文 法 要 覧 V 3.2
(令和 5年
5月 8日)
この要覧は、ノシロ語の講義をして下さる先生方の参考資料になるように、又、学生の皆さんが試験直前の整理
をする際にも役立つものにしたい、と思って作りました。 2級に合格するのに十分な量です。 より良い内容にして
行く為に、先生方や学生の皆さんのご批判、ご意見、ご希望をメール等でお知らせ頂ければ大変ありがたいです。
尚、独習者の方は、先に 「2時間で速習」 をお読みになってから、この頁をお読み頂く方が解り易いでしょう。
(注) 文中の斜体字 は標準単語 (国際標準単語)。 標準単語は英語や日本語等に置き換え可。
1) ノシロ語とは
SOV 文型 と SVO 文型 の双方を標準文型とする互換性二様式共立型の人工国際言語。 ノシロを使えば世界
の96%以上の人々が母国語の語順と同じかそれに近い語順で対話できる。 文法と一体化した 基本単語 意外は、
英単語、日本語の単語等をいくらでも取り込むことができるので、日常会話から最先端の学術論文や国際条約文
まで難なく処理できる 「21世紀の国際言語」 である。 VSO 文型も基本はほぼ完成。
2) ノシロ語の基本形 (モード)
● 文の要素 と その配列 (5文型)
主語、動詞、補語、目的語を文の要素という。 主語、補語、目的語は、夫々、主節、補節、目的節 になることもある。
1類 と 2類 では主語以下の要素の語順が正反対 (幾何対称) になっている。 従い、文の要素の位置を機械的に
変えるだけで、 1類 の文は直ちに 2類 の文に、 2類 の文は 1類 の文に変わる。
1類: SV, SCV, SOV, S(OaOb)V, S(OC)V
2類: SV, SVC, SVO, SV(OaOb), SV(OC)
5文型の例文を見よう。
★ SV (1、2類同形)
私は走る。
1類: SE RyU。
2類: SE RyU.
★ SCV (2類は SVC)
その家は大きいです。
1類: BOI BIIUS-W AUB (RI)。
2類: BOI BIIUS-W (RI) AUB.
(注) SCV 文型で RI 動詞 (英語の be 動詞) の時制が 現在 の場合は省略可 (過去や未来はダメ)。
★ SOV (2類は SVO)
私はあなたを愛する。
1類: SE ME-O APLOS。
2類: SE APLOS ME-O.
★ S(OaOb)V (2類は SV(OaOb))
私はその人に化学の本をあげた。
Oa Ob
1類: SE FE-O EQMII BEEK-O APIS-T。
2類: SE APIS-T FE-O EQMII BEEK-O.
修飾詞 UT (UTL) を使えば、
1類: SE FE UT EQMII BEEK-O APIS-T。
2類: SE APIS-T EQMII BEEK-O UTL FE.
以下は、始点 (SE 私) と終着点 (FE-O その人) を、一まとめ (下線) にして前に出す表現。
1類: SE FE UT EQMII BEEK-O APIS-T。
2類: SE UTL FE APIS-T EQMII BEEK-O.
★ S(OC)V (2類は SV(OC))
C が形容詞の場合
彼はその部屋をきれいに保つ。
1類: MAFE BOI room-O clean-E keep。
2類: MAFE keep BOI room-O clean-E.
room を原型 (-O を除いた形が原形) にすると、以下のように clean に付けた -E も要らなくなる。
1類: MAFE BOI room clean keep。
2類: MAFE keep BOI room clean.
上例では、部屋、綺麗、保つ、に英単語 room, clean, keep を利用したが (これも完全なノシロ文)、国際標準単語なら、
それぞれ TOM、AOBI、UKEE となる。
C が名詞の場合
両親は彼らの娘を医者にする。
1類: Parent-W FEI daughter-O doctor-E BLE。
2類: Parent-W BLE FEI daughter-O doctor-E.
使役動詞の BLE を援用している。 以下の如く daughter を原型 (-O がない) にすれば、-E も削除できる。
1類: Parent-W daughter doctor BLE。
2類: Parent-W BLE daughter doctor.
C が動詞の場合
我々は彼が歌っているのを聞く。
1類: SEN DAFE sing-In hear。
2類: SEN hear DAFE sing-In.
先生は学生を立たせたままにしている。
1類: Teacher-W student stand-In keep。
2類: Teacher-W keep student stand-In.
以下の如く BLE を使うことも可。
1類: Teacher-W student stand-In BLE。
2類: Teacher-W BLE student stand-In.
● 修飾語、修飾句、修飾節の位置
一般に、要素だけからなる文というのは少なく、大抵は要素に修飾語や修飾句や修飾節が掛って出来ている。
その修飾語、 修飾句、 修飾節 の位置は以下のとおり。 (注) 修飾語、句、節 に下線。
■ 修飾語の位置 ... 1, 2類 ともに被修飾語の前に置かれる (前から修飾)。
1類: 修飾語 + 被修飾語 (例) 白い 家
2類: 修飾語 + 被修飾語 (例) white house
■ 修飾句の位置 ... 1類は前から 「箱」 を修飾、 2類は後ろから 「box」 を修飾する。
1類: 修飾句 + 被修飾語 (例) リボン IZ 箱 (リボン付きの箱)
2類: 被修飾語 + 修飾句 (例) box IZL ribbon (box with ribbon)
■ 修飾節の位置 ... 1類は前から修飾、 2類は後ろから修飾する。
1類: 修飾節 + 被修飾語
2類: 被修飾語 + 修飾節
修飾節というのは 形容詞節 又は 副詞節 のいずれか。 被修飾語 (修飾される語) は、名詞、動詞、形容詞、
又は副詞だが、名詞や動詞であることが多い。 「2時間速習」 で用いた例文を以下に再掲します。
1類: Personal computer−L EDIAS−In Ky REn (パソコンを 勉強している ところの 人)
2類: REn Ky EDIAS−In personal computer−L (person who is studying PC)
(注) EDIAS は「勉強する」。 斜体にしてあるのは標準単語 (国際標準単語) であることを示すためで、
EDIAS の代わりに、英語の study や、日本語の 勉強する をあてても良い (他の何語でもよい)。
3) ノシロ語の品詞
ノシロ語には、名詞、代名詞、動詞、助動詞、準動詞、形容詞、副詞、修飾詞、構成詞、節理詞、助詞、自然詞がある。
(注) 疑問詞は、形容詞、副詞、助詞などに属するが、説明の便宜上 「疑問詞」 として一まとめにして扱うことが多い。
4) 名詞
国際標準単語の一般名詞は殆どが部首を有するので、その部首から大凡の意味を推定できる (部首を持たない名詞の
代表は、1,2 ...等の数詞や、月、日、正午といった時に関するもの)。
非物質名詞は四つの母音字 (A, I, U, E のいずれか) で始まり、物質名詞は子音字で始まる。 単数も複数も同じ形。
数を明示したいときは数詞を名詞の前に置く。 複数であることを示したいときは PLU (プルー、複数の) や SOM
(ソム、幾つかの) や MUQ (ムーチュ、多数量の、多数の) を名詞の前に置く (名詞本体の形は変わらない)。
性による区別はない、つまり男性名詞、女性名詞、中性名詞などの区別は一切ない。 冠詞 (英語の a, the ) もない。
必要に応じて指示形容詞 TO (ト、この) や BOI (ボイ、その) 等を名詞の前に置く。
名詞が主語になるときは、名詞の語尾に −W を付ける。 名詞が目的語になるときは語尾に −O を付ける。 但し、
修飾節 (形容詞節 か 副詞節) の中で目的語になるときは −L を付ける。 名詞が補語になるときは −E を付ける。
但し修飾節の中で補語になるときは -Q を付ける。 SCV や SVC 型の文で、時制が現在で、しかも簡単な文の
場合は −E と −Q は省略可。
数の読み方は以下のとおり。
数字 | 綴り | 読み方 | 参考にした言語 |
0 | XUNyA | シューニャ | サンスクリット語 ヒンディー語 |
1 | WAn | ワン | 英語 |
2 | NI | ニ | 日本 |
3 | SAM | サム | 朝鮮 |
4 | SII | スィー | タイ |
5 | LIMA | リマ | マレーシア |
6 | ZEKS | ゼクス | ドイツ |
7 | SABAA | サバー | アラビア |
8 | WIT | ウィトゥ | フランス |
9 | KOO | コー | ビルマ |
10 | TIO | ティオ | スウェーデン |
100 | STO | スト | ロシア |
1000 | MILA | ミラ | イタリア |
10000 | MAn | マン | 日本 |
億 | OK | オク | 韓国 |
兆 | TERA | テラ | ギリシャ |
京 | JIn | ジン | 中国 |
(注) これまで 9 は英語の Nine を採用していましたが、否定語 NAI の強調形 NAIn と重なるので、
ビルマ語の KOO に置き替えます (2004.02.25)。
(注) これまで 1 は中国語の 一 ( II イー ) をあてていましたが、 I, II, III ....
と表記する場合に紛らわしく
なるので英語の One (WAn ワン) に換えます (2005.04.16)。
(注) 兆 (ちょう) は韓国語 QO からギリシャ語 TERA に変え、京 (けい) も韓国語 KyOn から中国語 JIn に
変えます。 韓国語が多過ぎるという批判を考慮しました。 (2010. 08. 31)
例えば、
5.3 は、 リマ テン サム と読む。
20.19 は、 ニティオ テン ワンコー
2/3 は、 ニ フェン サム
時 ... XI シ (韓国語から)
分 ... NAATI ナーティ (タイ語)
秒 ... MyO ミョ (中国語)
間 ... KAn カン (日本語)
午前7時20分は、 7 XI 20 NAATI サバー シ ニティオ ナーティ と読む。
午後3時35分は、 15 XI 35 NAATI ティオリマ シ サムティオリマ ナーティ
2時間10分40秒は、 2 XI KAn 10 NAATI 40 MyO ニ シ カン ティオ ナーティ スィーティオ ミョ
5) 代名詞
代名詞の中で最も重要なのは、人称代名詞 と 指示代名詞 である。 指示代名詞 は二つしかないので先ずその二つ、
TO (ト、これ) と BOI (ボイ、それ) を覚えてしまおう。 複数形は TON トヌ, BOIN ボイヌ。
(注) TO (ト、これ、this) と BOI (ボイ、それ、that) は、指示代名詞であると共に、指示形容詞でもある。
次に 人称代名詞 を覚えよう。
単数形
人称代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称(私) | SE セ | SEI セイ | SE-E セエ (SE-Q セエチュ) |
SE-O セオ (SE-L セオル) |
二人称(あなた) | ME メ | MEI メイ | ME-E メエ (ME-Q) メエチュ |
ME-O メオ (ME-L) メオル |
三人称(かの人) (彼) (彼女) |
FE フェ DAFE MAFE |
FEI フェイ DAFEI MAFEI |
FE-E (FE-Q) フェエ DAFE-E (DAFE-Q) MAFE-E (MAFE-Q) |
FE-O (FE-L) フェオ DAFE-O (DAFE-L) MAFE-O (MAFE-L) |
三人称(だれ) | JE ジェ | JEI ジェイ | JE-E ジェエ (JE-Q ジェエチュ) |
JE-O ジェオ (JE-L ジェオル) |
三人称(それ) | TE テ | TEI テイ | TE-E テエ (TE-Q テエチュ) |
TE-O テオ (TE-L テオル) |
(注) ノシロ語では、名詞は常に単・複同形だが、人称代名詞は、単数、複数を区別する。
(注) DAFE ダフェ は彼、MAFE マフェ は彼女。 FE は 「かの人」、「その人」 で性情報がない言い方。
表中の ( ) は修飾節中での表記を示す。
(注) 人称代名詞の主格には -W を付けない(名詞なら付けるが)。 -E と -O は名詞節の中でのみ
使われ、-Q (チュではなく エチュ と読む) や -L (ルではなく オル と読む) は修飾節の中でのみ
使われる。名詞節 は 主節 や 目的節 や 補節 になり、形容詞節 と 副詞節 は 修飾節 になる。
目的語を示す -O オ (名詞節中で) と -L オル (修飾節中で) は省略されることはないが、補語
を示す -E エ (名詞節中で) と -Q エチュ (修飾節中で) は、長く複雑な文の中でしか付けない。
これは以下に示す複数の場合も同じ。
複数形 単数形の後に N ヌ を付けると複数形になる (以下)。
人称代名詞 | 主語 | 所有 | 補語 | 目的語 |
一人称(私達、我々) | SEN セヌ | SENI セニ | SEN-E セヌエ (SEN-Q セヌエチュ) |
SEN-O セヌオ (SEN-L セヌオル) |
二人称(あなた達) | MEN メヌ | MENI メニ | MEN-E メヌエ (MEN-Q メヌエチュ) |
MEN-O メヌオ (MEN-L メヌオル) |
三人称(かの人達) (彼等) (彼女等) |
FEN フェヌ DAFEN MAFEN |
FENI フェニ DAFENI MAFEIN |
FEN-E フェヌエ (FEN-Q フェヌエチュ) DAFEN-E (DAFEN-Q) MAFEN-E (MAFEN-Q) |
FEN-O フェヌオ (FEN-L フェヌオル) DAFEN-O (DAFEN-L) MAFEN-O (MAFEN-L) |
三人称(だれか達) | JEN ジェヌ | JENI ジェニ | JEN-E ジェヌエ (JEN-Q ジェヌエチュ) |
JEN-O ジェヌオ (JEN-L ジェヌオル) |
三人称(それ等) | TEN テヌ | TENI テニ | TEN-E テヌエ (TEN-Q テヌエチュ) |
TEN-O テヌオ (TEN-L テヌオル) |
6) 疑問詞
疑問詞は、疑問代名詞、疑問動詞、疑問形容詞、疑問副詞、疑問助詞等の総称 (この分類を一々覚える必要はない)。
疑問文には、真偽を問うだけの疑問文と、説明を求める疑問文とがある。 いずれの場合も先ず文頭に ? エスク を置く。
真偽を問う疑問文は、文頭に ? を置くだけで完成してしまうが、説明を求める疑問文では
「知りたいこと」 を以下の
疑問詞に置き換えたり、「知りたいこと」 を示す語の前に以下の疑問詞を置く必要がある。 会話では文末を少し上げる。
又、会話では文頭の ? を エスク ではなく、単に エ と発音しても良い (エスクは長いので)。
疑問代名詞 (主語) |
(所有形) |
(補語) |
(目的語) |
疑問動詞 |
疑問形容詞 |
疑問副詞 |
疑問助詞 |
節理詞 |
English |
HA 何が |
HAI what |
HA-E What |
HA-O What |
HAS do what |
HANA What |
what | |||
HI どちら |
HII which |
HI-E Which |
HI-O Which |
HIS do which |
HINA Which |
HILI Which |
which | ||
HU 誰(だれ)が |
HUI whom |
HU-E Whom |
HU-O Whom |
who | |||||
HE 何時(いつ)が |
HEI when |
HE-E When |
HE-O When |
HENA 何時の |
HELI 何時に |
EEA | when | ||
HO 何処(どこ)が |
HOI where |
HO-E Where |
HO-O Where |
HONA 何処の |
HOLI 何処で |
AAT | where | ||
HyAA Why (なぜ) |
HyA why (なぜ) |
IID | why (理由) | ||||||
Hy どれ程が |
HyI How much |
Hy-E How much |
Hy-O How much |
HyNA どれ程の |
HyLI どれ程に |
how (状況、程度) |
|||
HyE どのようにが |
HyEI How |
HyE-E How |
HyE-O How |
HyELI どのように |
how (方法) |
(注) 人称代名詞と疑問詞が主語になる場合は、主語に要素詞 (要素助詞) −W を付けない。
(注) HANA ハナ の守備範囲は広い。 HyA ヒャ は、 ピンポイントで理由を尋ねることができる便利な
疑問助詞である。 文全体を修飾したいときは、HyA は使わず、文頭に HyAA ヒャー を置く。
HyE ヒェ は、方法を尋ねるもので、「どのように」、「どんな手順で」 の意。
7) 動詞 (時制、進行形、受動態)
代動詞の DU ドゥー (英語の do に相当) を例にして、時制、進行、態、をまとめてみよう。
過去 | 現在 | 未来 | |
基本形 | DU−T ドゥータ した |
DU ドゥー する |
DU−R ドゥーレ するだろう |
進行形 | DU−TIn ドゥータイン していた |
DU−In ドゥーイン している |
DU−RIn ドゥーレイン しているだろう |
受動態 | DU−TZE ドゥータゼ された |
DU−ZE ドゥーゼ される |
DU−RZE ドゥーレゼ されるだろう |
進行受動態 | DU−TInZE ドゥータインゼ されていた |
DU−InZE ドゥーインゼ されている |
DU−RInZE ドゥーレインゼ されているだろう |
使役動詞には、 BLE ブレ ( ... に 〜 させる) と 丁寧な使役の BLU ブルー ( ...に 〜 して頂く、 〜してもらう )
がある。 LEEN レーヌ は、「そのまま認める、 自由にさせておく」 意で、使役動詞ではない (英語では
leave、let に近い)。
ノシロ文法 V2.5 では 「受け身動詞 GH グフ」 が加わった(英語では get + O + done で使役扱いだが意味は受け身)。
BLE や GH を使う文を復習しておこう。
例文: 先生は生徒に勉強させた(能動文)。
1類: 先生-W 生徒 勉強する BLE-T。
2類: Teacher-W BLE-T student study.
(S) (V) (O) (C)
<注> SOCV (SVOC) 文型で、OC が 意味上 S2V2 になっているから、O に -O を
付けなくてよい (即ち、生徒-O としなくてよい)。
これを受け身にすると、(ついでに受け身の復習もしちゃおう)
例文: 生徒は先生に勉強させられた。
1類: 生徒-W 先生 AY 勉強する BLE-TZE。
2類: Student-W BLE-TZE study AYL teacher.
<注> 1類で、「先生 AY」 を BLE-TZE の直前に置くことも可能。
続いて、数学という目的語を含む文。
例文: 先生は生徒に数学を勉強させた(能動文)。
1類: 例文: 先生-W 生徒 数学-O 勉強する BLE-T。
2類: Teacher-W BLE-T student study mathematics-O.
(S) (V) (O) (C)
<注> math は study の目的語なので、目的語を示すための -O は落とせない。
例文: 私はカメラを強奪された。
1類: SE camera 強奪する-ZE GH-T。 私はカメラを強奪された。
(S)(O) (C) (V)
2類: SE GH-T camera rob-ZE. I had my camera
robbed.
(S)(V) (O) (C)
例文: 私はパスポートを更新してもらった。
1類: SE passport 更新する-ZE GH-T。
2類: SE GH-T passport renew-ZE.
<注> この場合は、他者の悪意などではなく自分で望んでいる。 即ち、この文は
受け身と使役が半々だから、使役動詞 BLE を使って書くこともできる。
8) 助動詞
動詞の直前に来て動詞を修飾する。 英語の can、 may、 must 等にあたるものだが、ノシロ語の助動詞は英語
よりも種類が少し多い。 主な助動詞18語を以下に示す (ホームページ10号には全26語が出ている)。
助動詞 | 読み方 | 意味 | 相当する英語 |
GIKA | ギカ | 〜してもよい | may |
GIKI | ギキ | 〜した方が良い | had better do |
GIK | ギク | 〜するぞ(意思、決意) | sure to do, will |
GIKE | ギケ | 今にも〜しそう | be about to do |
GIKO | ギコ | 〜し終わったところ(完了) | have done |
GILA | ギラ | 〜したことがある(経験) | have ever done |
GILI | ギリ | 〜に違いない | must |
GILU | ギルー | ずっと 〜 している(継続) | have done |
GILE | ギレ | 喜んで〜する | glad to do |
GILO | ギロ | 思いきって〜する | dare to do |
GIMA | ギマ | 〜できる | can |
GIMI | ギミ | 〜すべき | should |
GIM | ギム | 〜せねばならない | must |
GIME | ギメ | 〜かも知れぬ | may |
GIMO | ギモ | 〜の筈 | should |
GIVA | ギ[va] | いやいや〜する | unwillingly do |
GIVI | ギ[vi] | 〜せざるを得ない | can’t help doing |
GITT | ギットゥ | 〜している(た)筈 | 仮定法の帰結文で使用 |
(注) 助動詞を二つ重ねたいときは GIME−MA ギメマ のように短縮してよい (英語の may be able to do)。
9) 準動詞
動名詞 (動詞−M ム、 動詞−D ドゥ) と 動形容詞 (動詞−K ク、 −KE ケ) の二つだけ。 動名詞 はあまりにも
簡単なので省略。 小粒ながら働き者の動形容詞 −K だけ見ておこう。 −K は名詞の前に置かれたり、日本語の
連体形のように名詞を修飾する。 つまり限定用法 (attributive use) です。 これに対して、−KE は叙述用法、つまり、
SCV (2類は SVC) や SOCV (2類は SVOC) の文中の C (補語) になる。 −KE は余り使われないだろう。
MyUS (ミュース、立ち上がる) を例にして使い方を見よう。 -K を 「〜するところの」 と訳した。
MyUS−K REn ミュースク レン 立ち上がる (ところの) 人 (注) REn は 「人」
MyUS−InK REn ミュースインク レン 立ち上がっている (ところの)
人
MyUS−TK REn ミュースタク レン 立ち上がった (ところの) 人
MyUS−TInK REn ミュースタインク レン 立ち上がっていた (ところの) 人
MyUS−RK REn ミュースレク レン 立ち上がるだろう (ところの) 人
MyUS−RInK REn ミュースレインク レン 立ち上がっているだろう (ところの) 人
「今まさに立とうとしている人」 は、 8) で学習した助動詞 GIKE ギケ を使い、GIKE MyUS-K REn
ギケ ミュースク レン とすればよい。 MyUS は自動詞 (最後の S は stand up の頭文字をとったもので
他動詞の S ではない) だが、IMS (イムス、尋ねる) のような他動詞の場合は目的語を取るかどうかで、
1類と、2類で語順が違ってくる。 即ち、1類では修飾句は 被修飾語である REn を前から修飾し、2類では
REn を後ろから修飾することになる。
1類 | 2類 |
TE−O IMS−K REn テオ イムスク レン それを尋ねる人 |
REn IMS−K TE−O |
TE−O IMS−InK REn テオ イムスインク レン それを尋ねている人 |
REn IMS−InK TE−O |
TE−O IMS−TK REn テオ イムスタク レン それを尋ねた人 |
REn IMS−TK TE−O |
TE−O IMS−RK REn テオ イムスレク レン それを尋ねるだろうところの人 |
REn IMS−RK TE−O |
10) 形容詞
名詞の前に位置して、名詞を修飾する。 英語とは異なり、ノシロ語の形容詞は、全く形を変えない。 元級 (普通の文) でも、
比較級でも、最上級でも形は全く同じ。 比較級は、形容詞の前に LEE レー (形容詞の意味を弱める) や FAA ファー
(意味を強める) を置き、最上級は、形容詞の前に LEST レストゥ (形容詞の意味を非常に弱める) や FAST ファストゥ
(意味を非常に強める) を置いて表現する。 詳しくは、ホームページ11号を参照。
11) 副詞
動詞、形容詞、副詞、或いは文の前に位置して、これ等を修飾する。 形容詞と同様、副詞は形を変えることはない。
比較級、最上級の作り方は形容詞と同じ。 詳しくはホームページ11号を参照。
12) 構成詞
「2時間速習」 で紹介したものに少し加えておきます。 NOA 以外はどれも O オ で始まる。
構成詞 | 意味 | 英語 |
OnD オンドゥ | そして、及び | and |
OnP オンプ | そして、及び | and |
OnS オンス | そして、及び | and |
OA オア | 又は | or |
OAP オアプ | 又は | or |
OAS オアス | 又は | or |
OI オイ | 又は | exclusive or |
On オン | 〜対−−(交換、取引) | per |
OU オウ | 又は | and/or |
NOA ノア | いずれでもない | nor |
OENI オエニ | それゆえ | therefore |
OKyLI オキュリ | 結果として | consequently |
OOZ オーズ | 何故なら | because |
OTT オットゥ | しかし | but |
OZn オズン | それから、その後 | and then |
OZUn オズーン | それからしばらくして | and then |
13) 修飾詞
「2時間速習」 にあるものに少し追加しよう。 詳しくはホームページ12号 を参照。
修飾詞は、名詞 (代名詞、動名詞) と結合するものと、動詞 と結合するものの二種類ある。
1類の修飾詞の語尾に L ル を付けたものが2類の修飾詞になる。
修飾詞は、1類では、「名詞(代名詞、動名詞) + 修飾詞」 又は 「動詞 + 修飾詞」 という形で、2類は、
「修飾詞 + 名詞(代名詞、動名詞)」 又は 「修飾詞 + 動詞」 という形で用いられる。 名詞、代名詞、
動名詞に形容詞や副詞が付いて、名詞、代名詞、動名詞が省略される場合もある。 その場合は、名詞、
代名詞、動名詞は姿を現さないから、1類は、「形容詞(副詞) + 修飾詞」 という形になり、2類は、
「修飾詞 + 形容詞(副詞)」 という形になる。
先ず 名詞と結合する修飾詞 を見よう(使用頻度が高い、又はやや高そうなものだけ 計35語)。
(注) 下表でピンク色のセルにはいっている EF/EFL, EG/EGL, EN/ENL の三つは名詞の他、
形容詞、副詞、動詞 とも結び付くことができる。 これは、仮定、譲歩表現をより簡単に作れる
ように機能強化したものです。
1類 | 2類 | 意味 | 英語 |
AB アブ | ABL アブル | 〜についての、〜について | about |
AE | AEL | 〜を除いた、〜を除いて | except for |
AF | AFL | 〜の後の、〜の後で | after |
AI | AIL | 〜までの、までに (期日) | by (期日までに返済する) |
AN アヌ | ANL アヌル | 〜と比べて (比較文で頻出する) | compared to |
AT | ATL | 〜での、〜で (場所。場所の大小は関係なし) | at |
AY アユ | AYL アユル | 〜による、〜によって (受動態の文に頻出) | by |
IC イツ | ICL イツル | 〜までの、までに | untill (期日まで動作を継続する) |
ID | IDL | 〜のせいで (風邪のせいで-- 風邪 ID) | because of |
IG | IGL | 〜が上手 (私は数学が得意-- SE 数学 IG RI。) | good in 〜 (SE RI IGL math.) |
IK | IKL | 〜の前で (駅の前で-- 駅 IK) | in front of (IKL station) |
IL イル | ILL イッル | 〜に似た、のような、のように (彼のように-- 彼 IL) | like, as |
IM | IML | 〜からの、〜から | from |
IN イヌ | INL イヌル | 〜の中の、〜の中で | in |
IO イオ | IOL イオル | 〜の利益のための、ために | for |
IT イトゥ | ITL イトゥル | 〜の中へ (外から中へ) | into |
IY イユ | IYL イユル | 〜に加えて | in addition to |
IZ イズ | IZL イズル | 〜と一緒の、一緒に、〜付きの | with |
UA | UAL | 〜にとって | to |
UB | UBL | 〜の (所属) | of |
UD | UDL | 〜の下の、下で | under |
UE | UEL | 〜が原因で (訃報に驚く、悲しむ、怒る-- 訃報 UE) | with 〜 (with BOI sad news) |
UL ウル | ULL ウッル | 〜に似ず、〜とは異なり (彼とは異なり-- FE UL) | unlike |
UN ウヌ | UNL ウヌル | 〜の上の(に)、〜に接した | on |
UO | UOL | 〜の前の、前に | before (期日よりも前の動作) |
UT | UTL | 〜へ (方向) | to |
UY ウユ | UYL ウユル | 〜の先 (この線から先に入るな) | beyond 〜 |
UZ ウズ | UZL ウズル | 〜の他の、〜の他に | besides |
EA | EAL | 〜の時の、〜の時に | at (time) |
ED | EDL | 〜のための、ために、〜を求める、〜を求めて | for/seeking |
EF | EFL | もし 〜 ならば | if |
EG | EGL | もし 〜 ならば (排他的な if ) | iff (exclusive if) |
EN エヌ | ENL エヌル | たとえ 〜 でも、 〜 としても | even if |
ET | ETL | 〜をわきに置いて、棚上げして | putting the thing side |
EU | EUL | 〜に順じて、〜に従って、〜に沿った(て) | in accordance with |
続いて 動詞 と結合する修飾詞 (以下の6語のみ)。
1類 | 2類 | 意 味 | English |
---|---|---|---|
BI ビ | BIL ビル | 〜するには、〜して | to不定詞 |
CI ツィ | CIL ツィル | 〜する程の、〜する程に | to不定詞 |
DI ディ | DIL ディル | 〜するための、するために | to不定詞、 in order to -- |
FI フィ | FIL フィル | 〜するなら | if |
GI ギ | GIL ギル | 〜するなら | iff (only if ) |
JI ジ | JIL ジル | 〜しながら、〜しつつ | while, as |
(注) 最新 Version 3.2 (2023. 05. 08) で、 BI (BIL) と CI (CIL) の意味を交換しました。
使用頻度の高い後に発音しやすい B 音を充て、使用頻度の低い語に発音し難い C 音
を充てることにしたものです。 CI (CIL) と DI (DIL) には形容詞用法と副詞用法の双方
あるが、BI (BIL) には副詞用法しかない。
(参考) ホームページ10号の最後の 「まとめ」 や 12号の 3) は、ノシロ文法の修飾詞、節理詞、
及び準動詞の 相関表 になっていますのでご利用下さい ( 並べ 方が少し異なります) 。
14) 節理詞
「2時間速習」 でご紹介したものに少し追加しておきます。
● 名詞節を導く節理詞 (1、2類同形)
1類 | 2類 | 意味 | 参考(英語の接続詞) |
My ミュ | My ミュ | 〜ということ | 英語の名詞節を導く that に相当 |
Dy デュ | Dy デュ | 〜かどうか | whether に相当 |
● 形容詞節を導く節理詞 (修飾詞由来の節理詞 (下側の三つ) は、1、2類で形が異なる)
1類 | 2類 | 意味 | 参考 (英語の接続詞) |
Ky キュ | Ky キュ | 〜ところの | who, which, that を一つにまとめたもの |
XU シュー | XU シュー | 〜するところのもの | 先行詞を含む関係代名詞 what |
UUK ウーク | UUKL ウークル | 〜する、〜である | 同格の that |
EEA エーア | EEAL エーアル | 〜する時の | when |
EED エードゥ | EEDL エードゥル | 〜するための | to do that |
● 主に副詞節を導く節理詞 (飾詞由来のもの (AAB/AABL から EEL/EELL まで) は、1、2類で形が異なる)
1類 | 2類 | 意味 | 参照 (英語の接続詞) |
AAB アーブ | AABL アーブル | 〜について | about that 〜, concerning that 〜 |
AAE | AAEL | 〜を除いて | except that 〜 |
AAF | AAFL | 〜の後 (時) | after |
AAI | AAIL | 〜までの、までには | by the time |
AAS | AASL | 〜以来 | since |
AAT アートゥ | AATL アートゥル | 〜で (場所) | where |
IIC イーツ | IICL イーツル | 〜まで (動作の継続) | until |
IID | IIDL | 〜という理由で | because of |
IIL イール | IILL イーッル | 〜のように | as like |
UUC ウーツ | UUCL ウーツル | 〜無しで | without that 〜 |
UUO | UUOL | 〜の前に (時) | before |
UURP ウールプ | UURPL ウールプル | 〜する間に | while |
UUS ウース | UUSL ウースル | 〜だけれども | although |
EEA | EEAL | 〜する時に | when |
EED | EEDL | -- が 〜すめために -- が 〜するように -- が 〜できるように |
in order to do that so that -- do so that -- can do |
EEF | EEFL | もし 〜 ならば | if |
EEG | EEGL | もし 〜 ならば (排他的) | iff (if and only if) |
EEK | EEKL | と仮定して | suppose that 〜 |
EEL エール | EELL エーッル | 〜する限り | as long as |
EEN エーヌ | EENL エーヌル | たとえ 〜 であるとしても | even if |
ALES アレス | ALES アレス | もし 〜 しないなら | if --- not |
NVAL ヌヴァル | NVAL ヌヴァル | 〜しないように | lest |
PLO プロ | PLO プロ | 〜するにつれて 〜に応じて |
as |
YUD ユードゥ | YUD ユードゥ | 〜するように | so that one do 例) 子供が勉強するように、 例) 子供達が火傷をしないように (動詞の前に NAI が必要) |
YUM ユーム | YUM ユーム | 〜できるように | so that one can do 例) 老人達が体操出来るように |
(注) 最後の五つ、ALES, NVAL, PLO, YUD, YUM は修飾詞由来ではないから、1、2類が同形となる。
15) 助詞
何種類もの助詞がある。 主なものを簡単に紹介します。助詞は小粒ですがその威力は大変大きい。
詳しくはホームページ11号の 「助詞」 を参照して下さい。
● 要素助詞
人称代名詞と疑問詞以外のものが主語になるときは、その主語に −W ワ を付ける。
名詞節中の目的語には −O オ を付け、修飾節 (形容詞節 と 副詞節) 中の目的語には −L オル を付ける。
名詞節中の補語には −E エ を付け、修飾節中の補語には −Q エチュ を付ける。
これらの −W,−O,−L,−E,−Q を要素助詞という。 (注) −E と −Q はしばしば省略される。
● 時制助詞
動詞の後に付けられる −T タ と −R レ を時制助詞という。 −T は過去時制、−R は未来時制を表す。
● 進行助詞
動詞の後に付けられる −In イン を進行助詞という。 英語の現在進行形と同じ。
● 態助詞
動詞の後に付けられる −ZE ゼ を態助詞という。 時制助詞、進行助詞、態助詞が重なる時の順序は、
動詞−TInZE タインゼ や、 動詞−RInZE レインゼ のようになる。
● 譲歩助詞
「2時間速習」 では紙数制限が厳しいので割愛しました。 ノシロ語の譲歩助詞は、 HRA フラ, CRA ツラ,
NRA ヌラ, VRA ヴラ の四つ。 以前は三つだったが、改良強化して四つになりました。 語呂合わせ
(頭文字を取って) して、 フツーノヴラ などと覚えましょう。
HRA フラ を名詞や動詞や形容詞や副詞の前に置くと、「名詞等の内容がどうであれ」 という意味になる。 英語の
whatever (何であれ) や whichever (どちらであれ) のようなもの。
HRA HA フラ ハ 何であれ
HRA HI フラヒ どちらであれ
HRA HU フラ フー 誰であれ
HRA HE フラヘ 何時であれ
HRA HO フラホ 何処であれ
HRA HUM フラ フーム 誰のものであれ
HRA XU フラシュー 〜ところのものは何であれ (XU は関係代名詞で英語の what )
HRA ME フラ メ あなたがどんな人であれ (職業、振る舞い、性格等々)
HRA IYUS フラ イユース どのように欲しようとも (むさぼる、丁寧に求める等々)
HRA EILO フラ エイロ どのような黄色であろうとも (レモン色、からし色等々)
(注) 欲する IYUS、 黄色 EILO が斜体になっているのは標準単語 (国際標準単語) であることを示すため。
標準単語は、英語や日本語等の単語で置き換えても良い (want, 欲する, yellow, 黄色)。
例文: 何が起ころうと私は驚かない。 (注) 起こる IBAAn、 驚く IHSAZ
1類: HRA HA IBAAn、 SE NAI IHSAZ。
2類: HRAL HA IBAAn, SE NAI IHSAZ.
例文: あなたが言う (RU) ことは何であろうと正しい。 (注) 言う RU、 正しい AORA
1類: ME RU HRA XU−W AORA RI。
2類: HRAL XU−W ME RU RI AORA.
CRA ツラ は、「〜次第」 で、「あなた次第 (CRA ME)」、「価格次第 (CRA 価格)」 のごとく使う。 英語の
It's up to you. (それはあなた次第ですよ、あなたが自由に決めること) に於ける up to と同じ。
NRA ヌラ は、 「 〜 だとしても」、 「 〜 するとしても」 で、以下のように使う。
NRA SOW ヌラ ソウ そうだとしても
NRA NAI SOW ヌラ ナイ ソウ そうでないとしても
NRA IRMA OA IRDA ジュラ イルマ オア イルダ 男だろうと、女だろうと
NRA EILO OA NAI ヌラ エイロ オア ナイ 黄色 (EILO) であろうと、なかろうと
NRA ME ヌラ メ あなただとしても
NRA ME OA NAI (ME) ヌラ メ オア ナイ (メ) あなただろうと、なかろうと
NRA ITU OA NAI (ITU) ヌラ イトゥー オア ナイ (イトゥー) 行こうと、行くまいと
例文を見よう。
例文: その数は、自然数だとしても、1000 以上だろう。 (注) 以上、は TISBI。
1: TE NRA 自然数 1000 TISBI (RI)。
2: TE (RI) NRA natural number 1000 TISBI.
例文: 彼女は行くとしても、私は行かない。 (注) 行く、は ITU。
1: DAFE NRA ITU、 SE NAI ITU。
2: DAFE NRA ITU, SE NAI ITU.
NRA、 HRA、 EF の使い方を比較しておこう。 (注) EF は修飾詞 (ホームページ12号)
NRA 雨 雨だとしても (例: 雨だとしても直ぐ止むだろう、雨だとしても小雨だろう) (注)修飾詞 EN も可。
HRA 雨 どんな雨だろうと (例: 霧雨でも、強い雨でも、酸性雨でも、このレインコートは水を通さない)
雨 EF もし雨なら (例: もし雨ならロケット発射は中止だ) (注) 2類は EFL rain。
VRA ヴラ 「 〜 でも」、 「 〜 さえも」 (英語の even 〜でさえ)
以下のように使う。
例文: 私でも写せます (写真を撮れます)。 (昔の或るメーカーの TV コマーシャル)
1: VRA SE 写真−O GIMA 撮る。
2: VRA SE GIMA take picture−O.
(注) わたしは機械に弱いけれど、そんな私でさえ、この全自動カメラなら大丈夫という意。
例文: 敵は (我々に) 近づくことさえできない。
1: 敵-W (SEN-O) NAI GIME VRA 近づく。
2: Enemy-W NAI GIME VRA near (SEN-O).
(注意) 譲歩詞は、令和2年10月1日に上述の如く変更されました。
● 変換助詞
品詞を変換するための助詞。 元の単語に、 TI ティ や En エン を付けると名詞にすることができる。
S ス や P プ を付ければ他動詞に、 Z ズ や B ブ ならば自動詞に、 NA ナ や ILU イルー や
BL ブル を付ければ形容詞に、 ILU イルー や LI リ を付けると副詞に変換することが出来る。
ILU は動詞を形容詞や副詞に変換させる変換助詞 ( ILU は平成22年に追加 )。
● 後行詞や先行詞を示すための助詞
後行詞 (1類) や 先行詞 (2類) を示すには、 An アン を後行詞や先行詞の直前に置く。 短くて簡単な文なら
使う必要はない。
● 区切りを示す助詞
一般に修飾節がある文は、その修飾節の始まりや終わりが分かりにくいものである。 1類の文では、修飾節の始まりに
PA パ を置き、 2類の文では修飾節の終わりに ZA ザ を置いて、修飾節と他の部分との区切りを分かり易くする。
長文や複雑な文では必須に近い。 特にノシロ語の初学者に優しい助詞である。
● 強調したい語、句、節を示すための助詞
語を強調したいときは VI ヴィ を前に置く。 句や節を強調したいときは、それらの前に VII ヴィー を置く。 範囲を
はっきりさせたい場合は句や節を、 VII と -VII で囲む。 ノシロ語では強調表現を行っても語順が変わることはない。
(注) 英語では、強調語が文頭に来ると、 S と V の語順がひっくり返ることが多いが、ノシロ語では起こらない。
ノシロで語順が変わるのは、1、 2類間の語順の変換だけである。
● 疑問(理由)助詞
HyA (ヒャ) .... 英語の why と比べて ピンポイント で理由を尋ねることができる便利な助詞。
HyAA, (ヒャー) .... HyA と意味は同じだが常に文頭に置かれて文全体を修飾する。 HyAA の後にカンマが必要。
16) 自然詞
これは簡単過ぎて申し訳ないくらいのものです。 人が感動するときに発する音声、動植物の出す音声、宇宙から届く
音等をまとめて自然詞と呼ぶ。 例えば、 AA アー、 OO オー、 SOO ソー。
完 水田扇太郎