方が良い。
1類: Ny'I, KAPRO, LOOS. ニュイ カプロ ロース
2類: Ny'I, KAPRO, LOOS.
例文: 去年の今日は雪だった。
1類: HTES SAAL UB AAJI-W LOOS RI-T. フテス サール ウブ アージワ ロース リタ
2類: AAJI-W UBL HTES SAAL RI-T LOOS. アージワ ウブル フテス サール リタ ロース
<注> HTES SAAL は、去年。 UB (2類は UBL) は修飾詞で英語なら前置詞 of。
1類: HTES SAAL'Z AAJI-W LOOS RI-T. フテス サールズ アージワ ロース リタ
2類: HTES SAAL'Z AAJI-W RI-T LOOS. フテス サールズ アージワ リタ ロース
<注> 修飾詞 UB (UBL) を使わないで、 所属や所有を表す 〜'Z (〜の) を使った表現。
例文: 一週間前の 5月20日は 雨だった。 (注) 今日は5月27日ということ。
1類: 1WIIK WAGO 5YE 20NE, LOOn RI-T. ワン ウィーク ワゴー リマイェ ニティオネ ローン リタ
2類: 1WIIK WAGO 5YE 20NE, RI-T LOOn. ワン ウィーク ワゴー リマイェ ニティオネ リタ ローン
<注> WAGO は、〜前 (英語の ago) で今現在を基準にして言う。
IUEB (before) も 〜前、の意だが、今現在を基準にするとは限らない。
例文: もう三日間、雨だ。
1類: TARED 3NE KAn, LOOn. タレドゥ サムネ カン ローン
2類: TARED 3NE KAn, LOOn.
<注> TARED は副詞で、もう、もう既に。 KAn は期間を表す。
LOOn-W として、その後に自動詞 UKOAZ (続く) を置いても良い。
例文: 明日の天気は何 だろう。
1類: ? BUKAS EnZAA-W HA RI-R. エ ブーカス エンザーワ ハ リレ
2類: ? BUKAS EnZAA-W RI-R HA. エ ブーカス エンザーワ リレ ハ
<注> HA は疑問詞で、何 (英語の what )。 このような簡単な文では HA-E としなくても良い。
HA の代わりに HANA も可。 又、Hy ヒュ (how) も可。 未来時制なので RI を省略
することは出来ない (出来るのは現在形の場合だけ)。 親しい者同士の会話では以下の
短縮表現も可。
1類: ? BUKAS EnZAA. エ ブーカス エンザー
2類: ? BUKAS EnZAA.
例文: 明後日の天気がどうだろうと私は行くだろう。
1類: 2BUKAS NRA EnZAA, SE ITU-R. ニ ブーカス ヌラ エンザー セ イトゥーレ
2類: 2BUKAS NRA EnZAA, SE ITU-R.
<注> 2BUKAS は、明後日。 NRA は、「どんな〜であろうと」 を表す大変便利な譲歩助詞で、
ホームページ11号で学ぶ。 ITU は、行く。 未来時制なので動詞の語尾に -R レ が付く。
7−4. 敬称
最後に、敬称についてざっとご案内します。 人名に付ける 「敬称」 は、男性は MAAR. (マール と読む)
で、
女性は DAAS.(ダース と読む) だが、普通はこれ等を縮めて MR. や DS. と書く。 縮めても読み方
は同じで、マール、 ダース 。 男女とも未婚、既婚の区別をしない。 完全な(綴りも発音も)ノシロ表記をする
ときは、MR. や DS. の代わりに、 MR, や DS, を使うが大抵は、 MR. や DS. で間に合う。
姓名は、姓名の順に書く。 ミドル名を書き出す場合は、姓 ミドル名 名 という順になる。 名前の書き方は、
この後の、 8 )代名詞 の中の 8−8.人名と敬称 でもう一度学びます。
8)
代 名 詞 だいめいし
人称代名詞、再帰代名詞、所有代名詞、指示代名詞、不定代名詞、否定代名詞を順に紹介します。 日本語には
否定代名詞を使う表現が殆ど無いのでとっつき難いかもしれない。 否定代名詞を使わなくても、別の表現で同じ
意味を表せますが、外国人は時々この否定代名詞を使うし、文を短くする効果もあるので慣れておきましょう。
(注) 代名詞はノシロ文法と一体化した基本単語だから部首は一切ない。
8−1. 人称代名詞
人称代名詞は、単数、複数を区別する (複数形は、単数形に N ヌ を付けるだけ)。 名詞節 (主節、目的節、
補節になる) の中で使われる時の人称代名詞を以下に示す。 形容詞節 と 副詞節 (即ち、修飾節) の中では、
補語を示す −E エ が −Q エチュ に変わる。 又、目的語を示す −O オ も −L オル に変わる。
主語 と 所有 の形は、名詞節の中でも形容詞節や副詞節の中でも同じ。 尚、人称代名詞と疑問詞の主語には、
要素助詞 −W ワ は付けない(一般の名詞が主語になるときだけ −W を付ける)。
(注) 補語を示す要素助詞 −E エ と −Q エチュ はしばしば省略される (複雑で長い文章を
書く場合は、自分の頭を整理したり、読み手の理解を助けるために付けることがある) が、
目的語を示す −O オ と −L オル はどんな場合も省略されない。
単数
人称代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称 (私) 英語の I |
SE セ 私は |
SEI セイ 私の |
SE−E セエ 私 |
SE−O セオ 私を |
二人称 (あなた) You |
ME メ あなたは |
MEI メイ あなたの |
ME−E メエ あなた |
ME−O メオ あなたを |
三人称 (彼人) the person |
FE フェ 彼人は |
FEI フェイ 彼人の |
FE−E フェエ 彼人 |
FE−O フェオ 彼人を |
(彼) He |
MAFE マフェ 彼は |
MAFEI マフェイ 彼の |
MAFE−E マフェエ 彼 |
MAFE−O マフェオ 彼を |
(彼女) She |
DAFE ダフェ 彼女は |
DAFEI ダフェイ 彼女の |
DAFE−E ダフェエ 彼女 |
DAFE−O ダフェオ 彼女を |
(誰か) One |
JE ジェ 誰かは |
JEI ジェイ 誰かの |
JE−E ジェエ 誰か |
JE−O ジェオ 誰かを |
(それ) It |
TE テ それは |
TEI テイ それの |
TE−E テエ それ |
TE−O テオ それを |
(注1) FE 彼人 (かのひと) は、男性か女性かを問題にしない表現。 英語なら the person である。
(注2) TE は英語の It にあたるもので人称代名詞とはいえないが、慣習に便乗して SE、ME 等
と一緒に説明しています。
複数
人称代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称(私達、我々) We |
SEN セヌ 私達は |
SENI セニ 私達の |
SEN−E セヌエ 私達 |
SEN−O セヌオ 私達を |
二人称(あなた達) You |
MEN メヌ | MENI メニ | MEN−E メヌエ | MEN−O メヌオ |
三人称(彼人達) They |
FEN フェヌ | FENI フェニ | FEN−E フェヌエ | FEN−O フェヌオ |
(彼等) They |
MAFEN マフェヌ | MAFENI マフェニ | MAFEN−E マフェヌエ | MAFEN−O マフェヌオ |
(彼女等) They |
DAFEN ダフェヌ | DAFENI ダフェニ | DAFEN−E ダフェヌエ | DAFEN−O ダフェヌオ |
(誰か達) They |
JEN ジェヌ | JENI ジェニ | JEN−E ジェヌエ | JEN−O ジェヌオ |
(それ等) They |
TEN テヌ | TENI テニ | TEN−E テヌエ | TEN−O テヌオ |
(注) JE と JEN は、人物を特定する必要がない時や、特定できない時に使うが、疑問とは異なる。 疑問が
ある時は、 HU (フー、誰?) や HA (ハ、何?) を使う。 尚、「どんな人でも」 や 「どんな物でも」
の 「どんな」
にあたる語は、 ENII エニー (英語の any と同じ)
である。 上表で二人称以下は意味の記述を省略。
8−2. 人称再帰代名詞
単数
人称再帰代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称(私自身) | SEL セル 私自身は |
SELI セリ 私自身の |
SEL−E セルエ 私自身 |
SEL−O セルオ 私自身を |
二人称(あなた自身) | MEL メル | MELI メリ | MEL−E メルエ | MEL−O メルオ |
三人称 (彼人自身) (彼自身) (彼女自身) (誰か自身) (それ自身) |
FEL フェル MAFEL マフェル DAFEL ダフェル JEL ジェル TEL テル |
FELI フェリ MAFELI マフェリ DAFELI ダフェリ JELI ジェリ TELI テリ |
FEL−E フェルエ MAFEL-E マフェルエ DAFEL-E ダフェルエ JEL−E ジェルエ TEL−E テルエ |
FEL−O フェルオ MAFEL-O マフェルオ DAFEL-O ダフェルオ JEL−O ジェルオ TEL−O テルオ |
複数
人称再帰代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称(私達自身) | SENL セヌル 私達自身は |
SENLI セヌリ 私達自身の |
SENL−E セヌルエ 私達自身 |
SENL−O セヌルオ 私達自身を |
二人称(あなた達自) | MENL メヌル | MENLI メヌリ | MENL−E メヌルエ | MENL−O メヌルオ |
三人称 (彼等自身) (彼等自身) (彼女等自身) (誰か達自身) (それ等自身) |
FENL フェヌル MAFENL マフェヌル DAFENL ダフェヌル JENL ジェヌル TENL テヌル |
FENLI フェヌリ MAFENLI DAFENLI JENLI TENLI |
FENL−E フェヌルエ MAFENL−E DEFENL−E JENL−E TENL−E |
FENL−O フェヌルオ MAFENL−O DAFENL−O JENL−O TENL−O |
(注) 二人称以下は意味の記述を省略してある。 主語には −W を付けない。
8−3. 人称所有代名詞
ここでは主語として使う場合だけを示す。
人称所有代名詞 | 単主語 | 複主語 |
一人称 | SEM セム 私のもの | SENM セヌム 我々のもの |
二人称 | MEM メム あなたのもの | MENM メヌム あなた方のもの |
三人称(特定) | FEM フェム 彼人のもの MAFEM マフェム 彼のもの DAFEM ダフェム 彼女のもの |
FENM フェヌム 彼人達のもの MAFENM マフェヌム 彼等のもの DAFENM ダフェヌム 彼女等のもの |
三人称(不定) | JEM ジェム 誰かのもの | JENM ジェヌム 誰か達のもの |
三人称(人以外) | TEM テム それのもの | TENM テヌム それ等のもの |
(注) 主語には −W を付けない。
8−4. 疑問代名詞
以下の五つだが、詳しくは ホームページ11号の 5) 疑問詞 で学びます。 HU は フ ではなく 「フー」 と伸ばす。
HA ハ - - - 何 (英語の What)
HI ヒ - - - どちら (Which)
HU フー - - - 誰 (Who)
HE ヘ - - - いつ (When)
HO ホ - - - 何処 (Where)
(注) HA、HI、HU、HE、HO が主語になるときも、主語であることを示す要素助詞 −W を付けない。
これ等は数が少ない (8−1 から 8−4 までだが、使用頻度の高いのは 8−1 と 8−4 で、
8−2 と 8−3 は殆ど使わない) ので直ぐに覚えられるでしょう。 一度覚えてしまうといちいち
主語を示す −W を付けるのが、反って億劫になってきます。 念のために 8−1 は、 SE、ME、FE、
MAFE、DAFE、JE、TE とその複数形 (SEN、MEN、FEN ...... 等。 複数形は語尾に N が付くだけ)。
そして 8−4 は、 HA、HI、HU、HE、HO だけです。 覚え方は、「セメフェジェテ と その複数形 と
ハヒフーヘホ には -W を付けない」 です。 尚、HA、HI、HU、HE、HO は複数形なし (単複同形)。
この5語の意味は、語呂合わせで、「なんどだいどころ」(納戸、台所)などと覚えれば良いでしょう。
「なん」 は何、「ど」 はどちら、「だ」 は誰、「い」 はいつ、「どころ」 は何処です。
以下 (8−5 〜 8−8 まで) は主語になるとき、主語であることを示す要素助詞 −W が付く。
8−5. 指示代名詞
TO ト −−− これ (英語の this)
BOI ボイ −−− それ、 あれ (that)
SEIM セイム −−− 同じもの (the same)
SOQI ソチ −−− そのようなもの、そんなもの (such)
(注) 「あれ」 専用の指示代名詞というのはなく、BOI で 「あれ」、「それ」兼用する。 これ等を文の主語
にするときは、要素助詞の -W を付ける。 -O (又は -L ) や -E (又は -Q) も勿論付ける。
以下の 不定代名詞 や 否定代名詞 の場合も同様。 主語に -W を付けなくてよいのは、8−4
疑問代名詞 まで。
8−6. 不定代名詞
OOL オール −−− 総て (英語の all )
ANO アノ −−− 別のもの (another)
ANOn アノン −−− 別のもの、人 (物、人どちらにも可)
IIQI イーチ −−− 何々の一つ (each)
IILA イーラ −−− どちらか一つ (either)
UUBO ウーボ −−− 両方 (both)
XAO シャオ −−− 少量、少数 (some)
MUQ ムーチュ −−− 多量、多数 (many, much)
MST ムストゥ −−− 大部分、殆ど (most)
(注) 文の主語にするときは、 -W を付ける。 -O (-L) や -E (-Q) は勿論付ける。
8−7. 否定代名詞
NAIDE ナイデ −−− どちらもない (英語の Neither)
NAIT ナイトゥ −−− 全くない (none)
NATIn ナティン −−− 何もない (nothing)
NAIJE ナイジェ −−− 誰もない (no one)
NAWEA ナウェア −−− 何処にもない (nowhere)
(注) 文の主語にするときは、 -W を付ける。 -O (-L) や -E (-Q) も勿論付ける。
8−8. 人名と敬称
人名に付ける敬称は、男性は MAAR.(マール 又は マー[r ]
と読む) で、女性は DAAS.(ダース 又は
ダー[s]) だが、普通はこれ等を MR. や DS. と書く。 短縮しても読み方は不変で、マール、ダース であ
る。 男女とも未婚、既婚の区別をしない。 姓名の順に書く。 ミドル名を書き出すときは、姓 ミドル名 名 という
順になる。 尚、原語の文字よりもノシロ発音を優先して表記する場合は MR. と DS. を MR, と DS, に
直す。 こうしても読み方はやはり マール、 ダース である。 以下の表に示した表記は総てノシロ表記であるが、
当分の間は各欄の左上の表記が無難でしょう (即ち MR.MIZUTA Sentaro や DS.YUKAWA Mariko
の方が MR, MIZTA SEnTAROO より通り易い)。 人名が主語になるときは要素助詞の −W が付く。
ノシロ表記 | 原語表記 | 注意 |
MR. MIZUTA Sentaro MR. 水田扇太郎 MR, MIZTA SEnTAROO |
水田扇太郎様 | 左上は英米人にミズタセンタロー と読んでもらう為の書き方で、英 語至上主義の現状とノシロ語の 妥協表記。左中は原語を尊重した 表記。左下は純粋のノシロ表記。 |
DS. YUKAWA Mariko DS. 湯川まり子 DS, YKAWA MARIKO |
湯川まり子様 | 左上は英米人にユカワマリコと読 んでもらう為の書き方で世界の現 状に妥協した書き方。左中は原語 (母語)を尊重した表記。左下は発 音優先の正式なノシロ表記。 |
DS. YUKAWA KOBAYASHI Mariko DS. 湯川小林まり子 DS, YKAWA KOBAYAXI MARIKO |
湯川小林まり子様 | 両親の姓を表記する場合は姓を 並べるだけ。湯川、小林のいずれ を先に書くかは両親に決めてもらう。 |
MR. BROWN B Thomas MR, BRAUn B− TOOMAS |
Mr. Thomas B. Brown | 左上は英語に妥協したノシロ表記。 左下は発音優先の正式なノシロ 表記。 |
DS. SMITH A. Mary DS, SMIS A− MERII |
Ms. Mary A. Smith | 左上は英語に妥協したノシロ表記。 左下は発音優先の正式なノシロ 表記。 |
(注) MIZUTA という書き方は、現在のパスポート等に記入するときの表記で、日本語の発音をローマ字で
表わす場合に妥協的、慣習的に行われている書き方である。 ノシロ語の正しい表記は MIZTA である。
尚、ノシロには、英語の th音 は無く、 [s] 音をあてるので、SMITH のノシロ式発音は [smis]、又は
[sumisu] になる。 又、SENTAROO だと センタロー ではなく セヌタロー と読むことになる。
(注) 敬語表現 (尊敬語) は ホームページ15号 の最後に学びます。
ホームページ 9号 は これで 終わり です。 最後までお読み下さって 本当に有難う ございます。
次の ホームページ10号では、動詞、助動詞、準動詞をご案内する予定です。 皆様どうぞお元気に!
水田扇太郎