「Linuxとはなんぞや」という問に関しては 通信用語の基礎知識 に任せるとして、 まぁ、この先どのみち UNIX の知識は必要になることだろうから、 インストールして弄り倒して勉強しようじゃないか、というわけです。
ディストリビューションには、日本語化が進んでいることで定評のある Vine Linux を選びました。
Linux Japan 2000 年 10 月号の付録の、Vine Linux 2.0 FTP 版を使用します。
HDD には、最低でも 1GB 弱の空きが必要になります。さらに、LILO から呼び出されるブートパーティーションは、HDD の頭から 8GB 以内にある必要があります (後述)。
CD からの BOOT が可能なら、CD-ROM から起動してインストールが可能です。
私のマシンは、BIOS の Bootable CD-ROM の項目がデフォルトで disable になっています。
設定を変更するのも何だか気持ち悪いということで、本誌に書いてある方法で、
インストール用 FD を作成することにしました。空の FD を用意し、
Win98 の DOS 窓から以下のコマンドを打ち込んで、インストール用 FD を作成しました。
> cd q:\vine-2.0\images
> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f boot.img -d a:
作成したインストール用 FD から起動し、CD を挿入します。インストーラが起動するので、 その指示通りに進めば問題なく終了するはずですが、一寸判りづらい所だけ書いておきます。
当然の事ながら、インストールするパーティーションを作る必要があります。 Linux の導入には、最低 2 つのパーティーションが必要になります。
ブートパーティーションは、Linux の起動に最低限必要なファイルを格納する部分を「含む」領域で、 HDD の頭から 8GB 以内に「全てが収まっている」必要があります。どうやら、 一般的な BIOS の制限から来るモノのようです。おそらく、DOS 時代の「500MB の壁」と同種のモノなのでしょう。
スワップパーティーションは、その名の通り、メモリのスワップに使われる領域です。大体、 搭載メモリの 2 倍程度のサイズにすると良いようです ( と、高校の某先生に教えられた。信憑性は謎 )。
パーティーションを弄るのには、慣れている fdisk を使用しました。 なんとかドルイドというソフトを使うこともできるらしいです。
インストール前の状態はこんな感じ。
そしてインストールするときに、こんな感じに切ったわけです。
「Linux /boot」ってのは、前述の「8GB より前になきゃいけない」領域。「Linux root」ってのは、 ルート以下 ( 当然、/boot は除く)が入る領域です。/boot と root の ID は Linux native ( 081 位 ? )、 スワップパーティーションの ID は Linux Swap ( 082 位 ? ) にします。
( 少なくとも私の知る限りは ) UNIX 系の OS にはドライブという概念は無く、
全てのデバイスがファイルやディレクトリとして扱われます。そのため、2 つ以上の領域を扱う場合は、
一つがルートディレクトリになり、その他はルート以下のディレクトリに割り付けられます。
この場合は、起動に必要なファイルが入る /boot に一つの領域を使い、
それを 8GB より手前に納めてしまうことにより、問題を回避しました。
ちなみに、/boot には最低でも 16MB 程度の大きさが必要なようです。
ちなみに、最初にインストールするときにこのことを忘れていて、/boot も含めたルート以下全体を、 8GB 地点をまたいで確保してインストールしたら、LILO 起動時に化け化けの文字列が出て来てフリーズしました。 そして、FD から起動してもう一度インストール。さらに、2 度目には、 全てのファイルをコピーし終ったところでフリーズ。3 度目の正直でやっと正常にインストールできました。
通常、MS-DOS や Windows をインストールするときには、
fdisk でインストールするパーティーションのブート可能フラグを立てますが、
なぜかこのフラグを立てなくても Linux は問題なく起動しました。
LILO ( 後述 ) がこのフラグを参照しなくても問題なく動作するためでしょうか。
fdisk で新しく領域を作成するときに、「基本領域」と「拡張領域」のどちらを作成するか尋ねられます。
領域は、基本領域のみの場合、最大 4 つまで作成できますが、それで足りない場合は、
1 つを拡張領域として、その中にさらに領域を作成していきます ( ネストになる )。
私の場合は、使っている領域が一つだけで、別の OS を導入する予定も無いので、全て基本領域で作成しました。
あと、試しに拡張領域を作成してみたら、サイズが非常に小さくなってしまいました。原因は不明。ん〜。
LILO ( Linux Loader ) は、ブートマネージャといわれるプログラムの1つで、 OS を起動するためのソフト、という位置付けになる……と思います。 複数の OS をインストールしてある場合は、起動する OS の選択に使用します。
インストーラの解説にもある通り、LILO は以下の場所にインストールします。
/etc/lilo.conf というファイルで LILO の設定ができます。デフォルトで起動する OS や、 OS が自動的に起動するまでの時間等を変更することができます。 属性は 755 位になっているので、su コマンドで root になってから編集して下さい。 編集後、/sbin/lilo を実行すると設定が有効になるようです。
GUI を提供する、X Window System の設定を行います。ビデオボードとディスプレイの設定が主です。
自動的にハードウェアの検出と設定が行われますが、上手く設定されませんでした。テストしてみると、
画面がちらついて、いかにも目に悪そうな感じになっています。「メッセージが見えますか ?」のダイアログは、
どっちを押しても同じようですが、とりあえず「いいえ」を押しておきます。
さらに、「X で使用する解像度を設定する」( だっけ ? ) にチェックを入れ、
次の画面で、使用する解像度と色数にチェックを入れておきます。
( 2 つ以上チェックすると一番ショボいのが使われるようなので、1 つだけチェックするが吉)
あと「ログインに GUI を使用する」にもチェックを入れておきました。 ログイン時にウィンドウマネージャを指定できるのが良いのです。
インストール後に、より細かい設定をします。
WindowMaker ( ウィンドウマネージャ……だよね ) を起動して、デスクトップ ( と言うのか、この場合 )
上で右クリックメニューから、[ユーティリティ] - [管理ツール] - [各種設定 (setup)] で設定を行います。
このとき、root で無い場合は root の password を訊いてきます。
ここで行った設定は、以下の通りです。
ディスプレイの下に付いてるボタンやらジョグダイアルやらで設定するような、 モニタの表示設定をするプログラムです。表示の微調整はこれで行うと良いでしょう。
X Window System は OS ではなく、〜 Windows3.1 のように、OS 本体の上で動く、
GUI を提供するミドルウェアというような位置づけになります。
正確には、その GUI のカーネルのようなものが X Window System で、
GUI のルック & フィール等は、ウィンドウマネージャによって実現されます。
さらに、そのウィンドウマネージャの上で、ドラッグ & ドロップや、Windows のような
「デスクトップ」等の機能を提供するソフトが存在し、それが「GNOME」や「KDE」になります。
Gnu Network Object Model Environment の略で、GNU 謹製のデスクトップ環境です。 「ぐのーむ」( G を発音する ) と読みます。多国語化が比較的容易らしいです。
"K" Desktop Environment の略です。詳しくは判りません。
WindowMaker ( ウィンドウマネージャだけ ) で充分です。高校の時は fvwm95 だったしね〜。
特に迷うような項目もなく、さらさらとインストールが進行して終了すると思います。 HDD のフォーマット時に不良セクタのチェックをするように設定していると、 結構時間が掛かるので、風呂にでも入って気長に待ちましょう。
再起動が掛かり、インストールが終了します。この後、前述の X の設定だとか、 LILO の設定だとかを行って、一通り終了となります。