ソウルの練習問題 これは古い本だ! 初版が1984年だから80年代初頭の韓国(と日本人)の様子が克明に分かる名著です。少し前までは韓国に興味のある人のバイブル的存在でした。私は1988年発刊の第13刷を持っているのですが、この当時はここまで韓国について詳しく書かれた本はなかったように思います。「朝鮮民族を読み解く」にしても「コリアン世界の旅」にしても90年代の作品ですから、まさにこれが原点といえるのではないでしょうか。この本が初めて出てから20年以上たちますが、この本を超える韓国関連の作品は、そうたくさんはないように思います。 内容は、80年代に韓国に飛び込んでいった著者の体験が克明に書かれています。韓国人とやりとりしながら、悩みながら理解を深めていくという。韓国は1988年のソウルオリンピックで劇的にかわったといわれているけど、この本はその前の韓国、オリンピックに向かって走り出した熱気というものが伝わってくる貴重な本ですから、ぜひ手に取ってみてください。 なお、紹介の本は新装本のようです。 著者:関川夏央 「海峡を超えたホームラン」「東京から来たナグネ」などの著作あり